536 / 830
第二十六章 王都の演者
みんなでへんそう
しおりを挟む
「さて、そろそろ準備を始めようか」
敷地の入り口そばに建っている家へと戻るパッターナを見送り、すぐに準備を開始する。
王都は、少し面倒そうなので、特に外出準備が必要なのだ。
「悪意?」
それは、王都に来た当日の夜のことだ。
「そうです。王都は、リーダ達に対する悪意に溢れているのです」
これからの計画を立てていた時、ヌネフがフワリと現れていった。
スッと動かしていたヌネフの指は、オレと同僚達、そしてノアを指した。
「オレ達へ?」
「領主が去った後から、この館を取り囲むように、様々な悪意が注がれているのです」
「そっか」
王都って治安が悪いのかな。
「襲われそうなんスか?」
「今すぐというように、強い悪意ではないですが……」
「隙あらば襲ってやろうというところか」
「そうですね。そんな感じがするのです」
サムソンが思いつき発言した言葉をヌネフが肯定する。
何かの理由があって、オレ達が狙われているということか。
いや違うな。元々ここに来るまでにも妨害があったわけだ。王都に来たからといって妨害がなくなるとは考えにくい。
イ・アの案件も含めて、どんどこ敵が増えていくな。
「館から出る時は今まで以上の警戒が必要だな」
「そうですね。少なくてもチッキー達がまた誘拐されないように、気をつけないといけないと思います」
「留守番してもらうか?」
「そうだな。海亀やエルフ馬もいるしな。チッキー達には世話をお願いしつつ留守番ってところか」
「フェズルードの時と同じような感じっスね」
確かにあの時と同じだ。二手にわかれる。
「ノアちゃんはなんだかんだと言って強いっスからね」
確かにハロルドから色々習っているし、元々の魔力の強さもある。
しかもオレ達がプレゼントしたドレスには、多くの仕掛けがしてある。グリフォンのフィグトリカにも対処できていた。
それに比べればチッキー達は、それほど強いわけではない。
「周りの状況がわかるまではチッキー達には、館から出ないようにお願いするしかないか」
「私達が狙われてるっていう事はさ、私達じゃないって思わせればいいんじゃない?」
留守番を考えていた時にミズキが妙な事を言い出した。
私達じゃないと思わせる?
「変装っスか?」
「そうそう。皆で変装しちゃってさ、出かけるって訳」
「念の為、試しましょうか」
「試しか……少し歩いてみてオッケーだったら。ダメだったら戻ってくる……」
館に残す海亀は偽装の魔法で、山と積まれた草にまぎれさせればいい。茶釜は、館でお留守番できるだろう。単体でも強いしな。
うん。考えれば考えるほど、いい手だ。試す価値はある。
「じゃあ、明日ちょっとだけ散歩って形でテストしてみようか」
そんな話をした。
結局のところ、翌日から数日は、謁見の練習だったので変装することはなかった。
ということで、王都到着して初めての変装だ。
「皆で変装してお出かけって、ワクワクするよね」
ミズキが見るからに上機嫌で準備を進める。
変装の魔法も、何度も使っているうちに随分と慣れてきた。
ポイポイと投げるように魔法陣へ触媒を置いて、変装の魔法を使う。
「じゃあ、次はトッキー君で最後っスね」
ややあって、皆の変装が終わる。
「プッ」
相変わらずミズキは失礼な奴だ。オレを見て吹き出しやがった。
鏡ごしに自分を見ると、オレの姿はお腹がちょっぴり出たおじさんになっていた。
ノアは見るからにおてんばと言った町娘。
カガミは家庭教師っぽいお姉さん。
ミズキはノアよりもやや年上といった感じのお姉さん。
プレインはガタイのいいお爺さん。
サムソンは特徴のないおじさん。
ピッキーをはじめとする獣人達3人は、何かよくわからないが職人風の3人組になっていた。
いつもと違う、皆の様子は面白い。
ノアは変装した姿が気に入ったようで、とってもはしゃいでいる。
「ある程度ランダムにしてるからな」
皆が自分の変装姿を鏡ごしに見て、思い思いの態度をとる。
変装はやってみるとなかなか楽しい。
「二つ名はいらなかったと思います。思いません?」
カガミが自分の二つ名を確認してぼやく。
