スライムを飼うことになりました

Miiya

文字の大きさ
3 / 4

第3話 名付け

しおりを挟む
 「名前かー、」

この先一緒に生活するとなるとなるべく呼びやすいものや覚えやすいものがいいだろう。

 「見た目からいくとゼリーとかいいかしらね」

ゼリーと言われスライムは少しビクッとする。もしかして食われてしまうとか思ったのか?

 「やめなよ、そうだなー。プルンってのはどうかな?」

 「あら、可愛らしい名前ね」

 「そうですね名前も覚えやすそうですし」

プルプルしているしゼリー体の特徴も捉えてると思う。

 星宮家の人間は全員名付けに疎い。ペットの名前もかなり単純なのはそれが理由である。

 「プルンよろしくな」

プルンは触手を上げて『よろしく!』と動く。

 この時誰も気づくことはなかったがスライム、プルンの体ではある異変が起こっていた。 プルン体がさらに純度が増していた。

 「今日はここまでにしてまた明日以降にプルンちゃんについては話すことにしましょうか」

 「そうだね、明日も学校があるし」

 「翔、従魔を引き連れる許可申請は早めにしてくださいね」

 「わかってるよ。多分向こうの人たちはおどろくかもしれないけど明日にでも行くよ」

スライムなどダンジョンの奥深くにしか生息しない。しかも知能が高くないから人に懐くとも思えない。今目の前にいるプルンでさえ餌につられた可能性がある。

 「で、母さんは何やってるの?」

 「ええ?だってスライムなんて初めて見たから触ってみたくて。でもこんなに柔らかいんだね」

 「野生のスライムは触りでもすればスライムの溶解液で溶かされてしまいますよ。やはりこの子はいろんな意味で特殊ですね」

 母、優姫になでられて恍惚な表情を浮かべていたプルンはびくりと光輝の言葉に反応する。しかしスライムには顔がないため優姫と翔に気付かれることはなかった。

 「それじゃあ部屋に戻ろうかプルン」

 プルンは助け船に乗るような勢いで翔に抱きかかえられる。光輝は離れていくプルンを見て何か思う。

 「やはり気になりますね」

 「プルンちゃんかわいいよね~」

 光輝はかつて魔法学の際にモンスターを研究した過去を思い出し心の中で研究心を密かに燃やしていたが今しばらくは翔に任せることにした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 「さて、まず勝手に逃げ出したことについてはどう?」

俺はなんでも許そうとは思ってない。むしろ出会った最初のころからしつけをきちんとしなければ今後が大変になってしまう。

プルンに言葉が通じるのはなぜだろうかなどは今は後回しにしてとにかく罪の意識を持たせることが大事だ。

ペタン

プルンはなにも思うことなく地面に突っ伏した。土下座?を表してるのだろうか?この際なぜ土下座をこのスライムが知ってるのかは後回しだ。

 「ちゃんと謝れて偉いね。もういいよ」

俺はちゃんと謝れたプルンにご褒美に板チョコを一枚に渡す。プルンは受け取ると嬉しいのかわっしょいわっしょいとチョコを持つ。

 「あ、包装あけてないや。貸して...?」

包装を開けるのを忘れていたのを思い出してプルンから回収するがプルンはわーいといった感じで触手を器用に使ってべりべりと開けている。

 「教えてないのに。もしかして俺が見たのを思い出したのか?」

土下座を知ってるのもなかなかおかしいことだがもし仮説があってるのならとんでもないことだ。そこらの幼児よりも普通に知能は高いぞ。

 「今日からすでに一緒に過ごしてるけど今後においていくつかルールを決めておかないといけない、大丈夫か?」

知能が高いと思われるプルンにいちいちこうして確認がいるかわからないが聞いてみる。プルンは自信満々に触手を上げる。

 「まずなにも理由なしに溶解液を飛ばしてはいけない」

プルンはどのぐらいの強さの溶解液かわからないが一般的な溶解液は薄い金属なら溶かすらしい。人肌など言わずもがな。プルンも自覚しているようでうんうんとうなずく。

 「それと家から勝手に出てはいけない」

スライムは見つかればすぐに殺処分にされてしまうだろう。知能が低いうえ能力は人間を凌駕する能力を持ってる。火属性の魔法を使わなければいけない。伝えるとブルルと震えてコクコクとうなずく。

 「最後に、君は俺の友達だ」

これはルールとかではないがなんか離れていることを考えられない。プルンも今までで一番速く、そして力強く触手を伸ばした。

 「うん、これでいいね。すぐにプルンも学校に連れて行くからね。また学校についても教えるからね」

プルンは学校と言われてぴんと来てなかったのかぴょんとベッドに飛び乗ってゴロゴロと転がってた。そんなこともできるのかとプルンの器用さに感心する。

 「俺は宿題を確認しておかないと」

まだ2年生とはいえ進学組のためかなり宿題の量はハードだ。毎日確認しておかないといつの間にか提出期限なんてざらにある。今日は数Bだけか。

 プルンは懸命に宿題に取り組んでいる翔の背中をただただじっと見つめていた。その心中で何を思ってるかは定かではないが今はご主人マスターとなった翔のことをベッドの上で暴れることなく見つめていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。

ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。 そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。 すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。

悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした

ゆっこ
恋愛
 豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。  玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。  そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。  そう、これは断罪劇。 「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」  殿下が声を張り上げた。 「――処刑とする!」  広間がざわめいた。  けれど私は、ただ静かに微笑んだ。 (あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)

あなたが後悔しても、私の愛はもう戻りません

藤原遊
恋愛
婚約者のアルベルトは、優しい人だった。 ただ――いつも、私より優先する存在がいただけで。 「君は分かってくれると思っていた」 その一言で、リーシェは気づいてしまう。 私は、最初から選ばれていなかったのだと。 これは、奪われた恋を取り戻す物語ではない。 後悔する彼と、もう戻らないと決めた私、 そして“私を選ぶ人”に出会うまでの、静かな恋の終わりと始まりの物語。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」

まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。 目が覚めたら、婚約破棄されていた。 理由は「地味で面白みがない」から。 泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。 最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。 でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。 厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。 そして就任スピーチで宣言した。 「500人全員の名前を、覚えます」 冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。 悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。 元婚約者は——後悔し始めていた。 婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。 なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。

『お前を愛する事はない』なんて言ってないでしょうね?

あんど もあ
ファンタジー
政略結婚で妻を娶った息子に、母親は穏やかに、だが厳しく訊ねる。 「『お前を愛する事は無い』なんて言ってないでしょうね?」

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

処理中です...