底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

文字の大きさ
98 / 261
第3章

第25話

しおりを挟む
第25話

 ガメニに六階層が広いと聞いていた通り確かに広い。
 と言うか、天井があって密閉空間にあるから、今までと違って広く長く感じる。

 多分、天井部分を取り除けば、二階から五階までのダンジョンと大した変わり映えしないのではないだろうか?

 後は魔物がそれぞれの階層で違うくらいかな?
 今の所、この六階層ではアル魔ジロとゴールドスコーピオンに黄金蜂くらいだ。

「なあ、ガメニ、この六階層では何に苦戦していたんだ?今の所変わった魔物いないよな?」

「あ、あぁ、今の所はな!
でも、オレ達にとって黄金蜂もゴールドスコーピオンも面倒な敵なんだけどな」

「ミーツ様、前方に大部屋があります。
そこに大きな敵の反応があります」


スカルブが又も索敵をして教えてくれた。

「どんな魔物か分かるか?」

「回答、巨大のレッドモスです」

 この階層でレッドモスの巨大化と遭遇するなんて、レッドモス自身もこんな密閉空間では本領発揮出来ないだろうにな。

 とっとと、最初に倒した時みたいに突風の魔法で終わらせようと大部屋に入ると、一匹しか居ないと思ってたレッドモスが壁一面だけでは無く、天井や横壁と通路を塞いだ状態で張り付いていて、既に赤く染まっている状態だ。


「ミーツ様!鱗粉が飛んで来ます!
警戒して下さい」

スカルブが言った直後に俺は突風の想像魔法を使ったが、鱗粉が部屋中に舞っただけで多分、レッドモスは倒せなかっただろう。

 鱗粉が俺の腕に付着したが、何ともない様だ。
そう思っていたら急に、付着した部分が爛れてケロイド状となったが、俺の自然治癒力のスキルが働いて、ジワジワと治るが治って行く側から鱗粉が付着して爛れるといった地獄のような痛みが続いた。

 しかも痺れも発症しだして、動く事も出来なくなりそうだった俺は、一旦広場から足がまだ動く内に退出する事にした。

俺は痺れながらも腕に水を掛けて鱗粉を取り除こうと試みたが、中々鱗粉が取れないで、もどかしい思いをしているとガメニが何やら液体を掛けてくれた。

その液体は付着した鱗粉を綺麗に取り除いてくれただけでは無く、痺れまで無くしてくれた物だった。

「ガメニ、済まない、ありがとう助かったよ。ところでコレは何の液体だ?」

「良いよ。やっと役に立てたよ。
聞くか?聞かない方が良いと思うけど?」

「何だ?何か変な液体なのか?
怒らないから言ってみ?」

「このダンジョン内での魔物のオシッコを混ぜた物だよ」

「小便だとー!でも助かったし、約束もしたし怒るに怒れないな。何の小便なんだ?」

「黄金鴉とアル魔ジロと苦魔のを混ぜた混合オシッコだよ」

「苦魔って熊の事か?」

「そうだよ、熊の魔物だよ。
この階層から出る魔物だけど、コレが強いんだ。腹立つ事にトドメを刺さないで、人の苦しむ姿を見て楽しむんだ。
ある程度楽しんだら、オシッコを顔面に掛けて去って行くんだけど屈辱だろ?」

「何なんだよ!そんな恐ろしい魔物が出るのかよ。流石にそんな魔物と出会ったら瞬殺しなきゃいけないな。
助かったけど、やっぱり聞かなきゃ良かった。先ずは、あの大きなレッドモスを何とかしなきゃいけないな」


 突風じゃ鱗粉が舞うだけで、小さなレッドモスと違って倒せないのは分かった。
 ならば、火で一気に燃やすか?
 それとも一度水責めでもするか?

「ガメニ達はレッドモスと遭遇したら、どうやって倒しているんだ?」

「あの大きな奴はまだ倒した事ないけど、普通の奴は火で燃やしているよ。

火で燃やしてるから、最初にミーツさんが倒した時に出た赤金にならないんだ。

それに、鱗粉が舞っていたら、逃げていたけど、どうしてもさっきのミーツさんみたいに付いちゃう時があるんだ」


「そっか、ありがとう」

 成る程な、やっぱり火で一気に燃やすのが正解か、でも問題は鱗粉か。
 火で燃やすのは最終的に使うとして、俺は水で流す事に決めた。

「やっぱり使うとしたら鉄砲水かな」

「回答、ではレッドモスの部屋の前にシールドを張って、塞き止める役を私が行います」

 独り言のつもりで呟いたら、スカルブが反応して水を塞き止めると言ってくれた。
 多分、俺一人でも出来るだろうが、今回はスカルブに頼って任せようと思う。

「頼むよ、スカルブ助かる」

「ミーツ様のお役に立てるのを光栄に思います。ようやく役に立てる事を嬉しく思います」


スカルブはニコリともしないが、どこか嬉しそうだ。

「では、シールドを展開いたします」

スカルブは片手を前に突き出すと、二重、三重に重なった魔法陣を展開させて、ここからは見えない位置の所にシールドを張ってくれた様だ。

「ミーツ様の魔法の水に耐えられる様に作りましたので、いつでも発射されて下さい。
私はシールド維持の為に動けないので、私に構わず水を出して下さい」

スカルブはそう自分に構わずに水を放てと言っているが、俺はそんなスカルブを片手で抱き抱えながら、後退しつつ魔法で水を繰り出した。

後退している時、時折分岐点があったがそれぞれの分岐点全てに、スカルブがもう一つの手を突き出してシールドを張ってくれた。

「ミーツ様、そろそろ最初のシールド以外の耐久度が限界を迎えます」

「分かった。なら合図と共にレッドモスの部屋前のシールドを解け!」

俺は3、2、1とカウントして「今だ!」そう叫ぶと同時に俺も片手を前に突き出して、特大の水を発射した。



しおりを挟む
感想 303

あなたにおすすめの小説

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。

さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。 だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。 行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。 ――だが、誰も知らなかった。 ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。 襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。 「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。 俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。 無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!? のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。