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第4章 近衛騎士団編
4 近衛騎士団
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近衛騎士団の間では、テオドールの話題で持ち切りだった。
「なぁ、宿舎の隣に、何が建つんだ?」
「なんでも今度入団する新人の住居らしい。女の子と一緒に住むから、宿舎に入れないので、新しく建てているって聞いたぜ」
「なんだそりゃ?」
「あぁ、あの女の子か。偶然見かけたけど、めちゃくちゃ綺麗だったな。新人とは、どんな関係なんだろう?」
ジュリエットとテオドールは、姉弟ということになっているが、まだ団員には知らされていない。
「もし恋仲だったら、許せんな。宿舎の隣に愛の巣をつくるなんて、羨ま……もっての外だ。入団したら、根性を叩き直してやる」
「やめとけ。新人と女の子は、陛下のご寵愛を受けているらしい。二人が陛下に不敬を働いても、咎めるなと王命があったそうだ」
「なんで、そんなに優遇されているんだ? 百年に一人の逸材といわれる団長ですら、特別扱いはされていないのに」
「さあな」
◇◆◇◆◇
近衛騎士団に初参加したテオドールは、レオンハルト団長に連れられて、練兵場へ行った。
「みんな、集まってくれ」
団長が声をかけると、団員たちは訓練を中断して集まった。
「彼は新人のテオドールだ。異国出身で片言しか喋れないし、まだ15歳なので、いろいろと教えてやってほしい」
団長に紹介されてテオドールはお辞儀した。
すると近衛騎士団の序列3位アドリアンが手を上げ、
「団長。彼について、いろいろと噂になっています。いくつか質問してもよろしいですか?」
「何だ?」
「武術大会の参加者から有望な人材を発掘して、近衛に採用するのが慣例です。参加者でない彼が、入団に至った経緯を教えてください」
「大会終了後に、私とベオウルフが彼と手合わせをした。実力は確認済みだ」
「なるほど。団長と副団長のお墨付きということですね。ですが近衛には、君主や国家への絶対的な忠誠が求められます。異国人の彼に、それがあるとは思えません。近衛ではなく傭兵として雇うべきでは?」
テオドールを敵に回さないだけでも十分に意義があるし、金銭で雇われた傭兵では敵に寝返り兼ねないだろ。
と本人を前にして、本音が言えない団長は、
「確かに我々と同じ忠誠心を、彼に求めることは難しいだろう。それでも彼が入団すれば、戦力の大幅な向上につながると確信している。だからこそ陛下は、異例の処遇をもって、近衛の一員に引き入れたのだ」
「我々は団長を信頼していますが、それでも納得のいかない者もいるでしょう。なので、それだけの価値が彼にあるのか、私に試させてもらえませんか?」
蟠りが残ったままでは、士気にかかわると考えた団長は、
「いいだろう。テオドール、入団早々で悪いが、彼と手合わせをしてくれ」
テオドールは頷いて承諾した。
試合は体術戦で、相手をダウンさせた方が勝ちとなる。
アドリアンはベオウルフに次ぐ怪力の持ち主で、体術を得意としていた。
試合開始の合図とともに、アドリアンは素早い拳と蹴りを繰り出し、テオドールを攻め立てるも、すべてが躱された。
お互い防具を着用しているとは思えない身のこなしに、他の団員は固唾をのんで見守った。
テオドールは、アドリアンの強烈な拳を掻い潜り、ボディーブローを放った。
それを真面に食らったアドリアンは、後ろにぶっ飛んでダウンした。
「そこまで」
レオンハルトは試合終了を告げた。
「ミスリルの防具でダメージは抑えられたが、それでもかなりの衝撃だったぜ。俺はアドリアンだ。これから宜しく頼む」
アドリアンは体を起こすと、テオドールに手を差し出した。
その手を握ったテオドールは、「宜しく」と返した。
「なぁ、宿舎の隣に、何が建つんだ?」
「なんでも今度入団する新人の住居らしい。女の子と一緒に住むから、宿舎に入れないので、新しく建てているって聞いたぜ」
「なんだそりゃ?」
「あぁ、あの女の子か。偶然見かけたけど、めちゃくちゃ綺麗だったな。新人とは、どんな関係なんだろう?」
ジュリエットとテオドールは、姉弟ということになっているが、まだ団員には知らされていない。
「もし恋仲だったら、許せんな。宿舎の隣に愛の巣をつくるなんて、羨ま……もっての外だ。入団したら、根性を叩き直してやる」
「やめとけ。新人と女の子は、陛下のご寵愛を受けているらしい。二人が陛下に不敬を働いても、咎めるなと王命があったそうだ」
「なんで、そんなに優遇されているんだ? 百年に一人の逸材といわれる団長ですら、特別扱いはされていないのに」
「さあな」
◇◆◇◆◇
近衛騎士団に初参加したテオドールは、レオンハルト団長に連れられて、練兵場へ行った。
「みんな、集まってくれ」
団長が声をかけると、団員たちは訓練を中断して集まった。
「彼は新人のテオドールだ。異国出身で片言しか喋れないし、まだ15歳なので、いろいろと教えてやってほしい」
団長に紹介されてテオドールはお辞儀した。
すると近衛騎士団の序列3位アドリアンが手を上げ、
「団長。彼について、いろいろと噂になっています。いくつか質問してもよろしいですか?」
「何だ?」
「武術大会の参加者から有望な人材を発掘して、近衛に採用するのが慣例です。参加者でない彼が、入団に至った経緯を教えてください」
「大会終了後に、私とベオウルフが彼と手合わせをした。実力は確認済みだ」
「なるほど。団長と副団長のお墨付きということですね。ですが近衛には、君主や国家への絶対的な忠誠が求められます。異国人の彼に、それがあるとは思えません。近衛ではなく傭兵として雇うべきでは?」
テオドールを敵に回さないだけでも十分に意義があるし、金銭で雇われた傭兵では敵に寝返り兼ねないだろ。
と本人を前にして、本音が言えない団長は、
「確かに我々と同じ忠誠心を、彼に求めることは難しいだろう。それでも彼が入団すれば、戦力の大幅な向上につながると確信している。だからこそ陛下は、異例の処遇をもって、近衛の一員に引き入れたのだ」
「我々は団長を信頼していますが、それでも納得のいかない者もいるでしょう。なので、それだけの価値が彼にあるのか、私に試させてもらえませんか?」
蟠りが残ったままでは、士気にかかわると考えた団長は、
「いいだろう。テオドール、入団早々で悪いが、彼と手合わせをしてくれ」
テオドールは頷いて承諾した。
試合は体術戦で、相手をダウンさせた方が勝ちとなる。
アドリアンはベオウルフに次ぐ怪力の持ち主で、体術を得意としていた。
試合開始の合図とともに、アドリアンは素早い拳と蹴りを繰り出し、テオドールを攻め立てるも、すべてが躱された。
お互い防具を着用しているとは思えない身のこなしに、他の団員は固唾をのんで見守った。
テオドールは、アドリアンの強烈な拳を掻い潜り、ボディーブローを放った。
それを真面に食らったアドリアンは、後ろにぶっ飛んでダウンした。
「そこまで」
レオンハルトは試合終了を告げた。
「ミスリルの防具でダメージは抑えられたが、それでもかなりの衝撃だったぜ。俺はアドリアンだ。これから宜しく頼む」
アドリアンは体を起こすと、テオドールに手を差し出した。
その手を握ったテオドールは、「宜しく」と返した。
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