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第二話 血は争えない
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翌朝、登校しながらえっちゃんに話しかけた。
「ねえ、アタシね。ゴーイング娘。のオーディション、受けようと思う」
えっちゃんが足を止めた。
「えっ!すごーい!応援する!咲ちゃんならきっとなれるよ!」
ほらね。言ってくれると思ってた。
えっちゃんは、アタシに一度もダメだとか無理だとか言ったことがない。
どんな夢でも、迷わず受け入れてくれる。
人間として、本当に尊敬できる子だ。
クラスメイトにこんな親友がいるなんて、アタシはなんて幸運なんだろう。
胸がじんわり、あったかくなる。
──────────────
アタシ自身がどうかというと——
まあ、男子とはしょっちゅう喧嘩してる。
勝負ごとになると絶対に引けなくて、
気づいたら泣かしてしまっていることも多い。
人間として「どうなんだ」と言われると、
正直、難しいところだ。
勉強も、ちょっとだけ苦手。……ちょっとだけ。
でもお母さんはすごく頭がいいから、
その子供のアタシが馬鹿なわけがない。
うん、きっとそう。そういうことにしておく。
──────────────
お父さんはプロ野球選手で、
シーズン中は遠征でほとんど家に帰ってこない。
帰ってくると決まってアタシをソファに呼んで、
「どうだ最近」と話を聞いてくれる。
この前も新しいスマホを買ってくれた。
小学五年生のとき、子供用じゃない最新スマホを買ってくれたのもお父さんだ。
「あなたは咲に甘すぎるのよ」とお母さんが眉をひそめると、
お父さんはニコニコしながら「だって可愛いからなぁ」と言う。
──────────────
スマホを手に入れてからというもの、
最初はアニメ「マジカルスウィートプリキュア」の動画ばかり見ていた。
特にヒロインの「イチゴちゃん」が大好きだった。
イチゴちゃんの声優さんが渡瀬くるみさんって言うんだけど、
調べたら元アイドルだということがわかった。
その人が所属していたアイドルグループが「ビーコンズ」で、
とにかくカッコ良くて、可愛くて面白くて、どっぷりはまってしまった。
ビーコンズにはまってからビーコンズが所属している
「アロープロジェクト」全体にハマってしまった。
「アロープロジェクト」は複数のアイドルグループがいっぱいある。
一番有名なグループは「ゴーイング娘。」
他には「ニュースニュース」「エンジェルズ」
アタシが最初に好きになったグループ「ビーコンズ」などがある。
アイドルって顔が可愛ければいいと思ってたけど、
アロプロは可愛いだけじゃなくて歌もダンスも凄くて
——さいこーなんだよね。
動画を見ながら「かっこいいな」と思っていたら、
いつの間にか「アタシもアイドルになりたい」と思うようになっていた。
──────────────
先日、アロープロジェクトのホームページを見ていたら、
ゴーイング娘。のオーディション開催が発表されていた。
「これだ!」と思って事務局に電話したら「親御さんの承認が必要です」と言われた。
アタシが「ゴーイング娘。になりたい」って言ったら
お母さんが苦笑いしていた。
「血は争えないね」
お父さんが笑った。
2人だけわかってる感じ。
どういう意味だろう。
……まあいいか。
お母さんは——
「1日だけ考えさせて」
いつもどんな質問にもすぐ答えてくれるお母さんが、
あんなに悩む顔を見たのは初めてだった。
なんか、胸がざわっとした。
お母さんは結局賛成してくれて書類を提出した。
オーディション、1次審査通るといいな。
「ねえ、アタシね。ゴーイング娘。のオーディション、受けようと思う」
えっちゃんが足を止めた。
「えっ!すごーい!応援する!咲ちゃんならきっとなれるよ!」
ほらね。言ってくれると思ってた。
えっちゃんは、アタシに一度もダメだとか無理だとか言ったことがない。
どんな夢でも、迷わず受け入れてくれる。
人間として、本当に尊敬できる子だ。
クラスメイトにこんな親友がいるなんて、アタシはなんて幸運なんだろう。
胸がじんわり、あったかくなる。
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アタシ自身がどうかというと——
まあ、男子とはしょっちゅう喧嘩してる。
勝負ごとになると絶対に引けなくて、
気づいたら泣かしてしまっていることも多い。
人間として「どうなんだ」と言われると、
正直、難しいところだ。
勉強も、ちょっとだけ苦手。……ちょっとだけ。
でもお母さんはすごく頭がいいから、
その子供のアタシが馬鹿なわけがない。
うん、きっとそう。そういうことにしておく。
──────────────
お父さんはプロ野球選手で、
シーズン中は遠征でほとんど家に帰ってこない。
帰ってくると決まってアタシをソファに呼んで、
「どうだ最近」と話を聞いてくれる。
この前も新しいスマホを買ってくれた。
小学五年生のとき、子供用じゃない最新スマホを買ってくれたのもお父さんだ。
「あなたは咲に甘すぎるのよ」とお母さんが眉をひそめると、
お父さんはニコニコしながら「だって可愛いからなぁ」と言う。
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スマホを手に入れてからというもの、
最初はアニメ「マジカルスウィートプリキュア」の動画ばかり見ていた。
特にヒロインの「イチゴちゃん」が大好きだった。
イチゴちゃんの声優さんが渡瀬くるみさんって言うんだけど、
調べたら元アイドルだということがわかった。
その人が所属していたアイドルグループが「ビーコンズ」で、
とにかくカッコ良くて、可愛くて面白くて、どっぷりはまってしまった。
ビーコンズにはまってからビーコンズが所属している
「アロープロジェクト」全体にハマってしまった。
「アロープロジェクト」は複数のアイドルグループがいっぱいある。
一番有名なグループは「ゴーイング娘。」
他には「ニュースニュース」「エンジェルズ」
アタシが最初に好きになったグループ「ビーコンズ」などがある。
アイドルって顔が可愛ければいいと思ってたけど、
アロプロは可愛いだけじゃなくて歌もダンスも凄くて
——さいこーなんだよね。
動画を見ながら「かっこいいな」と思っていたら、
いつの間にか「アタシもアイドルになりたい」と思うようになっていた。
──────────────
先日、アロープロジェクトのホームページを見ていたら、
ゴーイング娘。のオーディション開催が発表されていた。
「これだ!」と思って事務局に電話したら「親御さんの承認が必要です」と言われた。
アタシが「ゴーイング娘。になりたい」って言ったら
お母さんが苦笑いしていた。
「血は争えないね」
お父さんが笑った。
2人だけわかってる感じ。
どういう意味だろう。
……まあいいか。
お母さんは——
「1日だけ考えさせて」
いつもどんな質問にもすぐ答えてくれるお母さんが、
あんなに悩む顔を見たのは初めてだった。
なんか、胸がざわっとした。
お母さんは結局賛成してくれて書類を提出した。
オーディション、1次審査通るといいな。
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