206 / 435
第2章 雄飛の青少年期編
177 最後の夏の決勝戦へ
しおりを挟む
夏の甲子園準々決勝での正樹の195球は物議を醸し、大炎上しかけた。
しかし、その日の第4試合終了時点で下火になり、今ではほぼ鎮火していた。
試合後のメディカルチェックで肘は特に問題ないと判断され、それを東京プレスギガンテスユースの広報が速やかに公式HPやSNSで報告したこと。
インタビューで自ら強く志願して続投したと正樹自身の口から語られたこと。
準決勝戦でセンターとして出場した正樹が、溌溂としたプレーを見せたこと。
それらのおかげだろう。
勿論、ネット上には未だに薪をくべようとしている者もいるにはいる。
個人的な心情としては俺も割とそちら側に近い。
ただ、当人にああもキッパリ己の意思だと断言されたら口を噤むしかない。
夏の甲子園という特別な場でのことでもあるからな。
決勝戦で同じような状況にでもならない限り、再び燃え上がる可能性は低い。
……といったところで東京プレスギガンテスユースの準決勝戦の結果も察しがつくだろうけれども、かのチームは決勝戦に進出することができた。
同じ優勝候補の兵庫ブルーヴォルテックスユースを下してきたのだから当然の結果という意見が多かったが、実際には準決勝の相手に結構てこずっていた。
連投禁止の規則のため、正樹は先に述べた通りセンターで出場。
東京プレスギガンテスユースは2番手ピッチャーを登板させたが、明らかに調子が悪く、細かく失点を重ねてしまう。
対して、投手の層の厚さに定評がある相手チームは前の試合では登板していなかったエースピッチャーをここぞとばかりに投入。
決勝戦で投げられなくなるが、まずここを突破しなければ何の意味もない。
そういった判断での起用法だったに違いないが、結果として割とうまくはまった。
程々に優秀なピッチャーを前にして打線は微妙に繋がらず、正樹が全打席申告敬遠と徹底的に勝負を避けられたことで中々得点できない。
色々な要素が嚙み合って正樹達は苦戦してしまった。
それでも、勝利したのは東京プレスギガンテスユースだった。
要所要所で正樹がプレーで魅せ、自らの力で流れを引き寄せたおかげだ。
いつか俺のように、ランナーが前にいなければ即座に盗塁してチャンス拡大。
積極走塁で1つ先の塁を目指すなど、打たせて貰えない鬱憤を足で晴らす。
守備でも、センターに陣取った正樹は聖域を作り出す勢いの活躍振り。
ポテンヒットになりそうなフライに全力で突っ込んでダイビングキャッチ。
フェンスを僅かに越える大飛球をジャンピングキャッチでもぎ取る。
犠牲フライをレーザービームの如きダイレクト送球で防ぐ。
野球というものはバッティングとピッチングだけではない。
それを彼の手でも証明してくれるような暴れっぷりだった。
決勝戦前日の特番でも正樹の活躍は大きく取り上げられ、番組の中で元プロ野球選手のコメンテーター達に絶賛されていたぐらいだ。
こう懸命なプレーをされると贔屓したくなってくる。
それが人情というものだろう。
実際、世間は旧神童の復活とその活躍に沸いた。
ちょっと炎上しかけたのも、むしろいいスパイスになっているぐらいだった。
明らかに追い風が吹いている。
前世でも、そうした大衆が作り上げる特有の空気が甲子園にはあった。
特定のチームを世の中全体で後押ししているかのような独特の雰囲気だ。
そして今回の大会では間違いなく、正樹と彼を擁する東京プレスギガンテスユースがその恩恵を受ける主人公枠に収まっていた。
そんな彼らの前に、物語上の障害の如く立ち塞がる決勝戦の相手。
我が母校、山形県立向上冠高校。
こちらは大松君と美海ちゃんの二枚看板で順当に勝ち進んできた。
準決勝戦もフルタイムナックルボーラー美海ちゃんと倉本さんの通称美少女バッテリーの活躍によって危なげなく勝利を飾り、決勝に進出。
こうして全国高校生硬式野球選手権大会決勝戦の組み合わせは、山形県立向上冠高校対東京プレスギガンテスユースに決まったのだが……。
その段階で一部過激なマスコミは、かつての補助金詐欺を持ち出して山形県立向上冠高校をヒール枠に押し込めて煽ろうとした気配があった。
もっとも、公立高校の元弱小野球部が2年連続で甲子園に出場して決勝戦に進んだ功績は、さすがにその類の悪評でくすんだりするものではない。
ネット上にも未だに悪く言う者がいるが、逆に白眼視されているぐらいだ。
今出場している選手に罪はないからな。
基本的に好試合を期待する声が大半だ。
しかし、順調に勝ち進み過ぎたせいか、主役っぽさはどうしても乏しい。
結果、あくまでも東京プレスギガンテスユースが主人公枠。
山形県立向上冠高校は好敵手枠で、引き立て役のポジション。
そんな立ち位置になってしまっているのが目に見えて分かった。
「それでも、わたしはみなみーのいる山形県立向上冠高校を応援する」
決勝戦開始直前の13時55分。
遠征先のホテルの2人部屋に備えられたテレビの前で。
寸前まで放送されていた東京プレスギガンテスユース贔屓の特番に大層不満げな様子のあーちゃんが、口をへの字にしながら言う。
「そうだな。俺達はそうしよう」
「むしろ、それ以外にない」
迷いなく断言する彼女に思わず苦笑する。
あーちゃんの場合はいわゆる判官贔屓でも何でもなく。
出身校だからという理由でも全くなく。
ただ単純に、1番の友達がいるチームだから味方しているだけだ。
別に、普段から正樹に辛辣な態度を取っていることは関係ない……はずだ。
多分。
「まあ、朝から慌ただしかったけど、落ち着いて生中継を見れそうでよかったな」
「ん。しかも夫婦水入らず」
備えつけのソファで隣に座るあーちゃんは俺にくっついて上機嫌。
人目を気にしなくていいので、思う存分スリスリしている。
相変わらず好感度がバグってるな。
可愛らしいけど。
それはともかくとして。
夏の甲子園決勝戦が行われる今日は水曜日。
盆休みは明けているので、多くの社会人にとっては既に普通の平日だ。
村山マダーレッドサフフラワーズも当然ビジターで試合がある。
いや、あった。
過去形だ。
今年の夏の甲子園決勝戦は14時丁度の開始予定。
通常デーゲームで行われる2部リーグと3部リーグの試合は時間が被る。
まあ、準決勝までもそうなる試合はあったが、次は決勝戦。
話題性が段違いだ。
例年、同時間帯のテレビやネット配信の視聴率は大部分がかっさらわれる。
かと言ってナイトゲームにすると、今度は1部リーグの試合と重なってしまう。
スポンサーとの兼ね合いもあり、機構側もそれは回避したい。
そんなこんなで、2部リーグと3部リーグの今日の試合は前世では片手で数えられるぐらいしか前例のないモーニングゲームで開催される運びとなっていた。
で、俺達は既に勝利して滞在先に戻ってきた訳だ。
前日は通常のデーゲームで、翌日はモーニングゲーム。
まあ、ナイトゲームからのデーゲームと似たようなものではあるけれども、無計画に夜更かしでもしたのかチームメイトはキツイキツイの大合唱だった。
とは言え、ダブルヘッダーよりは余程マシだろう。
前世よりもチームの数が多い関係で、こちらの世界は試合数が多い。
そのせいで、悪天候で中止が続くとダブルヘッダーも割と普通に起こるからな。
「始まる」
頭の中で今日の振り返りをしていると、クイクイと腕を引っ張られる。
時計は間もなく14時丁度を指し示そうとしているところ。
刻限だ。
意識をテレビ画面へと移す。
「みなみー、頑張れ」
そこに美海ちゃんの姿が映り、あーちゃんが応援の言葉を口にした。
他の面々の顔も目に入る。
昇二、大松君、倉本さん。そして正樹も。
画面越しながら皆、程よい緊張状態で試合に臨んでいるように見える。
これなら実力を発揮できずに終わるといったことはないだろう。
先攻は山形県立向上冠高校。
後攻が東京プレスギガンテスユース。
マウンドにはまず準々決勝戦195球の熱投から中3日の正樹が上がる。
投球練習を見た限りでは、調子も悪くはなさそうだ。
何球かの後、審判が試合開始のコールを口にする。
サイレンが鳴り響く。
それを合図にするように、正樹が大きく振りかぶった。
高校3年の総決算。
全国高校生硬式野球選手権大会決勝戦の幕が切って落とされた。
しかし、その日の第4試合終了時点で下火になり、今ではほぼ鎮火していた。
試合後のメディカルチェックで肘は特に問題ないと判断され、それを東京プレスギガンテスユースの広報が速やかに公式HPやSNSで報告したこと。
インタビューで自ら強く志願して続投したと正樹自身の口から語られたこと。
準決勝戦でセンターとして出場した正樹が、溌溂としたプレーを見せたこと。
それらのおかげだろう。
勿論、ネット上には未だに薪をくべようとしている者もいるにはいる。
個人的な心情としては俺も割とそちら側に近い。
ただ、当人にああもキッパリ己の意思だと断言されたら口を噤むしかない。
夏の甲子園という特別な場でのことでもあるからな。
決勝戦で同じような状況にでもならない限り、再び燃え上がる可能性は低い。
……といったところで東京プレスギガンテスユースの準決勝戦の結果も察しがつくだろうけれども、かのチームは決勝戦に進出することができた。
同じ優勝候補の兵庫ブルーヴォルテックスユースを下してきたのだから当然の結果という意見が多かったが、実際には準決勝の相手に結構てこずっていた。
連投禁止の規則のため、正樹は先に述べた通りセンターで出場。
東京プレスギガンテスユースは2番手ピッチャーを登板させたが、明らかに調子が悪く、細かく失点を重ねてしまう。
対して、投手の層の厚さに定評がある相手チームは前の試合では登板していなかったエースピッチャーをここぞとばかりに投入。
決勝戦で投げられなくなるが、まずここを突破しなければ何の意味もない。
そういった判断での起用法だったに違いないが、結果として割とうまくはまった。
程々に優秀なピッチャーを前にして打線は微妙に繋がらず、正樹が全打席申告敬遠と徹底的に勝負を避けられたことで中々得点できない。
色々な要素が嚙み合って正樹達は苦戦してしまった。
それでも、勝利したのは東京プレスギガンテスユースだった。
要所要所で正樹がプレーで魅せ、自らの力で流れを引き寄せたおかげだ。
いつか俺のように、ランナーが前にいなければ即座に盗塁してチャンス拡大。
積極走塁で1つ先の塁を目指すなど、打たせて貰えない鬱憤を足で晴らす。
守備でも、センターに陣取った正樹は聖域を作り出す勢いの活躍振り。
ポテンヒットになりそうなフライに全力で突っ込んでダイビングキャッチ。
フェンスを僅かに越える大飛球をジャンピングキャッチでもぎ取る。
犠牲フライをレーザービームの如きダイレクト送球で防ぐ。
野球というものはバッティングとピッチングだけではない。
それを彼の手でも証明してくれるような暴れっぷりだった。
決勝戦前日の特番でも正樹の活躍は大きく取り上げられ、番組の中で元プロ野球選手のコメンテーター達に絶賛されていたぐらいだ。
こう懸命なプレーをされると贔屓したくなってくる。
それが人情というものだろう。
実際、世間は旧神童の復活とその活躍に沸いた。
ちょっと炎上しかけたのも、むしろいいスパイスになっているぐらいだった。
明らかに追い風が吹いている。
前世でも、そうした大衆が作り上げる特有の空気が甲子園にはあった。
特定のチームを世の中全体で後押ししているかのような独特の雰囲気だ。
そして今回の大会では間違いなく、正樹と彼を擁する東京プレスギガンテスユースがその恩恵を受ける主人公枠に収まっていた。
そんな彼らの前に、物語上の障害の如く立ち塞がる決勝戦の相手。
我が母校、山形県立向上冠高校。
こちらは大松君と美海ちゃんの二枚看板で順当に勝ち進んできた。
準決勝戦もフルタイムナックルボーラー美海ちゃんと倉本さんの通称美少女バッテリーの活躍によって危なげなく勝利を飾り、決勝に進出。
こうして全国高校生硬式野球選手権大会決勝戦の組み合わせは、山形県立向上冠高校対東京プレスギガンテスユースに決まったのだが……。
その段階で一部過激なマスコミは、かつての補助金詐欺を持ち出して山形県立向上冠高校をヒール枠に押し込めて煽ろうとした気配があった。
もっとも、公立高校の元弱小野球部が2年連続で甲子園に出場して決勝戦に進んだ功績は、さすがにその類の悪評でくすんだりするものではない。
