217 / 830
第十三章 肉が離れて実が来る
たびをしたハイエルフ
しおりを挟む
労働……。
楽しい旅行のはずが……仕事。
待遇次第だが、揉める可能性を考えると頭が痛い。
オレ達、まったく悪くないじゃないか。
何をしろっていうのだ。
ローブ姿のハイエルフが散会を宣言した後、残ったのは十名を超えるぐらいのハイエルフ達だった、うち1人がこちらへと近づいてくる。
「はじめましてニッフェオウスの娘シューヌピアと申します。まずは謝罪を」
「謝罪?」
「先ほど、ノアサリーナ様を呪い子と罵ったこと……に対してでございます。この里にとって、世界樹こそが最も大事なものです。ですので、世界樹にとって良くないと主張すれば同意が得られると考えましたが……私は甘かったようです」
深々と頭を下げられたシューヌピアに何とも言えない。
口先だけで嫌われるのと、口先だけで好意を持たれているのは、同じように意味がない。
本心からノアを嫌っていないことがわかるだけで悪い気はしなかった。
「ところで、私達はどうなるのでしょうか? 何処かに捕らわれるのでしょうか? ご存じですか?」
シューヌピアが知っているのかわからないが、とりあえず聞いてみる。
できるだけ早く、今後の待遇は聞いておきたい。
「いいえ、当面は長老の家で滞在してもらいます」
「決まっているのですね」
「えぇ、別に私達のどちらの主張が通っても、客人としてもてなすことは決めていましたから。では、歩きながらご案内しますね」
先頭を歩くシューヌピアについていき進む。聖獣に乗らず歩いての移動だ。
世界樹の枝にそって建物や道が作られるので、上下の移動が激しい。
「サラマンダーがいる」
「世界樹には、いろいろな精霊が訪れます。あの子は、10年位前からずっといますよ」
そういや、朝にはウンディーネを見たし、昨日はヌネフが他にもシルフがいると言っていたな。もしかしたら、モペアとは別のドライアドやウィルオーウィスプにも出会うかもしれない。
「長老の家にもどるの?」
オレの側を歩いていたノアが不思議そうに言う。気がつかなかったが、言われてみると確かに長老の家近くだ。世界樹の上にもかかわらず滝があるので近いとわかる。あの滝は、ウンディーネが遊びでやっているそうだ。ちょっとした遊びでもスケールが違う。
「えぇ。長老の家で、簡単な説明をしたいですしね」
「あの男の人……カスピタータさん……あの人が仕事の説明をするのだとばかり思っていました」
「詳細は、兄がしますよ。里の案内は私が手配します」
おかっぱ頭とは、兄妹だったのか。
「そういえば、お兄さんと、シューヌピアさんは、他のハイエルフの皆さんとは違う……格好をしていると思いました。兄妹だからでしょうか?」
「これですか?」
カガミの質問を受けて、襟の辺りを指で摘まみ、シューヌピアは言葉を続ける。
「私達兄妹は、地上に降りて旅をしたことがあるんです。そういった者は、里で旅装することが決められているんですよ」
「へぇ。そんな決まりがあるっスね。そういえば、あの……髪をこう、ツインテールにした2人も旅装でしたっスね」
「ファシーアと、フラケーテアですね。フイナレスの双子も、私達兄妹と一緒に地上に降りたんですよ」
「結構沢山のハイエルフの皆さんが地上で旅されるんっスね」
「そんなことはないですよ。今日は会議だったので、私達が目立っただけ。今、この里で地上を旅した者は、私達4人の他に、長老と、あと2人。全部で7人ですね」
7人か。長老は旅装をしていなかったが、引退したと言っていたし、違うのかな。しかし、言われてみると、長老は他のハイエルフとは雰囲気が違っていたな。
なんというか、柔軟な考えをしているというような……あんまりハイエルフの事知らないけれど。
長老の家について、概略を聞く。
何千年という期間をかけて集めた飛行島のうち、うまく動かない物の魔法陣をメンテしてほしいらしい。
概略だけで気が遠くなる。何千年……ハイエルフは、時間の感覚がかなりいい加減だ。シューヌピアが言うには、世界樹に住むと時間の感覚が希薄になるのだとか。確かに、のんびりとして過ごしやすい雰囲気は、人を駄目にしそうだ。人を駄目にするクッションなんてのが元の世界にあったが、人を駄目にする世界樹か。
