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第11話 エルフさんたち
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「この魔力、妖精どころか神獣種すら超えてるかもしれない。」
「大丈夫ですか?」
エルフたちはエルの魔力に警戒心を強めるが、エルはそんなことつゆ知らずのほほんとエルフたちに近寄る。
「ええ、なぜか体が楽になりました。」
「本当!?なら良かった。スーちゃんの言う通りだったねー。よしよしー。」
スーちゃんの頭を撫でると触手をうねうねと動かしている。喜んでいるようだ。うんうん、
「エルフさんたちは何があったんですか?」
「そうですね、私たちは森林災害から逃れられたエルフの一派です。」
この森に来たエルフたちはモンスターによる森林破壊によって故郷が破壊され移動せざるをえなくなり、ここエルレアルの森に迷い込みモンスターに襲われていた。
「そっかー、じゃあ俺たちの拠点に来る?」
「え!?」
「ああ、拠点と言って家と畑があるぐらいだけど。みんなもいいかな?」
「ピイー♪」
スーちゃんも触手を上げて肯定の意を示す。
「それじゃあ俺たちの拠点に向かおうか。」
~~~~~~~~
「私はリーダーのエレル、そしてあとリーシアとサルファ、ナタリーです。」
「「「よろしくおねがいします」」」
「うん、俺はエル=ロード。そしてこっちの鳥人の女の子はハッピー、こっちはスライムのスーちゃんとラーちゃん。あと数匹か小さいスーちゃんたちもいるんだ。」
「なるほど、皆さま今日からお世話になります。よろしくおねがいしますね。」
「ピイー!」
ハッピーもスーちゃんもラーちゃんも喜んで歓迎してくれている。みんないい子だー!
「それで家なんですが、私たちで……」
「ああ、家だったらラーちゃんが建ててくれるよ。何か案があるなら聞いときたいんだって。」
「え?」
このときリーダーのエレルは自分たちで建てようとしていたが、まさかスライムに頼むのかと驚きを隠せていない。だがラーちゃんはやる気満々でエルフたちに近づいて『何か取り入れてほしい案がありましたら教えてください!』と質問している。
「それでは、建ててほしい場所に移動しますのでエルさん失礼します。」
エルフさんはラーちゃんとともに建設予定の場所に行ってしまった。
「ピイ!」
「ん?ああ、グリズリーの解体作業しないといけないね。スーちゃん頼めるかな?」
ハッピーが先ほど狩ったグリズリーを引きずって持ってきたので、スーちゃんに解体を頼む。するとスーちゃんは体を伸ばしグリズリーを覆い、一気に取り込み始めた。しばらくするとお肉が解体された状態で出てきたが、『これは今日の宴で使わせてもらいますね。』と家のキッチンの方に持っていった。
「そうだね、せっかくここに来てもらったんだし宴をしたほうがいいね。」
~~~~~~~~
「うわー、」
エレルたちは目の前の家を呆然と見ている。2階建上、キッチンに風呂にリビング、さらには個人の部屋まで用意された家がわずか2時間で完成してしまったのだ。
「リーダー、このスライムはなんですかね?フェアリースライムですかね?」
「いや、魔力量はそうかもしれないけどフェアリースライムだったらこんなに知能は高くない。しかもスライムだけじゃない、あの鳥人の女の子は多分神鳥族じゃないかしら。」
エルの魔力によってスーちゃんやラーちゃんはただのスライムからマスタースライムに進化されていた。これはスライムの最終進化系であり、現在は絶滅したスライムとされている。
その理由はスライムは分裂の際に魔力を消費するため分裂したスライムは基本弱い。しかしスーちゃんの場合そのあとすぐにエルの魔力が入り込むため弱くならない。
ハッピーもまた進化している。鳥人族の最終進化系の神鳥族になっている。神鳥族は風魔法を極限まで使える種族で、かつてはドラゴンと制空権を争ったほどである。しかし、ハッピーはエルの温かい魔力の効果で好戦的ではなく、むしろ優しい神鳥族に進化した。
「それよりも私たちなんか強くなってない?」
「ええ、この魔力、もしかしたらエンシェントエルフに進化しているかもしれないですね。」
エンシェントエルフ、エルフ族の中でも最高位の種族である。エレルたちはもともとハイエルフという高位種族ではあったがエルの魔力の効果でさらなる進化を遂げた。
『これで建築は終了ですが、もし何か問題があったらいつでも言ってくださいね。』
「え!?これは念話!?しかもこんなに鮮明な念話は聞いたことがない。」
念話、一部の魔力の高いモンスターが心で語りかける能力である。しかし普通は片言でなかなか伝わりにくいのが特徴であるがラーちゃんは普通に喋るような流暢さで話していた。
「ええ、わかりました、ラーちゃんさん。確認は後にしてエルさんの元に戻りましょうか。」
~~~~~~~~
「エルさん、戻ってきまし……た!?」
「ん?ああ、おかえりー。どうだったラーちゃんの建てた家は?」
「とてもよかったですよ。ただその、エルさんの前にあるものはなんですか?」
「ん?ああ、これはイノシシのつるし焼きだよ。俺の故郷の料理なんだ。」
エルの前に置いてある金属製の棒で突き刺されたイノシシが下にある火で焼かれいる様子を見てエルフたちは驚愕していた。
「大丈夫ですか?」
エルフたちはエルの魔力に警戒心を強めるが、エルはそんなことつゆ知らずのほほんとエルフたちに近寄る。
「ええ、なぜか体が楽になりました。」
「本当!?なら良かった。スーちゃんの言う通りだったねー。よしよしー。」
スーちゃんの頭を撫でると触手をうねうねと動かしている。喜んでいるようだ。うんうん、
「エルフさんたちは何があったんですか?」
「そうですね、私たちは森林災害から逃れられたエルフの一派です。」
この森に来たエルフたちはモンスターによる森林破壊によって故郷が破壊され移動せざるをえなくなり、ここエルレアルの森に迷い込みモンスターに襲われていた。
「そっかー、じゃあ俺たちの拠点に来る?」
「え!?」
「ああ、拠点と言って家と畑があるぐらいだけど。みんなもいいかな?」
「ピイー♪」
スーちゃんも触手を上げて肯定の意を示す。
「それじゃあ俺たちの拠点に向かおうか。」
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「私はリーダーのエレル、そしてあとリーシアとサルファ、ナタリーです。」
「「「よろしくおねがいします」」」
「うん、俺はエル=ロード。そしてこっちの鳥人の女の子はハッピー、こっちはスライムのスーちゃんとラーちゃん。あと数匹か小さいスーちゃんたちもいるんだ。」
「なるほど、皆さま今日からお世話になります。よろしくおねがいしますね。」
「ピイー!」
ハッピーもスーちゃんもラーちゃんも喜んで歓迎してくれている。みんないい子だー!
「それで家なんですが、私たちで……」
「ああ、家だったらラーちゃんが建ててくれるよ。何か案があるなら聞いときたいんだって。」
「え?」
このときリーダーのエレルは自分たちで建てようとしていたが、まさかスライムに頼むのかと驚きを隠せていない。だがラーちゃんはやる気満々でエルフたちに近づいて『何か取り入れてほしい案がありましたら教えてください!』と質問している。
「それでは、建ててほしい場所に移動しますのでエルさん失礼します。」
エルフさんはラーちゃんとともに建設予定の場所に行ってしまった。
「ピイ!」
「ん?ああ、グリズリーの解体作業しないといけないね。スーちゃん頼めるかな?」
ハッピーが先ほど狩ったグリズリーを引きずって持ってきたので、スーちゃんに解体を頼む。するとスーちゃんは体を伸ばしグリズリーを覆い、一気に取り込み始めた。しばらくするとお肉が解体された状態で出てきたが、『これは今日の宴で使わせてもらいますね。』と家のキッチンの方に持っていった。
「そうだね、せっかくここに来てもらったんだし宴をしたほうがいいね。」
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「うわー、」
エレルたちは目の前の家を呆然と見ている。2階建上、キッチンに風呂にリビング、さらには個人の部屋まで用意された家がわずか2時間で完成してしまったのだ。
「リーダー、このスライムはなんですかね?フェアリースライムですかね?」
「いや、魔力量はそうかもしれないけどフェアリースライムだったらこんなに知能は高くない。しかもスライムだけじゃない、あの鳥人の女の子は多分神鳥族じゃないかしら。」
エルの魔力によってスーちゃんやラーちゃんはただのスライムからマスタースライムに進化されていた。これはスライムの最終進化系であり、現在は絶滅したスライムとされている。
その理由はスライムは分裂の際に魔力を消費するため分裂したスライムは基本弱い。しかしスーちゃんの場合そのあとすぐにエルの魔力が入り込むため弱くならない。
ハッピーもまた進化している。鳥人族の最終進化系の神鳥族になっている。神鳥族は風魔法を極限まで使える種族で、かつてはドラゴンと制空権を争ったほどである。しかし、ハッピーはエルの温かい魔力の効果で好戦的ではなく、むしろ優しい神鳥族に進化した。
「それよりも私たちなんか強くなってない?」
「ええ、この魔力、もしかしたらエンシェントエルフに進化しているかもしれないですね。」
エンシェントエルフ、エルフ族の中でも最高位の種族である。エレルたちはもともとハイエルフという高位種族ではあったがエルの魔力の効果でさらなる進化を遂げた。
『これで建築は終了ですが、もし何か問題があったらいつでも言ってくださいね。』
「え!?これは念話!?しかもこんなに鮮明な念話は聞いたことがない。」
念話、一部の魔力の高いモンスターが心で語りかける能力である。しかし普通は片言でなかなか伝わりにくいのが特徴であるがラーちゃんは普通に喋るような流暢さで話していた。
「ええ、わかりました、ラーちゃんさん。確認は後にしてエルさんの元に戻りましょうか。」
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「エルさん、戻ってきまし……た!?」
「ん?ああ、おかえりー。どうだったラーちゃんの建てた家は?」
「とてもよかったですよ。ただその、エルさんの前にあるものはなんですか?」
「ん?ああ、これはイノシシのつるし焼きだよ。俺の故郷の料理なんだ。」
エルの前に置いてある金属製の棒で突き刺されたイノシシが下にある火で焼かれいる様子を見てエルフたちは驚愕していた。
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