日常生活の狂気

荒波

弱い人間というのは
やがては
世間の荒波に
飲み込まれて
押しつぶされていく
運命にある

若いうちならば
何とかなるさと
思い込んで
タカをくくって
ヘラヘラと
余裕の笑みを
浮かべることも
出来るが
歳を重ねると共に
だんだんと
生きていると
そのことだけで
大変になってきて
余裕の
笑みを浮かべる
元気すら
無くなってくる

おれは今までに
そんな弱い
人間たちを
イヤというほど
見てきた
そいつらの
大半が
今どこで
何をやっているのか
分からない
もっと言えば
生きているのか
死んでしまったのかすら
分からない
状態だ

虚無僧のように
ニヒルな笑顔を
浮かべて
ヘラヘラと
笑っていられるのも
若いうちだけだ

年齢を
重ねると共に
だんだんと
生きているだけで
大変に
感じてきて
余裕の笑みを
浮かべる
気力すら
無くなってくる

歳はおれより
若くても
そいつの人生は
既に終わったも
同然だと思える
弱い人間を
イヤというほど
見てきた

弱い人間は
世間の荒波に
流されて
飲み込まれて
押しつぶされて
行くだけだ

そんなふうに
なりたくなければ
己を強くする以外に
方法がない

いくら強い
人間に
なれたとしても
それでも時には
負けることもある

そんな奴は
運が悪かったと
思って
諦めるしかない

たとえどんなに若くて
体力も
気力も
充分に
溢れている奴でも
ときと場合に於いて
負けることもある

そんな奴は
運が悪かったと
思って
諦めるしかない

運が良いやつと
運が悪いやつというのは
必ず存在する

人の人生は
それぞれだが
最後には
運が良いか
運が悪いか
それだけで
その人の人生の
大半は決まる

負けたくなかったら
強くなるしか
他に方法がない

弱い人間だけ
世間の荒波に
流されて
飲み込まれて
押しつぶされていく