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第三章 魔法仕掛けの豪邸と、その住人
のんびりさんとおうまさん
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飲み会の翌日、寝不足で眠いなかロバの引く荷車にのって屋敷に戻る。
奴隷市場は、毎日開かれているわけでないらしい。次の予定を聞いたが結構先の話だった。
もっとも現地の人にいせると「収穫祭の後すぐだよ。せわしないねぇ」ということだったので、感覚の違いなのかもしれない。
「奴隷って、やっぱり買う必要あるんでしょうか? 後ろめたいと思いません?」
「人身売買ってイメージあるしな。カガミ氏の言いたいこともわかるけど……ただ、俺達だと、家の修繕をどうすればいいか、わからないからな」
奴隷市場が開かれるまで日数があるということで、自分たちで修繕ができないかと材料を買いに市場へ向かった。
ところが何処の店で何が売っているのかがわからない。食べ物屋のように、観光客ガイドをしてくれるような子供もおらず、適当に見て回るしかなかった。
ようやく必要な資材を見つけたと思っても、良し悪しが分からない。看破の魔法で名前や材質は分かっても、どう使えばいいのかもわからない。
元の世界にあったホームセンターのように、素人でもわかりやすく作られた道具も資材もこの世界には無いことを思い知って終わった。
材料すら集められないオレ達に屋敷の修繕なんて、夢のまた夢の話だ。
「バルカンも見当たらなかったし、聞く人いないよね」
「あいつは今日仕事って言ってたからなぁ……オレ達は知識が偏ってるのを思い知るな。その点からも、奴隷を買うのはアリかもしれない」
「ロンロが資材とか補修のこと知ってるかもと、期待してたんスけどね」
「ひょっとして、まだ拗ねてるのか?」
オレ達の真上を飛んでいたロンロにそう声をかけると「知らないだけよぉ。ノアァ、リーダがいじめるのぅ」と身体を翻しノアのそばまで降りてきた。
昨日、一日ロンロが静かだったのは、食べ物の味がわからないので静かにしていたらしい。
朝、少しだけ不機嫌に見えたロンロのことをノアに聞いたらそんなことを言っていた。
ロンロも拗ねることがあるようだ。
「オレ達にとってさ、奴隷を買うというより従業員を雇うイメージで考えたほうがいいと思うんだ。考えて見ればオレも奴隷だしな」
「そうですね。従業員……いいと思います」
「奴隷でなく……同僚を迎えるってことっスね。なら一緒に仕事してて楽しくなるような人が良いっス」
従業員を増やすという説明は皆の評判も良かった。従業員を雇うとして、どんな人が望ましいか意見を出し合う。
建築関係の基本的な知識があって、庭の手入れや、ロバや馬の世話もできる人。
日用品の買い付けなんかも問題なく出来る人。
そして何より仲良く一緒に働けそうな人。
屋敷に戻るころには、そんな求める従業員像が固まった。
考えてみるとバルカンが言っていた農村出身者というのは、いいチョイスだと思う。
特に、屋敷の敷地に広がる雑草が伸び切ってどこから手をつければわからない庭と、朽ちて無理矢理使っている家畜小屋を見て、さらにその思いが強くなる。
「やっと帰宅できたー。今回は疲れたー」
「昨日、飲んだから眠くて大変だったな」
「浮遊の魔法で浮いた体をロバに引っ張ってもらう方法、意外な欠点がありましたね。大きい馬車が欲しいと思いました。思いません?」
行きと同じように、浮遊の魔法で浮いたところを、荷台に足を引っかけて引っ張ってもらう方法で帰ってきた。ロバも軽々引けて、オレ達が何もしなくてもロバが町まで連れて行ってくれると喜んでいたが、欠点があった。
眠ってしまうと浮遊の魔法が切れてしまい、荷車から落ちてしまう。
行きもそれなりに自覚していた問題だが、昨日の夜遅くまで飲んでいた状況では、睡魔との闘いはいつもより熾烈を極めた。
結局カガミ以外が一度は寝てしまい、荷車から転げ落ちる羽目になった。
「今後のことを考えると、確かに寝っ転がれる馬車がほしいな」
3度ほど荷車から転げ落ちたオレは特にそう思った。
「移動手段も、あと屋敷も良くしていきたいっスね」
「そうだな。職場環境は大事だ……」
「職場環境……は、ともかくとして屋敷の中身もそうだけど、野性味あふれる敷地内も何とかしたいですね。綺麗な庭のほうがいいと思いません?」
敷地内にはいってカガミが周りを見渡ししみじみとそう主張する。草が伸び放題の庭、いまにも崩れそうな厩舎、言いたいことはわかる。
「カガミ氏の言いたいことわかるけどさ、草狩りって、すぐに腰痛くなるんだよ。コツコツやるしかないな……それか魔法的な何かで、解決」
「そうですね、生活にも余裕あるので、のんびり毎日コツコツと進めましょう。できることから毎日やればいいと思います」
帰り道は、出来るところだけでもコツコツ進めようとか言っていたが、帰って一休みするとどうでもよくなって、またゴロゴロ生活にもどった。
ここ数日、みんなが自由気ままにすごしている。
草狩りなんて放置だ。多分一番頑張っているのが、ロバ。
ひたすら雑草食っているあいつだけだ。
「ウンディーネ、お水頂戴」
コンコンと、コップをテーブルに打ち付けてウンディーネを呼ぶ。コップのすぐ上に水の玉が現れてポチャんと落ちる。
ウンディーネの姿は見えない。最初は、口からでないと水が出てこないと思っていたが、そんなことは無くて、何処にでも水を発生できるようだ。
精霊達がいるお陰で室内での生活はとても快適になった。
喉が渇いたらウンディーネに頼めばいいし、明かりが欲しければウィルオーウィスプを呼べばいい。
蛇口を探さなくても水を汲めるし、スイッチを使わなくても明かりが点く。
屋敷の中にいたら何処にいても一声で仕事をしてくれる分、元の世界より便利だ。
しかも、仕事に追われない! 出勤もない!
お金に困らず、住むところにも支障がない。
自由にゴロゴロして、魔法の研究をしたり、ノアと遊んだり勉強したりとそんな日々を過ごした。
「リーダ。またゴロゴロしてたんですか? グータラしすぎだと思うんです。思いません?」
「ゲェコ」
自室をでたところでカガミに声をかけられる。肩にはウンディーネが乗っていた。最近、ウンディーネはカガミといつも一緒にいる。手にはバケツが握られていて、中には小さなスコップが入っていた。どうやら、温室の手入れをしてきたようだ。
「朝はみんなで食べたじゃないか、今起きたところじゃないよ」
「そりゃそうでしょうけど、ご飯食べて部屋にいたんでしょ? もうお昼ですよ」
「ゲェーコ」
否定はしない。最近、ゴロゴロしすぎだとみんなに言われる。
もっとも、熟睡しているわけでもなく、屋敷の本を読んで過ごすことが多い。
ちなみに、部屋で読んでいたのは召喚魔法に関する本だ。
黄昏の者という存在を呼び出す魔法と、その注意点や触媒。人にもっとも近い姿を持つという精霊。血と臓物が好きで、狂暴、人を呪ったり傷つけることを得意とし、生き物に関する高度な知識を持っていると推察される存在だとか。
「そろそろ本気だすよ。とりあえず、お昼食べたら」
「まったく……、そういえばノアちゃんが、弓を楽しみにしてましたよ」
前に弓矢を作って狩りをしてみようと言ったのを思い出した。あの時は、お金がなくて金策兼食材調達になるから近いうちに弓でも作ろうかと考えたのだ。
うやむやになっていたが、ノアが楽しみにしているなら作って狩りをしてみよう。どうせ暇だ。
「じゃあ、弓でも作ってみるか。それっぽい木の板も丈夫な糸も屋敷にあったから、すぐ作れそうだ」
