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最終章 転生野球大戦編
閑話36 WBW日本代表対イタリア代表特別強化試合全国放送生中継
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フォスフォライトスタジアム那覇で行われております日本代表対イタリア代表特別強化試合は現在、1回の攻防を終えたところ。
先攻の日本代表は1回の表、3本のホームランで4点を先制しました。
一方でイタリア代表は1回の裏、3者凡退で無得点に終わって4-0のまま。
そんな初回の試合展開となっておりますが……。
綿原さん。ここまでを御覧になって如何でしょう。
さすがに女性選手では力不足、ということになってしまうのでしょうか。
いえ、そのように判断してしまうのは早計過ぎると思います。
イタリア代表先発のアンジェリカ選手にしても、4失点の後はノーアウトからそれ以上失点せず3者凡退に切って取った訳ですからね。
むしろキッチリ打ち込んだ4人の方を褒めるべきでしょう。
特に、秀治郎選手に関してはまた明らかなボール球をスタンドに放り込んで。
アレをやられてしまったら、ピッチャーとしては堪ったものじゃないですよ。
本当に。
アンジェリカ選手の球筋自体は非常にいいですし、日本人選手の中に放り込んでもトップクラスに入れる実力の持ち主と言っても何ら過言ではありません。
現役時代の私よりも信頼できるピッチャーかもしれないですね。
それ程ですか……。
で、では、攻撃面は如何でしょうか。
まあ、まだ1回裏が終わっただけなので一概には言えませんが……。
単純に、磐城選手と秀治郎選手のバッテリーが想像以上に素晴らしい出来だったからこその3者凡退という結果だったと思います。
そもそも磐城選手のあの精密な変化量のコントロールは、何度も実際に体験してみないと対応するのは中々に困難ですからね。
更に言えば、磐城選手は大松選手との比較で技巧派投手とされていますが、実際はMax162km/hの剛腕でもあります。
変化球を意識したら直球で、直球を意識したら変化球で仕留めることができる。
そのコンビネーションを初見で攻略することは非常に困難です。
加えて、今のところ秀治郎選手のリードも非常に効果的に見えます。
そのおかげか、はたまた特別強化合宿のおかげなのか。
磐城選手自身、レギュラーシーズンの時よりも遥かに球が走っています。
今のあの2人と対峙して容易に打つことができる選手は限られているでしょう。
決して、イタリア代表の女性選手が特別劣っているという話ではありません。
磐城選手と秀治郎選手は中学生時代にバッテリーを組んで全国制覇を成し遂げた2人なので、もしかすると相性がいいのかもしれませんね。
ああ。それも確かにあるかもしれません。
加えて、久し振りに仲間として試合に臨む訳ですからね。
ある意味、代表戦の醍醐味の1つです。
私達が興奮する以上に、選手達もモチベーションが高まっていることでしょう。
そうですね。
しかし、初対戦のアドバンテージというものを考えると、やはり2巡目からが本当の勝負ということになるでしょうか。
まあ、普通の試合で考えればその通りですが、今日は特別強化試合です。
2度目の対戦機会があるかは分かりません。
勿論、あれば対応してくる可能性は十二分にあります。
実際、見逃し方にしろスイングにしろ、堂に入ってましたからね。
事前の練習も拝見しましたが、他のイタリア代表の男性選手と実力差があるようには全く感じられませんでした。
それどころか、総合的には上回っているようにすら見えました。
あの細腕であのスイングスピードは尋常ではありません。
何よりイタリア代表の次の攻撃はルカ選手、アントニーノ選手と続く打順です。
1巡目だとしても油断できるような状況には決してなり得ないでしょう。
どうあれ、相手は国を代表して招集された選手。
舐めてかかってはいけない、ということですね。
その通りです。
綿原さん、ありがとうございます。
さて、2回の表。
日本代表の攻撃が始まります。
イタリア代表はピッチャーを代えてきました。
アンジェリカ選手と同じサウスポー。
イタリアのエースであるルカ・デ・ルカ選手がマウンドに上がっています。
投球練習が終わって今、8番の大松選手が右の打席に入りました。
やはり事前情報の通り、アンジェリカ選手が2番手だったようですね。
彼女はいいピッチャーですが、それ以上に日本代表の打線が強力過ぎました。
後続のピッチャーでも抑えることはできないと判断し、エースピッチャーであるルカ・デ・ルカ選手を投入せざるを得なくなったのでしょう。
と言うと?
今回の試合はイタリアでも中継されていると聞いています。
彼らとしても、余りに悲惨な結果を本国に見せる訳にはいきません。
結果として、イタリア代表はエースピッチャーであるルカ選手を早々に引きずり出された形となってしまったのだと思います。
ですが、もし彼が打ち込まれてしまったら。
イタリア代表は一層悲惨な状態になってしまいませんか?
ルカ選手の事前情報を見る限りでは、さすがに容易ではないと思いますが……。
もしそうなったとしても、半端に希望を残した状態にするぐらいなら1度全てを壊して1からやり直した方が結果としてイタリアのためになるでしょう。
スクデットリーグにおけるレギュラーシーズンの結果を見れば、彼らがイタリア最強の精鋭達であることに変わりはありませんからね。
ルカ選手を登板させることなく、後続のピッチャーまで炎上して試合が壊れる。
そのような半端な形で試合を終わってしまっては、わざわざ日本くんだりまでしてこの特別強化試合を行う意味がなくなってしまいます。
つまるところ。
イタリアもこの試合をWBWの試金石として活用する意思はあるようですね。
金銭的、時間的なコストがかかっている以上は当然でしょう。
まともな考え方をしていれば、折角の機会を無駄にできる訳がありません。
日本代表としても、この機会に是非ともイタリアのエースピッチャーであるルカ選手のパフォーマンスを余すところなく確認しておきたいところですが……。
そのルカ選手。
大松選手に対し、ノーワインドアップから第1球を……投げました!
直球! 低めに外れてボールッ!
しかし、球速は167km/h!
ルカ選手、初球から自己最速を記録してきました!
これは……数値こそ及びませんが、野村秀治郎選手のストレートに勝るとも劣らない威力がありそうです。
もしかするとスピンレートは上回っているんじゃないかな。
計測データが欲しいところですね。
その辺りの情報は私共には入ってきませんので、お伝えすることができません。
視聴者の皆様には、何卒ご了承の程よろしくお願いいたします。
……それにしても、最近のピッチャーは当然のように自己最速を連発しますね。
そうですね。
もしかすると、撮影技術や画像解析技術が進歩してピッチングフォームが安定するようになったからかもしれません。
成程。
昔に比べ、フォームチェックは間違いなく容易になっているはずですからね。
っと、ルカ選手、第2球を投げました!
打ちましたっ! 打球は高く上がった! センター追いかける!
追いかけて……フェンス手前で足をとめ、振り返りました。
打球はスタンドに届かず、失速。
2回の表の先頭打者はセンターフライに倒れて1アウト。
綿原さん。今の球はスイーパーでしょうか。
そうですね。
しかし、変化量がこれは余りにも大きい。
秀治郎選手の最大変化量を僅かですが、上回っているようにも見えます。
大松選手もまた、その予想以上に鋭い変化を目で追い切れなかったようです。
これは追加点を取るのは中々厳しいかもしれません。
(綿原博介の推測の正しさを示すように。続く9番の磐城巧、1番の野村茜も共にフライアウトとなって3者凡退となる)
……野村茜選手まで凡退してしまうのは非常に珍しいですね。
そうですね。
彼女の場合は芯で的確に捉えてはいましたが、左翼の深いところで守っていたレフトの正面を突いてしまった形でした。
ミスショットというよりは若干のパワー不足という評価になるかと思います。
しかし、本来であれば3割打てば上等なのが野球というスポーツですからね。
僅か1打席の凡退を珍事のようにとらえてしまうのは、昨シーズンの成績で感覚が狂わされているとしか言いようがありません。
本当に、その通りですね。
一昨年までの数字を思い返すと、別のスポーツをしているかのようです。
これが落ち着くのはかなり先のことになるかもしれません。
イタリアのトッププロリーグもそうだった訳ですが……。
他にもいくつかの国が昨年から過渡期を迎えています。
日本も含めて、当面は混乱が続いてしまうでしょう。
いずれにしても2回の表。日本代表は無得点。
2回の裏のイタリア代表の攻撃に移ります。
打順は4番のルカ選手から。
彼はそれこそイタリアのトッププロリーグでは史上最多記録を多く更新した、日本で言うところの秀治郎選手のような選手です。
先程話に出ました過渡期を迎えている国では、同じように球界の常識を一変させるような特別な選手が出現しています。
その大部分が二刀流と、ある種のシンクロニシティを感じざるを得ません。
そんなルカ選手と対峙する日本代表バッテリー。
初球に選んだのは……。
アウトコース低めから落ちるスプリットでしたが、ルカ選手は見送ってボール。
ルカ選手はファーストストライクから積極的に振ってくる傾向が強いので、初球は慎重にボールから入りましたね。
続いて第2球を……投げた!
インコース低めのボール球を振ってファウル!
1ボール1ストライク!
大きな変化のシンカーでしたね。
インコースのボールゾーン……高さとしては真ん中程度の位置から大きく曲がって、真ん中低めに外れるボール球でした。
3球目。秀治郎選手はキャッチャーミットを外に構え……。
打った! 3塁線破ってヒット!
レフトの山崎選手から中継のボールが返ってくる間に、ルカ選手は2塁へ!
ツーベースヒット!
イタリア代表、ノーアウトで得点圏にランナーを進めました!
シンカーを続けましたね。
アウトコース低めへの外れる球。
変化量としては2球目と同程度。
ルカ選手としては、これは若干ミスショット気味でしょう。
ボールの僅かに上を叩いています。
変化量を調整しているという情報により、僅かな迷いが生じた結果ですね。
しかし、痛烈なゴロは3塁の白露選手の脇を抜けて長打となりました。
打球速度がとにかく速い。
正に紙一重の攻防だったと思います。
少しでも打球が上がっていれば、この打球速度です。
たとえボール球でも間違いなくホームランになっていたことでしょう。
本当に恐ろしい選手です。
そのルカ選手は2塁ベース上で凄まじい形相。
磐城選手と秀治郎選手を睨んでいます。
あるいは、秀治郎選手に対する意趣返しをしようとしていたのかもしれません。
外角のボール球をホームランにすることで。
打席で何か話をしていたようですし、もしかすると秀治郎選手はその辺りを考慮に入れてリードしたのかもしれませんね。
結果としては痛み分け、というところでしょうか。
しかし、打席に懸ける集中力は今一つな感じがしますね。ルカ選手は。
ここぞという場面での秀治郎選手程の凄みは感じませんでした。
身体能力に任せて野球をやっているような感じでしょうか。
どことなく、そんな印象はありますね。
しかし、正にそのルカ選手の一打でノーアウトランナー2塁のピンチを迎えた日本代表ですが、ここでバッターボックスに5番のアントニーノ選手を迎えます。
マウンドに上がったルカ選手から追加点を挙げることが困難なのであれば、この点差をなるべく維持したいところですが……。
堅実で確実性の高いバッティングを評価されてルカ選手の後を打つイタリア屈指の巧打者に対し、磐城選手と秀治郎選手はどのように挑んでいくのか。
引き続き、注意深く見守っていきましょう。
先攻の日本代表は1回の表、3本のホームランで4点を先制しました。
一方でイタリア代表は1回の裏、3者凡退で無得点に終わって4-0のまま。
そんな初回の試合展開となっておりますが……。
綿原さん。ここまでを御覧になって如何でしょう。
さすがに女性選手では力不足、ということになってしまうのでしょうか。
いえ、そのように判断してしまうのは早計過ぎると思います。
イタリア代表先発のアンジェリカ選手にしても、4失点の後はノーアウトからそれ以上失点せず3者凡退に切って取った訳ですからね。
むしろキッチリ打ち込んだ4人の方を褒めるべきでしょう。
特に、秀治郎選手に関してはまた明らかなボール球をスタンドに放り込んで。
アレをやられてしまったら、ピッチャーとしては堪ったものじゃないですよ。
本当に。
アンジェリカ選手の球筋自体は非常にいいですし、日本人選手の中に放り込んでもトップクラスに入れる実力の持ち主と言っても何ら過言ではありません。
現役時代の私よりも信頼できるピッチャーかもしれないですね。
それ程ですか……。
で、では、攻撃面は如何でしょうか。
まあ、まだ1回裏が終わっただけなので一概には言えませんが……。
単純に、磐城選手と秀治郎選手のバッテリーが想像以上に素晴らしい出来だったからこその3者凡退という結果だったと思います。
そもそも磐城選手のあの精密な変化量のコントロールは、何度も実際に体験してみないと対応するのは中々に困難ですからね。
更に言えば、磐城選手は大松選手との比較で技巧派投手とされていますが、実際はMax162km/hの剛腕でもあります。
変化球を意識したら直球で、直球を意識したら変化球で仕留めることができる。
そのコンビネーションを初見で攻略することは非常に困難です。
加えて、今のところ秀治郎選手のリードも非常に効果的に見えます。
そのおかげか、はたまた特別強化合宿のおかげなのか。
磐城選手自身、レギュラーシーズンの時よりも遥かに球が走っています。
今のあの2人と対峙して容易に打つことができる選手は限られているでしょう。
決して、イタリア代表の女性選手が特別劣っているという話ではありません。
磐城選手と秀治郎選手は中学生時代にバッテリーを組んで全国制覇を成し遂げた2人なので、もしかすると相性がいいのかもしれませんね。
ああ。それも確かにあるかもしれません。
加えて、久し振りに仲間として試合に臨む訳ですからね。
ある意味、代表戦の醍醐味の1つです。
私達が興奮する以上に、選手達もモチベーションが高まっていることでしょう。
そうですね。
しかし、初対戦のアドバンテージというものを考えると、やはり2巡目からが本当の勝負ということになるでしょうか。
まあ、普通の試合で考えればその通りですが、今日は特別強化試合です。
2度目の対戦機会があるかは分かりません。
勿論、あれば対応してくる可能性は十二分にあります。
実際、見逃し方にしろスイングにしろ、堂に入ってましたからね。
事前の練習も拝見しましたが、他のイタリア代表の男性選手と実力差があるようには全く感じられませんでした。
それどころか、総合的には上回っているようにすら見えました。
あの細腕であのスイングスピードは尋常ではありません。
何よりイタリア代表の次の攻撃はルカ選手、アントニーノ選手と続く打順です。
1巡目だとしても油断できるような状況には決してなり得ないでしょう。
どうあれ、相手は国を代表して招集された選手。
舐めてかかってはいけない、ということですね。
その通りです。
綿原さん、ありがとうございます。
さて、2回の表。
日本代表の攻撃が始まります。
イタリア代表はピッチャーを代えてきました。
アンジェリカ選手と同じサウスポー。
イタリアのエースであるルカ・デ・ルカ選手がマウンドに上がっています。
投球練習が終わって今、8番の大松選手が右の打席に入りました。
やはり事前情報の通り、アンジェリカ選手が2番手だったようですね。
彼女はいいピッチャーですが、それ以上に日本代表の打線が強力過ぎました。
後続のピッチャーでも抑えることはできないと判断し、エースピッチャーであるルカ・デ・ルカ選手を投入せざるを得なくなったのでしょう。
と言うと?
今回の試合はイタリアでも中継されていると聞いています。
彼らとしても、余りに悲惨な結果を本国に見せる訳にはいきません。
結果として、イタリア代表はエースピッチャーであるルカ選手を早々に引きずり出された形となってしまったのだと思います。
ですが、もし彼が打ち込まれてしまったら。
イタリア代表は一層悲惨な状態になってしまいませんか?
ルカ選手の事前情報を見る限りでは、さすがに容易ではないと思いますが……。
もしそうなったとしても、半端に希望を残した状態にするぐらいなら1度全てを壊して1からやり直した方が結果としてイタリアのためになるでしょう。
スクデットリーグにおけるレギュラーシーズンの結果を見れば、彼らがイタリア最強の精鋭達であることに変わりはありませんからね。
ルカ選手を登板させることなく、後続のピッチャーまで炎上して試合が壊れる。
そのような半端な形で試合を終わってしまっては、わざわざ日本くんだりまでしてこの特別強化試合を行う意味がなくなってしまいます。
つまるところ。
イタリアもこの試合をWBWの試金石として活用する意思はあるようですね。
金銭的、時間的なコストがかかっている以上は当然でしょう。
まともな考え方をしていれば、折角の機会を無駄にできる訳がありません。
日本代表としても、この機会に是非ともイタリアのエースピッチャーであるルカ選手のパフォーマンスを余すところなく確認しておきたいところですが……。
そのルカ選手。
大松選手に対し、ノーワインドアップから第1球を……投げました!
直球! 低めに外れてボールッ!
しかし、球速は167km/h!
ルカ選手、初球から自己最速を記録してきました!
これは……数値こそ及びませんが、野村秀治郎選手のストレートに勝るとも劣らない威力がありそうです。
もしかするとスピンレートは上回っているんじゃないかな。
計測データが欲しいところですね。
その辺りの情報は私共には入ってきませんので、お伝えすることができません。
視聴者の皆様には、何卒ご了承の程よろしくお願いいたします。
……それにしても、最近のピッチャーは当然のように自己最速を連発しますね。
そうですね。
もしかすると、撮影技術や画像解析技術が進歩してピッチングフォームが安定するようになったからかもしれません。
成程。
昔に比べ、フォームチェックは間違いなく容易になっているはずですからね。
っと、ルカ選手、第2球を投げました!
打ちましたっ! 打球は高く上がった! センター追いかける!
追いかけて……フェンス手前で足をとめ、振り返りました。
打球はスタンドに届かず、失速。
2回の表の先頭打者はセンターフライに倒れて1アウト。
綿原さん。今の球はスイーパーでしょうか。
そうですね。
しかし、変化量がこれは余りにも大きい。
秀治郎選手の最大変化量を僅かですが、上回っているようにも見えます。
大松選手もまた、その予想以上に鋭い変化を目で追い切れなかったようです。
これは追加点を取るのは中々厳しいかもしれません。
(綿原博介の推測の正しさを示すように。続く9番の磐城巧、1番の野村茜も共にフライアウトとなって3者凡退となる)
……野村茜選手まで凡退してしまうのは非常に珍しいですね。
そうですね。
彼女の場合は芯で的確に捉えてはいましたが、左翼の深いところで守っていたレフトの正面を突いてしまった形でした。
ミスショットというよりは若干のパワー不足という評価になるかと思います。
しかし、本来であれば3割打てば上等なのが野球というスポーツですからね。
僅か1打席の凡退を珍事のようにとらえてしまうのは、昨シーズンの成績で感覚が狂わされているとしか言いようがありません。
本当に、その通りですね。
一昨年までの数字を思い返すと、別のスポーツをしているかのようです。
これが落ち着くのはかなり先のことになるかもしれません。
イタリアのトッププロリーグもそうだった訳ですが……。
他にもいくつかの国が昨年から過渡期を迎えています。
日本も含めて、当面は混乱が続いてしまうでしょう。
いずれにしても2回の表。日本代表は無得点。
2回の裏のイタリア代表の攻撃に移ります。
打順は4番のルカ選手から。
彼はそれこそイタリアのトッププロリーグでは史上最多記録を多く更新した、日本で言うところの秀治郎選手のような選手です。
先程話に出ました過渡期を迎えている国では、同じように球界の常識を一変させるような特別な選手が出現しています。
その大部分が二刀流と、ある種のシンクロニシティを感じざるを得ません。
そんなルカ選手と対峙する日本代表バッテリー。
初球に選んだのは……。
アウトコース低めから落ちるスプリットでしたが、ルカ選手は見送ってボール。
ルカ選手はファーストストライクから積極的に振ってくる傾向が強いので、初球は慎重にボールから入りましたね。
続いて第2球を……投げた!
インコース低めのボール球を振ってファウル!
1ボール1ストライク!
大きな変化のシンカーでしたね。
インコースのボールゾーン……高さとしては真ん中程度の位置から大きく曲がって、真ん中低めに外れるボール球でした。
3球目。秀治郎選手はキャッチャーミットを外に構え……。
打った! 3塁線破ってヒット!
レフトの山崎選手から中継のボールが返ってくる間に、ルカ選手は2塁へ!
ツーベースヒット!
イタリア代表、ノーアウトで得点圏にランナーを進めました!
シンカーを続けましたね。
アウトコース低めへの外れる球。
変化量としては2球目と同程度。
ルカ選手としては、これは若干ミスショット気味でしょう。
ボールの僅かに上を叩いています。
変化量を調整しているという情報により、僅かな迷いが生じた結果ですね。
しかし、痛烈なゴロは3塁の白露選手の脇を抜けて長打となりました。
打球速度がとにかく速い。
正に紙一重の攻防だったと思います。
少しでも打球が上がっていれば、この打球速度です。
たとえボール球でも間違いなくホームランになっていたことでしょう。
本当に恐ろしい選手です。
そのルカ選手は2塁ベース上で凄まじい形相。
磐城選手と秀治郎選手を睨んでいます。
あるいは、秀治郎選手に対する意趣返しをしようとしていたのかもしれません。
外角のボール球をホームランにすることで。
打席で何か話をしていたようですし、もしかすると秀治郎選手はその辺りを考慮に入れてリードしたのかもしれませんね。
結果としては痛み分け、というところでしょうか。
しかし、打席に懸ける集中力は今一つな感じがしますね。ルカ選手は。
ここぞという場面での秀治郎選手程の凄みは感じませんでした。
身体能力に任せて野球をやっているような感じでしょうか。
どことなく、そんな印象はありますね。
しかし、正にそのルカ選手の一打でノーアウトランナー2塁のピンチを迎えた日本代表ですが、ここでバッターボックスに5番のアントニーノ選手を迎えます。
マウンドに上がったルカ選手から追加点を挙げることが困難なのであれば、この点差をなるべく維持したいところですが……。
堅実で確実性の高いバッティングを評価されてルカ選手の後を打つイタリア屈指の巧打者に対し、磐城選手と秀治郎選手はどのように挑んでいくのか。
引き続き、注意深く見守っていきましょう。
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この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
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