「二つ名も設定するようにしたんだ」
「ランダムでつける様にしてみた。面白そうじゃん」
満面の笑みで、ミズキが反応する。
「へぇ」
「実際のところランダムじゃないんだが……まぁ、ミズキ氏の悪乗りだな」
看破を使って同僚を見ると、確かにランダムっぽく脈絡のない二つ名だ。
「サムソンは……二つ名が、さすらいのパン職人なんだな」
カガミは……鎧マニアって。
どいつもこいつも脈絡のない二つ名がついて楽しい。
「いや、リーダ。お前の二つ名、美の化身の方がヤバイぞ」
サムソンの二つ名をバカにしていたら、オレの二つ名はもっと酷かった。
「……二つ名は消しておこう」
わいわいと盛り上がった後、町へと繰り出す。
「誰かに狙われてる感じある?」
船乗りっぽい服装の男に変装しているハロルドへ聞いてみる。
「ないでござるな」
「そうですね。このヌネフも、悪意を感じません」
ハロルド、そしてヌネフも安全だと答えてくれた。
そうなると、王都の治安が悪いわけではなくて、オレ達が狙われていたというのは間違いないわけか。困ったもんだな。
安全だという言葉にホッとして町を歩いて行くが、なかなか王都の人は冷たい。
けんか腰というわけでもないが、明らかに顔をしかめる人、ぺっとすれ違いざまにつばを吐く人と、ロクなものではない。
物を買った時も、押し付けるように渡されてすぐに追い払われる。
「なんかさ、みんな酷くない?」
出発したときは、ニコニコ顔だったミズキもすぐにイラついた様子で不満を口にする。
中にはいい人もいるが、そこまで愛想がいいというわけでもない。
最初はウキウキ気分だったノアも沈んでいて、獣人達3人も困惑した様子だった。
『パシャ』
悪い時には、悪い事が重なる。道行くノアのスカートに水がかかってしまったのだ。
ノアの服がべっとりと泥水に汚れてしまう。
「あぁ。すまんすまん」
ニヤニヤ笑いながら謝罪する男にムカつく。
即座にミズキが男に詰め寄ろうとしたが、すぐに家の中へと逃げてしまった。
「何、あれ」
「謝るならしっかり謝って欲しいっスよね」
「……戻るか」
ノアの服が濡れた事もあって館へ帰ることにした。
最低限、気になるものがあれば、少し買って帰る。その程度の帰り道。
王都だけあって、色々な物がある。物売りも沢山いる。
もっともオレ達に近寄ってくる人達はいない。
だがそんな中、一人の男と目が合った。
ドラム缶に似た金属製の箱を一輪車に載せてひいていた。
一輪車に描いてある絵は、焼き芋にそっくりだった。
彼と目が合ったことや、売っている物に興味が出てきたので買う事にした。
「1つ……小銅貨9枚、10個なら銅貨3枚だ、器は銅貨2枚だ」
「じゃ、10個。それから器も」
小さく頷くと、彼は湯気が立つお芋を箱から取り出し、草を編み込んで作った籠に入れてくれた。
「ほい。熱いからな気をつけなよ」
焼き芋だな。まんま。皮が少し焼けていて香ばしい匂いがする。
「ありがとう。美味しそうですね」
「そりゃな。だが、次回は別の人から買って欲しい」
愛想良く答えたにもかかわらず、嫌な物言い。
オレの表情をチラリと見た後、男が慌てたように付け加える。
「いや、悪いが……あの嬢ちゃん、あれだろ……呪い子」
「……えぇ」
「そりゃ、王都だ。呪い子がいることもあるだろう。でも、あれは不味い。めちゃくちゃ危ない呪い子だ……怖ぇんだよ。あんなのがお得意さんにいるとなると、商売あがったりなんだ」
そういうことか。王都の人間が冷たかったのは、ノア……呪い子が居たからか。
今まで、ここまで酷い扱いを受けたことはなかった。
でも、本来は……皆がこんな態度になるのか。
そうなると、愛想良く商品を渡してくれて、なおかつ忠告してくれた彼は人が良いのだろう。
「忠告ありがとう」
そう言って、多めにお金を渡す。
「どうしたの?」
ほかほかのお芋を手に取って、戻ってきたオレにノアが尋ねてくる。
不安そうに。
「いや、お芋が美味しそうだなって……それに、王都の人って、田舎者に冷たいなってね」
さて、どうしようかなと思いつつも、可能な限り軽い調子でオレは答えた。
敷地の入り口そばに建っている家へと戻るパッターナを見送り、すぐに準備を開始する。
王都は、少し面倒そうなので、特に外出準備が必要なのだ。
「悪意?」
それは、王都に来た当日の夜のことだ。
「そうです。王都は、リーダ達に対する悪意に溢れているのです」
これからの計画を立てていた時、ヌネフがフワリと現れていった。
スッと動かしていたヌネフの指は、オレと同僚達、そしてノアを指した。
「オレ達へ?」
「領主が去った後から、この館を取り囲むように、様々な悪意が注がれているのです」
「そっか」
王都って治安が悪いのかな。
「襲われそうなんスか?」
「今すぐというように、強い悪意ではないですが……」
「隙あらば襲ってやろうというところか」
「そうですね。そんな感じがするのです」
サムソンが思いつき発言した言葉をヌネフが肯定する。
何かの理由があって、オレ達が狙われているということか。
いや違うな。元々ここに来るまでにも妨害があったわけだ。王都に来たからといって妨害がなくなるとは考えにくい。
イ・アの案件も含めて、どんどこ敵が増えていくな。
「館から出る時は今まで以上の警戒が必要だな」
「そうですね。少なくてもチッキー達がまた誘拐されないように、気をつけないといけないと思います」
「留守番してもらうか?」
「そうだな。海亀やエルフ馬もいるしな。チッキー達には世話をお願いしつつ留守番ってところか」
「フェズルードの時と同じような感じっスね」
確かにあの時と同じだ。二手にわかれる。
「ノアちゃんはなんだかんだと言って強いっスからね」
確かにハロルドから色々習っているし、元々の魔力の強さもある。
しかもオレ達がプレゼントしたドレスには、多くの仕掛けがしてある。グリフォンのフィグトリカにも対処できていた。
それに比べればチッキー達は、それほど強いわけではない。
「周りの状況がわかるまではチッキー達には、館から出ないようにお願いするしかないか」
「私達が狙われてるっていう事はさ、私達じゃないって思わせればいいんじゃない?」
留守番を考えていた時にミズキが妙な事を言い出した。
私達じゃないと思わせる?
「変装っスか?」
「そうそう。皆で変装しちゃってさ、出かけるって訳」
「念の為、試しましょうか」
「試しか……少し歩いてみてオッケーだったら。ダメだったら戻ってくる……」
館に残す海亀は偽装の魔法で、山と積まれた草にまぎれさせればいい。茶釜は、館でお留守番できるだろう。単体でも強いしな。
うん。考えれば考えるほど、いい手だ。試す価値はある。
「じゃあ、明日ちょっとだけ散歩って形でテストしてみようか」
そんな話をした。
結局のところ、翌日から数日は、謁見の練習だったので変装することはなかった。
ということで、王都到着して初めての変装だ。
「皆で変装してお出かけって、ワクワクするよね」
ミズキが見るからに上機嫌で準備を進める。
変装の魔法も、何度も使っているうちに随分と慣れてきた。
ポイポイと投げるように魔法陣へ触媒を置いて、変装の魔法を使う。
「じゃあ、次はトッキー君で最後っスね」
ややあって、皆の変装が終わる。
「プッ」
相変わらずミズキは失礼な奴だ。オレを見て吹き出しやがった。
鏡ごしに自分を見ると、オレの姿はお腹がちょっぴり出たおじさんになっていた。
ノアは見るからにおてんばと言った町娘。
カガミは家庭教師っぽいお姉さん。
ミズキはノアよりもやや年上といった感じのお姉さん。
プレインはガタイのいいお爺さん。
サムソンは特徴のないおじさん。
ピッキーをはじめとする獣人達3人は、何かよくわからないが職人風の3人組になっていた。
いつもと違う、皆の様子は面白い。
ノアは変装した姿が気に入ったようで、とってもはしゃいでいる。
「ある程度ランダムにしてるからな」
皆が自分の変装姿を鏡ごしに見て、思い思いの態度をとる。
変装はやってみるとなかなか楽しい。
「二つ名はいらなかったと思います。思いません?」
カガミが自分の二つ名を確認してぼやく。
「二つ名も設定するようにしたんだ」
「ランダムでつける様にしてみた。面白そうじゃん」
満面の笑みで、ミズキが反応する。
「へぇ」
「実際のところランダムじゃないんだが……まぁ、ミズキ氏の悪乗りだな」
看破を使って同僚を見ると、確かにランダムっぽく脈絡のない二つ名だ。
「サムソンは……二つ名が、さすらいのパン職人なんだな」
カガミは……鎧マニアって。
どいつもこいつも脈絡のない二つ名がついて楽しい。
「いや、リーダ。お前の二つ名、美の化身の方がヤバイぞ」
サムソンの二つ名をバカにしていたら、オレの二つ名はもっと酷かった。
「……二つ名は消しておこう」
わいわいと盛り上がった後、町へと繰り出す。
「誰かに狙われてる感じある?」
船乗りっぽい服装の男に変装しているハロルドへ聞いてみる。
「ないでござるな」
「そうですね。このヌネフも、悪意を感じません」
ハロルド、そしてヌネフも安全だと答えてくれた。
そうなると、王都の治安が悪いわけではなくて、オレ達が狙われていたというのは間違いないわけか。困ったもんだな。
安全だという言葉にホッとして町を歩いて行くが、なかなか王都の人は冷たい。
けんか腰というわけでもないが、明らかに顔をしかめる人、ぺっとすれ違いざまにつばを吐く人と、ロクなものではない。
物を買った時も、押し付けるように渡されてすぐに追い払われる。
「なんかさ、みんな酷くない?」
出発したときは、ニコニコ顔だったミズキもすぐにイラついた様子で不満を口にする。
中にはいい人もいるが、そこまで愛想がいいというわけでもない。
最初はウキウキ気分だったノアも沈んでいて、獣人達3人も困惑した様子だった。
『パシャ』
悪い時には、悪い事が重なる。道行くノアのスカートに水がかかってしまったのだ。
ノアの服がべっとりと泥水に汚れてしまう。
「あぁ。すまんすまん」
ニヤニヤ笑いながら謝罪する男にムカつく。
即座にミズキが男に詰め寄ろうとしたが、すぐに家の中へと逃げてしまった。
「何、あれ」
「謝るならしっかり謝って欲しいっスよね」
「……戻るか」
ノアの服が濡れた事もあって館へ帰ることにした。
最低限、気になるものがあれば、少し買って帰る。その程度の帰り道。
王都だけあって、色々な物がある。物売りも沢山いる。
もっともオレ達に近寄ってくる人達はいない。
だがそんな中、一人の男と目が合った。
ドラム缶に似た金属製の箱を一輪車に載せてひいていた。
一輪車に描いてある絵は、焼き芋にそっくりだった。
彼と目が合ったことや、売っている物に興味が出てきたので買う事にした。
「1つ……小銅貨9枚、10個なら銅貨3枚だ、器は銅貨2枚だ」
「じゃ、10個。それから器も」
小さく頷くと、彼は湯気が立つお芋を箱から取り出し、草を編み込んで作った籠に入れてくれた。
「ほい。熱いからな気をつけなよ」
焼き芋だな。まんま。皮が少し焼けていて香ばしい匂いがする。
「ありがとう。美味しそうですね」
「そりゃな。だが、次回は別の人から買って欲しい」
愛想良く答えたにもかかわらず、嫌な物言い。
オレの表情をチラリと見た後、男が慌てたように付け加える。
「いや、悪いが……あの嬢ちゃん、あれだろ……呪い子」
「……えぇ」
「そりゃ、王都だ。呪い子がいることもあるだろう。でも、あれは不味い。めちゃくちゃ危ない呪い子だ……怖ぇんだよ。あんなのがお得意さんにいるとなると、商売あがったりなんだ」
そういうことか。王都の人間が冷たかったのは、ノア……呪い子が居たからか。
今まで、ここまで酷い扱いを受けたことはなかった。
でも、本来は……皆がこんな態度になるのか。
そうなると、愛想良く商品を渡してくれて、なおかつ忠告してくれた彼は人が良いのだろう。
「忠告ありがとう」
そう言って、多めにお金を渡す。
「どうしたの?」
ほかほかのお芋を手に取って、戻ってきたオレにノアが尋ねてくる。
不安そうに。
「いや、お芋が美味しそうだなって……それに、王都の人って、田舎者に冷たいなってね」
さて、どうしようかなと思いつつも、可能な限り軽い調子でオレは答えた。
0
あなたにおすすめの小説
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる