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標的の花
嵐の前の静けさ
しおりを挟む前田たちは京の居る鹿戸に呼び出された。
真藤を連れ出してから鹿戸に行くのは久しぶりになる。
今、鹿戸の警備は特に重要視されている。
重要な任務が故、特別捜査班が警備に就いていた。
応援要請が出たということは、鹿戸で京たちの動きがあったということだ。
三人が鹿戸に着くと、真藤の聴取担当の女性捜査官が出迎えた。
「お疲れ様。急に悪かったわね」
「お疲れ。問題ない。
何か動きがあったか?」
「ええ。真藤に話を聞いてから、
張ってた特捜班から連絡をもらったの。
京の屋敷に人が夜毎集まっているって」
「そろそろ会議か…」
複数の捜査官が変装をしたり街に溶け込むようにして屋敷を見張っている。
真藤の言っていたことが正しいのであれば、ここで新しい華罪事件を計画し、会議を止められなければそのまま計画は実行されてしまう。
通常、現行犯以外は逮捕が難しいとされているが、特捜班ではその実績がある。
それに今回は本部長からの許可が下りている為出来る限り事件を未然に防ごうということになっている。
「前田君たち三人は、私たちが突入した後に
一緒に着いてきて!」
「了解。傍で待機しておく」
最前線には特捜班が居て、隙を見て屋敷に潜入する。
前田たちは合図があるまで建物の影で待機することに。
梅乃の心拍数は徐々に上がっていった。
この会議は、何としても阻止しなければならない。
阻止できなければ、また両親と同じような被害者が出てしまうかもしれない。
そしてより紫に近い人物を確保すれば、過去の未解決事件も解決に導ける可能性が上がる。
その思いは銀壱も同じ。
約10年前、目の前で息絶えた母親の姿が頭をよぎる。
「あ、男が一人、屋敷に入りますよ!」
「もうこれで結構な人数が集まっているはずだ。
あそこの部屋に明かりがついたら会議が始まるぞ」
「始まったら特捜班が突入するのですね」
ここ数日、少しずつこの屋敷に華狩の幹部と見られる人物たちが集まってきている。
捜査官が把握しているだけでもう十数人だ。
そして、突入の合図となる部屋の明かりが点灯した。
「突入!!」
「前田君たちも!行くわよ!」
特捜班の捜査官たちがゆっくり慎重に屋敷へ入っていく。
前田たちもその後に続く。
中に入ると屋敷は怪しいくらいに物音が無く、嵐の前の静けさという雰囲気だった。
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