華ノ道標-華罪捜査官-

山茶花

文字の大きさ
23 / 63
悪の行方

走り出す勇者たち

しおりを挟む

二人の華罪捜査官採用試験が終わり、結果が出るまでまた宿屋の手伝いをして過ごしていた。


梅乃も銀壱も、それぞれの試験の話を聞き、何故このような悪が生まれるのかを考えていた。



「龍華会と華狩……何が目的なのでしょうね」

「よく分からないですね…
 でも大昔から華罪事件は起こっていたらしいので
 絶対何か原因があるはず」



すると、楓子も二階から下りてきて、話に加わる。



「昔ね、この桜木にも居たのよ。
 龍華会や華狩の人達が…」

「そうなんですか?」

「ええ。直接お話した事もあるわ。
 でも皆、悪い人達には見えなかったの」

「じゃあ、どうして…」

「組織の中で、階級が上になればなるほど、
 周りに悟られないように気をつけているのよ」



楓子の話によると、龍華会の幹部や華狩の高い階級の者たちは、普通の一般市民と同じように生活し、隠れて悪事を働いてるという。


だが一番タチが悪いのは、捜査官たちが見ていないところで人身売買をしたり、悪質な商売をして荒稼ぎしていること。

日頃、現行犯で逮捕されている下っ端たちは、その上層部に金で雇われているに過ぎないのだ。



「僕たちがこうして暮らしている時にも、
 どこかで犯罪が行われているという事ですか…」

「そう。本当の悪は、深いところにあるのよ」



楓子も梅乃も、暗い顔になってしまった。

早く組織の元を潰さなければ、悪を滅することはできない。



「お届け物です」

「あら、ありがとう」



宿屋に二通の手紙が届いた。

華罪捜査本部から、梅乃と銀壱宛だ。


中身は、勿論「採用通知」だった。
配属先は、二人とも同じ。



「おめでとう!どこに配属になったの?」

「えーっと…
 自由警備課 派遣捜査係って書いてます」

「きっと小さな村や町から依頼を受けた時に
 一番に駆けつける捜査官のことね。
 頑張って!」

「ありがとうございます!」



二人はついに、華罪捜査官として社会に出ることになった。

派遣捜査係は、その名の通り全国に派遣される捜査官のこと。
都市部に常駐している捜査官とは少し役割が違う。



そこへ、スーツの男が宿屋を訪ねてきた。



「こんにちは、華罪捜査官の前田 楠雄まえだ くすおです」

「はぁ…なんの御用です?」

「そちらの早河 梅乃さんと、佐佐木 銀壱くんの
 教育係として任命されました。
 毎日送り届けますので、借りていきます」



前田はそう言うと、颯爽と二人をさらっていった。

早速、捜査依頼が入ったようだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

処理中です...