底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

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第4章

第19話

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第19話

何度転移したか分からないくらい、繰り返し転移していると、途中途中で腐人を見かけたが、転移する前に岩を頭から落として潰してから転移を繰り返した。

そして、しばらく再度転移を繰り返して進んでいると、物凄い数の魔物の足跡を見つけた。

恐らく、あの襲われて人の住めない町となった所から繋がっているのだろう。
魔物の足跡を追うように進んでいると、直ぐに村に行き着いたが、既に手遅れな状況で村を囲う塀は、既に無くなっていて家々は無残に一つ残らず潰れて腐人は居ないみたいだが、きっと魔物に食われたのだろう。

一応、念の為に村を囲うように、腐人を閉じ込めた壁で村全体を囲んで次に進む事にして行動していると、背後から声をかけられた。


「ミーツ、お前の所為じゃないんだ。
だから、そんなに殺気を出すな。
横にいる俺もキツイし、馬車内にいる子供達がお前の殺気に当てられて気絶しているぞ」


シオンに指摘されて想像魔法で鏡を出して自分の顔を見てみると、いつの間にか人でも殺しかねないほどの、自分でも見た事のない顔になっていた。

だから自然と殺気も出ていたのか、指摘されて自分の所為でもない事も分かっているが、悔しいと思う自分がいる。

馬車の手綱を握り締めていると、少女の頭に乗せていたロップが飛んで来て俺の頭に乗り、少女にした時みたいに俺の頭で黄色のオーラを出して俺を包み込んだ。

すると、あれだけ悔しかった気持ちや、怒りに満ちた気持ちが霧散されて、リラックスな状態になっていくのが自分でも分かるようになっていく。

成る程、あの時の少女はこんな感じだったんだな。ロップのオーラが消えるとロップは俺の頭に乗ったままスヤスヤと眠りだした。


「ようやく元に戻ったな。
ここいらで野営をしないか?
もう俺達と子供達しかいないんだ。だから、お前の好きなように野営地にしていいぞ」


俺から殺気が完全に消えた所でシオンに野営をする事を提案された。
しかも、子供とはいえ他人がいる状態で好きな野営地にしていいと言うシオンに驚いた。

まぁ、でもどこに腐人や魔物の大群がいるか分からない状況でアパートを出すのは危ないと考えた俺はアパートを出すのを止めて、広めで頑丈な壁を作って現在いる場所を野営地とする事にした。

水や食材は俺が出せるし問題ないだろう。
商人達と会う前は、何もない荒野で野営する事は度々あったしな。

先ず馬車から降りて外に出て、壁を作るべく小さな村が入れる程のドーム型に壁を作って、天井を空気と明かりが入る様にと煙が籠らない様にポッカリと穴を空けて、ドームの内側の壁や天井部分に明かりを灯して、キャンピングカーを等間隔で3台出した。

それで後で食事の準備がいつでも出来る様に、ドームの中央に竃を3つと、大人が余裕で入られる水瓶を10個程と薪を沢山、山積みにして出して最後に調理器具を適当にと食材の野菜とオークや牛魔のブロック肉を10Kづつ出した。

そこまでやって馬車を見ると、馬車内から落ちそうになるくらい子供達が俺の行動とキャンピングカーを見つめてポカーンとしていた。

馬車から最初に降りてきたのは、姐さんで先程の少年を抱っこしたままだ。


「ミーツちゃん、シオンちゃんに好きにしても良いって言われたからってやり過ぎよ。
でも、子供達にとっては足を伸ばして休められる事は有り難い筈だから、今回はあたしも文句は言えないわね」


姐さんはそれだけを言うと、端のキャンピングカーに乗り込んで行った。
そんな姐さんを見た子供達も馬車から降りようとしたが、馬車の高さから中々降りられずにいた所、シオンが子供達を降ろして姐さんが入って行ったキャンピングカーとは別の車に入る様に指示を出した。

既に元気を取り戻した子供は走ってキャンピングカーに乗り込んで行き、元気ではない子供もゆっくりとした歩きでキャンピングカーに乗り込んで行くと、シオンは最後に残った子供を抱っこして子供達が乗り込んだキャンピングカーに乗って行く。

シオンが最後と思って俺もキャンピングカーの方に向かって歩くと、俺の服が誰かに引っ張られた。

ソルトかな?っと振り向けば、町の様子の事を教えてくれた少女だった。
少女の傍らには小さな男の子がいて、男の子を見ると微妙に少女に似ているから、きっと、この子が生き残った弟だろう。

しかし、少女は俺の服を掴んだまま、微動だにしないまま沈黙していた。


「えっと、何かな?君の幼馴染の少年の所にでも行ってあげなよ」


沈黙が耐えられなかった俺は少女の方を向いて少女に言うと、俺の服から手を離した少女は俺にお辞儀した。


「あ、あの、助けてくれたの貴方だったんですね。ありがとうございました」
「ありがとー」

少女はお辞儀したまま、お礼を言うと一緒にいた弟も簡単にお礼を言い、頭を下げて固まっている姉を見上げてジッとしていた。

うーん、何なんだろうか。
気まずいなと、思いながら少女と弟の頭を撫でると少女は顔を上げて俺の顔をジッと見て、耳が真っ赤になるほど怒りを表している感じになっていて、また叩かれるかと覚悟して身構えていると、弟の手を引っ張って幼馴染の乗っているキャンピングカーに走って行ってしまった。


「何だったんだ?」
「だな」

直ぐ背後にシオンが立っていてビックリしてしまった。

「シオン居たのか」

「ああ、子供をお前の出した奴に乗せた後、お前の馬車で休もうと思ってな」


シオンはそれだけ言うと、先程まで乗っていた馬車の荷台に乗った。


「キャンピングカーで休めばいいのに、それにさっきの女の子は何に怒っていたんだ?」

「回答します。恐らく少女はミーツ様に恋心を抱いていると思われます。危ない所を助けた吊り橋効果というやつですね」


独り言のつもりで呟いたつもりが、どこにいたか分からないソルトが少女の心情を教えてくれたが、俺に恋心?あり得ないだろ。
俺が元の世界で、あの同じ年頃の子と恋仲とかなったら大問題だし、そもそも俺はロリコンじゃない。

もし、本当にソルトの言う通り俺に恋心を持っているなら、早々に諦めて貰うしか無いだろう。

まぁ、でもソルトの憶測の可能性もあるし仮に恋心を抱いていたとしても、普段の俺を見せていたら自ずと恋心も冷めてしまうだろう。


「ソルト、あの子に余計な事はするなよ?
俺に恋心を抱いていたとしても、普段の俺を見ていると自然と恋心も消え失せる筈だからな」


余計な事をしそうなソルトには、前もって釘を刺しておこうとすると、直ぐに返答があった。


「僭越ながら、お答えしますが、ミーツ様は普段のあり得ない行動は格好良いです。
少女がミーツ様に恋心を抱くのは当然です」


ダメだコイツは、恐らく俺に変なフィルターをかけて見ているに違いない。
それでもキチンと説明して余計な事はするなと言っておかなければいけない為、誰も乗っていない残ったキャンピングカーに乗り込んだ。

一通り、ソルトに説明した所でキャンピングカーのボディにコンコンとノックされている音が聞こえてきた。




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