第3次パワフル転生野球大戦ACE

青空顎門

文字の大きさ
364 / 421
最終章 転生野球大戦編

閑話36 WBW日本代表対イタリア代表特別強化試合全国放送生中継

しおりを挟む
 フォスフォライトスタジアム那覇で行われております日本代表対イタリア代表特別強化試合は現在、1回の攻防を終えたところ。
 先攻の日本代表は1回の表、3本のホームランで4点を先制しました。
 一方でイタリア代表は1回の裏、3者凡退で無得点に終わって4-0のまま。
 そんな初回の試合展開となっておりますが……。
 綿原さん。ここまでを御覧になって如何でしょう。
 さすがに女性選手では力不足、ということになってしまうのでしょうか。

 いえ、そのように判断してしまうのは早計過ぎると思います。
 イタリア代表先発のアンジェリカ選手にしても、4失点の後はノーアウトからそれ以上失点せず3者凡退に切って取った訳ですからね。
 むしろキッチリ打ち込んだ4人の方を褒めるべきでしょう。
 特に、秀治郎選手に関してはまた明らかなボール球をスタンドに放り込んで。
 アレをやられてしまったら、ピッチャーとしては堪ったものじゃないですよ。
 本当に。
 アンジェリカ選手の球筋自体は非常にいいですし、日本人選手の中に放り込んでもトップクラスに入れる実力の持ち主と言っても何ら過言ではありません。
 現役時代の私よりも信頼できるピッチャーかもしれないですね。

 それ程ですか……。
 で、では、攻撃面は如何でしょうか。

 まあ、まだ1回裏が終わっただけなので一概には言えませんが……。
 単純に、磐城選手と秀治郎選手のバッテリーが想像以上に素晴らしい出来だったからこその3者凡退という結果だったと思います。
 そもそも磐城選手のあの精密な変化量のコントロールは、何度も実際に体験してみないと対応するのは中々に困難ですからね。
 更に言えば、磐城選手は大松選手との比較で技巧派投手とされていますが、実際はMax162km/hの剛腕でもあります。
 変化球を意識したら直球で、直球を意識したら変化球で仕留めることができる。
 そのコンビネーションを初見で攻略することは非常に困難です。
 加えて、今のところ秀治郎選手のリードも非常に効果的に見えます。
 そのおかげか、はたまた特別強化合宿のおかげなのか。
 磐城選手自身、レギュラーシーズンの時よりも遥かに球が走っています。
 今のあの2人と対峙して容易に打つことができる選手は限られているでしょう。
 決して、イタリア代表の女性選手が特別劣っているという話ではありません。

 磐城選手と秀治郎選手は中学生時代にバッテリーを組んで全国制覇を成し遂げた2人なので、もしかすると相性がいいのかもしれませんね。

 ああ。それも確かにあるかもしれません。
 加えて、久し振りに仲間として試合に臨む訳ですからね。
 ある意味、代表戦の醍醐味の1つです。
 私達が興奮する以上に、選手達もモチベーションが高まっていることでしょう。

 そうですね。
 しかし、初対戦のアドバンテージというものを考えると、やはり2巡目からが本当の勝負ということになるでしょうか。

 まあ、普通の試合で考えればその通りですが、今日は特別強化試合です。
 2度目の対戦機会があるかは分かりません。
 勿論、あれば対応してくる可能性は十二分にあります。
 実際、見逃し方にしろスイングにしろ、堂に入ってましたからね。
 事前の練習も拝見しましたが、他のイタリア代表の男性選手と実力差があるようには全く感じられませんでした。
 それどころか、総合的には上回っているようにすら見えました。
 あの細腕であのスイングスピードは尋常ではありません。
 何よりイタリア代表の次の攻撃はルカ選手、アントニーノ選手と続く打順です。
 1巡目だとしても油断できるような状況には決してなり得ないでしょう。

 どうあれ、相手は国を代表して招集された選手。
 舐めてかかってはいけない、ということですね。

 その通りです。

 綿原さん、ありがとうございます。
 さて、2回の表。
 日本代表の攻撃が始まります。
 イタリア代表はピッチャーを代えてきました。
 アンジェリカ選手と同じサウスポー。
 イタリアのエースであるルカ・デ・ルカ選手がマウンドに上がっています。
 投球練習が終わって今、8番の大松選手が右の打席に入りました。

 やはり事前情報の通り、アンジェリカ選手が2番手だったようですね。
 彼女はいいピッチャーですが、それ以上に日本代表の打線が強力過ぎました。
 後続のピッチャーでも抑えることはできないと判断し、エースピッチャーであるルカ・デ・ルカ選手を投入せざるを得なくなったのでしょう。

 と言うと?

 今回の試合はイタリアでも中継されていると聞いています。
 彼らとしても、余りに悲惨な結果を本国に見せる訳にはいきません。
 結果として、イタリア代表はエースピッチャーであるルカ選手を早々に引きずり出された形となってしまったのだと思います。

 ですが、もし彼が打ち込まれてしまったら。
 イタリア代表は一層悲惨な状態になってしまいませんか?

 ルカ選手の事前情報を見る限りでは、さすがに容易ではないと思いますが……。
 もしそうなったとしても、半端に希望を残した状態にするぐらいなら1度全てを壊して1からやり直した方が結果としてイタリアのためになるでしょう。
 スクデットリーグにおけるレギュラーシーズンの結果を見れば、彼らがイタリア最強の精鋭達であることに変わりはありませんからね。
 ルカ選手を登板させることなく、後続のピッチャーまで炎上して試合が壊れる。
 そのような半端な形で試合を終わってしまっては、わざわざ日本くんだりまでしてこの特別強化試合を行う意味がなくなってしまいます。

 つまるところ。
 イタリアもこの試合をWBWの試金石として活用する意思はあるようですね。

 金銭的、時間的なコストがかかっている以上は当然でしょう。
 まともな考え方をしていれば、折角の機会を無駄にできる訳がありません。

 日本代表としても、この機会に是非ともイタリアのエースピッチャーであるルカ選手のパフォーマンスを余すところなく確認しておきたいところですが……。
 そのルカ選手。
 大松選手に対し、ノーワインドアップから第1球を……投げました!
 直球! 低めに外れてボールッ!
 しかし、球速は167km/h!
 ルカ選手、初球から自己最速を記録してきました!

 これは……数値こそ及びませんが、野村秀治郎選手のストレートに勝るとも劣らない威力がありそうです。
 もしかするとスピンレートは上回っているんじゃないかな。
 計測データが欲しいところですね。

 その辺りの情報は私共には入ってきませんので、お伝えすることができません。
 視聴者の皆様には、何卒ご了承の程よろしくお願いいたします。
 ……それにしても、最近のピッチャーは当然のように自己最速を連発しますね。

 そうですね。
 もしかすると、撮影技術や画像解析技術が進歩してピッチングフォームが安定するようになったからかもしれません。

 成程。
 昔に比べ、フォームチェックは間違いなく容易になっているはずですからね。
 っと、ルカ選手、第2球を投げました!
 打ちましたっ! 打球は高く上がった! センター追いかける!
 追いかけて……フェンス手前で足をとめ、振り返りました。
 打球はスタンドに届かず、失速。
 2回の表の先頭打者はセンターフライに倒れて1アウト。
 綿原さん。今の球はスイーパーでしょうか。

 そうですね。
 しかし、変化量がこれは余りにも大きい。
 秀治郎選手の最大変化量を僅かですが、上回っているようにも見えます。
 大松選手もまた、その予想以上に鋭い変化を目で追い切れなかったようです。
 これは追加点を取るのは中々厳しいかもしれません。

(綿原博介の推測の正しさを示すように。続く9番の磐城巧、1番の野村茜も共にフライアウトとなって3者凡退となる)

 ……野村茜選手まで凡退してしまうのは非常に珍しいですね。

 そうですね。
 彼女の場合は芯で的確に捉えてはいましたが、左翼の深いところで守っていたレフトの正面を突いてしまった形でした。
 ミスショットというよりは若干のパワー不足という評価になるかと思います。
 しかし、本来であれば3割打てば上等なのが野球というスポーツですからね。
 僅か1打席の凡退を珍事のようにとらえてしまうのは、昨シーズンの成績で感覚が狂わされているとしか言いようがありません。

 本当に、その通りですね。
 一昨年までの数字を思い返すと、別のスポーツをしているかのようです。

 これが落ち着くのはかなり先のことになるかもしれません。
 イタリアのトッププロリーグもそうだった訳ですが……。
 他にもいくつかの国が昨年から過渡期を迎えています。
 日本も含めて、当面は混乱が続いてしまうでしょう。

 いずれにしても2回の表。日本代表は無得点。
 2回の裏のイタリア代表の攻撃に移ります。
 打順は4番のルカ選手から。
 彼はそれこそイタリアのトッププロリーグでは史上最多記録を多く更新した、日本で言うところの秀治郎選手のような選手です。

 先程話に出ました過渡期を迎えている国では、同じように球界の常識を一変させるような特別な選手が出現しています。
 その大部分が二刀流と、ある種のシンクロニシティを感じざるを得ません。

 そんなルカ選手と対峙する日本代表バッテリー。
 初球に選んだのは……。
 アウトコース低めから落ちるスプリットでしたが、ルカ選手は見送ってボール。

 ルカ選手はファーストストライクから積極的に振ってくる傾向が強いので、初球は慎重にボールから入りましたね。

 続いて第2球を……投げた!
 インコース低めのボール球を振ってファウル!
 1ボール1ストライク!

 大きな変化のシンカーでしたね。
 インコースのボールゾーン……高さとしては真ん中程度の位置から大きく曲がって、真ん中低めに外れるボール球でした。

 3球目。秀治郎選手はキャッチャーミットを外に構え……。
 打った! 3塁線破ってヒット!
 レフトの山崎選手から中継のボールが返ってくる間に、ルカ選手は2塁へ!
 ツーベースヒット!
 イタリア代表、ノーアウトで得点圏にランナーを進めました!

 シンカーを続けましたね。
 アウトコース低めへの外れる球。
 変化量としては2球目と同程度。
 ルカ選手としては、これは若干ミスショット気味でしょう。
 ボールの僅かに上を叩いています。
 変化量を調整しているという情報により、僅かな迷いが生じた結果ですね。
 しかし、痛烈なゴロは3塁の白露選手の脇を抜けて長打となりました。
 打球速度がとにかく速い。
 正に紙一重の攻防だったと思います。
 少しでも打球が上がっていれば、この打球速度です。
 たとえボール球でも間違いなくホームランになっていたことでしょう。
 本当に恐ろしい選手です。

 そのルカ選手は2塁ベース上で凄まじい形相。
 磐城選手と秀治郎選手を睨んでいます。

 あるいは、秀治郎選手に対する意趣返しをしようとしていたのかもしれません。
 外角のボール球をホームランにすることで。

 打席で何か話をしていたようですし、もしかすると秀治郎選手はその辺りを考慮に入れてリードしたのかもしれませんね。

 結果としては痛み分け、というところでしょうか。
 しかし、打席に懸ける集中力は今一つな感じがしますね。ルカ選手は。
 ここぞという場面での秀治郎選手程の凄みは感じませんでした。

 身体能力に任せて野球をやっているような感じでしょうか。

 どことなく、そんな印象はありますね。

 しかし、正にそのルカ選手の一打でノーアウトランナー2塁のピンチを迎えた日本代表ですが、ここでバッターボックスに5番のアントニーノ選手を迎えます。
 マウンドに上がったルカ選手から追加点を挙げることが困難なのであれば、この点差をなるべく維持したいところですが……。
 堅実で確実性の高いバッティングを評価されてルカ選手の後を打つイタリア屈指の巧打者に対し、磐城選手と秀治郎選手はどのように挑んでいくのか。
 引き続き、注意深く見守っていきましょう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...