特に魔法陣の修復が必要なものは100程度らしい。修復についても、完全に動くものを参考にしていいそうだ。
「参考資料がすでにあるのに、なぜ私達がやる必要があるのでしょうか? 時間があれば、誰でも描き写すくらいできると思うんです。思いません?」
「飛行島の大部分は、人が描いた魔法陣でないと受け付けないのです」
「そんな魔法陣があるのか」
「太古の魔法陣には、そういったものが沢山あるそうですよ……それでは出発しましょうか。子供達は、ここでお留守番していてください」
「留守番?」
ノアが不安そうに聞き返す。それをみて、少し考えたシューヌピアは、軽く首を振る。
「あぁ、ごめんなさい。特に意味はないの。ただ、子供がいると、あなた方の仕事の邪魔になると思って……」
確かに、飛行島の整備といっていた。なにげに危ない場所なのかもしれない。一旦、オレ達だけで実物を見て判断してもいいだろう。
「それじゃ、一旦、オレ達だけでみてこようか」
「心配なら、私だけ残っとく?」
「大丈夫なの。ハロルドもいるし、皆で行ってきて」
残ることを申し出たミズキをノアが大丈夫だと断る。そうだな。ハロルドもいる。いざとなれば呪いを解けばなんとかなるだろう。それに、モペアもいる。
「わかったよ。じゃ、チッキートッキーピッキー、ノアのことお願いね」
「はい。お嬢様のお世話をしっかりやるでち」
手を振り、一旦別れシューヌピアの案内で現場へと向かう。
途方もない時間、集め続けた飛行島。楽な仕事を期待しよう。
楽しい旅行のはずが……仕事。
待遇次第だが、揉める可能性を考えると頭が痛い。
オレ達、まったく悪くないじゃないか。
何をしろっていうのだ。
ローブ姿のハイエルフが散会を宣言した後、残ったのは十名を超えるぐらいのハイエルフ達だった、うち1人がこちらへと近づいてくる。
「はじめましてニッフェオウスの娘シューヌピアと申します。まずは謝罪を」
「謝罪?」
「先ほど、ノアサリーナ様を呪い子と罵ったこと……に対してでございます。この里にとって、世界樹こそが最も大事なものです。ですので、世界樹にとって良くないと主張すれば同意が得られると考えましたが……私は甘かったようです」
深々と頭を下げられたシューヌピアに何とも言えない。
口先だけで嫌われるのと、口先だけで好意を持たれているのは、同じように意味がない。
本心からノアを嫌っていないことがわかるだけで悪い気はしなかった。
「ところで、私達はどうなるのでしょうか? 何処かに捕らわれるのでしょうか? ご存じですか?」
シューヌピアが知っているのかわからないが、とりあえず聞いてみる。
できるだけ早く、今後の待遇は聞いておきたい。
「いいえ、当面は長老の家で滞在してもらいます」
「決まっているのですね」
「えぇ、別に私達のどちらの主張が通っても、客人としてもてなすことは決めていましたから。では、歩きながらご案内しますね」
先頭を歩くシューヌピアについていき進む。聖獣に乗らず歩いての移動だ。
世界樹の枝にそって建物や道が作られるので、上下の移動が激しい。
「サラマンダーがいる」
「世界樹には、いろいろな精霊が訪れます。あの子は、10年位前からずっといますよ」
そういや、朝にはウンディーネを見たし、昨日はヌネフが他にもシルフがいると言っていたな。もしかしたら、モペアとは別のドライアドやウィルオーウィスプにも出会うかもしれない。
「長老の家にもどるの?」
オレの側を歩いていたノアが不思議そうに言う。気がつかなかったが、言われてみると確かに長老の家近くだ。世界樹の上にもかかわらず滝があるので近いとわかる。あの滝は、ウンディーネが遊びでやっているそうだ。ちょっとした遊びでもスケールが違う。
「えぇ。長老の家で、簡単な説明をしたいですしね」
「あの男の人……カスピタータさん……あの人が仕事の説明をするのだとばかり思っていました」
「詳細は、兄がしますよ。里の案内は私が手配します」
おかっぱ頭とは、兄妹だったのか。
「そういえば、お兄さんと、シューヌピアさんは、他のハイエルフの皆さんとは違う……格好をしていると思いました。兄妹だからでしょうか?」
