この恋に殉ずる

冷暖房完備

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なんとなくオマケちゅ

神谷 小百合 目線

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ピンポーン
 
真夜中のチャイム。
こんな時間の来訪者なんて、女の一人暮らしで開ける訳がない。
 
ピンポーン
 
おいおい。ここは借り上げとはいえ、会社の寮だよ?
こんな時間に誰だ!!
 
そ~と覗き穴で確認してヤバそうなヤツなら警察にソッコー通報だ。
 
「あ~け~て~」
抜き足 差し足……なんて やる前に間の抜けた声がした。
 
ガチャ
 
「こんな時間に なんの用だよ智恵子」
「えへ。きちゃった」
 
きちゃった、じゃないよ!!
 
「あんた明日も仕事って分かってる?て、酒くさいな!!」
「一緒に飲もうよ~」
「帰れ。もう寝るから」
「え~。とか言いながら見捨てられないのが小百合のイイとこなのよね~」
ズカズカと押し入ってくる悪友。
「うるさい。静かに入れ」
「はぁぁい」
 
この世で一番 やっかいなのが女の酔っぱらいだと思う。
まぁアタシも酔っぱらうから人のこと言えないけどね。
 
いつもと様子が違うのは分かってたし、それが最近 男と別れたことも少なからず関係してるとは思うから徹夜で仕事に行くことになるだろうが見捨てられない。
 
まぁ逆の時もあったからね~。
 
 
 
 
 
 
「でね、友達でも会いたいって言っちゃったんだよね~。そんなこと言うつもりも なかったのにね~」
「あ~はいはい。もう何度目だよ。いい雰囲気だったから、つい言っちゃったんでしょ?」
「そ~そ~!小百合ったらエスパー?大当たりだよ~」
 
耳にタコだっつうの。
 
「こ~んなカッコ悪いこと、できないと思ってたけどね~。んで、見事にふられましたよ。同じ男に二回も!!」
きゃはははと笑う姿が痛々しい。
「そんな無理して笑う必要ないわよ。それに お互い嫌いで別れた訳じゃないんだし、復縁も なきにしもあらずだわ。まぁ、原因は女だろうね」
びくっと智恵子の体が跳ねる。
「そうじゃなきゃ こんだけ長く付き合ってて別れ話なんてしないわよ。きっと自分が優位に立てるような安い女に引っ掛かって夢見ちゃってんだろうね」
 
若さだけが売りの頭の軽い、ついでに お尻も軽い女に引っかかったんだろうと安易に推測できる。
 
「でも時間がたてば誰が一番 自分に合ってるか気づくはずだよ」
 
智恵子ほどイイ女はいないと女のアタシでも思う。
それくらい中身も外見も完璧だ。
 
「ん~。なんだろうね~。それはそれで嫌だわ~」
「はぁ?」
「ふられちゃったのは悲しいけど。スゴく悲しいけど、そんな お手軽な女の子じゃなくて本気の本気で好きになっちゃったぁってのがイイ」
「なんじゃそりゃ」
 
意味が分からん。
 
「この人じゃなきゃダメだって人に取られたなら仕方ないって思えるもん」
「アタシには理解できんわ」
くいっと焼酎を煽る。
「征二には幸せになってほしいからさ~。まぁホントはアタシが幸せにしたかったけどね~」
「智恵子……」
「好きだった。ずぅぅと好きだったよ~。この先も ずぅぅと一緒にいられると思ってたんだけどね~」
ツマミのチョコを飛行機のように飛ばしながら笑う。
「仕方ないよね。仕方ない、けど……ちょこっとくらいなら仕方なくないって、泣いてもイイ、よね」
ポロポロと涙が こぼれる。
アタシは何も言わずに智恵子を抱きしめた。
「ちょこっとってより呪ってもイイんじゃないの?アタシなら八つ裂きにするよ?」
「ふふふ。他に誰かいたかも分からないのに…」
「まぁあれだ。EDだかETだかで立たなくなって身を引いたんだよ。不能に こんな美女は もったいないわ」
「あはははははは。不能って!!」
智恵子が思わず笑いだす。
 
良かった、とりあえず これは本気の笑顔だな。
まぁ顔も見たことない男には「種なし能なしクソ男」ってことで落ち着いてもらおう。
 
「アタシらは若くないんだから いつまでも昔の男に縛られてちゃダメだ。てことで来月の街コン、あんたも参加しなさい」
「え~?それ、ただ酒 飲めるの~?」
「飲める飲める」
「なら行く~」
「なら早く寝ろ。寝て起きたら未来は明るいよ」
「うん。じゃあ寝る~」
言うが早いか、こてんと横になると爆睡した。
 
のび太くんか!!
 
呆れてものが言えんけど、いちおう毛布は かけてやるか。
 
 
 
 
 
 
星の数ほど出会いと別れがある。
智恵子、きっと あんたにも「この人じゃなきゃダメ」て人が待ってるよ。
だから、また泣いてもイイけど明日からは笑顔でいよう。
 
命 短し恋せよ乙女
 
て、もう乙女って年でもないからね。
明日から本気の婚カツ、頑張ってこう!!
 
 
 
 
 
まぁ次にいくのはアタシだけどな!!
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