日常生活の狂気

消費される身分

おれは世間の
若い女性たちから
詩人にしては
珍しく
まるでK-Popや
Ｊ-Popの
アーティストのように
人気があり
女性たちから
消費される
ぐらいの
身分になった

事実おれが
詩をネット投稿
するだけで
おれの為に
小遣い程度の
おカネを落としてくれる
企業や銀行が
徐々にボチボチ
出始めてきた

今度は
おれの為に
おれの詩を読んでくれた
ファンが
一個人として
おカネを
落としてくれることを
待っている

おれが若い頃に
詩を書き始めた
時は
何にも無かった
おれが詩を書いて
それがおカネに
結びつくなんて
夢のまた夢だった

むしろ
若い頃は
一円の
おカネにもならない
詩なんてモノを
自分で
書いていること自体
そのことについて
疑問を
感じていた

疑問を
感じながらも
なぜか詩を
書くことだけは
止めようとは
しなかった

おれは若い頃から
一円の
おカネにも
ならない
詩を書いて
書いて
書きまくった
それが40年もの
長きに渡り
続けた成果が
今になって
出始めてきた

おれは今や
ファッションモデルや
俳優のように
若い女性たちから
消費される
身分になった

おれはもう
若くはないのに
若い女性を
中心に
おれのファンが
徐々に増えてきた

若い頃は
おれが詩を
書くことで
おカネになるなんて
夢にも
思っては
いなかった

それが今や
若い女性たちから
このおれは
消費される身分に
なった訳だ