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悪の行方
走り出す勇者たち
しおりを挟む二人の華罪捜査官採用試験が終わり、結果が出るまでまた宿屋の手伝いをして過ごしていた。
梅乃も銀壱も、それぞれの試験の話を聞き、何故このような悪が生まれるのかを考えていた。
「龍華会と華狩……何が目的なのでしょうね」
「よく分からないですね…
でも大昔から華罪事件は起こっていたらしいので
絶対何か原因があるはず」
すると、楓子も二階から下りてきて、話に加わる。
「昔ね、この桜木にも居たのよ。
龍華会や華狩の人達が…」
「そうなんですか?」
「ええ。直接お話した事もあるわ。
でも皆、悪い人達には見えなかったの」
「じゃあ、どうして…」
「組織の中で、階級が上になればなるほど、
周りに悟られないように気をつけているのよ」
楓子の話によると、龍華会の幹部や華狩の高い階級の者たちは、普通の一般市民と同じように生活し、隠れて悪事を働いてるという。
だが一番タチが悪いのは、捜査官たちが見ていないところで人身売買をしたり、悪質な商売をして荒稼ぎしていること。
日頃、現行犯で逮捕されている下っ端たちは、その上層部に金で雇われているに過ぎないのだ。
「僕たちがこうして暮らしている時にも、
どこかで犯罪が行われているという事ですか…」
「そう。本当の悪は、深いところにあるのよ」
楓子も梅乃も、暗い顔になってしまった。
早く組織の元を潰さなければ、悪を滅することはできない。
「お届け物です」
「あら、ありがとう」
宿屋に二通の手紙が届いた。
華罪捜査本部から、梅乃と銀壱宛だ。
中身は、勿論「採用通知」だった。
配属先は、二人とも同じ。
「おめでとう!どこに配属になったの?」
「えーっと…
自由警備課 派遣捜査係って書いてます」
「きっと小さな村や町から依頼を受けた時に
一番に駆けつける捜査官のことね。
頑張って!」
「ありがとうございます!」
二人はついに、華罪捜査官として社会に出ることになった。
派遣捜査係は、その名の通り全国に派遣される捜査官のこと。
都市部に常駐している捜査官とは少し役割が違う。
そこへ、スーツの男が宿屋を訪ねてきた。
「こんにちは、華罪捜査官の前田 楠雄です」
「はぁ…なんの御用です?」
「そちらの早河 梅乃さんと、佐佐木 銀壱くんの
教育係として任命されました。
毎日送り届けますので、借りていきます」
前田はそう言うと、颯爽と二人をさらっていった。
早速、捜査依頼が入ったようだ。
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