1 / 18
追放劇
「とりあえずお前は追放だ。」
そう俺に国の役人の一人ジャックスが言う。きらびやかな衣装を身にまとったその様子は見栄と贅沢が歩いていると表現すれば良いのだろうか?今、俺は男女入り混じった役人たち20人くらいに囲まれている。
「新人の癖に私たちの行動方針に口出し過ぎなのよ!」
それが俺の追放理由だった。ヴァレリアだったかな?この女は…まだ名前もはっきり覚える前に追放されるとは…
まぁ確かに新人の俺が口出しすれば例え俺が正しくても気に入らないやつと思われるのは仕方ないのかもしれない。
「どこのつながりかは知らないがたまたま運よく知り合った貴族のコネで入っただけの癖に。ただのラッキー野朗がえらそうにしやがって。まぁどうせお前みたいな平民を誘い入れようとするなんて平民に毛が生えた様な下級貴族だろうがな!」
そう。俺はコネである。貴族ばかりのこの場所で平民の俺がいきなりはいれるわけもない。前に仕事がなくて酒を飲んでたら気さくなおっさんが話しかけてきて政治の話で意気投合してたら実はそのおっさんがお忍びで街に来ていた国王様だったのだ。
残念…下級貴族じゃないぞ。国王だ。この国のトップだ。
その縁でこの城での仕事をもらえたのだが…国王様には申し訳ないが他の役人たちに対してうまく立ち回れなかった俺が悪いのだから仕方ない。
とは言えせっかく雇い入れられてそのままなにも口を出さずにこいつらのやり方に染まって行ったんじゃ俺を雇い入れた意味がないしこの結果は濃く王様だってきっと想定の範囲内だろう。あとは国王様が何とかするだろう。
「雑魚の癖に調子にのんじゃねーよ!攻撃魔法も使えないくせに!」
でもさ…実際俺の忠告はすべて正解だったしその得られるはずだった利益は金貨数千枚にも及ぶんだよな。だからそこは割り切ってしまえばいいのに追放と言う手段に出たか。ホントこいつら面子ばかり気にしてバカだよな。
まぁ仕方ないか…和を乱している自覚はある。こいつらの言い分が理解できないわけではない。だが俺ならそうはしないけどな。『使えるものはたとえ敵であろうと使いこなせ。』これが俺のモットーだからな。
「お前はこの職場の全員から嫌われてんだよ!道具がなきゃただの無能だってな!」
彼らは彼らの考えが合ってやっているんだからお互い合わなくなったなら仕方ないさ。
「あほかすしねぼけ…ぎゃーすぎゃーす…etc」
思い思いに次々といろんな人が俺に対しての不満を述べている。それだけ文句を言えるほど俺に対して関心があることに感心するよ。
ってこいつら、人がおとなしく大人になって反抗せず受け入れてやってたらいつまでもネチネチと…人格否定まで始めたぞ。なんなんだ。そんな暇があるなら国に役立つ政策のひとつでも考えろ。
「そうですか。お世話になりました。」
これ以上ここにいたら罵詈雑言の嵐でノイローゼになりそうなので早々に退散することに。
■
「あー…これからどうしよう。こうなったら冒険者になるか?ははは…俺一人ではゴブリン一人倒せるかどうかなのに無理だよな。はぁ…いったいどうすれば…」
俺はどっちかと言ったら頭脳労働派なのでソロ冒険者は無理かと…
その時かばんからペンダントが落ちる。
「あ…これは…昔子供の頃仲間たちと約束を誓い合ったときのペンダントだ。」
そしてふと昔の誓いを思い出す。
『『『『我ら盟友の誓いはどんな時も仲間だ!例え遠く離れて別れてしまっても仲間がピンチのときは必ず駆けつける!!!!』』』』
円陣を組んで剣の代わりに棒切れを天に掲げ先を重ね合わせ大声で誓い合ったんだ。それが俺たち男の友情の誓い。
「ははは…10歳の頃だよなー。あの頃はいろんな事件に首突っ込んで解決していってたな。懐かしいな。みんな同い年のはずなのに俺だけ成長遅くて身長も125cmくらいだった俺に対しあいつら150くらいあったよなー。俺が一番小さかったな。」
そんな俺も今では175cmあるし当時のあいつらよりはおおきくなっている。
「今のあいつら一体どれくらい大きくなってるかなー2mくらいあったりしてな。さすがにそれはないか?」
そんな俺たち子供の頃の誓い。10年たった今あの誓いは有効だろうか?仕事がなくなったから助けてくれって言うのはさすがに話が軽すぎるか?まぁ暇になったから会いたいという理由ならまだ許されるだろうか?
