日常生活の狂気

初老の今だからこそ彼女に夢と希望を与えられる

おれが一人の女の為に
自分でも
驚くぐらいに
力になりたいと
思っているのか
よく分からない

彼女と出会ったのは
最初はただの偶然だった
下手をすれば
おれは彼女の存在すら
知ることもなく
ただ彼女の前を
通り過ぎて
それだけで
終わっていた

それが今では
彼女なしで
毎日過ごすことが
困難に
感じられるほど
おれにとっては
大事な存在に
なってしまった

彼女と過ごした
歳月は
何にもないようで
いろいろなことが
結構あった

おかげでおれは
彼女と接しているうちに
若い頃は
分からなかった
女の気持ちや
女の心理が
分かるように
なった気がする

おれがもしも
今よりも
20歳か
30歳ぐらい
若かったら
彼女とも
ウマくいかなかった

おれは彼女を
傷つけて
失望させて
それでお別れしていた
ことだろう

おれが50歳を過ぎた
今だからこそ
彼女との間に
何か遭っても
ウマく対処出来るし
ウマく切り抜ける
ことも出来るようになった

おれもちょうど
詩人として
認められて
成功段階に
突入しかけている

おカネもいくらか
入るようになった
今だからこそ
彼女にも
夢と希望を
与えられる

おれはこれから
きっと彼女の為にも
おカネをたくさん
稼ぐことに
なるんだろうな

来年の今ごろまでに
おれは果たして
どのぐらい
今よりも
大きく成長して
いるのか
今から既に
楽しみだ

彼女にも
今よりもっと
夢と希望を
与えられるかも
しれない

おれの夢は
彼女の夢でも
ある訳なんだ