91 / 115
Artémis des larmes ~アルテミスの涙~
第18話
しおりを挟む
「まぁご覧になって!シャルロット様とゲルハルト王子がワルツを踊られているわ!!」
「先日の歓迎パーティーでも一緒に踊られていたなぁ!なかなかお似合いのカップルじゃないか!」
「ホント…お二人とも瑞々しい清楚な雰囲気でとても素敵だわ…」
ダンスフロアの方に躍り出たシャルロット様とゲルハルト王子は、音楽団の奏でる優雅なワルツの音に身を委ねてしっとりとしたワルツを踏んでおりました。
本日は珍しく、シャルロット様は暴走することなく平穏にワルツを踊られております。
しかしどこか心ここに非ずと言った虚ろな雰囲気を纏い、ぼんやりとゲルハルト王子のアイスブルーの瞳を見つめているのでした。
「…シャルロット様?どうかされましたか?」
「あ…ごめんなさい。ワルツを踊るのに必死で…」
「いえ…。今日は先日よりもだいぶ上達されているように思えます…。もしかして…練習してくださっていたのですか?」
「ワルツのカウントの練習はしたわ」
「あぁそれで!先日よりもしっかりとリズムが取れていらっしゃる!」
「今日はまだゲルハルト王子の足を踏んでいないわ」
お二人は顔を見合わせてあはははは…と笑い合いました。
ちょうど音楽も一気に盛り上がりを見せると、お二人はクルクルと一気に回り始めました。
気分が盛り上がって来たのか、ゲルハルト王子はクルクルと回りながらヒョイっとシャルロット様を持ち上げてリフトしました。
「きゃ…!」
不意のことに驚かれたシャルロット様を、ゲルハルト王子は年上の余裕でニコッと微笑んでおりました。
周りにいてお二人を温かく見守っていた大人たちはそんなお二人に歓声を上げております。
んもぅ…っ!と一瞬素の表情で怒られたシャルロット様をご覧になってゲルハルト王子は少し驚いた表情を見せた後、プッと吹き出して少年の様に笑い始めました。いっけない!とあ…とした表情でシャルロット様は少し固まってしまいましたが、目の前でまぁまぁ豪快に笑っているゲルハルト王子につられて、シャルロット様も屈託ない満面の笑みで笑ってしまいました。
遠くの主賓席からその様子をご覧になっているウィリアム様とアドルフ陛下はニッコリと微笑んでいらっしゃっているのが見えます。
パーティー会場の「プリムラの間」は大変和やかに、かつ大賑わいを見せているのでした。
・・・・・・・・
「何だか…広間は大賑わいですわね」
オレンジ色をしたロウソクの炎がゆらゆら揺れる燭台の灯りの下、人気もまばらでどこかムーディーなテラスでソファーに座ってヴィンセントとお話をしていたエレナは、パーティー会場から聞こえてくる歓声に耳を奪われ視線をそちらにやろうと振り返ろうとしました。
するとグイッと優しくも顎に指を添わされ、驚いたエレナはパっと元の方向にお顔を戻しました。
「中の様子が気になりますか?」
「…ヴィンセント様」
月明かりと星の煌めきの下、紫色をしたアメジストの様に研ぎ澄まされたヴィンセントの瞳がエレナの身体を刺すように見つめております。
エレナはドキドキ…と心臓の鼓動が早く、そして強くなっていくのを感じておりました。
「もう少しゆっくりと貴女と二人で居たい」
「…」
「エレナ、その可愛らしいお顔をこっちを向いて」
ヴィンセントはそっとエレナの頬を優しく撫でます。熱を帯びて真っ赤に染まっているエレナのお顔は暗い夜の闇の中でもハッキリとヴィンセントには見えておりました。
「エレナ…可愛い人だ」
「ヴィンセント様…」
「エレナ…」
「…っ!」
ヴィンセントはゆっくりとお顔を近づけてエレナの唇に自分の唇を重ね合わせました。驚いたエレナの口から何か言葉が発せられる前にもう一度ヴィンセントは唇を重ねて喋られないようにしてしまいました。
突然のキスに驚き逃げようとするエレナの身体をグイッと強く抱き、逃げられないようにしっかりと抱きしめます。
エレナの瞳は大きく見開かれ、呼吸も出来ないほどの驚きに満ちておりました。
「…っ!ヴィ…ヴィンセント様…っ!」
「エレナ…」
額をくっ付けたままの距離で、ヴィンセントは一度ゆっくりと重ねていた唇を離します。
エレナは放心状態でヴィンセントのお顔を見つめたままでした。
「…」
「…すみません、少し強引でしたね。反応が可愛らしく…つい…」
「い…いいえ…。私の方こそ…この歳になってこんな子どもみたいな反応しか出来なくて…。さぞかしヴィンセント様をがっかりさせてしまっているのかと思うと…恥ずかしいですわ」
「そんなことありませんよ。とても新鮮で可愛らしい…」
「ヴィ…ヴィンセント様はこういうこと、慣れていらっしゃるのね」
「まぁ…それなりには」
「あ…!ごめんなさい。野暮な事をお聞きしてしまいましたわ…」
「いいえ」
なるほど、実に典型的な生真面目でお堅い初心な娘だな…とヴィンセントは頭の隅でふと思いましたが、それもまぁいいだろうと思い、フッと微笑みながらもう一度エレナの頬を優しく撫でて唇を重ねました。
ヴィンセントの情熱的な口づけに、段々とエレナの表情が溶かされていきます。次第にうっとりと瞳を閉じ、ヴィンセントのぶつけてくる情熱に反応をし始めました。
「…ヴィンセント様…もう…これ以上は私…」
「そうですね…。今日はここまでにしておきましょう」
「でも…とても体の芯から溶けてしまいそうなくらい素敵なキスでしたわ…」
「…キスくらい、いつでもして差し上げますよ」
「まぁ…」
エレナはヴィンセントの胸にそっと自分のお顔を寄せて、心の底から湧き上がってくるじんわりとした幸せを感じておりました。ヴィンセントもどこか彼女を愛らしいと思い、珍しく穏やかな顔をしてエレナを抱きしめております。
「でもそろそろ…戻りません?私ヴィンセント様とワルツを踊りたいですわ」
「…喜んで」
少し甘えたようにヴィンセントのお顔を見上げるエレナを愛おしく思ったのか、ヴィンセントはエレナのおでこにキスをして返事をすると、スッと立ち上がり手を差しだします。エレナはその手をそっと取り立ち上がりますが、バランスを崩して倒れそうになってしまいました。するとすぐさまヴィンセントはエレナを支え、倒れないようにしっかりと抱きとめます。
そして二人は笑い合いながら腕を組んでテラスから去って行きました。
「本当に平和ボケした国ですねぇ…ローザタニアは」
葉巻の煙を揺らし、テラスを見下ろせるお城の一室の窓際に寄り添いながら李 凰華の偽名を使ってパーティーに来ている劉 黒豹は、ヴィンセントとエレナの一部始終を見ておりました。
ハッと馬鹿にしたように嘲笑すると、そのまま宙を見つめて葉巻を大きく吸ってふぅ…と細く息を吐きます。
ガチャ…っと扉が開くと一人のメイドが中を恐る恐るゆっくりと覗き込みます。
劉 黒豹の姿を見つけたそのメイドはぱぁ…と笑顔を輝かせて黒豹に駆け寄ってきました。
黒豹は口角を少し上げて微笑むと、両手を広げてそのメイドを迎え入れます。メイドは黒豹の腕の中にすっぽり包み込まれてぎゅっと黒豹を抱きしめました。
「…っ!会いたかった…っ!!」
「えぇ、私もアナタにお会いしたかったですよ。私の可愛いメグ…」
「うふふ❤️もぉー!全然連絡くれないんだからぁ~!メグ、寂しかったぁ」
「申し訳ないメグ…。色々と仕事が立て込んでいたので」
「もう会えないかと思ってたぁ~!もぅ…抜け出してくるの大変だったのよ?急に調理場の手伝いに行けって言われて…もうどうしようかと思ったぁ~!」
淡い金髪の髪を揺らしてメグは黒豹の胸の中で上目遣いで甘えた声を出します。
そんなメグとは対照的に、黒豹は冷めた瞳で遠くを見つめております。
「…会えない時間が、気持ちを盛り上げるんですよ」
「分かっているけどそんなの寂しいわ!」
「おやおや…とんだ甘えん坊さんだ」
「ふふふ…」
大好きな人に出会えた少女の様にメグは幸せそうな顔で黒豹に抱きつき返します。
黒豹は相変わらず冷めた瞳で遠くを見ながら、ドアの外で隠れているセバスチャンの部下の気配を確認すると、メグの耳元で声を潜めて囁きます。
「それで…メグ。ちゃんとお願いしてた通りにしてくれていますか?」
「もちろんよ!ちゃんと毎日アナタに言われた通りに、この粉をお庭にばらまいているわ」
「ありがとうございます」
「大好きなアナタの頼みなんか断れないわ!でも…あれ一体なの粉なの?」
「そんなこと貴女は知らなくていいんですよ、メグ」
「え~?でも気になるわぁ」
「…魔法の粉ですよ」
「魔法の粉?」
「えぇ。そんなことよりもメグ…。時間はそんなにも無いけれどご褒美をあげましょう。さぁ…」
黒豹は甘えてくるメグのおでこをキスすると、メグは嬉しそうな顔でまた再び黒豹に抱きついてその唇にむしゃぶりつき様にブチューっとキスの雨を降らしました。
黒豹はメグの身体をギュッと強く抱きしめて二人はそのままとろけるような甘い時間を過ごします。
するとドアの外で隠れていたセバスチャンの部下の気配が遠くなりました。その様子を察知した黒豹は、メグの甘い吐息を部屋中に響かせるように仕向けだしたのでした。
「先日の歓迎パーティーでも一緒に踊られていたなぁ!なかなかお似合いのカップルじゃないか!」
「ホント…お二人とも瑞々しい清楚な雰囲気でとても素敵だわ…」
ダンスフロアの方に躍り出たシャルロット様とゲルハルト王子は、音楽団の奏でる優雅なワルツの音に身を委ねてしっとりとしたワルツを踏んでおりました。
本日は珍しく、シャルロット様は暴走することなく平穏にワルツを踊られております。
しかしどこか心ここに非ずと言った虚ろな雰囲気を纏い、ぼんやりとゲルハルト王子のアイスブルーの瞳を見つめているのでした。
「…シャルロット様?どうかされましたか?」
「あ…ごめんなさい。ワルツを踊るのに必死で…」
「いえ…。今日は先日よりもだいぶ上達されているように思えます…。もしかして…練習してくださっていたのですか?」
「ワルツのカウントの練習はしたわ」
「あぁそれで!先日よりもしっかりとリズムが取れていらっしゃる!」
「今日はまだゲルハルト王子の足を踏んでいないわ」
お二人は顔を見合わせてあはははは…と笑い合いました。
ちょうど音楽も一気に盛り上がりを見せると、お二人はクルクルと一気に回り始めました。
気分が盛り上がって来たのか、ゲルハルト王子はクルクルと回りながらヒョイっとシャルロット様を持ち上げてリフトしました。
「きゃ…!」
不意のことに驚かれたシャルロット様を、ゲルハルト王子は年上の余裕でニコッと微笑んでおりました。
周りにいてお二人を温かく見守っていた大人たちはそんなお二人に歓声を上げております。
んもぅ…っ!と一瞬素の表情で怒られたシャルロット様をご覧になってゲルハルト王子は少し驚いた表情を見せた後、プッと吹き出して少年の様に笑い始めました。いっけない!とあ…とした表情でシャルロット様は少し固まってしまいましたが、目の前でまぁまぁ豪快に笑っているゲルハルト王子につられて、シャルロット様も屈託ない満面の笑みで笑ってしまいました。
遠くの主賓席からその様子をご覧になっているウィリアム様とアドルフ陛下はニッコリと微笑んでいらっしゃっているのが見えます。
パーティー会場の「プリムラの間」は大変和やかに、かつ大賑わいを見せているのでした。
・・・・・・・・
「何だか…広間は大賑わいですわね」
オレンジ色をしたロウソクの炎がゆらゆら揺れる燭台の灯りの下、人気もまばらでどこかムーディーなテラスでソファーに座ってヴィンセントとお話をしていたエレナは、パーティー会場から聞こえてくる歓声に耳を奪われ視線をそちらにやろうと振り返ろうとしました。
するとグイッと優しくも顎に指を添わされ、驚いたエレナはパっと元の方向にお顔を戻しました。
「中の様子が気になりますか?」
「…ヴィンセント様」
月明かりと星の煌めきの下、紫色をしたアメジストの様に研ぎ澄まされたヴィンセントの瞳がエレナの身体を刺すように見つめております。
エレナはドキドキ…と心臓の鼓動が早く、そして強くなっていくのを感じておりました。
「もう少しゆっくりと貴女と二人で居たい」
「…」
「エレナ、その可愛らしいお顔をこっちを向いて」
ヴィンセントはそっとエレナの頬を優しく撫でます。熱を帯びて真っ赤に染まっているエレナのお顔は暗い夜の闇の中でもハッキリとヴィンセントには見えておりました。
「エレナ…可愛い人だ」
「ヴィンセント様…」
「エレナ…」
「…っ!」
ヴィンセントはゆっくりとお顔を近づけてエレナの唇に自分の唇を重ね合わせました。驚いたエレナの口から何か言葉が発せられる前にもう一度ヴィンセントは唇を重ねて喋られないようにしてしまいました。
突然のキスに驚き逃げようとするエレナの身体をグイッと強く抱き、逃げられないようにしっかりと抱きしめます。
エレナの瞳は大きく見開かれ、呼吸も出来ないほどの驚きに満ちておりました。
「…っ!ヴィ…ヴィンセント様…っ!」
「エレナ…」
額をくっ付けたままの距離で、ヴィンセントは一度ゆっくりと重ねていた唇を離します。
エレナは放心状態でヴィンセントのお顔を見つめたままでした。
「…」
「…すみません、少し強引でしたね。反応が可愛らしく…つい…」
「い…いいえ…。私の方こそ…この歳になってこんな子どもみたいな反応しか出来なくて…。さぞかしヴィンセント様をがっかりさせてしまっているのかと思うと…恥ずかしいですわ」
「そんなことありませんよ。とても新鮮で可愛らしい…」
「ヴィ…ヴィンセント様はこういうこと、慣れていらっしゃるのね」
「まぁ…それなりには」
「あ…!ごめんなさい。野暮な事をお聞きしてしまいましたわ…」
「いいえ」
なるほど、実に典型的な生真面目でお堅い初心な娘だな…とヴィンセントは頭の隅でふと思いましたが、それもまぁいいだろうと思い、フッと微笑みながらもう一度エレナの頬を優しく撫でて唇を重ねました。
ヴィンセントの情熱的な口づけに、段々とエレナの表情が溶かされていきます。次第にうっとりと瞳を閉じ、ヴィンセントのぶつけてくる情熱に反応をし始めました。
「…ヴィンセント様…もう…これ以上は私…」
「そうですね…。今日はここまでにしておきましょう」
「でも…とても体の芯から溶けてしまいそうなくらい素敵なキスでしたわ…」
「…キスくらい、いつでもして差し上げますよ」
「まぁ…」
エレナはヴィンセントの胸にそっと自分のお顔を寄せて、心の底から湧き上がってくるじんわりとした幸せを感じておりました。ヴィンセントもどこか彼女を愛らしいと思い、珍しく穏やかな顔をしてエレナを抱きしめております。
「でもそろそろ…戻りません?私ヴィンセント様とワルツを踊りたいですわ」
「…喜んで」
少し甘えたようにヴィンセントのお顔を見上げるエレナを愛おしく思ったのか、ヴィンセントはエレナのおでこにキスをして返事をすると、スッと立ち上がり手を差しだします。エレナはその手をそっと取り立ち上がりますが、バランスを崩して倒れそうになってしまいました。するとすぐさまヴィンセントはエレナを支え、倒れないようにしっかりと抱きとめます。
そして二人は笑い合いながら腕を組んでテラスから去って行きました。
「本当に平和ボケした国ですねぇ…ローザタニアは」
葉巻の煙を揺らし、テラスを見下ろせるお城の一室の窓際に寄り添いながら李 凰華の偽名を使ってパーティーに来ている劉 黒豹は、ヴィンセントとエレナの一部始終を見ておりました。
ハッと馬鹿にしたように嘲笑すると、そのまま宙を見つめて葉巻を大きく吸ってふぅ…と細く息を吐きます。
ガチャ…っと扉が開くと一人のメイドが中を恐る恐るゆっくりと覗き込みます。
劉 黒豹の姿を見つけたそのメイドはぱぁ…と笑顔を輝かせて黒豹に駆け寄ってきました。
黒豹は口角を少し上げて微笑むと、両手を広げてそのメイドを迎え入れます。メイドは黒豹の腕の中にすっぽり包み込まれてぎゅっと黒豹を抱きしめました。
「…っ!会いたかった…っ!!」
「えぇ、私もアナタにお会いしたかったですよ。私の可愛いメグ…」
「うふふ❤️もぉー!全然連絡くれないんだからぁ~!メグ、寂しかったぁ」
「申し訳ないメグ…。色々と仕事が立て込んでいたので」
「もう会えないかと思ってたぁ~!もぅ…抜け出してくるの大変だったのよ?急に調理場の手伝いに行けって言われて…もうどうしようかと思ったぁ~!」
淡い金髪の髪を揺らしてメグは黒豹の胸の中で上目遣いで甘えた声を出します。
そんなメグとは対照的に、黒豹は冷めた瞳で遠くを見つめております。
「…会えない時間が、気持ちを盛り上げるんですよ」
「分かっているけどそんなの寂しいわ!」
「おやおや…とんだ甘えん坊さんだ」
「ふふふ…」
大好きな人に出会えた少女の様にメグは幸せそうな顔で黒豹に抱きつき返します。
黒豹は相変わらず冷めた瞳で遠くを見ながら、ドアの外で隠れているセバスチャンの部下の気配を確認すると、メグの耳元で声を潜めて囁きます。
「それで…メグ。ちゃんとお願いしてた通りにしてくれていますか?」
「もちろんよ!ちゃんと毎日アナタに言われた通りに、この粉をお庭にばらまいているわ」
「ありがとうございます」
「大好きなアナタの頼みなんか断れないわ!でも…あれ一体なの粉なの?」
「そんなこと貴女は知らなくていいんですよ、メグ」
「え~?でも気になるわぁ」
「…魔法の粉ですよ」
「魔法の粉?」
「えぇ。そんなことよりもメグ…。時間はそんなにも無いけれどご褒美をあげましょう。さぁ…」
黒豹は甘えてくるメグのおでこをキスすると、メグは嬉しそうな顔でまた再び黒豹に抱きついてその唇にむしゃぶりつき様にブチューっとキスの雨を降らしました。
黒豹はメグの身体をギュッと強く抱きしめて二人はそのままとろけるような甘い時間を過ごします。
するとドアの外で隠れていたセバスチャンの部下の気配が遠くなりました。その様子を察知した黒豹は、メグの甘い吐息を部屋中に響かせるように仕向けだしたのでした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
溺愛兄様との死亡ルート回避録
初昔 茶ノ介
ファンタジー
魔術と独自の技術を組み合わせることで各国が発展する中、純粋な魔法技術で国を繁栄させてきた魔術大国『アリスティア王国』。魔術の実力で貴族位が与えられるこの国で五つの公爵家のうちの一つ、ヴァルモンド公爵家の長女ウィスティリアは世界でも稀有な治癒魔法適正を持っていた。
そのため、国からは特別扱いを受け、学園のクラスメイトも、唯一の兄妹である兄も、ウィステリアに近づくことはなかった。
そして、二十歳の冬。アリスティア王国をエウラノス帝国が襲撃。
大量の怪我人が出たが、ウィステリアの治癒の魔法のおかげで被害は抑えられていた。
戦争が始まり、連日治療院で人々を救うウィステリアの元に連れてこられたのは、話すことも少なくなった兄ユーリであった。
血に染まるユーリを治療している時、久しぶりに会話を交わす兄妹の元に帝国の魔術が被弾し、二人は命の危機に陥った。
「ウィス……俺の最愛の……妹。どうか……来世は幸せに……」
命を落とす直前、ユーリの本心を知ったウィステリアはたくさんの人と、そして小さな頃に仲が良かったはずの兄と交流をして、楽しい日々を送りたかったと後悔した。
体が冷たくなり、目をゆっくり閉じたウィステリアが次に目を開けた時、見覚えのある部屋の中で体が幼くなっていた。
ウィステリアは幼い過去に時間が戻ってしまったと気がつき、できなかったことを思いっきりやり、あの最悪の未来を回避するために奮闘するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる