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第九章 ソノ名前はギリアを越えて
ふねにのって
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エレク少年の乗る船はとても立派な帆船だった。
船首には片目が輝く女神像、船尾にはバリスタが設置されている。木造で、2・30人は乗れそうな船だ。船着き場にあった何隻かの船とくらべて、これでも小さい方だった。ロープに、まるで電流でも走っているかのように、青く光が走る。魔法的な何かが付与されているのだろう。
特別な貴族を乗せるための船らしい。船旅は、順調にいけば丸一日。
エレク少年や、サムソンと話をして、ストリギに着くまでできる事は何も無いと実感した。
「リーダァ、いいそびれたんだけどぉ、隣町にいっていいのぉ?」
しかたなく船の甲板で、ボンヤリと外を眺めているとロンロが妙な事を言い出した。
「え? 許可がいるのか?」
やばい、海外旅行みたいに、領地外にいくときには許可がいったりするのか?
「ノアよぉ。ストリギの領主が、町に入れてくれるかしらぁ」
「あ……。迂闊だった。そういうことは先にいっとくれよ」
「急いでたからぁ」
ロンロの言い訳を聞き流し、エレク少年に相談することにする。
「リーダ様のことだから対策していると考えていました。申し訳ありません。船に乗るときに、一応ヘイネル様にお伺いして許可を得ているので、大丈夫だと思いますが、確認してみます」
それから程なくして、許可は出ている、ストリギでは迎えの者に従うようにとの連絡があった。
さすがヘイネルさんだ。迎えまで出してくれるとは。
一安心し、甲板へと戻る。
ロープの束に、小さな樽、よく分からないものも沢山置いてある。そんな結構ごちゃごちゃとした甲板に、船乗り達の声が響く。
たまに帆船の帆が風をうけバタバタと音を立てる。巨大な帆が軋むように大きく膨らむ様子がとてもかっこ良く面白い。
陸地沿いに動いているようだ。着かず離れず、岸が見える。湖はとても透き通っていて、泳いでいる魚も見える。
「赤い魚みつけたよ」
オレの足下で、四つん這いになって、じっと水面を見ていたノアがこちらをみて笑う。
確かに真っ赤な魚がいる。ずっと船に併走するように泳いでいる。
「魚いっぱいいるね」
「そうなの。あそこ、大きい魚と小さい魚がいる」
ノアと一緒に魚を探したりして遊ぶ。看破の魔法を使いつつ魚をみると名前が浮き上がるので、凄く楽しい。
さらに、その下には建造物が見えた。とても巨大な石造りの何か……。あとでエレク少年にでも聞いてみよう。
異世界で最初の船旅は、新鮮な気分で半日が進んだ。
急なお願いにもかかわらず、食事付きで快適だ。料理はギリアの町で食べるものと同じもの。煮た魚に、焼いた魚。それにパン。コップにはマメのスープが入っていた。
夕方の食事。エレク少年を交えて食べる。
「そういえばさ、湖の下に建物あったけどさ。あれってすごいよね」
「船乗りの皆さんは、巨人像が沈んでいるといっていました。確かに顔のように見える部分もあると思います」
昼に見た建造物か。カガミは、見つけてすぐ船乗りに質問をしていたようだ。好奇心旺盛だ。
「ラグエ遺跡ですね。確かに巨人像とも噂されますが、見えるところだけを調べると、巨大な円柱にいくつもの顔型が彫られた形状をしているんですよ」
「人型じゃないんですね」
「そうですね。元々円柱だったと考えられています。とても古い遺跡で、一説には神話の時代からあるのではという人もいるくらいです」
神話の時代。
前にエレク少年が話をしていた神々が、直接戦っていたという時代のことかな。
「何のためにあるんスかね」
「それも他説ありますが、よくわかっていないです。魔神に関係しているという説が有力です」
ノアの持つ呪いの元凶にもなっている魔神か……。呪い子の事を知るためにも、魔神についても知って置いたほうがいいか。
「どうして有力なんですか? 遺跡に彫られた顔が魔神の顔だとか、そのような理由ですか?」
「いえ、言い伝えで魔神は世界に散らばる柱に、配下である魔王を遣わせるとあります。そしてそれを裏付けるように、世界には7つの決して壊せない柱があるのです」
「その柱と似ていると?」
「似てはいないようですが、巨大な円柱で得たいのしれない物はなんでも魔神と結びつけられがちです。月への道もそうですし……」
「魔神って恐れられているスね」
「そうですね。各国の王は、近く魔神が復活し、大きな争いになると考えているようです。でも、対策として勇者の軍を、世界中の国々が協力して作っていますし、大丈夫ですよ」
勇者の軍というのは、世界中の国々から精鋭を集めて組織した軍隊らしい。
特に最高指揮官は勇者という特殊な称号を持ち、その姿を見ただけで魔物は恐怖におののき逃げ惑うそうだ。
そして、来るべき魔神復活の時には、勇者が最前線に立ち魔神に戦いを挑むのだとか。魔神は、歴史上6回出現し、勇者によって6度討伐されている。だから、勇者がいれば安心だということだ。
特に当代の勇者エルシドラスは、ヨラン王国出身の勇者で、歴代最強最高の呼び声高いそうだ。
話を聞く限り、魔神の復活はほぼ皆の知るところであり、確実な話として語られている。
お伽噺や、出所の怪しい話というわけでないようだ。
「領主のラングゲレイグ様も、勇者の軍に候補として上がったことがあるそうです」
そういってエレク少年は説明を締めくくった。
「候補になるって凄いことなの?」
「それはもう、名誉なことであり、優秀であると認められたということですから」
勇者の軍と魔神の復活という興味深い話を聞いて、その日は船で寝た。
そんな中、サムソンは、船に乗っている間一言も話すことがなかった。
船首には片目が輝く女神像、船尾にはバリスタが設置されている。木造で、2・30人は乗れそうな船だ。船着き場にあった何隻かの船とくらべて、これでも小さい方だった。ロープに、まるで電流でも走っているかのように、青く光が走る。魔法的な何かが付与されているのだろう。
特別な貴族を乗せるための船らしい。船旅は、順調にいけば丸一日。
エレク少年や、サムソンと話をして、ストリギに着くまでできる事は何も無いと実感した。
「リーダァ、いいそびれたんだけどぉ、隣町にいっていいのぉ?」
しかたなく船の甲板で、ボンヤリと外を眺めているとロンロが妙な事を言い出した。
「え? 許可がいるのか?」
やばい、海外旅行みたいに、領地外にいくときには許可がいったりするのか?
「ノアよぉ。ストリギの領主が、町に入れてくれるかしらぁ」
「あ……。迂闊だった。そういうことは先にいっとくれよ」
「急いでたからぁ」
ロンロの言い訳を聞き流し、エレク少年に相談することにする。
「リーダ様のことだから対策していると考えていました。申し訳ありません。船に乗るときに、一応ヘイネル様にお伺いして許可を得ているので、大丈夫だと思いますが、確認してみます」
それから程なくして、許可は出ている、ストリギでは迎えの者に従うようにとの連絡があった。
さすがヘイネルさんだ。迎えまで出してくれるとは。
一安心し、甲板へと戻る。
ロープの束に、小さな樽、よく分からないものも沢山置いてある。そんな結構ごちゃごちゃとした甲板に、船乗り達の声が響く。
たまに帆船の帆が風をうけバタバタと音を立てる。巨大な帆が軋むように大きく膨らむ様子がとてもかっこ良く面白い。
陸地沿いに動いているようだ。着かず離れず、岸が見える。湖はとても透き通っていて、泳いでいる魚も見える。
「赤い魚みつけたよ」
オレの足下で、四つん這いになって、じっと水面を見ていたノアがこちらをみて笑う。
確かに真っ赤な魚がいる。ずっと船に併走するように泳いでいる。
「魚いっぱいいるね」
「そうなの。あそこ、大きい魚と小さい魚がいる」
ノアと一緒に魚を探したりして遊ぶ。看破の魔法を使いつつ魚をみると名前が浮き上がるので、凄く楽しい。
さらに、その下には建造物が見えた。とても巨大な石造りの何か……。あとでエレク少年にでも聞いてみよう。
異世界で最初の船旅は、新鮮な気分で半日が進んだ。
急なお願いにもかかわらず、食事付きで快適だ。料理はギリアの町で食べるものと同じもの。煮た魚に、焼いた魚。それにパン。コップにはマメのスープが入っていた。
夕方の食事。エレク少年を交えて食べる。
「そういえばさ、湖の下に建物あったけどさ。あれってすごいよね」
「船乗りの皆さんは、巨人像が沈んでいるといっていました。確かに顔のように見える部分もあると思います」
昼に見た建造物か。カガミは、見つけてすぐ船乗りに質問をしていたようだ。好奇心旺盛だ。
「ラグエ遺跡ですね。確かに巨人像とも噂されますが、見えるところだけを調べると、巨大な円柱にいくつもの顔型が彫られた形状をしているんですよ」
「人型じゃないんですね」
「そうですね。元々円柱だったと考えられています。とても古い遺跡で、一説には神話の時代からあるのではという人もいるくらいです」
神話の時代。
前にエレク少年が話をしていた神々が、直接戦っていたという時代のことかな。
「何のためにあるんスかね」
「それも他説ありますが、よくわかっていないです。魔神に関係しているという説が有力です」
ノアの持つ呪いの元凶にもなっている魔神か……。呪い子の事を知るためにも、魔神についても知って置いたほうがいいか。
「どうして有力なんですか? 遺跡に彫られた顔が魔神の顔だとか、そのような理由ですか?」
「いえ、言い伝えで魔神は世界に散らばる柱に、配下である魔王を遣わせるとあります。そしてそれを裏付けるように、世界には7つの決して壊せない柱があるのです」
「その柱と似ていると?」
「似てはいないようですが、巨大な円柱で得たいのしれない物はなんでも魔神と結びつけられがちです。月への道もそうですし……」
「魔神って恐れられているスね」
「そうですね。各国の王は、近く魔神が復活し、大きな争いになると考えているようです。でも、対策として勇者の軍を、世界中の国々が協力して作っていますし、大丈夫ですよ」
勇者の軍というのは、世界中の国々から精鋭を集めて組織した軍隊らしい。
特に最高指揮官は勇者という特殊な称号を持ち、その姿を見ただけで魔物は恐怖におののき逃げ惑うそうだ。
そして、来るべき魔神復活の時には、勇者が最前線に立ち魔神に戦いを挑むのだとか。魔神は、歴史上6回出現し、勇者によって6度討伐されている。だから、勇者がいれば安心だということだ。
特に当代の勇者エルシドラスは、ヨラン王国出身の勇者で、歴代最強最高の呼び声高いそうだ。
話を聞く限り、魔神の復活はほぼ皆の知るところであり、確実な話として語られている。
お伽噺や、出所の怪しい話というわけでないようだ。
「領主のラングゲレイグ様も、勇者の軍に候補として上がったことがあるそうです」
そういってエレク少年は説明を締めくくった。
「候補になるって凄いことなの?」
「それはもう、名誉なことであり、優秀であると認められたということですから」
勇者の軍と魔神の復活という興味深い話を聞いて、その日は船で寝た。
そんな中、サムソンは、船に乗っている間一言も話すことがなかった。
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