32 / 830
第三章 魔法仕掛けの豪邸と、その住人
こうりつ
しおりを挟む
呼び出された7人のブラウニーは黒い目隠しをしていた。
ジラランドルがそうであったように、首を右に曲げて無言で整列している。
「これってどういうことだ?」
「ブラウニー、変になっちゃった……」
みんなが困惑していた。
皆、いつもの感情豊かな彼らを知っているだけに、この光景はショックをうけているに違いない。もちろんオレもショックを受けている。
「確認したいことがある。ブラウニー共、オレについてこい」
原因に心当たりがある。
オレは、彼らの返答を確認することなく、ズカズカと大股で4階へと急いだ。思った通り、ブラウニーは一人残らず無言で付き従ってくる。
「ジラランドル、質問がある。オレの後ろにいるブラウニーなんだが、前に呼び出したときは目隠しをしていなかった。自由に会話もできた。でも、今は目隠しをして無言だ。これは『効率的な召喚』によるものか?」
「左様にございます。支配者様が効率的に作業できるように、精霊も万全を尽くす必要があるのでございグェッ」
「どういうことなん?」
オレを追ってきていたサムソンが不思議そうに尋ねてくる。
「効率の意味だよ。オレ達はずっと、触媒……例えば1000円で5時間働いてもらうという元々の条件があったとして、800円で5時間という風に、投入するリソース、触媒であったり魔力が少なくなることを効率的と捉えてた」
「それは間違いってこと?」
「そうだ。実際は1000円で5時間という枠は変えずに、働く側が口も利かず逆らわず5時間黙々と働けば、投入したリソースのコストが効率的に回収できるという考えだったんだよ」
「自我がなければ、逆らわずロボットのように……使えるということか」
「そういうこと、その結果がこの不気味な光景だったら世話ないよ」
「私も、ちょっとこれはどうかと思うんです。こんなブラウニーさんたちは嫌です。そう思いません?」
「そうっスね。こんな『効率的な召喚』なんてやつ、すぐ解くに限るっスよ」
プレインの言う通りだ、他人の自我を奪う機能なんてさっさと解除するに限る。
『効率的な召喚』を見つめて火が小さくなるよう、消えるように念じる。
火は消えそうなほどに小さくはなったが、完全には消えない。
「できません。この屋敷が目をさました以上、完全に解除できないのでございまグッエェ」
オレの考えを見透かしたようにジラランドルは宣言した。
「オレたちが、前に召喚したときは、目隠しはしていなかった」
「支配者様が、燭台を持ち上げたときに、この屋敷は目をさましたのでございまグ。以前は、支配者様がもどってきたばかりだったので、最低限の機能のみが起きていたのかと考えまグェッ」
「どうすればもう一回この屋敷を眠りにつかせられる?」
「マスターキーを持った支配者さまが、ここを遠く離れ、不在の時がすぎれば眠りにつきまググェ」
「私たちが出ていかなきゃ、元にもどせないってこと?」
「マスターキーを持った支配者様が、お出になる必要があるのでございまグェ」
「ロンロはどう思う?」
ジラランドルとは違う回答を期待して話を振ってみる。ロンロは人差し指を下唇にあて、すこし考えてから答えてくれた。
「ジラランドルのぉ、言う通りねぇ。マスターキーがここから離れなきゃ元には戻らないと思うわぁ」
「マスターキーだけをどこかに投げ捨てるなりして、遠く離すのはアリなん?」
「それでも眠りにつくかもしれないけれどぉ、確実じゃないわぁ。それに、マスターキーが誰か別の人の物になったら、ノアは屋敷の持ち主ではなくなるから。それは許せない話よぉ」
最後の手段として考えたマスターキーを投げ捨てる選択もダメみたいだ。
もっとも、マスターキーはノアのものだし、それを捨てたりするのは無し。
「じゃ『効率的な召喚』のろうそくをぶっ壊しちゃえば? いらないでしょ、コレ」
「燭台は、この屋敷の権能を目に見えるようにするだけの幻にございまグェッ。壊せません」
「じゃ、機能を実装している本体がどこかにあるってことなん? それは何処にあるんだ?」
「知りません。私は、ここより離れませグェ」
「この屋敷の権能を作り上げている魔法陣なら、地下室にあるわよぉ。きっとね。この屋敷の本当の価値は地下室にしかないのぉ」
地下室か。確かにあそこには床一面に大量の魔法陣が書かれていた。そのうちの一つが『効率的な召喚』を実装していると言われれば納得できる。
そういえば、マスターキーの力で地下室への道は、呼び出せるんだっけ。
試しに念じてみる。カタンと音がして、部屋の片隅に古い絵が出現した。
その絵のほうへ歩いていくと、フッと景色がかわり石畳の通路にやってきた。見覚えのある地下室へ続く通路だ。
そのまま進んでいき地下室へとたどり着く。
振り返ると、ブラウニー達はついてきていない。ノアとロンロ、それに同僚の4人だけだ。
「こうやってみると沢山の魔法陣があるっスね」
「どれがどれなんだろ?」
「ロンロ、教えて?」
「ごめんなさいねぇ、ノア。私もしらないのぉ」
ロンロは知らないらしい。そもそもこの地下室にある魔法陣のどれかが正解なんてものも確証がないそうだ。
しかし、多分、この場所に目的とする魔法陣がある確信は持てる。
「どうやって探したものかな」
「この屋敷にある他の魔法陣を起動させてみて、変化を見るのはどうでしょう? 魔法陣って起動させると光るでしょう? その輝きで特定できると思うんです。そう思いません?」
それはいい手だ。試す価値はある。
「ロンロ、この部屋にも燭台とかがあるって言ってたと思うけど、どこにあるんだ?」
「こっちよぉ」
案内されたのは、以前に魔力を供給した階段状になった祭壇だった。
シンプルな作りの3段ほどある階段のような形をした石と、その上に大きなガラス瓶がのっている。
「燭台も、操舵輪のようなテーブルもないが……」
「その瓶を片手で、手に取ってみてぇ」
言われたとおりに片手で持ち上げる。結構重い、素の状態では辛かったので、身体強化を使い右手だけでなんとか持ち上げる。左手にも重さを感じた。
左手をみると燭台が握られている。
目の前にある階段状をした祭壇の2段目には、波打ったような付近の地図が、3段目には屋敷の模型が現れた。
「4階とちがって、片手でガラス瓶を持たなきゃいけないのが辛いね。手がつりそうだ」
「男の子でしょぉ、我慢しなさぁい」
ロンロの叱咤激励はともかくとして、燭台をみつめ、バリヤーを強化する。
「バリヤーを少し……えっと強化結界をすこし強くしたけど、変化は?」
「どれがどれだかわかんないっス」
最大まで強化してみる。
「フルパワーのバリヤーだ! どうだ?」
「ありました。あれだと思います!」
カガミが指さした方をみると、ほんのりと光る魔法陣がみえた。フルパワーでこれか……『効率的な召喚』を強化すると頭痛がする。
おそらく、オレたちも召喚された存在として効果の対象にあるからだろう。最高まで強化したとき、自我があるか不安になる。
「それじゃ、次は『効率的な召喚』だ。ノア、もしオレたちが自我をなくしたときは解除してね」
「うん。ちゃんとやるから。リーダも頑張ってね」
「了解。それじゃ、みんなで手分けして監視しといてくれ。いくぞ」
みんなが頷くのを確認し、燭台を見つめ念じる。少しづつ強く。しばらくすると頭痛がしてきた。
我慢してさらに念じる。ゆっくりと視界が暗くなる……。
「みつけた!」
ミズキの声をきき、すぐに火が小さくなるように強く念じる。
念じただけだったが、すごく疲れた。
ゆっくりとガラス瓶を祭壇にもどし、ヘタリこんだ。
「リーダ、大丈夫?」
ノアがひどく心配そうにオレを眺め、ポケっとからカロメーを差し出した。笑顔で受け取って口に放り込む。
そうする間にも、ミズキは見つけた魔法陣のほうへ走っていき、その場で両手をあげピョンピョンと飛び跳ねた。
魔法陣は石畳に書かれている。
靴のかかとで削りとれないかとこすりつけてみたが、無理だった。
結局、屋敷からもってきたスコップで石畳を割って砕くように魔法陣を削り取ることにする。身体強化を使ってから、スコップをたたきつけるようにして削っていくと、比較的簡単に床の一部が外れた。
「線が途切れたんで、魔方陣は破壊されたはずだ」
サムソンが宣言し、カガミがすぐに地上へと上がった。オレたちもついていく。
「んー。なんじゃ、野郎か。ワシらはお嬢さんとお話があるんで、どっか行け。シッシ」
ブラウニー共は、オレを見るなり、いきなり悪態をついた。
いつものように。
このコンパクトひげおやじ共は、やっぱりムカつく。
それでも、その悪態の言葉は、黒い目隠しより気分よく感じた。
ジラランドルがそうであったように、首を右に曲げて無言で整列している。
「これってどういうことだ?」
「ブラウニー、変になっちゃった……」
みんなが困惑していた。
皆、いつもの感情豊かな彼らを知っているだけに、この光景はショックをうけているに違いない。もちろんオレもショックを受けている。
