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並木 智恵子 目線
No.5 思惑
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「stop!!stop、チエコ!!」
吉田さんが退出したのを きっかけにアタシも席を立った。
それを慌てて追いかけてきたジョージは店先で店員に止められた。
ちょうど停まってたタクシーに乗り込み、その場を後にした。
「パパ!!」
「お、おお。おかえり、智恵子」
諸悪の根源は書斎で のんびりドライバーを磨いていた。
「なんなの!?競合相手がE・J社なんて聞いてないんだけど!!」
「言ってないからな」
は!?
「まぁそう怒るな。これは形だけの競合で実質ただの見合いだ」
「はあああん!?」
思わずドスの効いた声音になる。
「あちらの息子さんが お前を気に入ったみたいでね。ちょうど お前も一人だし、悪い話じゃないだろ?」
「アタシに何の相談もなかったんだけど!?」
「ジョージ君は、かなり できる男だ、身元も しっかりしてるし。ジョンソン氏も智恵子ならって言ってくれている」
「だから!!アタシは何も知らなかったんだけどって言ってるよね!?」
「あんな男で女の一番 大事な時期を無駄にしたんだ。お前は選り好みできる立場じゃないぞ」
なんでもないように話す、その態度鳥肌が立つ。
「彼を悪く言わないで!!それに結婚が女の幸せなんて時代錯誤もいいとこだわ!!」
「ははは。そんなことを言ってるとアッと言う間に おばあちゃんだぞ?」
「もういい!!」
バン!!と音をたてて書斎を出る。
同じ日本人なのに、親子なのに、この人とは何一つ会話が噛み合わない。
アタシの父親だからって征二は何年も何年も根気よく二人の関係を認めてもらおうと頑張ってくれてた。
だからアタシも、こんな父親でも彼に家族を作ってあげたいからって我慢した。
なのに!!
悔しい、悔しい、悔しい!!
アタシの大切な思い出を、愛した人を、あんな侮辱ってない!!
「専務、E・J社さまから お電話です」
「担当者は冴木だと伝えて」
「で、ですが……」
「つ・た・え・て」
「は、はい」
板挟みで可哀想だとは思うけど、これは断固拒否の姿勢を崩したら いけない。
そんなことしたら、その気になったと勘違いされて勝手に婚姻届を出されてしまう。
父は、そういう人だ。
さて、どうしたものか……。
アタシが征二と別れたことで、自分が頑張って反対したから娘の幸せを守ったと本気で思っている。
ワンマン社長が家でもワンマンじゃ家族は たまらない。
プルプル、プルプル。
「専務、あの……E・J社の……」
「あ、うん。かわるわ」
「え?」
「かわるわ」
「あ、はい」
「もしもし……」
いっそ、何もかも壊してしまおうか……。
吉田さんが退出したのを きっかけにアタシも席を立った。
それを慌てて追いかけてきたジョージは店先で店員に止められた。
ちょうど停まってたタクシーに乗り込み、その場を後にした。
「パパ!!」
「お、おお。おかえり、智恵子」
諸悪の根源は書斎で のんびりドライバーを磨いていた。
「なんなの!?競合相手がE・J社なんて聞いてないんだけど!!」
「言ってないからな」
は!?
「まぁそう怒るな。これは形だけの競合で実質ただの見合いだ」
「はあああん!?」
思わずドスの効いた声音になる。
「あちらの息子さんが お前を気に入ったみたいでね。ちょうど お前も一人だし、悪い話じゃないだろ?」
「アタシに何の相談もなかったんだけど!?」
「ジョージ君は、かなり できる男だ、身元も しっかりしてるし。ジョンソン氏も智恵子ならって言ってくれている」
「だから!!アタシは何も知らなかったんだけどって言ってるよね!?」
「あんな男で女の一番 大事な時期を無駄にしたんだ。お前は選り好みできる立場じゃないぞ」
なんでもないように話す、その態度鳥肌が立つ。
「彼を悪く言わないで!!それに結婚が女の幸せなんて時代錯誤もいいとこだわ!!」
「ははは。そんなことを言ってるとアッと言う間に おばあちゃんだぞ?」
「もういい!!」
バン!!と音をたてて書斎を出る。
同じ日本人なのに、親子なのに、この人とは何一つ会話が噛み合わない。
アタシの父親だからって征二は何年も何年も根気よく二人の関係を認めてもらおうと頑張ってくれてた。
だからアタシも、こんな父親でも彼に家族を作ってあげたいからって我慢した。
なのに!!
悔しい、悔しい、悔しい!!
アタシの大切な思い出を、愛した人を、あんな侮辱ってない!!
「専務、E・J社さまから お電話です」
「担当者は冴木だと伝えて」
「で、ですが……」
「つ・た・え・て」
「は、はい」
板挟みで可哀想だとは思うけど、これは断固拒否の姿勢を崩したら いけない。
そんなことしたら、その気になったと勘違いされて勝手に婚姻届を出されてしまう。
父は、そういう人だ。
さて、どうしたものか……。
アタシが征二と別れたことで、自分が頑張って反対したから娘の幸せを守ったと本気で思っている。
ワンマン社長が家でもワンマンじゃ家族は たまらない。
プルプル、プルプル。
「専務、あの……E・J社の……」
「あ、うん。かわるわ」
「え?」
「かわるわ」
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「もしもし……」
いっそ、何もかも壊してしまおうか……。
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