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ラブラブちゅ
No.7 貢がれました?
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電気屋さんで至極の一品を見つけ、ほくほく顔の新垣さんの車は住宅街に入っていく。
少し横道に逸れると あの居酒屋の駐車場に停まった。
コランコロン
「いらっしゃいませ。あら、いらっしゃい」
小綺麗な奥様風の店員さんが新垣さんの後ろに隠れてた(てか、見えないだけの)私を見つけ、優しい笑顔になる。
「あらあら!!あらちゃん、いらっしゃい。神楽ちゃんも いらっしゃい!!」
カウンターの中の女将さんも新垣さんと私を交互に見つめ、ニヤニヤしながら声をかけてきた。
一度しか来てないのに名前 覚えてもらってる……さすがプロ!!
と密かに感動していると、先に座った新垣さんが手招きする。
「ノンアルコールとオレンジジュース。あとテキトーに何か作って」
毎度のオーダーを通し、いそいそとカメラを箱から出す。
「……楽しそうですね」
「そうでもないぞ?」
いやいや!!あんた鏡 見てこいよ!!
小さな湯豆腐の おとうしが出され舌鼓を打ちながら、操作方法などを語られる。
んが、絶対 私に触らせないとこを見ると当分カメラ係は新垣さんなんだろうなぁと思った。
「はい、トンテキ」
いつもは小綺麗な奧さま風の従業員さんが来るのに なぜか女将 直々に持ってきてもらえた。
え?え~!?そこそこ混んでるのにイイの~!?
それは新垣さんも思ったようでトンテキをもらう手が にぶる。
「ちゃんと紹介してくれるのよね?」
え?
「……めざといですね」
「客商売だからね」
「……………」
え?え!?
「お前、トイレ行ってこい」
「え~!?出ません出ません!!」
ちっ!?今 舌打ちしたよね!?なんでだ~(泣)
「なら車にカメラ片付けこい」
「だから なんで~!?」
急に怒りだしたみたいに むっつりする新垣さん。
「こんな寒空に放り出したら可哀想よ?それとも神楽ちゃんの前では言えない関係なの?」
女将さんがニヤニヤしながら言う。
え!?
不安になり新垣さんを見上げると、はぁぁぁと大量の空気を吐いて苦笑いした。
「……ちょっと前から付き合ってます」
「あらあらあらあら!!」
居心地わるそうに ほんのり頬を染める新垣さんと急に乙女のようにテンションの上がる女将さん。
「前に来たとき、ちょっとイイ雰囲気だと思ったのよね~」
えーーー!?メッチャ食べてドタバタして帰った記憶しかありませんけど!?
「いい顔してたからね~」
「俺は もともと顔はイイんで」
「あ~はいはい。じゃあ神楽ちゃん、ゆっくりしてってね」
「は、はい」
スキップしながら帰る女将……それを嫌そうに見つめる新垣さん。
「紹介するって約束してたんですか?」
頭に浮かんだ疑問を口に出す。
「……いや」
「え?ならなんで……」
「ただ気になっただけだろ?」
え?えーーー!?
「こ、こういうとこの女将さんて見ざる言わざる聞かざるなんじゃないんですか?」
「高級料亭でもあるまいし、大衆居酒屋じゃこんなもんだ」
「そ、そうなんですか?」
「女将の名誉のために言っておくが聞いたらダメなことも分かってるし、人に話したりもしない」
あ、そうなんですか?なんか知りたがりの噂好きなんだと勝手に思ってました。
「じゃあなんで聞いたんですかね」
「趣味だ」
え、え~(泣)
「お前のこと可愛い可愛い言ってたからな。こうやって二人で来たら絶対 聞かれるとは思ってたが……」
せめて一人の時に聞いて欲しかったと、ぶちぶち言ってた。
「そ、それは新垣さんの彼女として合格ってことですか?」
「なんで女将の許可がいるんだ。俺が決めたんだよ」
「は、はい」
な、なんだろ……顔が熱いです~(泣)
「お熱いとこ失礼するわね。鍋焼きうどんです」
クスクスと笑いながら小綺麗な奧さま風の従業員さん。
「祐子さんまで からかわないでください」
「ふふふ。ごめんなさいね」
まったく悪いと思ってないように優しい笑顔を向けて戻っていく。
「意外と新垣さん、好かれてますね」
「意外ってなんだよ」
いえ別に……。
少し横道に逸れると あの居酒屋の駐車場に停まった。
コランコロン
「いらっしゃいませ。あら、いらっしゃい」
小綺麗な奥様風の店員さんが新垣さんの後ろに隠れてた(てか、見えないだけの)私を見つけ、優しい笑顔になる。
「あらあら!!あらちゃん、いらっしゃい。神楽ちゃんも いらっしゃい!!」
カウンターの中の女将さんも新垣さんと私を交互に見つめ、ニヤニヤしながら声をかけてきた。
一度しか来てないのに名前 覚えてもらってる……さすがプロ!!
と密かに感動していると、先に座った新垣さんが手招きする。
「ノンアルコールとオレンジジュース。あとテキトーに何か作って」
毎度のオーダーを通し、いそいそとカメラを箱から出す。
「……楽しそうですね」
「そうでもないぞ?」
いやいや!!あんた鏡 見てこいよ!!
小さな湯豆腐の おとうしが出され舌鼓を打ちながら、操作方法などを語られる。
んが、絶対 私に触らせないとこを見ると当分カメラ係は新垣さんなんだろうなぁと思った。
「はい、トンテキ」
いつもは小綺麗な奧さま風の従業員さんが来るのに なぜか女将 直々に持ってきてもらえた。
え?え~!?そこそこ混んでるのにイイの~!?
それは新垣さんも思ったようでトンテキをもらう手が にぶる。
「ちゃんと紹介してくれるのよね?」
え?
「……めざといですね」
「客商売だからね」
「……………」
え?え!?
「お前、トイレ行ってこい」
「え~!?出ません出ません!!」
ちっ!?今 舌打ちしたよね!?なんでだ~(泣)
「なら車にカメラ片付けこい」
「だから なんで~!?」
急に怒りだしたみたいに むっつりする新垣さん。
「こんな寒空に放り出したら可哀想よ?それとも神楽ちゃんの前では言えない関係なの?」
女将さんがニヤニヤしながら言う。
え!?
不安になり新垣さんを見上げると、はぁぁぁと大量の空気を吐いて苦笑いした。
「……ちょっと前から付き合ってます」
「あらあらあらあら!!」
居心地わるそうに ほんのり頬を染める新垣さんと急に乙女のようにテンションの上がる女将さん。
「前に来たとき、ちょっとイイ雰囲気だと思ったのよね~」
えーーー!?メッチャ食べてドタバタして帰った記憶しかありませんけど!?
「いい顔してたからね~」
「俺は もともと顔はイイんで」
「あ~はいはい。じゃあ神楽ちゃん、ゆっくりしてってね」
「は、はい」
スキップしながら帰る女将……それを嫌そうに見つめる新垣さん。
「紹介するって約束してたんですか?」
頭に浮かんだ疑問を口に出す。
「……いや」
「え?ならなんで……」
「ただ気になっただけだろ?」
え?えーーー!?
「こ、こういうとこの女将さんて見ざる言わざる聞かざるなんじゃないんですか?」
「高級料亭でもあるまいし、大衆居酒屋じゃこんなもんだ」
「そ、そうなんですか?」
「女将の名誉のために言っておくが聞いたらダメなことも分かってるし、人に話したりもしない」
あ、そうなんですか?なんか知りたがりの噂好きなんだと勝手に思ってました。
「じゃあなんで聞いたんですかね」
「趣味だ」
え、え~(泣)
「お前のこと可愛い可愛い言ってたからな。こうやって二人で来たら絶対 聞かれるとは思ってたが……」
せめて一人の時に聞いて欲しかったと、ぶちぶち言ってた。
「そ、それは新垣さんの彼女として合格ってことですか?」
「なんで女将の許可がいるんだ。俺が決めたんだよ」
「は、はい」
な、なんだろ……顔が熱いです~(泣)
「お熱いとこ失礼するわね。鍋焼きうどんです」
クスクスと笑いながら小綺麗な奧さま風の従業員さん。
「祐子さんまで からかわないでください」
「ふふふ。ごめんなさいね」
まったく悪いと思ってないように優しい笑顔を向けて戻っていく。
「意外と新垣さん、好かれてますね」
「意外ってなんだよ」
いえ別に……。
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