「確認したいことがある。ブラウニー共、オレについてこい」
原因に心当たりがある。
オレは、彼らの返答を確認することなく、ズカズカと大股で4階へと急いだ。思った通り、ブラウニーは一人残らず無言で付き従ってくる。
「ジラランドル、質問がある。オレの後ろにいるブラウニーなんだが、前に呼び出したときは目隠しをしていなかった。自由に会話もできた。でも、今は目隠しをして無言だ。これは『効率的な召喚』によるものか?」
「左様にございます。支配者様が効率的に作業できるように、精霊も万全を尽くす必要があるのでございグェッ」
「どういうことなん?」
オレを追ってきていたサムソンが不思議そうに尋ねてくる。
「効率の意味だよ。オレ達はずっと、触媒……例えば1000円で5時間働いてもらうという元々の条件があったとして、800円で5時間という風に、投入するリソース、触媒であったり魔力が少なくなることを効率的と捉えてた」
「それは間違いってこと?」
「そうだ。実際は1000円で5時間という枠は変えずに、働く側が口も利かず逆らわず5時間黙々と働けば、投入したリソースのコストが効率的に回収できるという考えだったんだよ」
「自我がなければ、逆らわずロボットのように……使えるということか」
「そういうこと、その結果がこの不気味な光景だったら世話ないよ」
「私も、ちょっとこれはどうかと思うんです。こんなブラウニーさんたちは嫌です。そう思いません?」
「そうっスね。こんな『効率的な召喚』なんてやつ、すぐ解くに限るっスよ」
プレインの言う通りだ、他人の自我を奪う機能なんてさっさと解除するに限る。
『効率的な召喚』を見つめて火が小さくなるよう、消えるように念じる。
火は消えそうなほどに小さくはなったが、完全には消えない。
「できません。この屋敷が目をさました以上、完全に解除できないのでございまグッエェ」
オレの考えを見透かしたようにジラランドルは宣言した。
「オレたちが、前に召喚したときは、目隠しはしていなかった」
「支配者様が、燭台を持ち上げたときに、この屋敷は目をさましたのでございまグ。以前は、支配者様がもどってきたばかりだったので、最低限の機能のみが起きていたのかと考えまグェッ」
「どうすればもう一回この屋敷を眠りにつかせられる?」
「マスターキーを持った支配者さまが、ここを遠く離れ、不在の時がすぎれば眠りにつきまググェ」
「私たちが出ていかなきゃ、元にもどせないってこと?」
「マスターキーを持った支配者様が、お出になる必要があるのでございまグェ」
「ロンロはどう思う?」
ジラランドルとは違う回答を期待して話を振ってみる。ロンロは人差し指を下唇にあて、すこし考えてから答えてくれた。
「ジラランドルのぉ、言う通りねぇ。マスターキーがここから離れなきゃ元には戻らないと思うわぁ」
「マスターキーだけをどこかに投げ捨てるなりして、遠く離すのはアリなん?」
「それでも眠りにつくかもしれないけれどぉ、確実じゃないわぁ。それに、マスターキーが誰か別の人の物になったら、ノアは屋敷の持ち主ではなくなるから。それは許せない話よぉ」
最後の手段として考えたマスターキーを投げ捨てる選択もダメみたいだ。
もっとも、マスターキーはノアのものだし、それを捨てたりするのは無し。
「じゃ『効率的な召喚』のろうそくをぶっ壊しちゃえば? いらないでしょ、コレ」
「燭台は、この屋敷の権能を目に見えるようにするだけの幻にございまグェッ。壊せません」
「じゃ、機能を実装している本体がどこかにあるってことなん? それは何処にあるんだ?」
「知りません。私は、ここより離れませグェ」
「この屋敷の権能を作り上げている魔法陣なら、地下室にあるわよぉ。きっとね。この屋敷の本当の価値は地下室にしかないのぉ」
地下室か。確かにあそこには床一面に大量の魔法陣が書かれていた。そのうちの一つが『効率的な召喚』を実装していると言われれば納得できる。
そういえば、マスターキーの力で地下室への道は、呼び出せるんだっけ。
試しに念じてみる。カタンと音がして、部屋の片隅に古い絵が出現した。
その絵のほうへ歩いていくと、フッと景色がかわり石畳の通路にやってきた。見覚えのある地下室へ続く通路だ。
そのまま進んでいき地下室へとたどり着く。
振り返ると、ブラウニー達はついてきていない。ノアとロンロ、それに同僚の4人だけだ。
「こうやってみると沢山の魔法陣があるっスね」
「どれがどれなんだろ?」
「ロンロ、教えて?」
「ごめんなさいねぇ、ノア。私もしらないのぉ」
ロンロは知らないらしい。そもそもこの地下室にある魔法陣のどれかが正解なんてものも確証がないそうだ。
しかし、多分、この場所に目的とする魔法陣がある確信は持てる。
「どうやって探したものかな」
「この屋敷にある他の魔法陣を起動させてみて、変化を見るのはどうでしょう? 魔法陣って起動させると光るでしょう? その輝きで特定できると思うんです。そう思いません?」
それはいい手だ。試す価値はある。
「ロンロ、この部屋にも燭台とかがあるって言ってたと思うけど、どこにあるんだ?」
「こっちよぉ」
案内されたのは、以前に魔力を供給した階段状になった祭壇だった。
シンプルな作りの3段ほどある階段のような形をした石と、その上に大きなガラス瓶がのっている。
「燭台も、操舵輪のようなテーブルもないが……」
「その瓶を片手で、手に取ってみてぇ」
言われたとおりに片手で持ち上げる。結構重い、素の状態では辛かったので、身体強化を使い右手だけでなんとか持ち上げる。左手にも重さを感じた。
左手をみると燭台が握られている。
目の前にある階段状をした祭壇の2段目には、波打ったような付近の地図が、3段目には屋敷の模型が現れた。
「4階とちがって、片手でガラス瓶を持たなきゃいけないのが辛いね。手がつりそうだ」
「男の子でしょぉ、我慢しなさぁい」
ロンロの叱咤激励はともかくとして、燭台をみつめ、バリヤーを強化する。
「バリヤーを少し……えっと強化結界をすこし強くしたけど、変化は?」
「どれがどれだかわかんないっス」
最大まで強化してみる。
「フルパワーのバリヤーだ! どうだ?」
「ありました。あれだと思います!」
カガミが指さした方をみると、ほんのりと光る魔法陣がみえた。フルパワーでこれか……『効率的な召喚』を強化すると頭痛がする。
おそらく、オレたちも召喚された存在として効果の対象にあるからだろう。最高まで強化したとき、自我があるか不安になる。
「それじゃ、次は『効率的な召喚』だ。ノア、もしオレたちが自我をなくしたときは解除してね」
「うん。ちゃんとやるから。リーダも頑張ってね」
「了解。それじゃ、みんなで手分けして監視しといてくれ。いくぞ」
みんなが頷くのを確認し、燭台を見つめ念じる。少しづつ強く。しばらくすると頭痛がしてきた。
我慢してさらに念じる。ゆっくりと視界が暗くなる……。
「みつけた!」
ミズキの声をきき、すぐに火が小さくなるように強く念じる。
念じただけだったが、すごく疲れた。
ゆっくりとガラス瓶を祭壇にもどし、ヘタリこんだ。
「リーダ、大丈夫?」
ノアがひどく心配そうにオレを眺め、ポケっとからカロメーを差し出した。笑顔で受け取って口に放り込む。
そうする間にも、ミズキは見つけた魔法陣のほうへ走っていき、その場で両手をあげピョンピョンと飛び跳ねた。
魔法陣は石畳に書かれている。
靴のかかとで削りとれないかとこすりつけてみたが、無理だった。
結局、屋敷からもってきたスコップで石畳を割って砕くように魔法陣を削り取ることにする。身体強化を使ってから、スコップをたたきつけるようにして削っていくと、比較的簡単に床の一部が外れた。
「線が途切れたんで、魔方陣は破壊されたはずだ」
サムソンが宣言し、カガミがすぐに地上へと上がった。オレたちもついていく。
「んー。なんじゃ、野郎か。ワシらはお嬢さんとお話があるんで、どっか行け。シッシ」
ブラウニー共は、オレを見るなり、いきなり悪態をついた。
いつものように。
このコンパクトひげおやじ共は、やっぱりムカつく。
それでも、その悪態の言葉は、黒い目隠しより気分よく感じた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】身代わり皇妃は処刑を逃れたい
マロン株式
恋愛
「おまえは前提条件が悪すぎる。皇妃になる前に、離縁してくれ。」
新婚初夜に皇太子に告げられた言葉。
1度目の人生で聖女を害した罪により皇妃となった妹が処刑された。
2度目の人生は妹の代わりに私が皇妃候補として王宮へ行く事になった。
そんな中での離縁の申し出に喜ぶテリアだったがー…
別サイトにて、コミックアラカルト漫画原作大賞最終候補28作品ノミネート
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
婚約破棄? めんどくさいのでちょうどよかった ――聖女もやめて、温泉でごくらくしてます
ふわふわ
恋愛
婚約破棄を告げられた聖女リヴォルタ・レーレ。
理由は、「彼女より優秀な“真の聖女”が見つかったから」。
……正直、めんどくさい。
政略、責任、義務、期待。
それらすべてから解放された彼女は、
聖女を辞めて、ただ温泉地でのんびり暮らすことを選ぶ。
毎日、湯に浸かって、ご飯を食べて、散歩して。
何もしない、何も背負わない、静かな日常。
ところが――
彼女が去った王都では、なぜか事故や災害が相次ぎ、
一方で、彼女の滞在する温泉地とその周辺だけが
異様なほど平和になっていく。
祈らない。
詠唱しない。
癒やさない。
それでも世界が守られてしまうのは、なぜなのか。
「何もしない」ことを選んだ元聖女と、
彼女に“何もさせない”ことを選び始めた世界。
これは、
誰かを働かせなくても平和が成り立ってしまった、
いちばん静かで、いちばん皮肉な“ざまぁ”の物語。
【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。
まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」
そう、第二王子に言われました。
そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…!
でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!?
☆★☆★
全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。
読んでいただけると嬉しいです。
【完結】一番腹黒いのはだあれ?
やまぐちこはる
恋愛
■□■
貧しいコイント子爵家のソンドールは、貴族学院には進学せず、騎士学校に通って若くして正騎士となった有望株である。
三歳でコイント家に養子に来たソンドールの生家はパートルム公爵家。
しかし、関わりを持たずに生きてきたため、自分が公爵家生まれだったことなどすっかり忘れていた。
ある日、実の父がソンドールに会いに来て、自分の出自を改めて知り、勝手なことを言う実父に憤りながらも、生家の騒動に巻き込まれていく。
目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し
gari@七柚カリン
ファンタジー
突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。
知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。
正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。
過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。
一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。
父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!
地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……
ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!
どうする? どうなる? 召喚勇者。
※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。
異世界で貧乏神を守護神に選ぶのは間違っているのだろうか?
石のやっさん
ファンタジー
異世界への転移、僕にはもう祝福を受けた女神様が居ます!
主人公の黒木翼はクラスでは浮いた存在だった。
黒木はある理由から人との関りを最小限に押さえ生活していた。
そんなある日の事、クラス全員が異世界召喚に巻き込まれる。
全員が女神からジョブやチートを貰うなか、黒木はあえて断り、何も貰わずに異世界に行く事にした。
その理由は、彼にはもう『貧乏神』の守護神が居たからだ。
この物語は、貧乏神に恋する少年と少年を愛する貧乏神が異世界で暮す物語。
貧乏神の解釈が独自解釈ですので、その辺りはお許し下さい。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる