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第3話 10歳になって
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この世界に来てから7年が経った。俺ももう10歳だ。この世界にも学校の制度があり、10歳から入学するそうだ。当然俺もそのつもりだ。
この7年でかなり変わったことがある。父さんが買ってきてくれる医療本をとにかく読み漁った。だいたい7歳ぐらいの頃にはもう読む本がなくなってしまったぐらいだ。そのあとは文化史を読んだり魔物についての本、あとは魔法についても学んだ。
この世界の魔法はイメージが主らしく魔法名はあってもそれはイメージをしやすくするためのものらしい。要は自分の作りたい魔法のイメージとそのために必要な魔力の量がいる。
俺は10歳ながらにしてすでに学者並みの知識を持った。でも学校には行く。その理由はまず俺がもともとこの世界の人間ではないからだ。この違いはかなり大きい。
たとえ知識があっても経験には勝ることはない。前世でも作戦を考えてもそれを1発で実行できたことはほとんどない。だからこの世界で生きていくためにも学校にいくのは必須である。
このようにこの7年間のことについてある程度話したが一番変わった点はこれだろう。
プニ?
そう、今俺の膝の上にスライムがいるのだ。白色のスライムだ。
このスライムは俺が7歳の頃に薬草探しのために森に入った時グリズリーをナイフで倒した時に傷を負って近くでプルプルと震えていた。多分襲われているときだった。
スライムは中立的な存在。だからその時集めていた薬草を近くに置いたらそこにぴょんと乗っかって食べた。その時に体が光り、もともと青色だったのが白色に変わった。そして今に至る。
プニプニ♪
名前はミル。白色で牛乳みたいな見た目だったからだ。可愛らしい名前だし何より本人も了承している。そんなミルは大きさはハンドボールぐらいの大きさ。
最初の頃は父さんや母さんに対して恐怖を抱いてたが今では家族の一員として生活している。
食性はない。というかなんでも食べることができる。だけど1番好きなのは花壇に育てている薬草だ。
いろんな薬草を育てるためにかなりの数の花壇が家にある。そこには7割が薬草類、残りの3割は観賞用の花だ。色彩豊かに咲いている。
ミルはよく薬草を花壇で直接食べる。俺も特に怒ったりはしない。食べるとはいっても必ず半分は残すし途中のものは食べない。それに一つの種類を全て食べることもない。かなり賢い。
薬草を食べると体が少しキラキラと輝き、少しハリが出る。薬草の魔力を吸い取ったからかはわからないが。でも薬草の魔力を見分ける、いや食い分けることができる。前に一回2種類の薬草を渡したときに真っ先に魔力の高い薬草を好んで食べた。
朝と昼に花壇の花や薬草に水をやる。その際になぜか必ずミルも花壇の上にいる。そして水を欲しそうに跳ねるのだ。そのあとはベランダで医療の本を読んでいる俺の膝にぴょこんと乗っかって日向ぼっこする。
ご飯も俺たちと変わらない量食べる。母さんもミルの食べる可愛らしい姿を見てからはより一層料理に力を入れた。
父さんはかなり警戒していた。なにせ知能を持ったスライムだからだ。スライムは普通じっとするなり勝手に動いたりするものだがミルはその場その場にあった行動をする。ご飯も食べるときはなるべく人と変わらないように食べている。好きなものが出たときは体ごと食べるけど。
「このスライムはまだ子スライムだな。しつけはなるべく早めにしろよ。」
これは当初父さんが言っていたことだ。成体になるともう少し大きくなるらしい。それに伴い弱いといえど酸を吐き出したりする。ちゃんとしつけてないと暴れる可能性がある。
しかしミルは比較的温厚だ。薬草を誤って全て食べたときに怒ったら今度からは一切そのようなことはなくなった。それに雑草の処理もしてくれる。
そんなミルは普段は家の掃除をしている。スライムの溶かす特性を使って床に落ちてる埃やゴミなどを溶かす。しかも床や壁は一切傷つけることない。そしてミルが通った場所はピカピカになる。これには母さんも「すごいわねミルちゃん!!」素直に感心するほどだ。
とまあこれまでが俺の転生してから7年の間に起きた出来事だ。まだまだエピソードはあるがここでは一旦止めておく。
「ルーノ、明日は学校に向けて出発だ。」
「うん、確か試験があるんだよね?」
「ああ、座学と剣術、魔法の試験がある。とは言ってもお前の実力なら特に問題はない。俺がいた頃から変わってなければ。」
俺が入学する[リートヴィヒ学園]は父さんの母校だ。国内でもかなり評判の高い学校らしい。うちは遠いからあんまりわからないけど。
「でもルー君がいなくなるのは寂しいわね。」
「それは仕方ない。でも年に一度は学園に行くからそう落ち込むな。」
リートヴィヒ学園は寮があり俺はそこに入るよていた。
「そうだ、ルーノ。最後に剣術の稽古をやっていくか?」
「そうだね、最後に手合わせ頼むよ。」
俺と父さんは練習用の木刀を片手に庭の方に行く。ミルはその様子を見るために母さんの腕の中にいる。
「はーー! 」
「であーー!」
~~~~~~~~
「ふー、これだけやれればまず受かるだろう。元冒険者に勝つなんてな。」
「いやいや、何年もやれば慣れてくるよ。」
確か6歳の頃に剣術の稽古を学んだ。魔法は母さんが得意なため母さんに教えてもらった。俺の属性は『衝撃』。この属性は一般的には外れらしい。
火や水、風、光と言ったものはイメージをしやすく魔導者にもかなりの数の魔法が書かれているが衝撃に関してはほとんど書いてない。
衝撃魔法は他の属性よりもかなりイメージ力が問われるらしい。そのためイメージ力が無い人は上には上がれないらしい。
しかし、俺は前世で愛用していた銃をイメージしたらなんか簡単に撃てた。弱めならハンドガン、遠くからならスナイパーライフルといった感じでかなり早く習得できた。
この7年でかなり変わったことがある。父さんが買ってきてくれる医療本をとにかく読み漁った。だいたい7歳ぐらいの頃にはもう読む本がなくなってしまったぐらいだ。そのあとは文化史を読んだり魔物についての本、あとは魔法についても学んだ。
この世界の魔法はイメージが主らしく魔法名はあってもそれはイメージをしやすくするためのものらしい。要は自分の作りたい魔法のイメージとそのために必要な魔力の量がいる。
俺は10歳ながらにしてすでに学者並みの知識を持った。でも学校には行く。その理由はまず俺がもともとこの世界の人間ではないからだ。この違いはかなり大きい。
たとえ知識があっても経験には勝ることはない。前世でも作戦を考えてもそれを1発で実行できたことはほとんどない。だからこの世界で生きていくためにも学校にいくのは必須である。
このようにこの7年間のことについてある程度話したが一番変わった点はこれだろう。
プニ?
そう、今俺の膝の上にスライムがいるのだ。白色のスライムだ。
このスライムは俺が7歳の頃に薬草探しのために森に入った時グリズリーをナイフで倒した時に傷を負って近くでプルプルと震えていた。多分襲われているときだった。
スライムは中立的な存在。だからその時集めていた薬草を近くに置いたらそこにぴょんと乗っかって食べた。その時に体が光り、もともと青色だったのが白色に変わった。そして今に至る。
プニプニ♪
名前はミル。白色で牛乳みたいな見た目だったからだ。可愛らしい名前だし何より本人も了承している。そんなミルは大きさはハンドボールぐらいの大きさ。
最初の頃は父さんや母さんに対して恐怖を抱いてたが今では家族の一員として生活している。
食性はない。というかなんでも食べることができる。だけど1番好きなのは花壇に育てている薬草だ。
いろんな薬草を育てるためにかなりの数の花壇が家にある。そこには7割が薬草類、残りの3割は観賞用の花だ。色彩豊かに咲いている。
ミルはよく薬草を花壇で直接食べる。俺も特に怒ったりはしない。食べるとはいっても必ず半分は残すし途中のものは食べない。それに一つの種類を全て食べることもない。かなり賢い。
薬草を食べると体が少しキラキラと輝き、少しハリが出る。薬草の魔力を吸い取ったからかはわからないが。でも薬草の魔力を見分ける、いや食い分けることができる。前に一回2種類の薬草を渡したときに真っ先に魔力の高い薬草を好んで食べた。
朝と昼に花壇の花や薬草に水をやる。その際になぜか必ずミルも花壇の上にいる。そして水を欲しそうに跳ねるのだ。そのあとはベランダで医療の本を読んでいる俺の膝にぴょこんと乗っかって日向ぼっこする。
ご飯も俺たちと変わらない量食べる。母さんもミルの食べる可愛らしい姿を見てからはより一層料理に力を入れた。
父さんはかなり警戒していた。なにせ知能を持ったスライムだからだ。スライムは普通じっとするなり勝手に動いたりするものだがミルはその場その場にあった行動をする。ご飯も食べるときはなるべく人と変わらないように食べている。好きなものが出たときは体ごと食べるけど。
「このスライムはまだ子スライムだな。しつけはなるべく早めにしろよ。」
これは当初父さんが言っていたことだ。成体になるともう少し大きくなるらしい。それに伴い弱いといえど酸を吐き出したりする。ちゃんとしつけてないと暴れる可能性がある。
しかしミルは比較的温厚だ。薬草を誤って全て食べたときに怒ったら今度からは一切そのようなことはなくなった。それに雑草の処理もしてくれる。
そんなミルは普段は家の掃除をしている。スライムの溶かす特性を使って床に落ちてる埃やゴミなどを溶かす。しかも床や壁は一切傷つけることない。そしてミルが通った場所はピカピカになる。これには母さんも「すごいわねミルちゃん!!」素直に感心するほどだ。
とまあこれまでが俺の転生してから7年の間に起きた出来事だ。まだまだエピソードはあるがここでは一旦止めておく。
「ルーノ、明日は学校に向けて出発だ。」
「うん、確か試験があるんだよね?」
「ああ、座学と剣術、魔法の試験がある。とは言ってもお前の実力なら特に問題はない。俺がいた頃から変わってなければ。」
俺が入学する[リートヴィヒ学園]は父さんの母校だ。国内でもかなり評判の高い学校らしい。うちは遠いからあんまりわからないけど。
「でもルー君がいなくなるのは寂しいわね。」
「それは仕方ない。でも年に一度は学園に行くからそう落ち込むな。」
リートヴィヒ学園は寮があり俺はそこに入るよていた。
「そうだ、ルーノ。最後に剣術の稽古をやっていくか?」
「そうだね、最後に手合わせ頼むよ。」
俺と父さんは練習用の木刀を片手に庭の方に行く。ミルはその様子を見るために母さんの腕の中にいる。
「はーー! 」
「であーー!」
~~~~~~~~
「ふー、これだけやれればまず受かるだろう。元冒険者に勝つなんてな。」
「いやいや、何年もやれば慣れてくるよ。」
確か6歳の頃に剣術の稽古を学んだ。魔法は母さんが得意なため母さんに教えてもらった。俺の属性は『衝撃』。この属性は一般的には外れらしい。
火や水、風、光と言ったものはイメージをしやすく魔導者にもかなりの数の魔法が書かれているが衝撃に関してはほとんど書いてない。
衝撃魔法は他の属性よりもかなりイメージ力が問われるらしい。そのためイメージ力が無い人は上には上がれないらしい。
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