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第3章 武術大会編
3 開幕
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武術大会が開幕され、強者たちの戦いの火蓋が切られた。
男爵の初戦は、剣と盾を使う者同士の戦いとなった。
その試合を、テオドールとジュリエット、そして男爵の妻子が、観客席から見守った。
テオドールの教えを守り、特訓の成果を発揮した男爵は、危なげなく勝利する。
修行中は、相変わらずテオドールと力の差がありすぎて、男爵は強くなっていることに、実感はなかった。
だけど、危なげなく勝利したことで、男爵は手応えを感じて、一家に希望の光が差し始めた。
だが勝ち進むにつれて、戦いは過酷になり、どうにか準決勝まで駒を進めるも、男爵の肉体は悲鳴を上げていた。
準決勝からは国王と近衛騎士団が臨席して、午後に執り行われた。
第一試合は、男爵とブロッド・アックスという大男の対戦である。
ブロッドは長いメイスを自在に操るので、容易には近づけない。
男爵は、ブロッドの強烈な攻撃を、うまく盾で受け流して、相手が疲弊するのを待った。
しかしブロッドは並外れた体力により、攻撃の手を一切緩めなかった。
やがて盾で受け流しきれなかったメイスが、男爵の身体をとらえはじめ、そのうちの一発が兜に命中した。
脳震盪を起こしたように、ふらつきながら後退りする男爵。
攻めあぐねていたブロッドは、好機とばかりにメイスを大きく振りかぶって踏み込む。
一転して男爵は、ブロッドの懐に飛び込み、メイスを持つ右腕の付け根に、一撃を叩き込んだ。
悲鳴をあげてメイスを落とすブロッド。
続けざまに男爵が、攻撃をしようとしたところで、時間切れとなり、勝負は判定に持ち越された。
制限時間内に決着がつかない場合は、国王と近衛騎士団の審議を経て、勝敗が決定される。
「今の試合、我の目には、ブロッドの優勢に見えたが、レオンハルトはどう思う?」
エドワード国王は、近衛騎士団の団長・レオンハルトに意見を求めた。
「恐れながら陛下、私はオークハート男爵の方が勝っていたと思います」
「ふむ。確かに最後の一撃は、目を見張るものがあったが、それまでは防戦一方で、幾度となく攻撃を受けていた。やはり全体的に見れば、ブロッドの方が優勢だと思うのだが」
「陛下の仰る通りでございます。ですがオークハート男爵は、相手に接近するため、わざと攻撃を受けていたと思われます。そして脳震盪を起こしたように見せかけ、ブロッドを油断させて、右腕の付け根に一撃を打ち込んだのです。それによってブロッドは右手が使えなくなり、しばらくはメイスを持つことも出来なかったでしょう」
「なるほど。まさに肉を切らせて骨を断つだな――」
国王の判定により、準決勝の勝者は、オークハート男爵と告げられた。
その後、準決勝の第二試合が行われ、グレイベアが圧勝した。
グレイベアの圧倒的な強さを目の当たりにして、命がけの戦いになることを覚悟した男爵は、
「テオドール君。約束してくれ。次の試合、何があっても試合を止めるな。君が助けに入れば、私の負けになる。そうなったら絶対に、君を許さないからな」
男爵の鬼気迫る表情に気圧されたテオドールは、
「わ、わかった。約束する」
男爵の初戦は、剣と盾を使う者同士の戦いとなった。
その試合を、テオドールとジュリエット、そして男爵の妻子が、観客席から見守った。
テオドールの教えを守り、特訓の成果を発揮した男爵は、危なげなく勝利する。
修行中は、相変わらずテオドールと力の差がありすぎて、男爵は強くなっていることに、実感はなかった。
だけど、危なげなく勝利したことで、男爵は手応えを感じて、一家に希望の光が差し始めた。
だが勝ち進むにつれて、戦いは過酷になり、どうにか準決勝まで駒を進めるも、男爵の肉体は悲鳴を上げていた。
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ブロッドは長いメイスを自在に操るので、容易には近づけない。
男爵は、ブロッドの強烈な攻撃を、うまく盾で受け流して、相手が疲弊するのを待った。
しかしブロッドは並外れた体力により、攻撃の手を一切緩めなかった。
やがて盾で受け流しきれなかったメイスが、男爵の身体をとらえはじめ、そのうちの一発が兜に命中した。
脳震盪を起こしたように、ふらつきながら後退りする男爵。
攻めあぐねていたブロッドは、好機とばかりにメイスを大きく振りかぶって踏み込む。
一転して男爵は、ブロッドの懐に飛び込み、メイスを持つ右腕の付け根に、一撃を叩き込んだ。
悲鳴をあげてメイスを落とすブロッド。
続けざまに男爵が、攻撃をしようとしたところで、時間切れとなり、勝負は判定に持ち越された。
制限時間内に決着がつかない場合は、国王と近衛騎士団の審議を経て、勝敗が決定される。
「今の試合、我の目には、ブロッドの優勢に見えたが、レオンハルトはどう思う?」
エドワード国王は、近衛騎士団の団長・レオンハルトに意見を求めた。
「恐れながら陛下、私はオークハート男爵の方が勝っていたと思います」
「ふむ。確かに最後の一撃は、目を見張るものがあったが、それまでは防戦一方で、幾度となく攻撃を受けていた。やはり全体的に見れば、ブロッドの方が優勢だと思うのだが」
「陛下の仰る通りでございます。ですがオークハート男爵は、相手に接近するため、わざと攻撃を受けていたと思われます。そして脳震盪を起こしたように見せかけ、ブロッドを油断させて、右腕の付け根に一撃を打ち込んだのです。それによってブロッドは右手が使えなくなり、しばらくはメイスを持つことも出来なかったでしょう」
「なるほど。まさに肉を切らせて骨を断つだな――」
国王の判定により、準決勝の勝者は、オークハート男爵と告げられた。
その後、準決勝の第二試合が行われ、グレイベアが圧勝した。
グレイベアの圧倒的な強さを目の当たりにして、命がけの戦いになることを覚悟した男爵は、
「テオドール君。約束してくれ。次の試合、何があっても試合を止めるな。君が助けに入れば、私の負けになる。そうなったら絶対に、君を許さないからな」
男爵の鬼気迫る表情に気圧されたテオドールは、
「わ、わかった。約束する」
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