底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

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第4章

第21話

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第21話

食事が終わり、先程のお詫びを兼ねて食器を洗う為に立ち上がって食器を回収しだした時、少女の所で少女と目が合うと少女に汚い物でも見るかの様な目で見られてしまった。

あれ?ソルトの話では俺に恋心を抱いているんだよな?
さっきまで熱い視線を俺に送っていたのに何故、汚い物でも見る様に俺を見るんだ?

もしかして、少女の先程の視線は俺に向けられた物じゃなくて隣にいたシオンになのか?

とりあえず考えるのは後にして全員の食器を回収して、俺の前に重ねて置いて、目の前に想像魔法で水の塊を出して食器を全部水の中に入れて洗濯機で水がグルグル回る様に想像すると、想像通り目の前で食器が水中で回りだした。

でも見る見る内に食器がバラバラに砕けて、仕舞いには粉々になってしまった。

想像が強すぎたのか、想像で出した食器が脆すぎたのかは分からないが、やっちまった感が出てソーっと後ろを振り返ると子供達と少女は目をまん丸にさせて口もポカーンと開けて呆然としているが、シオンは頭に手を置いてやれやれといった感じでいる。

「えっとな、ちと壊してしまったけど、まだ食器はあるから次の食事の時はまた別の物を出してやるからな」

俺がそう言うと、ハッとした子供達が俺の側に寄ってきてキラキラした目で今の魔法について色々質問責めにあってしまった。

シオンは馬車に戻らずに俺が乗っていたキャンピングカーに行き、少女はシオンの後を追ったが、シオンに何か言われたのかトボトボと首を下に向けて明らかに落ち込んだ様子で歩いて、幼馴染みの乗っているキャンピングカーに乗って行った。

俺は浮かせた水を地面に落として、俺に詰め寄って来ていた子供達から逃げるように、明日にでも同じ事やってやるから今夜はもう寝なさいと子供達に言い、足早でシオンのいるキャンピングカーに戻った。

キャンピングカーに戻り、すぐ服を着てシオンを見ると剣磨いていた。

「何やっているんだ?」

「見て分からんのか?剣を磨いているんだ。
魔物と遭遇するのも近いかもしれんからな」


シオンはそう言いながら、手は休めないで磨き続けた。
俺はあの時に少女を引張叩いた理由を聞く事にしよう。


「シオン、あの時にあの女の子を叩いたのは何でだ?あんな状態の少女に手を上げたんだ理由はあるんだろ?」

「ああ、あれか、泣けてなかったからな。
泣くキッカケを作ってやったんだ。
親兄弟が死んで間もないのに、泣いてないと分かっていたからな。時間が経てば経つほど泣けなくなるから軽く叩いて泣くためのキッカケを作ったのさ。
あんなのは何度も見てきた事だからな」


シオンは剣を磨きながらも、サラッと当たり前の様にそう言いながら磨いた剣に自分の光魔法を当ててクルクルと回しながら見ている。

「さて、磨き終わった事だし、俺は先に寝るからな。お前の作った壁は信用はしているが一応俺達だけではない事だし、見回りの番はした方がいいぞ。
俺は先に寝るが、交代の時間になったら起こしてくれ」


シオンはそれだけ言うと毛布に包まって、座ったまま寝息を立て出した。
俺は少女がシオンに恋心を抱いている事を伝えるのを忘れていた事に気がついたが、後日時間のある時にでも話せば良いかと、壁の外の見回りをしに天井の空気穴を広げて外に出てみることにした。

ソルトに預けていた筈のロップがパタパタと飛んできて、俺の頭に着地して寝息をたてだし、俺の頭がコイツの定位置と化している事を今後の課題として考えなければいけないと思った。

俺の作った壁のドームは岩で作った物でそれなりな大きさで作っている為、天井部分からでも充分に見渡せる。

ドームの周りは平らな荒野で木々がまばらにあるだけで、月明かりもあってか結構昼間ほどではないが辺り一面見えている。

そんな中、下の方は流石に見えない為に一応岩のドームの天井から地面に降り立ち、辺りを岩の周りを警戒しながら歩くと、こんな何もない所なのにフード付きの黒衣のローブを着た人が俺の目の前にいきなり現れた。

フードを被っていて顔は見えないが、急に現れてビックリして後ずさりをしてしまった。


「まだ、こんな所にいるのか。
こんな国は放ってさっさと大和に向かえ」


聞き覚えのあるような、無いような低く、くぐもった声でそう言ってきたが、顔の見えない相手で多分まだ会ったことない人に、まだこんな所にいるのかと言われても意味が分からない。
先ず、この人は誰なんだ?

「あの、失礼ですけど、どなたですか?」

「君には言えないし言うつもりも無い」


正体を明かさない相手に不信感を抱いて後ずさりをしつつ、岩のドームの中に入ろうとチラッと視線をドームの上の部分に向けて、フードの黒衣の者に視線を戻すとフードの黒衣の者は先程まで居た場所に居なくなっていた。


「何だったんだ?何者だったんだ?」

そう独り言を言った後で、辺りを見渡して確実に居ない事を確認したのち、念の為に瞬間転移で戻る事にした。

転移でドーム中央部に戻り、天井部分を急いで子供も通り抜けられない様に空気穴を細めて一安心した所で、キャンピングカーに戻ろうとすると、先程フードの黒衣の者が俺の乗ろうとしているキャンピングカーの乗り口前に立っていた。

一瞬、頭が真っ白になったが、無言でこんな所に着いて来たって事は、このフードの黒衣の者は敵だと認識して殴りかかろうと動くとフードの黒衣の者は目の前にいた筈なのに後方にいて、後ろから俺の首の頸動脈を指二本で押さえて俺の動きを止めた。


「動くのは止めた方がいい。
お前では俺には勝てないぞ」


言葉使いが男性だからフードの黒衣の者は男か?そして首を押さえられているから動けないってのもあるが、姐さんよりも強い威圧を感じる。姐さんよりも強いかも知れない。

姐さんでも勝てないかも知れない相手に挑んでも仕方ないので、アッサリと降参して何が望みかを聞きだそうと両手を上げるとフードの黒衣の男は俺の頭にいるロップを自分の肩に乗せて、俺の首から手を離し、そのまま頭に手を移動させて頭に手を置いた。

そして、何やら力を俺の頭に込め出した所で、意識が朦朧としだした。
意識を失う前にフードの黒衣の男は俺の頭から手を離した。

朦朧とした目でフードの黒衣の男を見ると、片手で何かを掴んでいる。

「ミーツちゃん大丈夫?ってキャアアア」

ハッキリと意識を取り戻しだした所で、フードの黒衣の男を見ると姐さんの足を掴んで壁に向かって放り投げていた。


「ね、姐さん!クソ、よくも姐さんを!それにロップをロップをどうするんだ?」


フードの黒衣の男の肩で大人しくしているロップを見ると、男はロップを掴んで俺の頭に戻した。


「お前の頭に手を乗せるのに邪魔だったから一時的に移動させただけだ。
そして、お前のステータスを少し弄ったから後で確認しておけよ」


フードの黒衣の男はそれだけ言うと、壁にぶつかってフラフラと立ち上がった姐さんに手を翳すと姐さんは緑色に光り、フードの黒衣の男は姐さんの顔に近寄り何かを話した後、突然消えた。

その後、姐さんは力が抜けたのかズルズルと倒れてしまった。
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