「これですか?」
カガミの質問を受けて、襟の辺りを指で摘まみ、シューヌピアは言葉を続ける。
「私達兄妹は、地上に降りて旅をしたことがあるんです。そういった者は、里で旅装することが決められているんですよ」
「へぇ。そんな決まりがあるっスね。そういえば、あの……髪をこう、ツインテールにした2人も旅装でしたっスね」
「ファシーアと、フラケーテアですね。フイナレスの双子も、私達兄妹と一緒に地上に降りたんですよ」
「結構沢山のハイエルフの皆さんが地上で旅されるんっスね」
「そんなことはないですよ。今日は会議だったので、私達が目立っただけ。今、この里で地上を旅した者は、私達4人の他に、長老と、あと2人。全部で7人ですね」
7人か。長老は旅装をしていなかったが、引退したと言っていたし、違うのかな。しかし、言われてみると、長老は他のハイエルフとは雰囲気が違っていたな。
なんというか、柔軟な考えをしているというような……あんまりハイエルフの事知らないけれど。
長老の家について、概略を聞く。
何千年という期間をかけて集めた飛行島のうち、うまく動かない物の魔法陣をメンテしてほしいらしい。
概略だけで気が遠くなる。何千年……ハイエルフは、時間の感覚がかなりいい加減だ。シューヌピアが言うには、世界樹に住むと時間の感覚が希薄になるのだとか。確かに、のんびりとして過ごしやすい雰囲気は、人を駄目にしそうだ。人を駄目にするクッションなんてのが元の世界にあったが、人を駄目にする世界樹か。
特に魔法陣の修復が必要なものは100程度らしい。修復についても、完全に動くものを参考にしていいそうだ。
「参考資料がすでにあるのに、なぜ私達がやる必要があるのでしょうか? 時間があれば、誰でも描き写すくらいできると思うんです。思いません?」
「飛行島の大部分は、人が描いた魔法陣でないと受け付けないのです」
「そんな魔法陣があるのか」
「太古の魔法陣には、そういったものが沢山あるそうですよ……それでは出発しましょうか。子供達は、ここでお留守番していてください」
「留守番?」
ノアが不安そうに聞き返す。それをみて、少し考えたシューヌピアは、軽く首を振る。
「あぁ、ごめんなさい。特に意味はないの。ただ、子供がいると、あなた方の仕事の邪魔になると思って……」
確かに、飛行島の整備といっていた。なにげに危ない場所なのかもしれない。一旦、オレ達だけで実物を見て判断してもいいだろう。
「それじゃ、一旦、オレ達だけでみてこようか」
「心配なら、私だけ残っとく?」
「大丈夫なの。ハロルドもいるし、皆で行ってきて」
残ることを申し出たミズキをノアが大丈夫だと断る。そうだな。ハロルドもいる。いざとなれば呪いを解けばなんとかなるだろう。それに、モペアもいる。
「わかったよ。じゃ、チッキートッキーピッキー、ノアのことお願いね」
「はい。お嬢様のお世話をしっかりやるでち」
手を振り、一旦別れシューヌピアの案内で現場へと向かう。
途方もない時間、集め続けた飛行島。楽な仕事を期待しよう。
0
あなたにおすすめの小説
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
異世界で家をつくります~異世界転移したサラリーマン、念動力で街をつくってスローライフ~
ヘッドホン侍
ファンタジー
◆異世界転移したサラリーマンがサンドボックスゲームのような魔法を使って、家をつくったり街をつくったりしながら、マイペースなスローライフを送っていたらいつの間にか世界を救います◆
ーーブラック企業戦士のマコトは気が付くと異世界の森にいた。しかし、使える魔法といえば念動力のような魔法だけ。戦うことにはめっぽう向いてない。なんとか森でサバイバルしているうちに第一異世界人と出会う。それもちょうどモンスターに襲われているときに、女の子に助けられて。普通逆じゃないのー!と凹むマコトであったが、彼は知らない。守るにはめっぽう強い能力であったことを。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる