53 / 261
第2章
第18話
しおりを挟む壁の内側に戻って辺りを見ても、まだ賢のパーティである『天性』のメンバーは来ていないため、先に愛らにアパートを見せて意見を聞こうと思った。トイレは使用不可能だからと、先に中を見に行って意見を聞かせて欲しいと言い、アパートに向かわせた。
そして、賢達を待つこと数分経った頃にアンソニーが俺が愛たちを運んだ時と同様に背中に賢、片手づつにダニエルにジョージを抱えて俺の目の前に降り立ち、俺の作ったアパートを天性メンバーが見て、賢以外の全員が笑いだした。賢だけが、こういうの見たことあると言うも、なんだっけと頭を悩ませている。
ダニエルが賢にコレはアパートだよっと言っているのが聞こえ『大和』には無いのかを聞いた。
「俺が知ってるアパートと違っているからコレがアパートだと分からなかったんだ」
「俺はミーツさんの魔法の正体が何なのかが大体ですけど分かりましたよ。一昨日の風呂といいコレといい、ズバリ言っちゃって良いですか?」
そうダニエルは分かった風に言って来たが、本当に分かったのだろうか。
少々ドキッとしたものの、言わないで欲しいことを伝えると、彼は自分らの仲間内でなら話してもいいかを聞いてきたことで、それならと承諾する。
「分かったなら止めてくれ。もし外たら言わないといけなくなりそうだし」
「なら、俺たちのメンバーだけになら良いですか?」
「それくらいならいいよ」
俺がそう答えると、ダニエルは円陣組んだ形に皆んなと肩を組んで、コソコソと話しだして、俺が聞き耳を立てていると、建築物創造って言葉が聞こえたから、安心して数歩離れて話が終わるのを待つ事にした。
話が終わったのか皆んなスッキリした様な顔でニコやかにしている。
今度はアパートを案内しようと『天性』のメンバーを連れてアパートの中に入ろうとすると、丁度愛たちが不満そうな顔で出てきた。
「トイレがあるのにお風呂は何で無いの?」
「トイレの使用不能って言ってましたけどアレをどうやって使える様にするんですか?」
「おっさん一人でこれだけ作ったのかよ?
そうだとしたら半端ねぇな?」
愛たちに見せたのは失敗だった様だ。
元の世界での建物を見せても、ただ少し大きいだけのアパートにしか見えないだけで、改善するべき物が何なのかが分からない様だ。
だが、愛とアリスの質問には答えた。
風呂は共同のやつを別に作ろうと思っているのと魔法を使えない人が多い為、個室に作っても湯船に水を一杯にするのが大変だと思ってワザと作らなかったと説明した。
トイレの使用不能はアパートを移動させて、ちゃんとした場所に固定したらアパートの下に穴を掘り、ポットン便所として便をしたらその穴に落ちて、溜まるようにしようと思っていると説明をした。
ジャスの問いには答えなかった。
面倒だしもういいかなっと思ったからだ。
愛たちには待ってもらって、今度は賢達にアパートを見て意見があれば、どんな事でも聞くと言い待っているとダニエルが質問してきた。
「ミーツさん、何でこんなに大きくしたんですか?普通は六畳一間ですよね?
キッチンを竃にしたのは良いと思いますけど、何でですか?」
「普通に六畳一間だったら狭すぎるかなって思って、少しだけ広くしたんだ」
「少しってレベルじゃないですよ。あの世界なら結構良い物件って感じですけど、こちらの世界では先ず、こんなアパートは『大和』を除いて無いですね。私達の国でも、こんなに広いアパートはあまり見ないです」
「でも、これくらいあったら嬉しい」
アンソニーに責められる形で捲し立てられたが、ジョージはボソリとこのくらいで良いみたいな事を言っているから大丈夫だろう。
「あの子達以外に誰か他にコレを見せたか?」
今度は賢が自分達以外に見せた人がいるかを聞いてきた。
「見せたのはシスターと村に居たシスターの妹の老婆とロイスと姐さんだけだけど、皆んな驚いていた。シスター達には孤児院予定の建物を見せたら、固まったり気絶したりして反応を見せなくなったから置いといて、外に出たらアンソニーが飛んでいるのを見つけたから声をかけたんだ」
「そうか、これ以外にも何か作ったのか。
それなら、後でその孤児院予定の建物も見せてくれるんだろ?」
「勿論だよ。孤児院にしては大き過ぎるかも知れないけど、意見を聞きたいから逆にお願いするよ」
俺がそう言うと天性のメンバー全員が頷いた。このアパートに対する意見は他に無いか聞く事にした。
「それでこのアパートで改善するべき事はあるかな?」
「広いだけで、これはこれで良いんじゃないんですか」
「ダニエルと一緒の考えだ」
「私も良いと思いますよ。ただ広いから初見だと戸惑うかもしれませんけど」
良かった。元の世界とこちらの世界の事情を知ってる賢を除いた三人の意見が、同じだから大丈夫だろう。賢だけアパートに対する意見を言わなかった事に疑問を感じたが、驚いただけで意見はダニエルとほぼ一緒らしかった。
一般家庭の住居はアパートタイプと一軒家タイプを作り、村人や世話役の大人達に選ばせても良いなと考え、色々作ってみようと思った。
ついでに、最初に出したボロアパートとボロ屋を見て貰おうと思い、同じ物を想像魔法で再度、創って見て貰った。
「また、綺麗なアパートを見た後だと矢鱈と古く見えますね。多分コレが本来の建物なんでしょうけど」
「流石ダニエルだね。そうだ最初に作った建物がこれだったんだけど、流石にボロ過ぎると思って作り直したのが最初に見せたアパートだったんだ」
「成る程、でもこれでも良いと思いますよ?
でもミーツさん事ですから、あの新しいアパートを村人達に与えるんでしょうね。
ミーツさんの子供達や、他の人に関する気持ちの強さを感じますね」
そんな大層な事考えているわけじゃないけど、賢たちにも先程シスター達に見せた建物を見せる事にして、少し移動して孤児院予定の建物を見せてみて、中に入るとシスター達が居なくなってるが何処に行ったのだろう。
愛達を見ると嬉しそうにキョロキョロと見て回っている。天性メンバーは、全員が驚いてシスターの時と同様に固まっていた。
賢は分かるけど転生のメンバーは何故だろうか?そう考えていると話しかけられた。
「ミーツさんやり過ぎですよ!」
「だな、ミーツさん、あんたどれだけMP持ってるんだ?」
「上から見ていたから、大体は分かって居たけどコレはギルドを作ろうとしたんですか?」
またもや賢を除いた三人に責められる形で言われてしまった。賢だけが未だに喋る事が出来ないでいるみたいだが、確かに三人の言う通りやり過ぎたかも知れない。
「ねえねえ、おじさん!これギルドだよね?ね?この村にギルド作るの?」
「ちょっと愛は邪魔だよ。適当に部屋見てきて良いから、こっちの話しにはしばらく入らなくていいよ」
「何よ!おじさんが意見聞きたいって言うから話しているのに!もういい!アリス、ジャスくん行こ!」
少し悪い事したなって思いつつも、未だに固まってる賢は放っておいて他のメンバーと話す事にした。
159
あなたにおすすめの小説
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。