底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

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1巻

1-13

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「来たか」
「はい、どうされたんですか?」
「お前に悪い話がある。この王都にいる間は、お前の魔法はなるべく使うな」
「え? なんでですか? まだグレンさんとシオンとダンクねえさんくらいにしか見せてないですけど」
「お前が魔法を使って、ギルドの部屋を綺麗きれいにしただろ? それで、城の魔法関連の関係者が、異様な魔法を使う者がいると気付いたみたいなんだ。まだ、お前と特定されてないが、このまま王都で使い続けると、バレて城に連行される可能性が高くなる。だから、使うにしても気をつけて使え」
「黙っててもいいことを教えてくれてありがとうございます」
「お前には、ダンクを連れていってもらわないといけないからな」

 あ、そういえばそうだった。そういう話だった。

「はー、その様子だと忘れていたようだな。まあいい、とにかく気をつけろよ。外に行くことがあれば、外でも注意しろよ」
「さっき、初めて街の外に出ました。そこで、初めてゴブリンを狩ってきました」
「は? それ魔法使ったんじゃないだろうな!」
「……」
「目を逸らすな! 誰に見られた?」
「ニックという冒険者です」
「ニックか、分かった。後でこっちで調べて注意しておく。もう下がっていいぞ」
「多分、ニックは大丈夫だと思いますが、よろしくお願いします。あ、最後に魔法を使っても大丈夫な部屋ってあります?」
「まだ使う気か! 使うなら自分が泊まってる宿だけにしとけ! それと、宿で使うときも窓や扉はちゃんと閉めて使えよ?」
「分かりました、じゃあ失礼します」

 俺はそのまま二階の受付に行き、ゴブリン退治十匹分の報酬鉄貨三枚をもらった。そしてギルドを出ると、そろそろダンクねえさんのところに行っても大丈夫かなと思い、裏ギルドに回った。

「ダンクねえさん、いる~?」
「ミーツちゃん、ここ数日どうして来てくれなかったの!」
「え? どうしたの? ダンクねえさん」
「どうしたの? じゃないわよ! シオンちゃんと一緒に慰めに来てくれると思って待っていたのに」

 あー、そういうことか。しまったな。そっとしといた方がいいと思って放っておいたのが裏目に出てしまった。

「ご、ごめんよ。ダンクねえさん、そんなに落ち込んでいたなんて知らなかったんだ。でも、ダンクねえさんには訓練に付き合ってもらいたいかも」

 ダンクねえさんの機嫌を回復させようと訓練に誘った。

「ふう、仕方ないわねえ。ミーツちゃんだもんね。登録は残念だったけど、モアちゃんに事細かに聞いたからいいわ。許してあげる、その代わり、訓練は厳しく行くわよ」
「ホッ、良かった。じゃあキック、ダンクねえさんを借りていくな」
「キックちゃん、一時間くらいしたら戻ってくるから、後はヨロシクね~」
「え、ちょっ、待っ」

 ギルドの地下にある訓練場に着いてダンクねえさんと対峙していると、なにやらすごい威圧感があって身震いしてくる。

「さて、あたしは指二本しか使わないから、小手調べに軽くいくわよ」

 ダンクねえさんは中指と親指を丸めてデコピンの構えをとって五メートルくらい離れてたのだが、一瞬で目の前に指を突き出してきていた。
 俺はとっに頭を振って避け、拳をボディに当てようとしたが、そこには既にねえさんはいなかった。

「ダンクねえさん、速すぎだよ」
「ふふ、ミーツちゃんも思ったよりやるじゃない。でも魔法は使っちゃダメよ」
「目に見える魔法は使ってないよっと。くっそー、外れた」

 俺は再度ダンクねえさんの身体に拳を当てようとしたが、今回も既にいなかった。

「え? じゃあ、何使ってるの?」
「こういう動きにはこれくらいの身体能力が必要ってのを思い浮かべながら動いてるってだけだよ。身体強化っていえばいいかな? 俺自身の魔力を身体全体に薄く包んでいる感じかな」

 筋トレするにしても、何も考えずにやるより、こういう身体に近付きたいと、想像しながらやる方が効果が出ると、本に載ってたのを思い出したのだ。

「でも、そういう考えは大切よ。ていっ!」
「あ痛っ」

 額にデコピンされた。

「参りました」
「え、デコピン一発で?」
「うん、あと何発かはイケるけど――」
「なら、まだいけるわね。さあ、どんどんいくわよ」

 ダンクねえさんは、俺が言い終わる前にデコピンの連打をしてきた。

「待った! 本当にストップ!」

 再度額にデコピンされ、身体にも数ヶ所デコピンされ、本当にやばいと思いストップをかけた。

「準備運動にもならないわね」
「ごめんなさい」

 謝りながら土下座した。
 これ以上されたら死んでしまうと思ったからだ。

「この場で言うのもなんだけど、ダンクねえさんに預けていたスマホを返してもらえるかな?」
「いいわよ。今持ってるから投げるわね」

 ダンクねえさんは軽く投げたつもりだろうが、スマホはすごい速さで飛んできた。かろうじて俺は胸元でキャッチする。念のため起動してみたら、壊れてなくて安心した。

「ミーツちゃん、こっちの世界にはちょっとは慣れた? もう結構たつんじゃない?」
「そうだね。色々ありすぎて、日にちの感覚が分からないけど、そこそこは慣れたと思うよ。今日、ダンクねえさんに会う前に、初めて街の外でゴブリン退治をしたんだ。さっきまで、知性のある生き物を殺してしまったと罪悪感を持っていたけど、訓練していたら、そんなものは消え去ってしまったよ」
「そう、良かったわね。いちいちゴブリンごときに罪悪感を覚えていたら生きていけないわ」

 訓練が終わったあと、座り込んでダンクねえさんと雑談をしていると、ふと城に残った若い子たちはどうしてるんだろう? と考えてしまった。



 第十七話


 ダンクとミーツがギルドの訓練場で組み手をしている頃、城では――


「撫子様、だいぶさまになってきましたね。もう少ししたら、皆さんとともに城下町に出ても大丈夫そうですね。そのときは、私も護衛を兼ねてついていきますが、いい気晴らしになると思いますよ」

 撫子がなかなか俺――ケインになびかないことにいらつくが、感情を表には出さないよう心掛けている。
 だが、城に残った男二人が、撫子と訓練をしていると、ちょいちょい邪魔をしてくる。先に城を出た他の仲間に何か忠告でもされたのかもしれないが面倒だ。

「ハアハア、ありがとうございます。正義くん、英雄くん、良かったね! もう少しでみんなと街で合流できるって」

 大体、こいつらが邪魔なんだよ。
 途中から俺を監視するかのように俺と撫子の訓練に参加しやがって。メイドを使って籠絡ろうらくしてやるか? この年頃の男なんて、ちょっと色気のあるメイドを使えばイチコロだろう。
 ふと男どもを見ると、正義と英雄の二人が、訓練は終わりと思ったのか、剣をさやに戻して片付けを始めていた。

「待て待て、まだ訓練は終わってないですよ、君たち。男だけ先に帰るなら、それでも構いませんが?」
「カッチーン! それならやってやらあ! 副騎士団長様よ、後悔するなよ」
「だな、英雄! 俺たちの連携を見せてやろうぜ」

 ここ数日、撫子以外の二人の男の訓練を部下の騎士たちと見ていたが、英雄は頭に血が上りやすく、簡単な挑発でも乗ってくるのが分かった。一方の正義は、英雄がいなければ挑発になかなか乗らない、面倒な男だ。
 今二人揃って頭に血が上っているようなので、さっさと返り討ちにしてやるとしよう。
 訓練のとき、俺は木剣を使っているが、二人には刃こぼれしているものの真剣を使わせている。もし斬られたら、致命傷にならずとも決して軽い傷では済まない。
 二人は左右同時に仕掛けてきた。
 左右同時といっても、二人はステータスこそ普通の騎士より強いだろうが、剣術や立ち回りは稚拙ちせつ。そんな二人に俺が負けるわけもない。仕掛けてきた二人の攻撃は全くの同時ではなかったため、片方ずつ剣を受け、その流れで二人の腹に木剣のつかをめり込ませて気絶させた。
 二人との勝負の前に、部下の騎士を使ってメイドを呼びに行かせ、訓練場外にて待機させていた。
 二人が気絶して地面にうつ伏せで倒れたのを確認したメイド長が、俺のもとにやってきた。
 撫子に分からないように、メイド長に二人を籠絡ろうらくするように伝え、ふところから金貨が入った小袋を手渡すと、中身を確認するまでもなく、俺の目を見つめて微笑ほほえんだ。そして、外で待機させていた他のメイドたちを訓練場に呼び寄せると、一人の男を五人で運ぶという必要以上の多人数で訓練場を後にした。

「正義くん、英雄くん!」

 そんな二人を心配した撫子が、メイドが運んでいる二人のもとに駆け寄ろうとするが、メイド長をはじめ他のメイドたちも、彼女を近付けさせなかった。

「心配ないですよ。撫子様、メイドたちは優秀なので、しっかりと介抱すると思いますので」

 そんな撫子を安心させるように、優しく声をかけた。

「……はい」

 撫子の返事は暗く、連れていかれている二人を見守ったまま、こちらを振り向きもしない。
 そんな撫子の肩に手を置き、こちらに振り向かせたあと、後方にいる部下の騎士たちに片手を上げて訓練場から退場させた。
 だが、二人っきりになってもいまだに二人のことを心配する撫子に、俺は次第にいらつきはじめていた。
 この気持ちはなんなのかは分からないが、彼女を独占したい気持ちが強くなってくる。

「さあ、撫子様。訓練を再開させましょう」
「え? でも、今日の訓練は終わったんじゃ……」
「いえ、まだ終わってませんよ。撫子様は仮であっても勇者の身、今のままでは、私はおろか、私の部下の騎士たちにすら勝てませんよ。そんなことでは魔族となんて戦えません。たった今から、貴女あなたには厳しくいかせてもらいます」

 撫子にはあの二人より強くなってもらい、二人を必要としないレベルまで成長させようと試みることにした。
 ついでに撫子にはときに厳しく、そしてときに甘い言葉と態度を見せて、俺に振り向かせる計画を早めることにしよう。

「さあ、撫子様。そんなにご友人の二人が心配でしたら、私に一撃でも攻撃を当てることができれば、追いかけてもらっていいですよ」

 撫子はそんな俺の提案に乗り、訓練用の剣を手に、今まで教えてきた剣術でガムシャラに攻めてきたが、勇者といえど所詮しょせんレベル1だ。
 攻撃が軽すぎて欠伸あくびが出てくる。
 あまりにも単調な攻撃が続くため、先程の二人同様に、剣のつかを撫子の腹に入れた。撫子は倒れたものの、先程の二人と違って気絶はせず、痛そうに腹を押さえて座り込んだ。

「酷いです。ケイン様、さっきまでの動きと全く違います!」
「すみません、撫子様。あまり甘くすれば訓練にならないので、先程の正義さんと英雄さんの力加減でいかせていただきました。少し休憩といたしましょう」

 俺が休憩と言うと、撫子は腹を押さえながら、激しく息切れをしつつ、寝転がった。
 そんな撫子の姿に少し欲情してしまいそうになるが、グッと我慢しつつ、今度食事や訓練時の飲み物に媚薬びやくでも混ぜてみるかと思案する。すると、撫子は寝転んだまま、目だけをキッと俺に向けてにらんだ。
 もしかしたら、考えていることが顔に出ていたかと一瞬思い、笑顔で撫子に手を差し伸べた。

「撫子様、どうされました?」
「ケイン様、私に何かされるのですか? ケイン様が私にいやらしいことをするとか、嘘ですよね?」
「ええ! な、なんですかそれは! どなたがそんなことを? 私が撫子様にいやらしいことをすると、撫子様は信じているのですか?」
「いえ、ケイン様が私を籠絡ろうらくしようとしてるって情報を聞いたものですから。ここ数日様子を見ていたんですが、そんな傾向が見られないので、やっぱりデマだったんじゃないかと思い直したんです」

 一瞬、背筋が冷やりとした。だが、撫子は言葉を続けた。

「あの、私はケイン様のことを信じたいです。ですから、本当のことを教えてください! 私はケイン様のことでしたらどんなことでも信じます。ケイン様とはここ数日の浅い関係でしかありませんけど、私はケイン様のお役に立ちたいです」

 ここ数日の間、撫子だけではなく、英雄に正義、城から出ていった者にも不審な目で見られていたのには気が付いていた。やはり、マーブルのじいさんの計画を知った誰かが、撫子たちに情報を漏らしたのだろう。
 撫子の訓練をしていても、マーブルのじいさんや国王からの重圧が酷かったが、あせらずに訓練をしていて良かったと思った。それにしても、撫子もやっぱりガキだ。そんな情報を仕入れているのに、まだ俺を信じる気持ちがあるとは。ここは言葉を選びつつ、籠絡ろうらくするために一気に撫子との距離を縮めなければいけない。

「私が撫子様を籠絡ろうらく? そんなことをするわけございません! 撫子様は確かにすごく魅力的な女性です。ですから、私は正々堂々と騎士道精神にのっとって誠実に撫子様とお付き合いしたいとは思っても、撫子様をおとしめようなんて思っていません」
「ケイン様、私のことを魅力的って思ってくださるのですか?」
「もちろんでございます! 勇者様でなければ、私のいいところを撫子様に見てもらって、猛烈にアタックしてますよ」

 自分自身、何を青臭いことをと感じた。恥ずかしくて赤面していないだろうか。

「申し訳ございません! ケイン様を誤解していました。私もケイン様のことを素敵だと、最初に会ったときから思ってました。ケイン様がよろしければ、私のこと呼び捨てで『撫子』と呼んでもらえますか?」
「もちろん、いいですとも、撫子! では、私のこともこうして二人きりのときだけは、ケインとお呼びください」
「ケイン……さま。いきなりは恥ずかしいです。ケイン……さま」

 本当に青臭いガキだと思いつつ、面倒だが言葉を続けた。

「いいから、とりあえずケインとだけ呼んでください」
「ケイン!」
「そうです。撫子! ではこれから二人きりのときだけ呼び捨てで呼び合い、言葉遣いも砕けた感じにしませんか?」
「いいのですか?」
「もちろん! 部下の騎士たちやメイドのいない、二人っきりのときだけですが」
「じゃあケイン、今度城下町を案内してね?」
「ああ、もちろんだ。仲間と合流する前に私とデートをしよう!」
「デート、嬉しい! ケインとのデート楽しみにしてるね!」

 案外、撫子の籠絡ろうらく容易たやすいな。
 後は時間の問題だろう。
 残りは面倒な男ども二人だが、先程のメイド長が上手くやってくれているだろう。骨抜きにされ、マーブルのじいさんの計画通りになるまで、そう時間はかからないだろう。



 第十八話


 ケインに気絶させられた正義と英雄は、別々の個室でメイドたちから介抱されていた――


「いてて? あれ? ここどこだ?」

 俺――鈴木英雄は、ベッドに寝かされていた。
 そして、周りには三人のメイドがいる。

「ここは、英雄様を介抱するための特別な個室でございます。お仲間の正義様は別の個室で、英雄様と同じように介抱されていると思います」
「へえ、そうなんだ」

 なるべく平常心で答えたけど、やべえ! このメイドたちボンキュッボンだ! 巨乳好きな俺にとって、ここはまさに天国だ!
 俺は今巨乳なメイドに膝枕をしてもらっていて、見上げれば服の上からだが、が見える状態だ。他の二人のメイドは、腕や足を優しくマッサージしてくれている。
 すると足をマッサージしてくれているメイドが、俺の股間こかんをマッサージしはじめた。

「なっ! ちょっ、ちょっと待った!」

 起き上がって抵抗しようと思っても、膝枕をしているメイドと足のマッサージをしてくれているメイドに押さえつけられていて、起き上がれない。仕方なくされるがままになっていると、膨張ぼうちょうした股間こかんは簡単にってしまう。メイドたちにはクスクス笑われて、恥ずかしさのあまり手で顔を覆った。
 そんな俺の手をそっと外し、足をマッサージしてくれているメイドが口移しで何かを飲ませてくれる。ついでにメイドの舌が生き物みたいに俺の口を蹂躙じゅうりんしていく。
 ほうけていると、股間こかんがムクムクとすごい回復を見せた。さっき口移しで飲まされたやつの影響かな? たちまち性欲がとんでもないことになってくる。

「あの! 俺! もう我慢できないんだけど」

 俺の心のうちをメイドたちに伝えると、彼女たちは待ってましたと言わんばかりに服を脱いだ。
 服の上からでも理想的なプロポーションだったが、脱いだらそれこそパーフェクトだった。


 こうして、俺はメイドたちに蹂躙じゅうりんされた。
 こんなに気持ちいいことが、この世にあるのか……
 まさに天国だった。異世界に来て本気で良かったと初めて思った瞬間だった。
 撫子ちゃんをまもるために残って良かったなあ。
 ケインもここ数日ほど見ていたが特に何もしなかったし、今日くらい俺がいなくなっても問題は起きないだろう。そんなことを思っていると、また俺の暴れん坊が元気になっていく。
 それを見たメイドたちが微笑ほほえみながら、俺が果てるまで何度も何度もヤラセて、くわえて、すごい体位で楽しませてくれた。
 胸も吸ったり、んだり、俺のモノを挟んで顔に出したりとたくさん、本当にたくさん色々とやった。

「このまま、ずっとこのままでいたいな」

 独り言をボソリと言って気を失った。
 起きたら、さすがにいないだろうと思ったが、抱き枕のように一人のメイドが後ろから抱きついていた。
 近くにあった呼び鈴を鳴らすとまた同じメイドが来て、ベッドに入ったまま食事を食べさせてくれた。
 そのまま、また口移しで何かを飲まされ、気を失う前の出来事をデジャヴかと思うくらい再現してくれた。もうダメだ、抗うことができない。
 俺は、完全にメイドたちのとりこになってしまった。どうせ、正義も同じ感じになってるだろうと思いながら、欲望に身を任せることにした。
 こうして撫子ちゃんとも正義とも会わずに、メイドたちとイチャイチャしながら数日が過ぎていった……


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