華ノ道標-華罪捜査官-

山茶花

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総力戦

真意とは

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――翌朝


「朝の巡回へ行くぞ」

「前田さん、何かすごい気合い入ってますね…」



前田は昨夜の本部からの報告を、二人には黙っていた。

余計な心配をさせる、そして警備に焦りが出る。
そう思ったのだ。

こうして捜査官として立派に活動する二人も、まだまだ若いのだから。


頭の中を切り替えて、今日も平和に夜を迎えられるようにまず朝の巡回警備を開始した三人。

昨日感じた花の香りも、今は漂ってこない。
気のせいだったということも考えられる。



そして2時間ほど町を歩き、犯罪や怪しい人物など何も無いことを確認した。

ここが平和であればあるほど、前田の不安は大きくなる。
以前、京の屋敷に突入した時のあの静けさと似ているからだ。

決して油断は許されない。


そこで突然前田の無線機が鳴り、慌てて応答した。



「はい、前田です」

「研究室の卯月だ。今ちょっといいか?」

「ああお前か。何だ?」

「前に頼まれていた京の毛髪の
 検査結果が出たぞ」

「は?俺、知らないぞ」



卯月からの知らせに、前田は驚いていた。


というのも、鹿戸の警備の際、梅乃が京と揉み合いになった時のこと。

梅乃は近づいてきた京に竹刀を振るったその隙に、一本だけ髪の毛を採取できたのだ。

梅乃がその後医務室に卯月を呼び、検査を依頼していた。



「すみません。報告するのをすっかり忘れて…」

「そういうことなら問題ない。
 で、結果は?」

「村長殺害の現場に落ちていたものと、
 完全に同じものだった」

「やはりそうか…連絡ありがとう」



卯月の言葉を聞いた前田たちは、一旦梅乃の屋敷へ戻り、今回の警備内容や龍華会と華狩の関係を再度整理し、話し合うことにした。


屋敷に帰ってくると、早速会議を始める三人。



「結局、京は村長の殺害にも関与していたってことだ」

「そうですね。京が龍華の幹部に
 指示をして殺らせたということでしょう」

「一先ず、龍華の幹部の身柄は確保しなければ」

「そうだな。恐らく、既に特捜班が動いているはず」

「本部に確認してみましょうか」



前田の無線機で本部へ連絡をする。

龍華会幹部は既にもう確保されているだろう、そんな予想をしていた三人。


だが、本部からの回答は思わぬものだった。



「あの龍華の幹部ですか。
 昨晩、特捜班が確保に向かったのですが…」

「どうなった?確保したんだろう?」

「それが、アジトで毒を飲み自殺していたそうです」

「なんだと…!?」



罪の意識で自殺する者が、あの幹部の中に居るとは到底思えない。

京が村長殺害の現場に居たことは確かであり、それが今回の自殺にも関係していると言えるだろう。


前田は本部との連絡を切り、会議へ戻る。



「自殺だとよ…不自然だと思わないか?」

「京が、自分の指示だということを漏らさない為の
 口封じと言えると思います」

「だよなぁ。それか直接手を下さずとも、
 何らかの圧力をかけたという可能性もある」

「仲間にもこんな仕打ちを…
 ますます気味が悪いですね」



龍華会幹部の自殺については、特捜班や研究室が本部で詳しく調べているらしい。


果たして、村長殺害事件を起こした本当の目的は次の狙いを匂わせる為だったのか。

なぜ幹部が自殺に追い込まれたのか。

榛名班や九重班が華狩に襲われたのも何か関係しているのか。


謎の多い華狩の事件が続いている。

三人は話し合い、華罪事件への警戒をより強めるという意識で一致した。
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