向こうは忙しいかもしれないのにそんな理由で呼び出すのは失礼か。でもまぁ仕事のことはともかく思い出したら久しぶりに会いたくなってきたな。
「よし!忙しいって怒られたらその時だ。ダメもとで連絡を取ってみよう。確か連絡とるときの内容も当時決めてたよな。なんだっけ?たしか…『拝啓…盟友の誓いの者たちへ近頃いかがお過ごしだろうか?約束の時が来た。われらが集いし時は今だ。今こそ誓いを果たそうぞ!』だったかな?ふざけた内容だよな。でもせっかくだしこの内容で出すか。会えたときの笑い話にもなるしな。」
そう言って俺は手紙を書くことにした。手紙は少しお金が余計にかかるが魔導転送機を使えば明日には相手に届くらしい。便利な世の中になったものだ。
魔導具の発展はすばらしい。俺が魔導具使いなんてやっているのも工夫と使い方次第な魔導具が好きだからだ。
相手の都合もあるだろうから一ヶ月くらい先の予定なら何とか空けてもらえるだろう。そう思い再開の日を一ヶ月先にした。
■
それから一ヶ月がたち俺が指定した日になった。集まる場所はこの街の居酒屋にした。
「どうやらまだ誰も着てないようだな…」
辺りを見回したがそれらしい男たちは見当たらなかった。
てか、まだ開店前の店を俺の馴染みの店なので店主の好意で場所を貸してもらっているので他の客はまだ誰もいないんだがな。
だが良く見ると店の端っこのほうのテーブルに青い髪をした可愛らしい女性が座っていた。座っているので正確なところはわからないが身長150cm前後くらいだろうか?小柄な感じの女性で年の頃は俺と同じくらいだろうか?服装は回復魔法とか使いそうな神官服を普段着にアレンジしたような感じだ。
そういえば『マリもっち』もあんな髪色だったな。あいつは俺よりも身長大きいくせにいつもおんぶをせがんで来るめんどくさい奴だったな。男が男をおんぶして何が楽しいんだ。よくわからんやつだったがまぁ大切な仲間には違いない。
それにしてもなんだ?俺以外の人にも貸しているのか?あの人も店主の知り合いなのだろうか?
時々こちらをちらちら見てくるが何か話しかけてくるわけでもなさそうなので会釈だけして俺は自分の仲間が来るのを待っていた。
少し困惑した顔をしていたがまぁたまたまいわあせた客に気を遣うこともない。
待つこと10分約束の時間まではまだ30分以上はある。そんな時に燃えるような赤い髪をした女性が入ってきた。気の強そうな目をしているがこんな酒場にはふさわしくないほどには美人な女性だ。その女性は先ほどの青い髪の女性のいる席に行くと軽く挨拶をしてその席に座った。
身長は目測だが158cmくらいか?先ほどの女性よりはほんの少し大きい位に感じる。いかにも攻撃魔法が得意ですと言うような黒を基調とした服を着ていてた。
魔導師関連の会合でも始まるのだろうか?
そう言えば『クラぽん』もあんな燃えるような赤い髪だったなぁ。まぁあんなロングヘアじゃなく俺と同じくらいの男子として普通の髪の長さだったけどな。サルみたいに木登りが得意でいつも木に登って偵察係とかしてたっけ?