ネット上にも未だに悪く言う者がいるが、逆に白眼視されているぐらいだ。
今出場している選手に罪はないからな。
基本的に好試合を期待する声が大半だ。
しかし、順調に勝ち進み過ぎたせいか、主役っぽさはどうしても乏しい。
結果、あくまでも東京プレスギガンテスユースが主人公枠。
山形県立向上冠高校は好敵手枠で、引き立て役のポジション。
そんな立ち位置になってしまっているのが目に見えて分かった。
「それでも、わたしはみなみーのいる山形県立向上冠高校を応援する」
決勝戦開始直前の13時55分。
遠征先のホテルの2人部屋に備えられたテレビの前で。
寸前まで放送されていた東京プレスギガンテスユース贔屓の特番に大層不満げな様子のあーちゃんが、口をへの字にしながら言う。
「そうだな。俺達はそうしよう」
「むしろ、それ以外にない」
迷いなく断言する彼女に思わず苦笑する。
あーちゃんの場合はいわゆる判官贔屓でも何でもなく。
出身校だからという理由でも全くなく。
ただ単純に、1番の友達がいるチームだから味方しているだけだ。
別に、普段から正樹に辛辣な態度を取っていることは関係ない……はずだ。
多分。
「まあ、朝から慌ただしかったけど、落ち着いて生中継を見れそうでよかったな」
「ん。しかも夫婦水入らず」
備えつけのソファで隣に座るあーちゃんは俺にくっついて上機嫌。
人目を気にしなくていいので、思う存分スリスリしている。
相変わらず好感度がバグってるな。
可愛らしいけど。
それはともかくとして。
夏の甲子園決勝戦が行われる今日は水曜日。
盆休みは明けているので、多くの社会人にとっては既に普通の平日だ。
村山マダーレッドサフフラワーズも当然ビジターで試合がある。
いや、あった。
過去形だ。
今年の夏の甲子園決勝戦は14時丁度の開始予定。
通常デーゲームで行われる2部リーグと3部リーグの試合は時間が被る。
まあ、準決勝までもそうなる試合はあったが、次は決勝戦。
話題性が段違いだ。
例年、同時間帯のテレビやネット配信の視聴率は大部分がかっさらわれる。
かと言ってナイトゲームにすると、今度は1部リーグの試合と重なってしまう。
スポンサーとの兼ね合いもあり、機構側もそれは回避したい。
そんなこんなで、2部リーグと3部リーグの今日の試合は前世では片手で数えられるぐらいしか前例のないモーニングゲームで開催される運びとなっていた。
で、俺達は既に勝利して滞在先に戻ってきた訳だ。
前日は通常のデーゲームで、翌日はモーニングゲーム。
まあ、ナイトゲームからのデーゲームと似たようなものではあるけれども、無計画に夜更かしでもしたのかチームメイトはキツイキツイの大合唱だった。
とは言え、ダブルヘッダーよりは余程マシだろう。
前世よりもチームの数が多い関係で、こちらの世界は試合数が多い。
そのせいで、悪天候で中止が続くとダブルヘッダーも割と普通に起こるからな。
「始まる」
頭の中で今日の振り返りをしていると、クイクイと腕を引っ張られる。
時計は間もなく14時丁度を指し示そうとしているところ。
刻限だ。
意識をテレビ画面へと移す。
「みなみー、頑張れ」
そこに美海ちゃんの姿が映り、あーちゃんが応援の言葉を口にした。
他の面々の顔も目に入る。
昇二、大松君、倉本さん。そして正樹も。
画面越しながら皆、程よい緊張状態で試合に臨んでいるように見える。
これなら実力を発揮できずに終わるといったことはないだろう。
先攻は山形県立向上冠高校。
後攻が東京プレスギガンテスユース。
マウンドにはまず準々決勝戦195球の熱投から中3日の正樹が上がる。
投球練習を見た限りでは、調子も悪くはなさそうだ。
何球かの後、審判が試合開始のコールを口にする。
サイレンが鳴り響く。
それを合図にするように、正樹が大きく振りかぶった。
高校3年の総決算。
全国高校生硬式野球選手権大会決勝戦の幕が切って落とされた。
0
あなたにおすすめの小説
追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜
音無響一
ファンタジー
わーい、異世界来ちゃった!
スキルスキル〜何かな何かな〜
ネットスーパー……?
これチートでしょ!?
当たりだよね!?
なになに……
注文できるのは、食材と調味料だけ?
完成品は?
カップ麺は?
え、私料理できないんだけど。
──詰みじゃん。
と思ったら、追放された料理人に拾われました。
素材しか買えない転移JK
追放された料理人
完成品ゼロ
便利アイテムなし
あるのは、調味料。
焼くだけなのに泣く。
塩で革命。
ソースで敗北。
そしてなぜかペンギンもいる。
今日も異世界で、
調味料無双しちゃいます!
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
異世界での異生活 ~騎士団長の憂鬱~
なにがし
ファンタジー
成人年齢15歳、結婚適齢期40~60歳、平均寿命200歳の異世界。その世界での小さな国の小さな街の話。
40歳で父の跡を継いで騎士団長に就任した女性、マチルダ・ダ・クロムウェル。若くして団長になった彼女に、部下達はその実力を疑っていた。彼女は団長としての任務をこなそうと、頑張るがなかなか思うようにいかず、憂鬱な日々を送る羽目に。
そんな彼女の憂鬱な日々のお話です。
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中
『三度目の滅びを阻止せよ ―サラリーマン係長の異世界再建記―』
KAORUwithAI
ファンタジー
45歳、胃薬が手放せない大手総合商社営業部係長・佐藤悠真。
ある日、横断歩道で子供を助け、トラックに轢かれて死んでしまう。
目を覚ますと、目の前に現れたのは“おじさんっぽい神”。
「この世界を何とかしてほしい」と頼まれるが、悠真は「ただのサラリーマンに何ができる」と拒否。
しかし神は、「ならこの世界は三度目の滅びで終わりだな」と冷徹に突き放す。
結局、悠真は渋々承諾。
与えられたのは“現実知識”と“ワールドサーチ”――地球の知識すら検索できる探索魔法。
さらに肉体は20歳に若返り、滅びかけの異世界に送り込まれた。
衛生観念もなく、食糧も乏しく、二度の滅びで人々は絶望の淵にある。
だが、係長として培った経験と知識を武器に、悠真は人々をまとめ、再び世界を立て直そうと奮闘する。
――これは、“三度目の滅び”を阻止するために挑む、ひとりの中年係長の異世界再建記である。
異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない
葉泪秋
ファンタジー
HOTランキング1位感謝です!(2/3)
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー)
ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。
神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。
そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。
ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。
早く穏やかに暮らしたい。
俺は今日も、規格外に育った野菜を手に、皆の姿を眺めている。
【毎日18:00更新】
※表紙画像はAIを使用しています
勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます
水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。
勇者、聖女、剣聖――
華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。
【戦術構築サポートAI】
【アンドロイド工廠】
【兵器保管庫】
【兵站生成モジュール】
【拠点構築システム】
【個体強化カスタマイズ】
王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。
だが――
この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。
最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。
識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。
「今日からお前はレイナだ」
これは、勇者ではない男が、
メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。
屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、
趣味全開で異世界を生きていく。
魔王とはいずれ戦うことになるだろう。
だが今は――
まずは冒険者登録からだ。
木を叩いただけでレベルアップ⁉︎生まれついての豪運さんの豪快無敵な冒険譚!
神崎あら
ファンタジー
運動も勉強も特に秀でていないがめっちゃ運が良い、ただそれだけのオルクスは15歳になり冒険者としてクエストに挑む。
そこで彼は予想だにしない出来事に遭遇する。
これは初期ステータスを運だけに全振りしたオルクスの豪運冒険譚である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる