王宮の仕事を追放された魔導具使いは男の友情を信じて昔の仲間たちに集まってもらったらハーレムパーティに。今更戻れと言われても…やっぱ遅くね?

LENA

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追放劇

「とりあえずお前は追放だ。」

 そう俺に国の役人の一人ジャックスが言う。きらびやかな衣装を身にまとったその様子は見栄と贅沢が歩いていると表現すれば良いのだろうか?今、俺は男女入り混じった役人たち20人くらいに囲まれている。

「新人の癖に私たちの行動方針に口出し過ぎなのよ!」

 それが俺の追放理由だった。ヴァレリアだったかな?この女は…まだ名前もはっきり覚える前に追放されるとは…

 まぁ確かに新人の俺が口出しすれば例え俺が正しくても気に入らないやつと思われるのは仕方ないのかもしれない。

「どこのつながりかは知らないがたまたま運よく知り合った貴族のコネで入っただけの癖に。ただのラッキー野朗がえらそうにしやがって。まぁどうせお前みたいな平民を誘い入れようとするなんて平民に毛が生えた様な下級貴族だろうがな!」

 そう。俺はコネである。貴族ばかりのこの場所で平民の俺がいきなりはいれるわけもない。前に仕事がなくて酒を飲んでたら気さくなおっさんが話しかけてきて政治の話で意気投合してたら実はそのおっさんがお忍びで街に来ていた国王様だったのだ。

 残念…下級貴族じゃないぞ。国王だ。この国のトップだ。

 その縁でこの城での仕事をもらえたのだが…国王様には申し訳ないが他の役人たちに対してうまく立ち回れなかった俺が悪いのだから仕方ない。

 とは言えせっかく雇い入れられてそのままなにも口を出さずにこいつらのやり方に染まって行ったんじゃ俺を雇い入れた意味がないしこの結果は濃く王様だってきっと想定の範囲内だろう。あとは国王様が何とかするだろう。

「雑魚の癖に調子にのんじゃねーよ!攻撃魔法も使えないくせに!」

 でもさ…実際俺の忠告はすべて正解だったしその得られるはずだった利益は金貨数千枚にも及ぶんだよな。だからそこは割り切ってしまえばいいのに追放と言う手段に出たか。ホントこいつら面子ばかり気にしてバカだよな。

 まぁ仕方ないか…和を乱している自覚はある。こいつらの言い分が理解できないわけではない。だが俺ならそうはしないけどな。『使えるものはたとえ敵であろうと使いこなせ。』これが俺のモットーだからな。

「お前はこの職場の全員から嫌われてんだよ!道具がなきゃただの無能だってな!」

 彼らは彼らの考えが合ってやっているんだからお互い合わなくなったなら仕方ないさ。

「あほかすしねぼけ…ぎゃーすぎゃーす…etc」

 思い思いに次々といろんな人が俺に対しての不満を述べている。それだけ文句を言えるほど俺に対して関心があることに感心するよ。

 ってこいつら、人がおとなしく大人になって反抗せず受け入れてやってたらいつまでもネチネチと…人格否定まで始めたぞ。なんなんだ。そんな暇があるなら国に役立つ政策のひとつでも考えろ。

「そうですか。お世話になりました。」

 これ以上ここにいたら罵詈雑言の嵐でノイローゼになりそうなので早々に退散することに。



「あー…これからどうしよう。こうなったら冒険者になるか?ははは…俺一人ではゴブリン一人倒せるかどうかなのに無理だよな。はぁ…いったいどうすれば…」

 俺はどっちかと言ったら頭脳労働派なのでソロ冒険者は無理かと…

 その時かばんからペンダントが落ちる。

「あ…これは…昔子供の頃仲間たちと約束を誓い合ったときのペンダントだ。」

 そしてふと昔の誓いを思い出す。

『『『『我ら盟友の誓いはどんな時も仲間だ!例え遠く離れて別れてしまっても仲間がピンチのときは必ず駆けつける!!!!』』』』

 円陣を組んで剣の代わりに棒切れを天に掲げ先を重ね合わせ大声で誓い合ったんだ。それが俺たち男の友情の誓い。

「ははは…10歳の頃だよなー。あの頃はいろんな事件に首突っ込んで解決していってたな。懐かしいな。みんな同い年のはずなのに俺だけ成長遅くて身長も125cmくらいだった俺に対しあいつら150くらいあったよなー。俺が一番小さかったな。」

 そんな俺も今では175cmあるし当時のあいつらよりはおおきくなっている。

「今のあいつら一体どれくらい大きくなってるかなー2mくらいあったりしてな。さすがにそれはないか?」

 そんな俺たち子供の頃の誓い。10年たった今あの誓いは有効だろうか?仕事がなくなったから助けてくれって言うのはさすがに話が軽すぎるか?まぁ暇になったから会いたいという理由ならまだ許されるだろうか?

 向こうは忙しいかもしれないのにそんな理由で呼び出すのは失礼か。でもまぁ仕事のことはともかく思い出したら久しぶりに会いたくなってきたな。

「よし!忙しいって怒られたらその時だ。ダメもとで連絡を取ってみよう。確か連絡とるときの内容も当時決めてたよな。なんだっけ?たしか…『拝啓…盟友の誓いの者たちへ近頃いかがお過ごしだろうか?約束の時が来た。われらが集いし時は今だ。今こそ誓いを果たそうぞ!』だったかな?ふざけた内容だよな。でもせっかくだしこの内容で出すか。会えたときの笑い話にもなるしな。」

 そう言って俺は手紙を書くことにした。手紙は少しお金が余計にかかるが魔導転送機を使えば明日には相手に届くらしい。便利な世の中になったものだ。

 魔導具の発展はすばらしい。俺が魔導具使いなんてやっているのも工夫と使い方次第な魔導具が好きだからだ。

 相手の都合もあるだろうから一ヶ月くらい先の予定なら何とか空けてもらえるだろう。そう思い再開の日を一ヶ月先にした。




 それから一ヶ月がたち俺が指定した日になった。集まる場所はこの街の居酒屋にした。 

「どうやらまだ誰も着てないようだな…」

 辺りを見回したがそれらしい男たちは見当たらなかった。

 てか、まだ開店前の店を俺の馴染みの店なので店主の好意で場所を貸してもらっているので他の客はまだ誰もいないんだがな。

 だが良く見ると店の端っこのほうのテーブルに青い髪をした可愛らしい女性が座っていた。座っているので正確なところはわからないが身長150cm前後くらいだろうか?小柄な感じの女性で年の頃は俺と同じくらいだろうか?服装は回復魔法とか使いそうな神官服を普段着にアレンジしたような感じだ。

 そういえば『マリもっち』もあんな髪色だったな。あいつは俺よりも身長大きいくせにいつもおんぶをせがんで来るめんどくさい奴だったな。男が男をおんぶして何が楽しいんだ。よくわからんやつだったがまぁ大切な仲間には違いない。

 それにしてもなんだ?俺以外の人にも貸しているのか?あの人も店主の知り合いなのだろうか?

 時々こちらをちらちら見てくるが何か話しかけてくるわけでもなさそうなので会釈だけして俺は自分の仲間が来るのを待っていた。

 少し困惑した顔をしていたがまぁたまたまいわあせた客に気を遣うこともない。
 待つこと10分約束の時間まではまだ30分以上はある。そんな時に燃えるような赤い髪をした女性が入ってきた。気の強そうな目をしているがこんな酒場にはふさわしくないほどには美人な女性だ。その女性は先ほどの青い髪の女性のいる席に行くと軽く挨拶をしてその席に座った。

 身長は目測だが158cmくらいか?先ほどの女性よりはほんの少し大きい位に感じる。いかにも攻撃魔法が得意ですと言うような黒を基調とした服を着ていてた。

 魔導師関連の会合でも始まるのだろうか?

 そう言えば『クラぽん』もあんな燃えるような赤い髪だったなぁ。まぁあんなロングヘアじゃなく俺と同じくらいの男子として普通の髪の長さだったけどな。サルみたいに木登りが得意でいつも木に登って偵察係とかしてたっけ?

 それはさておきまだ俺の仲間は来ないな。やっぱ忙しかったのだろうか?10年前の約束なんてそんなもんだろうか?1ヶ月も間を空けたから予定くらいは空けれそうだと思ったが半年先の予約まで埋まっている飲食店のオーナーとかになっていたらもしかしたら来れないかもしれないな。

 さらに10分して次は黒髪の透き通るような美しさの女性が入ってきた。凛としたような感じの女性で東方の地で使われている刀と言う武器を腰に備えている。

 身長こそ青いのや赤いのと似たような身長だが体つきは違った。彼女だけは女性としての華奢な部分も維持しながらもしなやかで鍛え抜かれた筋肉がついているのが俺の目には見て取れた。

 かなり鍛え抜いている感じだ。素の戦いなら俺に勝ち目はないだろうって思う。
 その女性も先ほどの女性たちのところに行き席に着いた。どうやら魔導師関連でもないようだ。刀使いは魔法とかは普通使わないだろう。

 じゃー何の会合だろうか?想像もつかないや。案外ただののんべえ組合かもしれないな。

 そう言えば『あーやん』もあんな感じの黒い髪だったな。いつも男の癖に泣き虫だったし全然似ても似つかないような奴だけどな。少しは男らしくなっただろうか?身長大きいくせになよなよしてたよなーあいつは。あいつだけはちょっと鍛えなおしたほうが良いよな。

 さらに10分後…くそ…誰も来ない。向こうの席では『久しぶりだね』とか『一目でわかったよ』とかそんな会話が聞こえてくる。向こうも俺と同じ状況の旧友との再会なのか。

 女の友情はガラスよりももろいなんていうが男の友情はもっともろかったのだろうか?あれほどの誓いを何の連絡もなく無視するなんて…

 どうやら向こうは主催者が来ていないみたいだ。まぁそれでもこっちよりはましだろう。こっちは俺以外誰も来ていないんだから…

 うぅ…惨めだ…仕事はなくなり信頼していた友もなくなり…なんなんだ…

 俺は既にぬるくなったエールを一気に飲み干した。

「くそ!『まりもっち』『くらぽん』『あーやん』の馬鹿野郎!!!」

 思わず大声で叫んでしまった。

「「「え?」」」

 あ…まずい…他の人もいたのに…これでは俺は飲んだくれの危ない人だな。


「す、すみません。連れが来なかったもので…つい…」

 俺は素直に謝ることにした。だがそんな俺に青い髪の子が話しかけてきた。

「あ、あの…もしかして…りゅーたん?」

 は?なぜ俺の昔の呼び名を知っている?誰だこの子?俺の知り合いにこんな子いたか?ミルフィーちゃんは金髪の子だったしエルネアちゃんは銀色の髪だったし…

「まさか…」

 俺の言葉に期待の表情を見せる三人。やっぱりそうなのか。

「パメラちゃん?」

 一瞬で三人の表情が氷のような表情に変わる…あれ?違った?誰だ?

「まさか本気で私たちがわからないのね。そんな変わってないと思うんだけど…むしろあんたのほうが身長伸びすぎで別人だと思ってりゅーたんだとわからなかったわよ。」

 そう赤髪の子が言う。誰だよ…もう女友達なんていないぞ。むしろさっきの名前あげたのだって近所に住んでるってくらいしか知らない友達と呼ぶほどでもない子達なのに…

「まさかりゅーたんにボクたち以外に女友達がいたとは思わなかったが…それについてはあとで問いただすとして…」

 今度は黒髪の女性が言う。ボクっ子だったのか…この子も俺は知ってるって言うのか…マジでわからん。俺は男としか遊ばない硬派なタイプの少年だったんだが…

「そうね。とりあえず、再会を祝して…」

 そう言って俺の空になったグラスにエールを注ぐ。そしてそれを天に掲げさせられた。

 三人の女性たちが俺のテーブルにやって来て座りなおす。その手にエールの入ったグラスを持ちながら。そしてまるで円陣を組むようにして…

「「「我ら盟友の誓いは今ここに果たされる。」」」

 え…このセリフ…嘘だろ…そんな…ありえない。

「「「かんぱーい!!!」」」

 そう言って俺の掲げたグラスに全員が自分たちのグラスを当ててくる。そんな…彼ら…いや彼女たちが俺の待ち人だったなんて…それってつまり…

「お前たち!何で全員性転換してんだよ!?!?」

「「「元から女よ!!!」」」

 三人の声が重なる。え?どういうこと?
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