「何でも試すのが面白いと思います。がんばって……」
「ヒヒーン!」
カガミがいかにも適当といった風な返事を仕掛けたときに、馬のいななきが聞こえた。
うちにいるのは、ロバで、あんな声で鳴かない。
誰か来たのかと、早足で外へ出る。
「たっだいまー」
そこには、馬に乗ったミズキとノア、そして傍に浮いているロンロと、後ろをトコトコついてくるロバがいた。
どう見ても野生の馬とは言えない。薄汚れているが手綱と蔵が付けてあることから飼われている馬だと一目瞭然だ。
「ミズキ、これ如何したの? まさか、盗んで……」
「ひっどいなぁ、そんなわけないじゃん」
「あのね、大活躍したの! ミズキお姉ちゃんがね……」
「ノアノア、内緒です!」
「内緒でしたか!」
ノアが何かを言おうとしたとき、ミズキがそれをあわてて止めた。
ずいぶんとノアとミズキが仲良くなっていた。
呼び方も、ノアちゃんでは無くなっている。
どうしたのかは言わないが、後ろめたい話でもなさそうだ。おそらく誰かから安く手に入れたのだろう。
「内緒って……隠し事は無い方がいいと思います。思いません?」
「そのうち教えてくれるよ。ノアは言いたくて仕方ない調子だしね。それに、乗り物が不足しがちだったんで、馬が手に入ったのはいいことだよ」
ここ最近、プレインとミズキの二人は町へとよく繰り出している。ところが、どちらがロバを使うのかで少しだけ揉めていたので、馬が入ったことはいいことだ。
「どしたん?」
騒ぎを聞きつけたのか、サムソンも表にでてきた。
彼は、ほとんど部屋にこもり切りで新しい魔法陣を作ったり、魔法の本を読んだりしている。魔法について日に日に詳しくなってきているので、オレと違ってゴロゴロしていると小言を言われない。
「内緒なの」
ノアが楽しそうに笑って答えた。
その顔を見ているだけで満足してそれ以上聞く気は起きなかった。
起きた事件と言えば、この馬の一件くらい。
のんびりと好きなことをやって、奴隷市場開催の日までの日々を謳歌した。
奴隷市場は、毎日開かれているわけでないらしい。次の予定を聞いたが結構先の話だった。
もっとも現地の人にいせると「収穫祭の後すぐだよ。せわしないねぇ」ということだったので、感覚の違いなのかもしれない。
「奴隷って、やっぱり買う必要あるんでしょうか? 後ろめたいと思いません?」
「人身売買ってイメージあるしな。カガミ氏の言いたいこともわかるけど……ただ、俺達だと、家の修繕をどうすればいいか、わからないからな」
奴隷市場が開かれるまで日数があるということで、自分たちで修繕ができないかと材料を買いに市場へ向かった。
ところが何処の店で何が売っているのかがわからない。食べ物屋のように、観光客ガイドをしてくれるような子供もおらず、適当に見て回るしかなかった。
ようやく必要な資材を見つけたと思っても、良し悪しが分からない。看破の魔法で名前や材質は分かっても、どう使えばいいのかもわからない。
元の世界にあったホームセンターのように、素人でもわかりやすく作られた道具も資材もこの世界には無いことを思い知って終わった。
材料すら集められないオレ達に屋敷の修繕なんて、夢のまた夢の話だ。
「バルカンも見当たらなかったし、聞く人いないよね」
「あいつは今日仕事って言ってたからなぁ……オレ達は知識が偏ってるのを思い知るな。その点からも、奴隷を買うのはアリかもしれない」
「ロンロが資材とか補修のこと知ってるかもと、期待してたんスけどね」
「ひょっとして、まだ拗ねてるのか?」
オレ達の真上を飛んでいたロンロにそう声をかけると「知らないだけよぉ。ノアァ、リーダがいじめるのぅ」と身体を翻しノアのそばまで降りてきた。
昨日、一日ロンロが静かだったのは、食べ物の味がわからないので静かにしていたらしい。
