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第三十二話
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「あのぉ…。お邪魔でしょうか…?」
サナと熱いキスを交わしていると、突然申し訳なさそうに声を掛けられる。
咄嗟にサナを守る様に身構えるが、完全に油断していた。
サナを後ろに隠して振り返ると、ビルダーギルドマスターのミコトさんが立っていた。
そう言えば、清浄石を配達してくれる代わりにプール工事の見学をさせる約束をしていたのをすっかり忘れていた。
約束を忘れるのも反省点であるが、結婚したことに有頂天になって、こんなに近寄られても気付けないとは…。
大事なサナを守るためにも今後はもっと気を配ろう。
「あぁ…、ミコトさん。お待ちしてました。お恥ずかしい所をお見せしましたね」
忘れていたくせに、シレッと言ってのける。
「お待ちしておりました。…申し訳ありません」
サナも顔を真っ赤にして謝辞を伝える。
洗濯物を畳みながらミコトさんが来ることを伝えてあったが、すっかり二人きりの世界に入ってしまって、二人揃って失念していたようだ。
「いいえ…、大丈夫です。サナちゃん、結婚したんだってね。おめでとうございます」
サナにお祝いなのか花束を渡してくれる。
「ありがとうございます。昨夜結婚したばかりですが、今後も夫と共に力を合わせて主家を支えて参ります。どうか今後ともよろしくお願い申し上げます」
花束を両手で受け取り、恭しく頭を下げる。それに倣って俺も隣に並んで頭を下げる。
流石、専門教育を受けた一流のメイドだな。こういう挨拶の口上も淀みない。
「素敵な旦那様と相思相愛の幸せな結婚をしたってエリスから聞いてたけど、本当に幸せそうで良かったわ」
「はい。素晴らしい主家と夫に恵まれて、とっても幸せです」
なるほど。この世界では幸せ自慢は謙遜せず、ストレートに言っちゃうようだ。
「羨ましいわね。私もあやかりたいわ。ところでサナちゃん。すごく可愛らしい服を着てるわね。初めて見るけど、とっても可愛いいし、よく似合ってるわ」
そう言って笑ってるミコトさんもとても綺麗だ。『屋敷の外の女性に手を出さない』というサナとの約束が無ければ、間違いなく一発お願いしているだろう。
「はい。これは夫の世界の訪問着で、セーラー服と言うんです」
と、サナも嬉しそうに説明している。うん。プレゼントして良かった。
「さて、それでは早速プールを作りましょうか」
一通りの挨拶を交わし、駐車してある二台の愛車について
「これは…馬車ですか?」
というミコトさんのサナと全く同じ内容の質問に簡単に答えてから、移動を促す。
「前庭ではなく、裏庭に作るんですか?」
「はい。前庭だと表の通りから見えてしまうかも知れないし、訪問客も驚くと思うので。裏庭だと隣や裏の家ともかなりの距離が有りますし、林も有りますから覗き見される心配は無いですからね」
そう答えると、ミコトさんは顔を真っ赤にして
「あっ!そうか…。『お風呂みたいな物』と仰ってましたもんね。やっぱり裸で入るんですよね…。それは覗かれない方が良いですね…」
と言ったので
「ハハハ。違いますよ。プールに入る時は『水着』と言うそれ用の正装が有るんですよ」
と、紳士的に答えた。
屋敷の住人ではない女性に下手な下ネタは言えないからな。
「ミズギ…ですか?初めて聞きます。どんな服なんですか?」
「そうですね…。正装ではありますが、フォーマルに着て行くものではなく水に入るための服ですので、とてもカジュアルで可愛らしく、そして軽くて動きやすいんです。いずれ機会が有ればお見せしましょう」
本当はミコトさんにも水着をプレゼントしたいくらいだ。
特にミコトさんは白いビキニが絶対に似合うであろうと確信しているのだが、どうにかして彼女をこの屋敷に引き込めないだろうか。これは一考してみる価値が有りそうだな。
肌が真っ白なサナとは対照に、健康的に小麦色に灼けた肌と真っ白なビキニのコントラストが美しそうだ。
そしてバストもサナたちに比べると小振りではあるが、十分に魅力的だ。想像するだけで勃起しそうになる。
ミコトさんは頭の中で水着を想像しているのだろう。首を傾げながら考え込んでいる。
「ここに作ろうと思っています」
場所は事前に屋敷の主であるエリスと相談して決めてある。絵に描いて説明もした。
裏庭の中央に近い部分。屋敷から十五メートルほど離れている場所に割り箸を刺して目印にしておいた。
それだけ離れていても、この裏庭はまだまだ広い。エリスからは
「英樹様のご自由にお作りいただいて構いませんよ」
とは言われたのだが、一応は筋を通したつもりだ。
屋敷に居住する勇者パーティーの人数を考えてもそんなに広いプールを作るつもりは無いが、二十五メートル級のプールを十個敷き詰めても余裕で余るだろう。
他の娯楽施設を作ることも計画してあるし、水着の美少女たちと戯れたいがためだけのプールなので、今回は直径十五メートルくらいの円形で、一番深い場所でも背丈が150センチほどのサナのおっぱい付近の深さの物を作る予定だ。
水面に浮かぶたわわなおっぱい…。最高か!
あと、横にはジャグジーも設置したいと考えている。
プールサイドは芝生のままにしておく。大理石のようなものを敷き詰めることも考えたのだが、大事な妻や婚約者が転んで怪我でもしようものなら、俺はプールサイドを破壊しかねないからな。
「英樹様、ミコト様からいただいたお花を花瓶に生けて参ります」
サナがお祝いに貰った花束を掲げて言う。
「うん。作業を進めていてもいいかい?」
「はい。魔法をお使いになる凛々しいお姿を見逃さないよう、すぐに戻ります♡」
「魔法を使い始めるまでもう少し下準備があるから、急がなくても大丈夫だよ」
昼食を食べながら『人目を気にせずできるキス』と教えた投げキッスを交わして、花束を抱えたサナを見送る。
まぁ…ミコトさんの前でかなり熱烈なキスを披露してしまった後だけど。
「英樹様、清浄石はこちらにどうやって運び込めばよろしいですか?」
ミコトさんが聞いて来る。
「そうですね…。ここまではどうやって運んで来たんですか?」
「屋敷の前までは、普通に荷馬車に載せて運んできましたよ?」
あぁ…まぁ、そりゃ普通そうなるわな。
しかし、天然の芝生が敷き詰められた裏庭に馬車を乗り入れるのはどうなのかな?芝生が傷みそうで気が引けるな。
そう伝えると
「確かにそうですね。荷馬車で入っては来れますけど、こんなに綺麗に手入れされた芝生の上に乗り入れるのは、私もちょっと気が引けますね」
ミコトさんも同じようなことを考えていたようだ。
「では、私の愛車が置いてある馬車寄せまで荷馬車を乗り入れてもらえますか?そこからは私が運びますから」
「わかりました。それでは荷馬車を取ってきます」
ミコトさんが荷馬車に向かったので、その間に目印にしていた割り箸を黄色い釣り糸で繋いで行き、大まかに形を作り出していく。
中央に大きい円を描き、その脇に直径三メートルほどの円を描く。
言わずもがなだが、大きい円がプールで、小さいのはジャグジーだ。
「英樹様―!馬車を持ってきましたー!」
ちょうど円を描き終えたところでミコトさんに呼ばれる。振り返ると表から裏庭に通じる通路にミコトさんが立っており、その横にはサナも立っている。軽く手を振り返して二人が待つ方に向かう。
「清浄石は見た目よりかなり重いですけど、大丈夫ですか?」
手押し車を準備しながらミコトさんが尋ねて来る。試しに担いでみるが、特に重くない。例えるなら…そうだな、五キログラムの米袋を担いでいる感じだ。
「問題ないです。このまま行けます」
ミコトさんは口をポカンと開けて信じられない物を見る目で俺を見ている。サナに至っては
「流石です!素敵♡」
と、瞳をハートにしてパチパチと拍手している始末だ。これはちょっとまずかったのか?
普通は持てないような物を俺は担いでしまったのか?
話を誤魔化そうと思って視線を荷馬車の荷台に移すと、清浄石とは違う感じのキラキラした石が一緒に積んであった。
大きさは大したことはないが、量が多かった。
「あれは?何の石ですか?」
その石を指さして聞いてみる。
「え?あぁ…。あれは光石です。昨日買い付けたんですけど、下ろすのが面倒でそのまま積んで来ちゃったんです」
ペロッと舌を出してウインクするミコトさん。なんと、この世界にはリアルに『テヘペロ』をする女子がいるんだな。可愛いから良し!
それにしても、あれが天井に埋め込まれているという光石か。
魔力を注入すると光る石だ。でも、今回の工事では関係ない…
…いや、ちょっと待て。これをプールの底に仕込めば『ナイトプール』が出来るんじゃないか?
「ミコトさん、光石は水に濡れても問題無く光るものですか?」
「水にですか?特に問題なく光りますよ?」
今度は何を聞いているんだろう?という顔で見られる。
「水の中に浸けても感電したりしないですかね?」
「カンデンって、何ですか?」
そうか。この世界に電気は無いから、落雷くらいしか似た状態が存在しないのか。
なので、やろうとしてることを説明して、光石を浸けた水に入っても問題ないかを実験することにする。
結果として『特に問題は無い』と言うことが解かった。
試しに水を張った桶に光らせた光石を沈めて手を突っ込んでみたが、全然大丈夫だ。
面白がったミコトさんも危険を顧みず手を突っ込んで来るが、問題なし。これは面白い物が作れそうだ。
「ミコトさん。光石もいただけますか?」
「はい。大丈夫ですよ。足りない分はまた買い付けに行きますから」
急遽光石も一緒に購入することになったが、そんなに高くないそうなので屋敷の金庫番でもあるサナもすんなりOKしてくれる。
「どういった物が出来上がるのか想像も出来ませんが、なんだかワクワクしますね」
と、何故だかノリノリになっている。
ミコトさんが準備してくれた手押し車に光石を積み、俺は両肩に一つずつ清浄石を担いでプール予定地に向かう。
代金はサナが支払ってくれた。
ミコトさんは『銀貨九枚』と言い張っていたが、サナが
『そんなに安いはずがない。金貨二枚にはなるはずだ』
と言い、結果として金貨一枚と銀貨三枚で折り合いをつけていた。
売り手は安く売ろうとし、買い手は高く払うと言う…
逆値切りの商談なんて初めて見た。なんだか不思議な光景だった。
あんまり気にしていなかったが、どうやらこの世界には貨幣は小銅貨、銅貨、銀貨、金貨、大金貨という五種類の硬貨しか存在しないようだ。
しかも、通貨単位も存在しない。
小銅貨十枚で銅貨一枚。銅貨十枚で銀貨一枚。銀貨十枚で金貨一枚。金貨十枚で大金貨一枚なんだと、光石を運びながら隣を歩くサナが教えてくれた。
日本円とのレートってどんなもんなんだろうか?当然ながら為替レートなんて無いからさっぱり解らん。
今度調べてみよう。
俺はこの世界で稼いでいないので、無一文でどうしようもないから今回はサナに支払ってもらったのだが、三度ほど往復してる間に二人だけになる機会があったので、サナに聞いてみた。
「サナ。今更なんだけど、今回のプールの費用はどうしたらいいかな?俺、こっちのお金なんて持ってないよ?」
するとサナは一瞬キョトンとしたが、すぐに笑顔で
「大丈夫ですよ。王家から『屋敷の改修や修理を行う際は王家の経費にて支払う』と承っています。今回は改修に当たると判断してますから、王家に精算してもらいますのでご心配には及びませんよ?」
と教えてくれた。
俺のエロ満載な欲望のために作るプールなのに、王家に払ってもらっていいのだろうか?
まぁ、良しとしよう。屋敷全員の福利厚生も兼ねているんだから。
資材が揃った所で作業を開始する。清浄石を運んでいる間にミコトさんが光石を細かく砕いてくれていた。
流石、ビルダーギルドのマスター。仕事が早いな。
まずはジャグジーを作ることにする。俺の魔力は国を潰せるほど強烈なので、小さいのから作って感覚を養うためだ。
リザードマンの群れを討伐した魔法のように、魔法陣を呼び出す。蛇口を閉めるような感覚で魔力を絞り、魔法陣を地面ギリギリに下ろす。地面に付けた目印といい具合に重なったところで掘削をイメージする。
次も魔力をグッと絞って魔法陣を地面にくっ付けると、軽く地面が揺れて土に穴が掘られて行く。
あっと言う間に直径三メートルの俺の膝くらいの深さの穴が掘られる。
「ほえぇ~。魔法でこんな穴を掘れるんですね。この魔法が使えたら、工事期間がだいぶ短縮できるなぁ」
どうやら穴掘りの魔法はこの世界に存在しないらしく、どういう理屈かは俺もまだ理解出来ていないが、俺の能力『魔法術式創造』を駆使して頭の中で魔術術式を構築して作った魔法だ。
ミコトさんが驚くのも無理のないことだと思う。
俺の隣のサナはウットリしたような、セックスの時と同じ蕩けた目で俺を見つめている。
もう一度土の中に直径二・五メートルの糸の円を描き、同じように掘削魔法で掘る。
二段にしたのは、銭湯のように胸の高さくらいで座って入れるようにするためだ。
ジャグジーに水着姿のサナがたわわなおっぱいを水面に浮かせ、笑顔で浸かっている光景を思い浮かべる。
堪らないな。まるで本物の天使だ。早く見たくて仕方ない。
「英樹様。今朝仰ってたように、残土は置き場に転送されてるんですか?」
今朝ミコトさんに建築計画を説明した際、残土の問題を相談した。
この王国では治水工事のため建設残土を専用の置き場に集める決まりになっていることを教えてくれた。
その置き場もギルドで所有してミコトさんが管理しているらしいので、そこに自動的に残土を転送するように術式を組んだ。
「この魔法なら穴掘りをしても砂まみれになることも無いし、残土の運び出しも楽に済みそうですね。いいなぁ。この魔法は私も習得したいですね」
ミコトさんが素直な感想を述べてくれる。
俺の頭の中にある術式を譲渡する術が有るのなら、喜んでミコトさんにこの術式を譲りたい。
能力の一つに『魔術付与』が有るが、これは装備品に術式を付与するための能力だしな…。
ミクが帰って来たら相談してみよう。
ジャグジーの底に清浄石を埋め込む。石の一部が露出して水に直接当たる様にしておくと効果が高いらしい。
なので、尖っていない丸い面や平らな部分を水に当たる様に仕込んだ。
ミコトさんが砕いてくれていた光石も清浄石を避けて一面に撒く。
そして新たな魔法を創造して、それらをコンクリートのように固める。初めての割になかなかいい感じだ。
光石がキラキラしているので、白くていい雰囲気のジャグジーが完成する。
光石のおかげか、触れた感触も日本にあるプールの底と似たような質感だ。
サナとミコトさんから感嘆の溜息が聞こえる。
「これがプールですか?」
サナの手を取り水を張る前のジャグジーに案内する。一段目に腰掛けたサナが質問してくる。
「いや、これはジャグジーと言って、プールに付属する風呂みたいなものだよ。サナは川遊びで泳いだことがあると言っていただろう?」
「はい。小さい頃…。父が生きていた時に、よく川遊びに連れて行ってくれました」
サナの父は王国軍の衛兵だったそうで、魔物討伐の際に仲間を庇って命を落としたのだと昨夜教えてくれた。
「そうか。素敵な思い出だね。お父上との思い出は大切にするといい。その時のこと、覚えてるかな?水遊びをすると体が冷えて寒くなるだろう?」
「そうですね。父が焚火をしてくれて、父の膝の上に抱えてもらって体を乾かしました。とても楽しくて気持ち良かったので憶えてます」
「うん。このジャグジーは焚火の代わりに小さなプールにお湯を張って、今サナが座っているように浸かって、冷えた体を温めるための物なんだよ。言ってみれば、『露天風呂』みたいな物だね。」
「そうなんですね。川辺の焚火も気持ち良かったですけど、こちらも気持ちよさそうです。それに私は入浴したことは無いですが、王城にも露天風呂が有るんです。それと同じ物がお屋敷に有って自由に入れるなんて、凄く贅沢ですね」
「本当は温泉が有れば、一番いいんだけどね…」
「そうですね。温泉だとさらに気持ち良さそうですね」
「そうなんだ…。って、この世界にも温泉有るの??!!」
正直驚いた。まさかこの世界にも温泉文化が有るだなんて。
「はい。温泉は有りますよ?一般の家庭に通している家はほぼ無いですけど」
ミコトさんの話によれば、水は井戸などの水源から魔法で蛇口に転送されて来るが、温泉を使うには自分で掘削工事をせねばならないらしい。
温泉は掘り当てたその者に使用権が有り、それ以外の者がその源泉を使用するには莫大な使用料を権利者に支払う必要がある。
つまり、温泉を掘り当てるのは金脈を掘り当てるようなもので、それだけで巨万の富を得ることが出来るそうだ。
そのため、権利を他人に譲渡することは有り得ないのだとか。
ただし、掘削する費用も時間も膨大になってしまう。だから、温泉を掘るのは王族や温泉宿くらいなものだとか。
そしてサナが言うには、無料で使える水を魔法でお湯にして風呂に使うことが一般的になっているらしい。
水道代が無料なのは素晴らしいが、温泉がビジネスになるのは日本のそれと似たような図式なんだな。
またミコトさんが言うには、王都では『そこそこ深く掘らないと温泉が出ない』と学者さん言っているらしく、技術的にもかなり難しくなるのだとか。
温泉が出るのなら、是非ともサナたちと一緒に入浴したいものだ。
全裸のナイスバディ美少女たちとのお色気たっぷりな露天風呂混浴シーンを思い浮かべて、思わずムフフとなってしまう。
それでも必死に平静を装うのだが、心の声が漏れてしまう。
「温泉かぁ…。それは是が非でも掘らないとな」
「英樹様…、それは難しいですよ。そんな深い穴を掘るにしてもどうやって…」
「ミコト様、大丈夫ですよ。英樹様には強力な魔力が有りますから」
サナがミコトさんの言葉を遮って後を継ぐ。にわかにミコトさんの表情が明るくなる。
「そっか!『あの掘削魔法』が有れば、十分に可能性がありますね!」
そう。俺のチート能力が有れば不可能は無い。それにこの世界でビジネスチャンスを掴んだのだ。
こんなチャンスをフイにするのは勿体ない。
しかし、今日はこの後でサナの実家にご挨拶だし、明日はユキのバースデーパーティーだ。
プールパーティーを企画しているのだから、まずは天然温泉でなくともプールとジャグジーを完成させるのが先決だ。焦らなくても温泉は逃げない。
ジャグジーと同じ要領でプールも作る。
しかし、プールの底は一部だけ三段にする。一段目は踝の少し上くらいの深さで、二段目は腰下くらい。一番深い場所でサナの胸くらいの深さに作る。
ジャグジーの時と同じようにサナの手を取りプールの中に案内する。
「これがプールなんですね。広くてなんだか楽しそうです!」
とってもキュートな笑顔で応えてくれる。こういう反応、嬉しいなぁ。
仕上げにプールとジャグジーを芝生と仕切るための縁を作って完成だ。
縁を作る作業は掘削よりも簡単な作業だ。滑り防止に少しザラッとした仕上げにしておく。
試しに水を張って光石を光らせてみる。昼間なので明るさは解らない。
でも、感電みたいな症状も無いし水が濁るなどの不具合も無さそうだ。
ジャグジーにも試験的にお湯を張っておくことにする。
サナの実家から戻った時にも変化が無ければ合格としよう。
サナと熱いキスを交わしていると、突然申し訳なさそうに声を掛けられる。
咄嗟にサナを守る様に身構えるが、完全に油断していた。
サナを後ろに隠して振り返ると、ビルダーギルドマスターのミコトさんが立っていた。
そう言えば、清浄石を配達してくれる代わりにプール工事の見学をさせる約束をしていたのをすっかり忘れていた。
約束を忘れるのも反省点であるが、結婚したことに有頂天になって、こんなに近寄られても気付けないとは…。
大事なサナを守るためにも今後はもっと気を配ろう。
「あぁ…、ミコトさん。お待ちしてました。お恥ずかしい所をお見せしましたね」
忘れていたくせに、シレッと言ってのける。
「お待ちしておりました。…申し訳ありません」
サナも顔を真っ赤にして謝辞を伝える。
洗濯物を畳みながらミコトさんが来ることを伝えてあったが、すっかり二人きりの世界に入ってしまって、二人揃って失念していたようだ。
「いいえ…、大丈夫です。サナちゃん、結婚したんだってね。おめでとうございます」
サナにお祝いなのか花束を渡してくれる。
「ありがとうございます。昨夜結婚したばかりですが、今後も夫と共に力を合わせて主家を支えて参ります。どうか今後ともよろしくお願い申し上げます」
花束を両手で受け取り、恭しく頭を下げる。それに倣って俺も隣に並んで頭を下げる。
流石、専門教育を受けた一流のメイドだな。こういう挨拶の口上も淀みない。
「素敵な旦那様と相思相愛の幸せな結婚をしたってエリスから聞いてたけど、本当に幸せそうで良かったわ」
「はい。素晴らしい主家と夫に恵まれて、とっても幸せです」
なるほど。この世界では幸せ自慢は謙遜せず、ストレートに言っちゃうようだ。
「羨ましいわね。私もあやかりたいわ。ところでサナちゃん。すごく可愛らしい服を着てるわね。初めて見るけど、とっても可愛いいし、よく似合ってるわ」
そう言って笑ってるミコトさんもとても綺麗だ。『屋敷の外の女性に手を出さない』というサナとの約束が無ければ、間違いなく一発お願いしているだろう。
「はい。これは夫の世界の訪問着で、セーラー服と言うんです」
と、サナも嬉しそうに説明している。うん。プレゼントして良かった。
「さて、それでは早速プールを作りましょうか」
一通りの挨拶を交わし、駐車してある二台の愛車について
「これは…馬車ですか?」
というミコトさんのサナと全く同じ内容の質問に簡単に答えてから、移動を促す。
「前庭ではなく、裏庭に作るんですか?」
「はい。前庭だと表の通りから見えてしまうかも知れないし、訪問客も驚くと思うので。裏庭だと隣や裏の家ともかなりの距離が有りますし、林も有りますから覗き見される心配は無いですからね」
そう答えると、ミコトさんは顔を真っ赤にして
「あっ!そうか…。『お風呂みたいな物』と仰ってましたもんね。やっぱり裸で入るんですよね…。それは覗かれない方が良いですね…」
と言ったので
「ハハハ。違いますよ。プールに入る時は『水着』と言うそれ用の正装が有るんですよ」
と、紳士的に答えた。
屋敷の住人ではない女性に下手な下ネタは言えないからな。
「ミズギ…ですか?初めて聞きます。どんな服なんですか?」
「そうですね…。正装ではありますが、フォーマルに着て行くものではなく水に入るための服ですので、とてもカジュアルで可愛らしく、そして軽くて動きやすいんです。いずれ機会が有ればお見せしましょう」
本当はミコトさんにも水着をプレゼントしたいくらいだ。
特にミコトさんは白いビキニが絶対に似合うであろうと確信しているのだが、どうにかして彼女をこの屋敷に引き込めないだろうか。これは一考してみる価値が有りそうだな。
肌が真っ白なサナとは対照に、健康的に小麦色に灼けた肌と真っ白なビキニのコントラストが美しそうだ。
そしてバストもサナたちに比べると小振りではあるが、十分に魅力的だ。想像するだけで勃起しそうになる。
ミコトさんは頭の中で水着を想像しているのだろう。首を傾げながら考え込んでいる。
「ここに作ろうと思っています」
場所は事前に屋敷の主であるエリスと相談して決めてある。絵に描いて説明もした。
裏庭の中央に近い部分。屋敷から十五メートルほど離れている場所に割り箸を刺して目印にしておいた。
それだけ離れていても、この裏庭はまだまだ広い。エリスからは
「英樹様のご自由にお作りいただいて構いませんよ」
とは言われたのだが、一応は筋を通したつもりだ。
屋敷に居住する勇者パーティーの人数を考えてもそんなに広いプールを作るつもりは無いが、二十五メートル級のプールを十個敷き詰めても余裕で余るだろう。
他の娯楽施設を作ることも計画してあるし、水着の美少女たちと戯れたいがためだけのプールなので、今回は直径十五メートルくらいの円形で、一番深い場所でも背丈が150センチほどのサナのおっぱい付近の深さの物を作る予定だ。
水面に浮かぶたわわなおっぱい…。最高か!
あと、横にはジャグジーも設置したいと考えている。
プールサイドは芝生のままにしておく。大理石のようなものを敷き詰めることも考えたのだが、大事な妻や婚約者が転んで怪我でもしようものなら、俺はプールサイドを破壊しかねないからな。
「英樹様、ミコト様からいただいたお花を花瓶に生けて参ります」
サナがお祝いに貰った花束を掲げて言う。
「うん。作業を進めていてもいいかい?」
「はい。魔法をお使いになる凛々しいお姿を見逃さないよう、すぐに戻ります♡」
「魔法を使い始めるまでもう少し下準備があるから、急がなくても大丈夫だよ」
昼食を食べながら『人目を気にせずできるキス』と教えた投げキッスを交わして、花束を抱えたサナを見送る。
まぁ…ミコトさんの前でかなり熱烈なキスを披露してしまった後だけど。
「英樹様、清浄石はこちらにどうやって運び込めばよろしいですか?」
ミコトさんが聞いて来る。
「そうですね…。ここまではどうやって運んで来たんですか?」
「屋敷の前までは、普通に荷馬車に載せて運んできましたよ?」
あぁ…まぁ、そりゃ普通そうなるわな。
しかし、天然の芝生が敷き詰められた裏庭に馬車を乗り入れるのはどうなのかな?芝生が傷みそうで気が引けるな。
そう伝えると
「確かにそうですね。荷馬車で入っては来れますけど、こんなに綺麗に手入れされた芝生の上に乗り入れるのは、私もちょっと気が引けますね」
ミコトさんも同じようなことを考えていたようだ。
「では、私の愛車が置いてある馬車寄せまで荷馬車を乗り入れてもらえますか?そこからは私が運びますから」
「わかりました。それでは荷馬車を取ってきます」
ミコトさんが荷馬車に向かったので、その間に目印にしていた割り箸を黄色い釣り糸で繋いで行き、大まかに形を作り出していく。
中央に大きい円を描き、その脇に直径三メートルほどの円を描く。
言わずもがなだが、大きい円がプールで、小さいのはジャグジーだ。
「英樹様―!馬車を持ってきましたー!」
ちょうど円を描き終えたところでミコトさんに呼ばれる。振り返ると表から裏庭に通じる通路にミコトさんが立っており、その横にはサナも立っている。軽く手を振り返して二人が待つ方に向かう。
「清浄石は見た目よりかなり重いですけど、大丈夫ですか?」
手押し車を準備しながらミコトさんが尋ねて来る。試しに担いでみるが、特に重くない。例えるなら…そうだな、五キログラムの米袋を担いでいる感じだ。
「問題ないです。このまま行けます」
ミコトさんは口をポカンと開けて信じられない物を見る目で俺を見ている。サナに至っては
「流石です!素敵♡」
と、瞳をハートにしてパチパチと拍手している始末だ。これはちょっとまずかったのか?
普通は持てないような物を俺は担いでしまったのか?
話を誤魔化そうと思って視線を荷馬車の荷台に移すと、清浄石とは違う感じのキラキラした石が一緒に積んであった。
大きさは大したことはないが、量が多かった。
「あれは?何の石ですか?」
その石を指さして聞いてみる。
「え?あぁ…。あれは光石です。昨日買い付けたんですけど、下ろすのが面倒でそのまま積んで来ちゃったんです」
ペロッと舌を出してウインクするミコトさん。なんと、この世界にはリアルに『テヘペロ』をする女子がいるんだな。可愛いから良し!
それにしても、あれが天井に埋め込まれているという光石か。
魔力を注入すると光る石だ。でも、今回の工事では関係ない…
…いや、ちょっと待て。これをプールの底に仕込めば『ナイトプール』が出来るんじゃないか?
「ミコトさん、光石は水に濡れても問題無く光るものですか?」
「水にですか?特に問題なく光りますよ?」
今度は何を聞いているんだろう?という顔で見られる。
「水の中に浸けても感電したりしないですかね?」
「カンデンって、何ですか?」
そうか。この世界に電気は無いから、落雷くらいしか似た状態が存在しないのか。
なので、やろうとしてることを説明して、光石を浸けた水に入っても問題ないかを実験することにする。
結果として『特に問題は無い』と言うことが解かった。
試しに水を張った桶に光らせた光石を沈めて手を突っ込んでみたが、全然大丈夫だ。
面白がったミコトさんも危険を顧みず手を突っ込んで来るが、問題なし。これは面白い物が作れそうだ。
「ミコトさん。光石もいただけますか?」
「はい。大丈夫ですよ。足りない分はまた買い付けに行きますから」
急遽光石も一緒に購入することになったが、そんなに高くないそうなので屋敷の金庫番でもあるサナもすんなりOKしてくれる。
「どういった物が出来上がるのか想像も出来ませんが、なんだかワクワクしますね」
と、何故だかノリノリになっている。
ミコトさんが準備してくれた手押し車に光石を積み、俺は両肩に一つずつ清浄石を担いでプール予定地に向かう。
代金はサナが支払ってくれた。
ミコトさんは『銀貨九枚』と言い張っていたが、サナが
『そんなに安いはずがない。金貨二枚にはなるはずだ』
と言い、結果として金貨一枚と銀貨三枚で折り合いをつけていた。
売り手は安く売ろうとし、買い手は高く払うと言う…
逆値切りの商談なんて初めて見た。なんだか不思議な光景だった。
あんまり気にしていなかったが、どうやらこの世界には貨幣は小銅貨、銅貨、銀貨、金貨、大金貨という五種類の硬貨しか存在しないようだ。
しかも、通貨単位も存在しない。
小銅貨十枚で銅貨一枚。銅貨十枚で銀貨一枚。銀貨十枚で金貨一枚。金貨十枚で大金貨一枚なんだと、光石を運びながら隣を歩くサナが教えてくれた。
日本円とのレートってどんなもんなんだろうか?当然ながら為替レートなんて無いからさっぱり解らん。
今度調べてみよう。
俺はこの世界で稼いでいないので、無一文でどうしようもないから今回はサナに支払ってもらったのだが、三度ほど往復してる間に二人だけになる機会があったので、サナに聞いてみた。
「サナ。今更なんだけど、今回のプールの費用はどうしたらいいかな?俺、こっちのお金なんて持ってないよ?」
するとサナは一瞬キョトンとしたが、すぐに笑顔で
「大丈夫ですよ。王家から『屋敷の改修や修理を行う際は王家の経費にて支払う』と承っています。今回は改修に当たると判断してますから、王家に精算してもらいますのでご心配には及びませんよ?」
と教えてくれた。
俺のエロ満載な欲望のために作るプールなのに、王家に払ってもらっていいのだろうか?
まぁ、良しとしよう。屋敷全員の福利厚生も兼ねているんだから。
資材が揃った所で作業を開始する。清浄石を運んでいる間にミコトさんが光石を細かく砕いてくれていた。
流石、ビルダーギルドのマスター。仕事が早いな。
まずはジャグジーを作ることにする。俺の魔力は国を潰せるほど強烈なので、小さいのから作って感覚を養うためだ。
リザードマンの群れを討伐した魔法のように、魔法陣を呼び出す。蛇口を閉めるような感覚で魔力を絞り、魔法陣を地面ギリギリに下ろす。地面に付けた目印といい具合に重なったところで掘削をイメージする。
次も魔力をグッと絞って魔法陣を地面にくっ付けると、軽く地面が揺れて土に穴が掘られて行く。
あっと言う間に直径三メートルの俺の膝くらいの深さの穴が掘られる。
「ほえぇ~。魔法でこんな穴を掘れるんですね。この魔法が使えたら、工事期間がだいぶ短縮できるなぁ」
どうやら穴掘りの魔法はこの世界に存在しないらしく、どういう理屈かは俺もまだ理解出来ていないが、俺の能力『魔法術式創造』を駆使して頭の中で魔術術式を構築して作った魔法だ。
ミコトさんが驚くのも無理のないことだと思う。
俺の隣のサナはウットリしたような、セックスの時と同じ蕩けた目で俺を見つめている。
もう一度土の中に直径二・五メートルの糸の円を描き、同じように掘削魔法で掘る。
二段にしたのは、銭湯のように胸の高さくらいで座って入れるようにするためだ。
ジャグジーに水着姿のサナがたわわなおっぱいを水面に浮かせ、笑顔で浸かっている光景を思い浮かべる。
堪らないな。まるで本物の天使だ。早く見たくて仕方ない。
「英樹様。今朝仰ってたように、残土は置き場に転送されてるんですか?」
今朝ミコトさんに建築計画を説明した際、残土の問題を相談した。
この王国では治水工事のため建設残土を専用の置き場に集める決まりになっていることを教えてくれた。
その置き場もギルドで所有してミコトさんが管理しているらしいので、そこに自動的に残土を転送するように術式を組んだ。
「この魔法なら穴掘りをしても砂まみれになることも無いし、残土の運び出しも楽に済みそうですね。いいなぁ。この魔法は私も習得したいですね」
ミコトさんが素直な感想を述べてくれる。
俺の頭の中にある術式を譲渡する術が有るのなら、喜んでミコトさんにこの術式を譲りたい。
能力の一つに『魔術付与』が有るが、これは装備品に術式を付与するための能力だしな…。
ミクが帰って来たら相談してみよう。
ジャグジーの底に清浄石を埋め込む。石の一部が露出して水に直接当たる様にしておくと効果が高いらしい。
なので、尖っていない丸い面や平らな部分を水に当たる様に仕込んだ。
ミコトさんが砕いてくれていた光石も清浄石を避けて一面に撒く。
そして新たな魔法を創造して、それらをコンクリートのように固める。初めての割になかなかいい感じだ。
光石がキラキラしているので、白くていい雰囲気のジャグジーが完成する。
光石のおかげか、触れた感触も日本にあるプールの底と似たような質感だ。
サナとミコトさんから感嘆の溜息が聞こえる。
「これがプールですか?」
サナの手を取り水を張る前のジャグジーに案内する。一段目に腰掛けたサナが質問してくる。
「いや、これはジャグジーと言って、プールに付属する風呂みたいなものだよ。サナは川遊びで泳いだことがあると言っていただろう?」
「はい。小さい頃…。父が生きていた時に、よく川遊びに連れて行ってくれました」
サナの父は王国軍の衛兵だったそうで、魔物討伐の際に仲間を庇って命を落としたのだと昨夜教えてくれた。
「そうか。素敵な思い出だね。お父上との思い出は大切にするといい。その時のこと、覚えてるかな?水遊びをすると体が冷えて寒くなるだろう?」
「そうですね。父が焚火をしてくれて、父の膝の上に抱えてもらって体を乾かしました。とても楽しくて気持ち良かったので憶えてます」
「うん。このジャグジーは焚火の代わりに小さなプールにお湯を張って、今サナが座っているように浸かって、冷えた体を温めるための物なんだよ。言ってみれば、『露天風呂』みたいな物だね。」
「そうなんですね。川辺の焚火も気持ち良かったですけど、こちらも気持ちよさそうです。それに私は入浴したことは無いですが、王城にも露天風呂が有るんです。それと同じ物がお屋敷に有って自由に入れるなんて、凄く贅沢ですね」
「本当は温泉が有れば、一番いいんだけどね…」
「そうですね。温泉だとさらに気持ち良さそうですね」
「そうなんだ…。って、この世界にも温泉有るの??!!」
正直驚いた。まさかこの世界にも温泉文化が有るだなんて。
「はい。温泉は有りますよ?一般の家庭に通している家はほぼ無いですけど」
ミコトさんの話によれば、水は井戸などの水源から魔法で蛇口に転送されて来るが、温泉を使うには自分で掘削工事をせねばならないらしい。
温泉は掘り当てたその者に使用権が有り、それ以外の者がその源泉を使用するには莫大な使用料を権利者に支払う必要がある。
つまり、温泉を掘り当てるのは金脈を掘り当てるようなもので、それだけで巨万の富を得ることが出来るそうだ。
そのため、権利を他人に譲渡することは有り得ないのだとか。
ただし、掘削する費用も時間も膨大になってしまう。だから、温泉を掘るのは王族や温泉宿くらいなものだとか。
そしてサナが言うには、無料で使える水を魔法でお湯にして風呂に使うことが一般的になっているらしい。
水道代が無料なのは素晴らしいが、温泉がビジネスになるのは日本のそれと似たような図式なんだな。
またミコトさんが言うには、王都では『そこそこ深く掘らないと温泉が出ない』と学者さん言っているらしく、技術的にもかなり難しくなるのだとか。
温泉が出るのなら、是非ともサナたちと一緒に入浴したいものだ。
全裸のナイスバディ美少女たちとのお色気たっぷりな露天風呂混浴シーンを思い浮かべて、思わずムフフとなってしまう。
それでも必死に平静を装うのだが、心の声が漏れてしまう。
「温泉かぁ…。それは是が非でも掘らないとな」
「英樹様…、それは難しいですよ。そんな深い穴を掘るにしてもどうやって…」
「ミコト様、大丈夫ですよ。英樹様には強力な魔力が有りますから」
サナがミコトさんの言葉を遮って後を継ぐ。にわかにミコトさんの表情が明るくなる。
「そっか!『あの掘削魔法』が有れば、十分に可能性がありますね!」
そう。俺のチート能力が有れば不可能は無い。それにこの世界でビジネスチャンスを掴んだのだ。
こんなチャンスをフイにするのは勿体ない。
しかし、今日はこの後でサナの実家にご挨拶だし、明日はユキのバースデーパーティーだ。
プールパーティーを企画しているのだから、まずは天然温泉でなくともプールとジャグジーを完成させるのが先決だ。焦らなくても温泉は逃げない。
ジャグジーと同じ要領でプールも作る。
しかし、プールの底は一部だけ三段にする。一段目は踝の少し上くらいの深さで、二段目は腰下くらい。一番深い場所でサナの胸くらいの深さに作る。
ジャグジーの時と同じようにサナの手を取りプールの中に案内する。
「これがプールなんですね。広くてなんだか楽しそうです!」
とってもキュートな笑顔で応えてくれる。こういう反応、嬉しいなぁ。
仕上げにプールとジャグジーを芝生と仕切るための縁を作って完成だ。
縁を作る作業は掘削よりも簡単な作業だ。滑り防止に少しザラッとした仕上げにしておく。
試しに水を張って光石を光らせてみる。昼間なので明るさは解らない。
でも、感電みたいな症状も無いし水が濁るなどの不具合も無さそうだ。
ジャグジーにも試験的にお湯を張っておくことにする。
サナの実家から戻った時にも変化が無ければ合格としよう。
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この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
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小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
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