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お仕事ちゅ
No.2 認めてもらうには?
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『それで?』
打ちのめされて帰った次の日、電話をくれた新垣さんに会社での事を話した。
で、この反応……。
『黙ってたら分からんだろ?』
「は、はい…」
『それで お前はどうするんだ?』
どうするんだって言われても…。
『俺が出向いてコイツを苛めるなって言えばイイのか?』
「そんなっ!!」
そんな事は頼んでない!!
『無理だと思うなら早めに辞めればイイ。むしろダラダラ来られたら会社が迷惑だ』
ひ、ひど……。
『頑張る気なら、その妊婦に認めてもらうとこから始めなさい。お前が仕事できないのは当たり前だが、今日より確実に次は出来るようになればいい』
次はって…。
「そんな簡単に出来るようになるなら悩まないよ」
『何も完璧にする必要はない。今日より出来てればイイんだよ』
「今日より?」
『そうだ。なんで出来なかったのか思い出してみろ』
「え、えと、隙間に商品を入れる時に倒れてきちゃって…」
『横のがか?なら倒れないようにするには、どうしたらイイ?』
「え、えと。た、倒れないように押さえる?」
『そうだな』
な、なんか簡単だな~(泣)
『お前、今そんな くだらん事をって思っただろ?』
「え?そ、そこまでは…」
『いいか?慣れない仕事をする時には周りが見えなくなるもんだ。だからこそ、そういう細かいトコに気を配らなきゃいけない』
「は、はい」
『改善提案書みたいのを作るとイイかもな。これを失敗したけど、こうしたら成功した、みたいな』
「改善提案書?」
『工場とかなら普通ないか?』
わ、分からないですけど。
『量が出来ればイイ訳じゃない。綺麗に出来て当たり前だ。そういう意味では、むしろ今のうちに綺麗に出来るように癖をつけとけ』
「は、はい」
『100、200と数をこなしていけるようになった時、こういう細かい事が出来るか出来ないかで製品の質が変わってくる』
「はい」
『お前の武器はクソ真面目なとこだ。不器用だし覚えも悪いが慣れたら応用力もある。会社にとって大事な人材になれるはずだ』
新垣さん……
ポロポロと涙が溢れる。
私の存在価値なんてないような扱いを受けてきたから、なおさら身に染みる(泣)
「わ、私、頑張ります!!」
『おう、頑張れ』
「こ、今月中に、その妊婦さんに認めてもらえるように一生懸命やります!!」
『課題がいっぱいになるとパニクるのが お前の悪い癖だ。落ち着いて1つずつ処理していきなさい』
「はい!!」
『今は誰も お前に期待なんかしてない。でも、いつか会社になくてはならない人間になれ』
「わかりました!!」
必要とされたいなら、必要とされる人間になるんだ!!
『まぁあんまり頑張りすぎて会社辞めれんのも困るけどな』
「え?」
まだ正式な社員になって半年も経ってないのに辞める話ですか!!
『俺は古い人間だからな。結婚したら家庭に入って欲しいんだよ』
「そ、そうなんですか?」
『子供が小さいうちは母親に家に居てほしいと思うのは男のワガママか?』
「そんな事ないです。私も子供が寂しいと思っちゃうのは嫌です」
『学校行ってる間とかにパートに出るのはイイ。ただ、小さい時は家に居てくれよ』
「はい」
それは胸が温かくなるような甘い約束だった。
「でも意外でした。新垣さんでも改善提案書とか書いて仕事してた時期があったんですね!!」
『はっ?そんな訳あるか!!お前専用の解決策に決まってるだろ!!』
ええ!?(泣)
打ちのめされて帰った次の日、電話をくれた新垣さんに会社での事を話した。
で、この反応……。
『黙ってたら分からんだろ?』
「は、はい…」
『それで お前はどうするんだ?』
どうするんだって言われても…。
『俺が出向いてコイツを苛めるなって言えばイイのか?』
「そんなっ!!」
そんな事は頼んでない!!
『無理だと思うなら早めに辞めればイイ。むしろダラダラ来られたら会社が迷惑だ』
ひ、ひど……。
『頑張る気なら、その妊婦に認めてもらうとこから始めなさい。お前が仕事できないのは当たり前だが、今日より確実に次は出来るようになればいい』
次はって…。
「そんな簡単に出来るようになるなら悩まないよ」
『何も完璧にする必要はない。今日より出来てればイイんだよ』
「今日より?」
『そうだ。なんで出来なかったのか思い出してみろ』
「え、えと、隙間に商品を入れる時に倒れてきちゃって…」
『横のがか?なら倒れないようにするには、どうしたらイイ?』
「え、えと。た、倒れないように押さえる?」
『そうだな』
な、なんか簡単だな~(泣)
『お前、今そんな くだらん事をって思っただろ?』
「え?そ、そこまでは…」
『いいか?慣れない仕事をする時には周りが見えなくなるもんだ。だからこそ、そういう細かいトコに気を配らなきゃいけない』
「は、はい」
『改善提案書みたいのを作るとイイかもな。これを失敗したけど、こうしたら成功した、みたいな』
「改善提案書?」
『工場とかなら普通ないか?』
わ、分からないですけど。
『量が出来ればイイ訳じゃない。綺麗に出来て当たり前だ。そういう意味では、むしろ今のうちに綺麗に出来るように癖をつけとけ』
「は、はい」
『100、200と数をこなしていけるようになった時、こういう細かい事が出来るか出来ないかで製品の質が変わってくる』
「はい」
『お前の武器はクソ真面目なとこだ。不器用だし覚えも悪いが慣れたら応用力もある。会社にとって大事な人材になれるはずだ』
新垣さん……
ポロポロと涙が溢れる。
私の存在価値なんてないような扱いを受けてきたから、なおさら身に染みる(泣)
「わ、私、頑張ります!!」
『おう、頑張れ』
「こ、今月中に、その妊婦さんに認めてもらえるように一生懸命やります!!」
『課題がいっぱいになるとパニクるのが お前の悪い癖だ。落ち着いて1つずつ処理していきなさい』
「はい!!」
『今は誰も お前に期待なんかしてない。でも、いつか会社になくてはならない人間になれ』
「わかりました!!」
必要とされたいなら、必要とされる人間になるんだ!!
『まぁあんまり頑張りすぎて会社辞めれんのも困るけどな』
「え?」
まだ正式な社員になって半年も経ってないのに辞める話ですか!!
『俺は古い人間だからな。結婚したら家庭に入って欲しいんだよ』
「そ、そうなんですか?」
『子供が小さいうちは母親に家に居てほしいと思うのは男のワガママか?』
「そんな事ないです。私も子供が寂しいと思っちゃうのは嫌です」
『学校行ってる間とかにパートに出るのはイイ。ただ、小さい時は家に居てくれよ』
「はい」
それは胸が温かくなるような甘い約束だった。
「でも意外でした。新垣さんでも改善提案書とか書いて仕事してた時期があったんですね!!」
『はっ?そんな訳あるか!!お前専用の解決策に決まってるだろ!!』
ええ!?(泣)
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