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第10章 新たなる街への旅路編
第144話 その頃の魔王幹部は
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「今マーク10に来ている勇者の索敵は進んでいるか?」
「今のところまだ目標をとらえられておりません」
「あ!?なにちんたらと行動してるんだよ」
アザゼラ率いる魔王軍が引き続きシンジたちを探していた。しかし猛吹雪によりとてもいつものパフォーマンスが出せるわけもなく難航していた。
アザゼラは引き連れてる部下たちの行動の悪さ、環境の悪さにかつてないほどののいら立ちを表していた。
「ひ!お、お待ちください。すぐにやつの探索を完了させますのでどうかその手をお納めください」
「ふん、お前たちなら多少なりわかってるはずだからな。俺を怒らせることがどういうことか」
アザゼラは魔王幹部の中でもかなり粗暴行為で有名で比較的怒りやすかった。だがその実力は言うまでもなく粗暴行為などをすべてその腕で黙らせてきた。
これまでアザゼラに対して不躾な態度をとってしまったも者たちは例外なく彼の手によって直接消されてしまった。その恐ろしさを知っている直近の部下たちは決してアザゼラの機嫌を損なうことはなかった。
「アザゼラ様、お茶が入りました」
「おう、気が利くな。セリア」
セリア、アザゼラの側近として長く仕えており、秘書に近い役回りを任されてる魔王軍の一人。アザゼラ本人が指名したことにこの関係があるのだが、その理由は彼女の実力であった。もちろんセリアの秘書の立ち回りの良さもあるが、アザゼラは純粋な実力至上主義者であるためセリアが直近に指名されたのである。
「しかし、本当にこんな山を正気で通ってくるのでしょうか」
「この寒さを知ったうえで来たとは思えん、おそらくは俺らと同じく知らないで来たんだろう。来た理由は定かではないが」
「もしかしたらミラーゼルに向かうためかもしれませんね」
「ふむ、まあ今から向かうのもだるい。ここでなにか情報が出てくるまで待機でよかろう」
「そうですね、わたくしも諜報部隊に協力して索敵しますのでもう少々お待ちください」
アザゼラは離れていくセリアを見ながら薪に火魔法を放ち、火をつけて暖を取り始めた。
「さて、今代の勇者はどのような奴なのか」
片手に葉巻を持ち椅子に腰を掛けて考え込んだ。彼はシンジによって倒され消息を失った同じ幹部のフリースのことを考えた。もしかしたらなにかしら勇者と関係があるのではないかと。
「奴が勇者を除いて倒される可能性はかなり低い。トップクラスの冒険者になれば話は違うがそもそもちょっかいをかけるとは思えない」
アザゼラはいくつかのパターンを考え始める。どれもある共通点を持っていた。
「まあ、少しは楽しめるのかもな」
魔王軍ナンバー2の男が不敵に笑いながら索敵の情報を待っていた。
「今のところまだ目標をとらえられておりません」
「あ!?なにちんたらと行動してるんだよ」
アザゼラ率いる魔王軍が引き続きシンジたちを探していた。しかし猛吹雪によりとてもいつものパフォーマンスが出せるわけもなく難航していた。
アザゼラは引き連れてる部下たちの行動の悪さ、環境の悪さにかつてないほどののいら立ちを表していた。
「ひ!お、お待ちください。すぐにやつの探索を完了させますのでどうかその手をお納めください」
「ふん、お前たちなら多少なりわかってるはずだからな。俺を怒らせることがどういうことか」
アザゼラは魔王幹部の中でもかなり粗暴行為で有名で比較的怒りやすかった。だがその実力は言うまでもなく粗暴行為などをすべてその腕で黙らせてきた。
これまでアザゼラに対して不躾な態度をとってしまったも者たちは例外なく彼の手によって直接消されてしまった。その恐ろしさを知っている直近の部下たちは決してアザゼラの機嫌を損なうことはなかった。
「アザゼラ様、お茶が入りました」
「おう、気が利くな。セリア」
セリア、アザゼラの側近として長く仕えており、秘書に近い役回りを任されてる魔王軍の一人。アザゼラ本人が指名したことにこの関係があるのだが、その理由は彼女の実力であった。もちろんセリアの秘書の立ち回りの良さもあるが、アザゼラは純粋な実力至上主義者であるためセリアが直近に指名されたのである。
「しかし、本当にこんな山を正気で通ってくるのでしょうか」
「この寒さを知ったうえで来たとは思えん、おそらくは俺らと同じく知らないで来たんだろう。来た理由は定かではないが」
「もしかしたらミラーゼルに向かうためかもしれませんね」
「ふむ、まあ今から向かうのもだるい。ここでなにか情報が出てくるまで待機でよかろう」
「そうですね、わたくしも諜報部隊に協力して索敵しますのでもう少々お待ちください」
アザゼラは離れていくセリアを見ながら薪に火魔法を放ち、火をつけて暖を取り始めた。
「さて、今代の勇者はどのような奴なのか」
片手に葉巻を持ち椅子に腰を掛けて考え込んだ。彼はシンジによって倒され消息を失った同じ幹部のフリースのことを考えた。もしかしたらなにかしら勇者と関係があるのではないかと。
「奴が勇者を除いて倒される可能性はかなり低い。トップクラスの冒険者になれば話は違うがそもそもちょっかいをかけるとは思えない」
アザゼラはいくつかのパターンを考え始める。どれもある共通点を持っていた。
「まあ、少しは楽しめるのかもな」
魔王軍ナンバー2の男が不敵に笑いながら索敵の情報を待っていた。
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