それはさておきまだ俺の仲間は来ないな。やっぱ忙しかったのだろうか?10年前の約束なんてそんなもんだろうか?1ヶ月も間を空けたから予定くらいは空けれそうだと思ったが半年先の予約まで埋まっている飲食店のオーナーとかになっていたらもしかしたら来れないかもしれないな。
さらに10分して次は黒髪の透き通るような美しさの女性が入ってきた。凛としたような感じの女性で東方の地で使われている刀と言う武器を腰に備えている。
身長こそ青いのや赤いのと似たような身長だが体つきは違った。彼女だけは女性としての華奢な部分も維持しながらもしなやかで鍛え抜かれた筋肉がついているのが俺の目には見て取れた。
かなり鍛え抜いている感じだ。素の戦いなら俺に勝ち目はないだろうって思う。
その女性も先ほどの女性たちのところに行き席に着いた。どうやら魔導師関連でもないようだ。刀使いは魔法とかは普通使わないだろう。
じゃー何の会合だろうか?想像もつかないや。案外ただののんべえ組合かもしれないな。
そう言えば『あーやん』もあんな感じの黒い髪だったな。いつも男の癖に泣き虫だったし全然似ても似つかないような奴だけどな。少しは男らしくなっただろうか?身長大きいくせになよなよしてたよなーあいつは。あいつだけはちょっと鍛えなおしたほうが良いよな。
さらに10分後…くそ…誰も来ない。向こうの席では『久しぶりだね』とか『一目でわかったよ』とかそんな会話が聞こえてくる。向こうも俺と同じ状況の旧友との再会なのか。
女の友情はガラスよりももろいなんていうが男の友情はもっともろかったのだろうか?あれほどの誓いを何の連絡もなく無視するなんて…
どうやら向こうは主催者が来ていないみたいだ。まぁそれでもこっちよりはましだろう。こっちは俺以外誰も来ていないんだから…
うぅ…惨めだ…仕事はなくなり信頼していた友もなくなり…なんなんだ…
俺は既にぬるくなったエールを一気に飲み干した。
「くそ!『まりもっち』『くらぽん』『あーやん』の馬鹿野郎!!!」
思わず大声で叫んでしまった。
「「「え?」」」
あ…まずい…他の人もいたのに…これでは俺は飲んだくれの危ない人だな。
「す、すみません。連れが来なかったもので…つい…」
俺は素直に謝ることにした。だがそんな俺に青い髪の子が話しかけてきた。
「あ、あの…もしかして…りゅーたん?」
は?なぜ俺の昔の呼び名を知っている?誰だこの子?俺の知り合いにこんな子いたか?ミルフィーちゃんは金髪の子だったしエルネアちゃんは銀色の髪だったし…
「まさか…」
俺の言葉に期待の表情を見せる三人。やっぱりそうなのか。
「パメラちゃん?」
一瞬で三人の表情が氷のような表情に変わる…あれ?違った?誰だ?
「まさか本気で私たちがわからないのね。そんな変わってないと思うんだけど…むしろあんたのほうが身長伸びすぎで別人だと思ってりゅーたんだとわからなかったわよ。」
そう赤髪の子が言う。誰だよ…もう女友達なんていないぞ。むしろさっきの名前あげたのだって近所に住んでるってくらいしか知らない友達と呼ぶほどでもない子達なのに…
「まさかりゅーたんにボクたち以外に女友達がいたとは思わなかったが…それについてはあとで問いただすとして…」
今度は黒髪の女性が言う。ボクっ子だったのか…この子も俺は知ってるって言うのか…マジでわからん。俺は男としか遊ばない硬派なタイプの少年だったんだが…
「そうね。とりあえず、再会を祝して…」
そう言って俺の空になったグラスにエールを注ぐ。そしてそれを天に掲げさせられた。
三人の女性たちが俺のテーブルにやって来て座りなおす。その手にエールの入ったグラスを持ちながら。そしてまるで円陣を組むようにして…
「「「我ら盟友の誓いは今ここに果たされる。」」」
え…このセリフ…嘘だろ…そんな…ありえない。
「「「かんぱーい!!!」」」
そう言って俺の掲げたグラスに全員が自分たちのグラスを当ててくる。そんな…彼ら…いや彼女たちが俺の待ち人だったなんて…それってつまり…
「お前たち!何で全員性転換してんだよ!?!?」
「「「元から女よ!!!」」」
三人の声が重なる。え?どういうこと?
そう俺に国の役人の一人ジャックスが言う。きらびやかな衣装を身にまとったその様子は見栄と贅沢が歩いていると表現すれば良いのだろうか?今、俺は男女入り混じった役人たち20人くらいに囲まれている。
「新人の癖に私たちの行動方針に口出し過ぎなのよ!」
それが俺の追放理由だった。ヴァレリアだったかな?この女は…まだ名前もはっきり覚える前に追放されるとは…
まぁ確かに新人の俺が口出しすれば例え俺が正しくても気に入らないやつと思われるのは仕方ないのかもしれない。
「どこのつながりかは知らないがたまたま運よく知り合った貴族のコネで入っただけの癖に。ただのラッキー野朗がえらそうにしやがって。まぁどうせお前みたいな平民を誘い入れようとするなんて平民に毛が生えた様な下級貴族だろうがな!」
そう。俺はコネである。貴族ばかりのこの場所で平民の俺がいきなりはいれるわけもない。前に仕事がなくて酒を飲んでたら気さくなおっさんが話しかけてきて政治の話で意気投合してたら実はそのおっさんがお忍びで街に来ていた国王様だったのだ。
残念…下級貴族じゃないぞ。国王だ。この国のトップだ。
その縁でこの城での仕事をもらえたのだが…国王様には申し訳ないが他の役人たちに対してうまく立ち回れなかった俺が悪いのだから仕方ない。
とは言えせっかく雇い入れられてそのままなにも口を出さずにこいつらのやり方に染まって行ったんじゃ俺を雇い入れた意味がないしこの結果は濃く王様だってきっと想定の範囲内だろう。あとは国王様が何とかするだろう。
「雑魚の癖に調子にのんじゃねーよ!攻撃魔法も使えないくせに!」
でもさ…実際俺の忠告はすべて正解だったしその得られるはずだった利益は金貨数千枚にも及ぶんだよな。だからそこは割り切ってしまえばいいのに追放と言う手段に出たか。ホントこいつら面子ばかり気にしてバカだよな。
まぁ仕方ないか…和を乱している自覚はある。こいつらの言い分が理解できないわけではない。だが俺ならそうはしないけどな。『使えるものはたとえ敵であろうと使いこなせ。』これが俺のモットーだからな。
「お前はこの職場の全員から嫌われてんだよ!道具がなきゃただの無能だってな!」
彼らは彼らの考えが合ってやっているんだからお互い合わなくなったなら仕方ないさ。
「あほかすしねぼけ…ぎゃーすぎゃーす…etc」
思い思いに次々といろんな人が俺に対しての不満を述べている。それだけ文句を言えるほど俺に対して関心があることに感心するよ。
ってこいつら、人がおとなしく大人になって反抗せず受け入れてやってたらいつまでもネチネチと…人格否定まで始めたぞ。なんなんだ。そんな暇があるなら国に役立つ政策のひとつでも考えろ。
「そうですか。お世話になりました。」
これ以上ここにいたら罵詈雑言の嵐でノイローゼになりそうなので早々に退散することに。
■
「あー…これからどうしよう。こうなったら冒険者になるか?ははは…俺一人ではゴブリン一人倒せるかどうかなのに無理だよな。はぁ…いったいどうすれば…」
俺はどっちかと言ったら頭脳労働派なのでソロ冒険者は無理かと…
その時かばんからペンダントが落ちる。
「あ…これは…昔子供の頃仲間たちと約束を誓い合ったときのペンダントだ。」
そしてふと昔の誓いを思い出す。
『『『『我ら盟友の誓いはどんな時も仲間だ!例え遠く離れて別れてしまっても仲間がピンチのときは必ず駆けつける!!!!』』』』
円陣を組んで剣の代わりに棒切れを天に掲げ先を重ね合わせ大声で誓い合ったんだ。それが俺たち男の友情の誓い。
「ははは…10歳の頃だよなー。あの頃はいろんな事件に首突っ込んで解決していってたな。懐かしいな。みんな同い年のはずなのに俺だけ成長遅くて身長も125cmくらいだった俺に対しあいつら150くらいあったよなー。俺が一番小さかったな。」
そんな俺も今では175cmあるし当時のあいつらよりはおおきくなっている。
「今のあいつら一体どれくらい大きくなってるかなー2mくらいあったりしてな。さすがにそれはないか?」
そんな俺たち子供の頃の誓い。10年たった今あの誓いは有効だろうか?仕事がなくなったから助けてくれって言うのはさすがに話が軽すぎるか?まぁ暇になったから会いたいという理由ならまだ許されるだろうか?
向こうは忙しいかもしれないのにそんな理由で呼び出すのは失礼か。でもまぁ仕事のことはともかく思い出したら久しぶりに会いたくなってきたな。
「よし!忙しいって怒られたらその時だ。ダメもとで連絡を取ってみよう。確か連絡とるときの内容も当時決めてたよな。なんだっけ?たしか…『拝啓…盟友の誓いの者たちへ近頃いかがお過ごしだろうか?約束の時が来た。われらが集いし時は今だ。今こそ誓いを果たそうぞ!』だったかな?ふざけた内容だよな。でもせっかくだしこの内容で出すか。会えたときの笑い話にもなるしな。」
そう言って俺は手紙を書くことにした。手紙は少しお金が余計にかかるが魔導転送機を使えば明日には相手に届くらしい。便利な世の中になったものだ。
魔導具の発展はすばらしい。俺が魔導具使いなんてやっているのも工夫と使い方次第な魔導具が好きだからだ。
相手の都合もあるだろうから一ヶ月くらい先の予定なら何とか空けてもらえるだろう。そう思い再開の日を一ヶ月先にした。
■
それから一ヶ月がたち俺が指定した日になった。集まる場所はこの街の居酒屋にした。
「どうやらまだ誰も着てないようだな…」
辺りを見回したがそれらしい男たちは見当たらなかった。
てか、まだ開店前の店を俺の馴染みの店なので店主の好意で場所を貸してもらっているので他の客はまだ誰もいないんだがな。
だが良く見ると店の端っこのほうのテーブルに青い髪をした可愛らしい女性が座っていた。座っているので正確なところはわからないが身長150cm前後くらいだろうか?小柄な感じの女性で年の頃は俺と同じくらいだろうか?服装は回復魔法とか使いそうな神官服を普段着にアレンジしたような感じだ。
そういえば『マリもっち』もあんな髪色だったな。あいつは俺よりも身長大きいくせにいつもおんぶをせがんで来るめんどくさい奴だったな。男が男をおんぶして何が楽しいんだ。よくわからんやつだったがまぁ大切な仲間には違いない。
それにしてもなんだ?俺以外の人にも貸しているのか?あの人も店主の知り合いなのだろうか?
時々こちらをちらちら見てくるが何か話しかけてくるわけでもなさそうなので会釈だけして俺は自分の仲間が来るのを待っていた。
少し困惑した顔をしていたがまぁたまたまいわあせた客に気を遣うこともない。
待つこと10分約束の時間まではまだ30分以上はある。そんな時に燃えるような赤い髪をした女性が入ってきた。気の強そうな目をしているがこんな酒場にはふさわしくないほどには美人な女性だ。その女性は先ほどの青い髪の女性のいる席に行くと軽く挨拶をしてその席に座った。
身長は目測だが158cmくらいか?先ほどの女性よりはほんの少し大きい位に感じる。いかにも攻撃魔法が得意ですと言うような黒を基調とした服を着ていてた。
魔導師関連の会合でも始まるのだろうか?
そう言えば『クラぽん』もあんな燃えるような赤い髪だったなぁ。まぁあんなロングヘアじゃなく俺と同じくらいの男子として普通の髪の長さだったけどな。サルみたいに木登りが得意でいつも木に登って偵察係とかしてたっけ?
それはさておきまだ俺の仲間は来ないな。やっぱ忙しかったのだろうか?10年前の約束なんてそんなもんだろうか?1ヶ月も間を空けたから予定くらいは空けれそうだと思ったが半年先の予約まで埋まっている飲食店のオーナーとかになっていたらもしかしたら来れないかもしれないな。
さらに10分して次は黒髪の透き通るような美しさの女性が入ってきた。凛としたような感じの女性で東方の地で使われている刀と言う武器を腰に備えている。
身長こそ青いのや赤いのと似たような身長だが体つきは違った。彼女だけは女性としての華奢な部分も維持しながらもしなやかで鍛え抜かれた筋肉がついているのが俺の目には見て取れた。
かなり鍛え抜いている感じだ。素の戦いなら俺に勝ち目はないだろうって思う。
その女性も先ほどの女性たちのところに行き席に着いた。どうやら魔導師関連でもないようだ。刀使いは魔法とかは普通使わないだろう。
じゃー何の会合だろうか?想像もつかないや。案外ただののんべえ組合かもしれないな。
そう言えば『あーやん』もあんな感じの黒い髪だったな。いつも男の癖に泣き虫だったし全然似ても似つかないような奴だけどな。少しは男らしくなっただろうか?身長大きいくせになよなよしてたよなーあいつは。あいつだけはちょっと鍛えなおしたほうが良いよな。
さらに10分後…くそ…誰も来ない。向こうの席では『久しぶりだね』とか『一目でわかったよ』とかそんな会話が聞こえてくる。向こうも俺と同じ状況の旧友との再会なのか。
女の友情はガラスよりももろいなんていうが男の友情はもっともろかったのだろうか?あれほどの誓いを何の連絡もなく無視するなんて…
どうやら向こうは主催者が来ていないみたいだ。まぁそれでもこっちよりはましだろう。こっちは俺以外誰も来ていないんだから…
うぅ…惨めだ…仕事はなくなり信頼していた友もなくなり…なんなんだ…
俺は既にぬるくなったエールを一気に飲み干した。
「くそ!『まりもっち』『くらぽん』『あーやん』の馬鹿野郎!!!」
思わず大声で叫んでしまった。
「「「え?」」」
あ…まずい…他の人もいたのに…これでは俺は飲んだくれの危ない人だな。
「す、すみません。連れが来なかったもので…つい…」
俺は素直に謝ることにした。だがそんな俺に青い髪の子が話しかけてきた。
「あ、あの…もしかして…りゅーたん?」
は?なぜ俺の昔の呼び名を知っている?誰だこの子?俺の知り合いにこんな子いたか?ミルフィーちゃんは金髪の子だったしエルネアちゃんは銀色の髪だったし…
「まさか…」
俺の言葉に期待の表情を見せる三人。やっぱりそうなのか。
「パメラちゃん?」
一瞬で三人の表情が氷のような表情に変わる…あれ?違った?誰だ?
「まさか本気で私たちがわからないのね。そんな変わってないと思うんだけど…むしろあんたのほうが身長伸びすぎで別人だと思ってりゅーたんだとわからなかったわよ。」
そう赤髪の子が言う。誰だよ…もう女友達なんていないぞ。むしろさっきの名前あげたのだって近所に住んでるってくらいしか知らない友達と呼ぶほどでもない子達なのに…
「まさかりゅーたんにボクたち以外に女友達がいたとは思わなかったが…それについてはあとで問いただすとして…」
今度は黒髪の女性が言う。ボクっ子だったのか…この子も俺は知ってるって言うのか…マジでわからん。俺は男としか遊ばない硬派なタイプの少年だったんだが…
「そうね。とりあえず、再会を祝して…」
そう言って俺の空になったグラスにエールを注ぐ。そしてそれを天に掲げさせられた。
三人の女性たちが俺のテーブルにやって来て座りなおす。その手にエールの入ったグラスを持ちながら。そしてまるで円陣を組むようにして…
「「「我ら盟友の誓いは今ここに果たされる。」」」
え…このセリフ…嘘だろ…そんな…ありえない。
「「「かんぱーい!!!」」」
そう言って俺の掲げたグラスに全員が自分たちのグラスを当ててくる。そんな…彼ら…いや彼女たちが俺の待ち人だったなんて…それってつまり…
「お前たち!何で全員性転換してんだよ!?!?」
「「「元から女よ!!!」」」
三人の声が重なる。え?どういうこと?
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。