朝、少しだけ不機嫌に見えたロンロのことをノアに聞いたらそんなことを言っていた。
ロンロも拗ねることがあるようだ。
「オレ達にとってさ、奴隷を買うというより従業員を雇うイメージで考えたほうがいいと思うんだ。考えて見ればオレも奴隷だしな」
「そうですね。従業員……いいと思います」
「奴隷でなく……同僚を迎えるってことっスね。なら一緒に仕事してて楽しくなるような人が良いっス」
従業員を増やすという説明は皆の評判も良かった。従業員を雇うとして、どんな人が望ましいか意見を出し合う。
建築関係の基本的な知識があって、庭の手入れや、ロバや馬の世話もできる人。
日用品の買い付けなんかも問題なく出来る人。
そして何より仲良く一緒に働けそうな人。
屋敷に戻るころには、そんな求める従業員像が固まった。
考えてみるとバルカンが言っていた農村出身者というのは、いいチョイスだと思う。
特に、屋敷の敷地に広がる雑草が伸び切ってどこから手をつければわからない庭と、朽ちて無理矢理使っている家畜小屋を見て、さらにその思いが強くなる。
「やっと帰宅できたー。今回は疲れたー」
「昨日、飲んだから眠くて大変だったな」
「浮遊の魔法で浮いた体をロバに引っ張ってもらう方法、意外な欠点がありましたね。大きい馬車が欲しいと思いました。思いません?」
行きと同じように、浮遊の魔法で浮いたところを、荷台に足を引っかけて引っ張ってもらう方法で帰ってきた。ロバも軽々引けて、オレ達が何もしなくてもロバが町まで連れて行ってくれると喜んでいたが、欠点があった。
眠ってしまうと浮遊の魔法が切れてしまい、荷車から落ちてしまう。
行きもそれなりに自覚していた問題だが、昨日の夜遅くまで飲んでいた状況では、睡魔との闘いはいつもより熾烈を極めた。
結局カガミ以外が一度は寝てしまい、荷車から転げ落ちる羽目になった。
「今後のことを考えると、確かに寝っ転がれる馬車がほしいな」
3度ほど荷車から転げ落ちたオレは特にそう思った。
「移動手段も、あと屋敷も良くしていきたいっスね」
「そうだな。職場環境は大事だ……」
「職場環境……は、ともかくとして屋敷の中身もそうだけど、野性味あふれる敷地内も何とかしたいですね。綺麗な庭のほうがいいと思いません?」
敷地内にはいってカガミが周りを見渡ししみじみとそう主張する。草が伸び放題の庭、いまにも崩れそうな厩舎、言いたいことはわかる。
「カガミ氏の言いたいことわかるけどさ、草狩りって、すぐに腰痛くなるんだよ。コツコツやるしかないな……それか魔法的な何かで、解決」
「そうですね、生活にも余裕あるので、のんびり毎日コツコツと進めましょう。できることから毎日やればいいと思います」
帰り道は、出来るところだけでもコツコツ進めようとか言っていたが、帰って一休みするとどうでもよくなって、またゴロゴロ生活にもどった。
ここ数日、みんなが自由気ままにすごしている。
草狩りなんて放置だ。多分一番頑張っているのが、ロバ。
ひたすら雑草食っているあいつだけだ。
「ウンディーネ、お水頂戴」
コンコンと、コップをテーブルに打ち付けてウンディーネを呼ぶ。コップのすぐ上に水の玉が現れてポチャんと落ちる。
ウンディーネの姿は見えない。最初は、口からでないと水が出てこないと思っていたが、そんなことは無くて、何処にでも水を発生できるようだ。
精霊達がいるお陰で室内での生活はとても快適になった。
喉が渇いたらウンディーネに頼めばいいし、明かりが欲しければウィルオーウィスプを呼べばいい。
蛇口を探さなくても水を汲めるし、スイッチを使わなくても明かりが点く。
屋敷の中にいたら何処にいても一声で仕事をしてくれる分、元の世界より便利だ。
しかも、仕事に追われない! 出勤もない!
お金に困らず、住むところにも支障がない。
自由にゴロゴロして、魔法の研究をしたり、ノアと遊んだり勉強したりとそんな日々を過ごした。
「リーダ。またゴロゴロしてたんですか? グータラしすぎだと思うんです。思いません?」
「ゲェコ」
自室をでたところでカガミに声をかけられる。肩にはウンディーネが乗っていた。最近、ウンディーネはカガミといつも一緒にいる。手にはバケツが握られていて、中には小さなスコップが入っていた。どうやら、温室の手入れをしてきたようだ。
「朝はみんなで食べたじゃないか、今起きたところじゃないよ」
「そりゃそうでしょうけど、ご飯食べて部屋にいたんでしょ? もうお昼ですよ」
「ゲェーコ」
否定はしない。最近、ゴロゴロしすぎだとみんなに言われる。
もっとも、熟睡しているわけでもなく、屋敷の本を読んで過ごすことが多い。
ちなみに、部屋で読んでいたのは召喚魔法に関する本だ。
黄昏の者という存在を呼び出す魔法と、その注意点や触媒。人にもっとも近い姿を持つという精霊。血と臓物が好きで、狂暴、人を呪ったり傷つけることを得意とし、生き物に関する高度な知識を持っていると推察される存在だとか。
「そろそろ本気だすよ。とりあえず、お昼食べたら」
「まったく……、そういえばノアちゃんが、弓を楽しみにしてましたよ」
前に弓矢を作って狩りをしてみようと言ったのを思い出した。あの時は、お金がなくて金策兼食材調達になるから近いうちに弓でも作ろうかと考えたのだ。
うやむやになっていたが、ノアが楽しみにしているなら作って狩りをしてみよう。どうせ暇だ。
「じゃあ、弓でも作ってみるか。それっぽい木の板も丈夫な糸も屋敷にあったから、すぐ作れそうだ」
「何でも試すのが面白いと思います。がんばって……」
「ヒヒーン!」
カガミがいかにも適当といった風な返事を仕掛けたときに、馬のいななきが聞こえた。
うちにいるのは、ロバで、あんな声で鳴かない。
誰か来たのかと、早足で外へ出る。
「たっだいまー」
そこには、馬に乗ったミズキとノア、そして傍に浮いているロンロと、後ろをトコトコついてくるロバがいた。
どう見ても野生の馬とは言えない。薄汚れているが手綱と蔵が付けてあることから飼われている馬だと一目瞭然だ。
「ミズキ、これ如何したの? まさか、盗んで……」
「ひっどいなぁ、そんなわけないじゃん」
「あのね、大活躍したの! ミズキお姉ちゃんがね……」
「ノアノア、内緒です!」
「内緒でしたか!」
ノアが何かを言おうとしたとき、ミズキがそれをあわてて止めた。
ずいぶんとノアとミズキが仲良くなっていた。
呼び方も、ノアちゃんでは無くなっている。
どうしたのかは言わないが、後ろめたい話でもなさそうだ。おそらく誰かから安く手に入れたのだろう。
「内緒って……隠し事は無い方がいいと思います。思いません?」
「そのうち教えてくれるよ。ノアは言いたくて仕方ない調子だしね。それに、乗り物が不足しがちだったんで、馬が手に入ったのはいいことだよ」
ここ最近、プレインとミズキの二人は町へとよく繰り出している。ところが、どちらがロバを使うのかで少しだけ揉めていたので、馬が入ったことはいいことだ。
「どしたん?」
騒ぎを聞きつけたのか、サムソンも表にでてきた。
彼は、ほとんど部屋にこもり切りで新しい魔法陣を作ったり、魔法の本を読んだりしている。魔法について日に日に詳しくなってきているので、オレと違ってゴロゴロしていると小言を言われない。
「内緒なの」
ノアが楽しそうに笑って答えた。
その顔を見ているだけで満足してそれ以上聞く気は起きなかった。
起きた事件と言えば、この馬の一件くらい。
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