追放された勇者、魔物の帝国を創る

Miiya

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第7話 

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蒼真たちが大きく移動し始めてから二日。ついに木々が多くない開けた場所についた。移動中に、当然凶暴な動物や魔物たちに襲われたが、リムとラムの2匹が圧倒したおかげで特にピンチとなった場面はなかった。

「ここはかなり広いな。魔物もほとんどいなさそうだし、この辺に新しく拠点を作りたいところだな」

蒼真は移動中に、新しい拠点づくりも考えていた。飛ばされたこの森がどのくらいの広さなのか全くわからない以上、むやみに移動するのではなく1つの拠点を作ることで安定した生活を送るほうが優先したほうがいいと考えた。

この構想自体は飛ばされた初期にも少し考えてはいたものの、そもそも拠点を作る場所の確保の難しさや、魔物の脅威などもあり難しいと蒼真は判断した。

「とりあえず、家が作れるのか試してみようか」

蒼真は家を想像しながら魔力を込めた。しかし、あたりは何も起こらなかった。

「家は対象外なのか?それとも現状ではできないだけなのか?」

蒼真は【土地開発】の能力に関して、成長具合によって精度などが変わってくると推測している。最初はコップ一杯程度しか水を出すことができなかったが、今ではバケツ1杯以上の量を出すことができる。

「またしばらく家は洞窟生活になるのか」

蒼真が少しテンションを落としていると、リムとラムがなにやらぴょんぴょんと元気よく飛び跳ねる。蒼真は何が起きたのかとみていた。

ラムが近くの木を何本か触手で切り落とすと、それをリムが広場のほうに持っていく。木は5メートルはある大木であるが、リムは軽々と持ち上げて広場に並べる。木を乾燥させるようだ。それでも乾燥させるにはかなり時間がかかってしまう。

そこである程度並べおいたリムはその場で激しく震え始めた。そして震えが止まると、ちょこちょこと小さな青いスライムが数匹現れた。

「分裂したのか?リムは大丈夫なのか?」

分裂した後のはいつも通りの様子で、蒼真に対して問題ないと触手を使って伝える。そして分裂した小さいリムたちに、本体のリムが触手を使って何かを伝える。

しばらく経つと小さなリムたちは切り落とされた木々のほうにぴょんぴょんと跳ねる。触手を起用に使って、小さなリム全員が協力して枝を次々に切って完全な丸太にすると、木に直接跳びのった。どうやら木の中に残っている水分を吸収しているようで、通常の何倍も早く乾燥させることが可能になった。

その後も、ラムが次々に大木を切り落とし、それをリムが回収するし広場に並べ、小さいリムが枝を切り取り乾燥させる。この一連の動きを、蒼真はただただ見ていることしかできなかった。それほどまでに、スライムたちの技術が卓越していたのだ。

ある程度伐採し終えたラムは、広場に並んでいる乾燥が完了し木材として使用できる大木を次々に切り分け始めた。木を切り分けてしばらくして、ラムもリム同様激しく震え始めた。リムの時と同じように、ラムの体が分裂し、小さいラムが数匹出てきた。

本体のラムが小さいラムたちに何やら指示を出しているのか激しく触手を動かす。指示を受けた小さいラムたちは、切り分けた木材をつかむと、それらをつなげ始めた。

ここまでくれば、蒼真も確信が付いた。

「家を造っているのか?」

ラムとリムは蒼真のつぶやきを聞き逃していなかったようで、蒼真が望んでいた木造での家を建築しているようだった。その後も超スピードで家が建築されていった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

建築が始まってからおおよそ2時間が経過しついに家が完成した。2階建ての木造建築で、魔力を大量に含んだ木が使われているため、かなりの耐久力もある。

中には大きなリビングに、寝室、さらに空いている部屋が何個もあり、一家族ぐらいなら十分に暮らせそうな立派な造りである。蒼真はこのスライムたちの働きを見て、もはや驚きすらもなくなった。

「まさかこれだけの建築にたった数時間で終わらせるなんてな」

建築が終わったにもかかわらず、スライムたちはたぁまだ元気た様子で、蒼真の周りをぴょんぴょんと跳ねているのだ。

「だが、これだけ立派な家なら拠点として十分に使用できるな」

蒼真はある1つの決意をした。ここを拠点として、勢力を拡大させそして追放した帝国、そして王のパイラントに復讐を決意した。

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