溺愛攻めを怒らせた

冬田シロクマ 

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二人の不安

ハルの表情かおが怖い。
いつもの優しい笑みで微笑み、僕を見下みおろす。
前より、ワントーン暗くなった瞳で僕を見た。
綺麗な顔が冷たく笑った。

僕はというと、前よりボッーとすることが多くなった。

「その顔を見ると不安になるよ。
考えごと多いよね。最近」

ハルに、膝枕をしている最中に言われた。
下から手が伸び、頬を触られる。
そして頭の後ろを掴まれ、口付けをされた。

キスし終わった後の顔を見ると、ハルの瞳は不安そうに揺れている。
…ロンは一瞬心配そうな顔をし、俺を安心させるためか、「よしよし」といつも自分がやられているように、俺の髪の毛をなでた。

目を細め、少しホッとした表情のハル。
そして次に嬉しそうに笑った。

だが、ハルは一点を見つめ固まった。

「こわい?俺。だから機嫌取りしてるの?」
「今は…こわくない。不安そうだから…なでただけ」
 
「よかった」と小さな声で言った。
ロンの小さな手に、頬と口をスリスリと擦り付ける。
嬉しそうなハルの表情に、再びホッとする。
膝に乗せられたハルの頭をまた、片方の手で「よしよし」となでた。
ギュウウとロンの腰に、巻き付く。

「はぁ…やっと俺だけのものになった。」

満足気な声。
スリスリと僕のお腹にすりつく。

「ハル…このままでいいと思う?」
「……え?」

不安に駆られたハル。
こっちまで心臓が苦しくなる。
僕は安心させるように、ハルの頭をギュッと抱いた。
するとハルは「ふふっ」と無邪気に笑う。
その声を聞いてホッとした。

「ロン」

長い腕が伸びる。
嬉しそうに抱きつき返してきた。

「好きだよ…すきだから」

ハルの必死な声。

本当にこれで…このままで…いいんだろうか…



何度目かの問い。
ロンは、コタツの机で頬杖をつく。
ハルはロンを抱気締めながら、ずつと離れない。
不安な気持ちが、まだハルをゆらゆらと揺らしている…

それは僕も一緒で…

「ロン」

僕はハルを見て、口を開く。
ハルはみかんを剥いて、僕の口に入れた。
世話されることは、慣れている。
なので僕は、ハルに世話されるがままだ。
僕もハルの手に向かって「ん」と言い口を開く。
ハルは嬉しそうに、僕の口にみかんを入れた。



「ハル」
「うん?」

本を読んでいるハル。
僕は後ろから抱き着く。

「ふふっ。なあに」

名前を呼んで、遊んでいる(たわむれてる)と思っているのか、嬉しそうな声がする。
ハルはすぐに本を置いた。
満たされる、ただのイチャつき。



「どうしたの?ロン」

少し驚いている。
僕はハルを、押し倒した。
口移しで、ハルにお酒を飲ます。
中々酔わないハルは、この日は上機嫌だった。
今日は酔いが早い。

僕は元々、酔いにくい。
ハルに持ち帰られたときは、酔ってしまっていたが…

「なに?どうしたの?」

声は半分笑っている。
僕はまた、口にお酒を含もうとした。

グイッ

「ハ、ル」

ハルに腕を、引っ張られた。
背中に腕が回される。
そして背中から押された。
ハルの方に身体が倒れる。
体を離そうとするも、ハルの顔が近づいた。

「ふふっ」

嬉しそうに笑うハル。

…このままでもいい気がした。
ずっと二人きりで…
…頭がさっきから…ふわふわする。

僕、このぐらいじゃ酔わないはずなんだけどな…

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