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王の野望編
第1話
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気が付くと、私はベッドの上だった。
どれほど気を失っていたのだろう。
左手で、右腕のあったであろう場所に手をやるが当然のように空を切った。
私の右腕には不思議な力があった。
傷ついた人に触れると癒すことができる不思議な力だ。
その力で私は幾人の傷を癒してきた。
人々は私のことを。
聖母ウェナの生まれ変わりだと讃えて慕ってくれていた。
私は自分の力を必要としてくれることがうれしくて、
見返りを求めることなく傷を癒し続けていた、
しかし、そのことが王、ダナゴンの目に留まってしまった。
王に呼び出されて謁見の間へ行くと、
彼は、私のことを国家の征服を企む魔女だと言い放ち、
直ちに処刑するよう騎士兵長アリウスに命じたのだった。
私は必死に弁明をしたが、聞き入れられることはなかった。
アリウスに拘束され、処刑されようとしたその時、
アリウスが哀れに思ってくれたのか、
命まで奪わずに、特殊な力を持つ右腕だけを切り落とせばいい、
と、王を説得してくれた。
そのおかげで、私は命までは奪われずに済んだ
しかし、私は右腕を失うことになった。
そして、私はそのショックと痛みで気を失った。
・
・
・
私は今の状況を把握するため周囲を見渡してみた。
ベッドの傍にある小さな小窓から入る夕陽の光が、
辛うじて部屋を照らしてくれていた。
その部屋は、ベッドが大半を占めるほどの小さな部屋で、
その他にあるものといえば、明かりの消えたランプの乗ったサイドテーブルと、
腰の高さほどの小さな本棚だけだった。
本棚には小さな子供が読むような絵本や、図鑑が並んでいた。
どうやら子供部屋のようだ。
私は体を起こして、一つしかない扉のもとへ向かった。
扉を開けようとして、右腕を失ったことをまた思い出した。
力を失ったことも悲しいが、利き腕を失くしてしまったことも辛い。
これからの生活を思い、涙が出そうになるのをグッと堪えて、
左手で扉を開けた。
扉を開けると、この家の主人と思しき人物がいた。
騎士兵長アリウスだ。
彼は私に気付くと椅子から立ち上がって歩み寄ってきた。
「気が付いたようだな。右腕のことはすまないと思う。
しかし、王の手前ああするほかなかった。」
彼は私の右腕のあったであろう場所をチラチラ見ながらバツの悪そうに言った。
「正直、だまし討ちのように呼び出されて、
急に命を奪おうとするなんて理不尽なこと、
許したくはありません。
しかし、王と違いあなたは私の命を救ってくれました。
右腕を失ったことは悲しいですが、
これも運命だったのかもしれません。」
彼に対する怒りが全くなかったわけではない。
腕を切り落とすという非人道的な行いを、
顔色一つ変えず平然と行った彼は、
王と同じくらいに残虐な男なのではないかと思った。
しかし、それでもあの時、彼が私のことを庇ってくれた。
私が今、彼に怒りの感情を抱くことができるのも、
彼の進言あってのことだった。
「なにか困りごとがあれば言ってくれ、
私で力になれることがあれば力になろう。
まずはお腹が減っただろう、何かつくろう。」
彼はそう言って私をそのまま食卓へ誘った。
その時初めて見た彼の笑みに、私は少し安心した。
冷酷非情だとおもっていたのは、
私の勘違いだったのかもしれないと思ったからだ。
私が食卓に着くと、
「お・・アク・だ・・せ」
急に頭の中に声が聞こえた。
最初は何を言っているのか聞き取れないくらい小さな声だった。
私は頭の中の声に耳を澄ませてみた。
今度は、はっきりと声が聞き取れた。
「王は悪魔だ、コロセ」
どれほど気を失っていたのだろう。
左手で、右腕のあったであろう場所に手をやるが当然のように空を切った。
私の右腕には不思議な力があった。
傷ついた人に触れると癒すことができる不思議な力だ。
その力で私は幾人の傷を癒してきた。
人々は私のことを。
聖母ウェナの生まれ変わりだと讃えて慕ってくれていた。
私は自分の力を必要としてくれることがうれしくて、
見返りを求めることなく傷を癒し続けていた、
しかし、そのことが王、ダナゴンの目に留まってしまった。
王に呼び出されて謁見の間へ行くと、
彼は、私のことを国家の征服を企む魔女だと言い放ち、
直ちに処刑するよう騎士兵長アリウスに命じたのだった。
私は必死に弁明をしたが、聞き入れられることはなかった。
アリウスに拘束され、処刑されようとしたその時、
アリウスが哀れに思ってくれたのか、
命まで奪わずに、特殊な力を持つ右腕だけを切り落とせばいい、
と、王を説得してくれた。
そのおかげで、私は命までは奪われずに済んだ
しかし、私は右腕を失うことになった。
そして、私はそのショックと痛みで気を失った。
・
・
・
私は今の状況を把握するため周囲を見渡してみた。
ベッドの傍にある小さな小窓から入る夕陽の光が、
辛うじて部屋を照らしてくれていた。
その部屋は、ベッドが大半を占めるほどの小さな部屋で、
その他にあるものといえば、明かりの消えたランプの乗ったサイドテーブルと、
腰の高さほどの小さな本棚だけだった。
本棚には小さな子供が読むような絵本や、図鑑が並んでいた。
どうやら子供部屋のようだ。
私は体を起こして、一つしかない扉のもとへ向かった。
扉を開けようとして、右腕を失ったことをまた思い出した。
力を失ったことも悲しいが、利き腕を失くしてしまったことも辛い。
これからの生活を思い、涙が出そうになるのをグッと堪えて、
左手で扉を開けた。
扉を開けると、この家の主人と思しき人物がいた。
騎士兵長アリウスだ。
彼は私に気付くと椅子から立ち上がって歩み寄ってきた。
「気が付いたようだな。右腕のことはすまないと思う。
しかし、王の手前ああするほかなかった。」
彼は私の右腕のあったであろう場所をチラチラ見ながらバツの悪そうに言った。
「正直、だまし討ちのように呼び出されて、
急に命を奪おうとするなんて理不尽なこと、
許したくはありません。
しかし、王と違いあなたは私の命を救ってくれました。
右腕を失ったことは悲しいですが、
これも運命だったのかもしれません。」
彼に対する怒りが全くなかったわけではない。
腕を切り落とすという非人道的な行いを、
顔色一つ変えず平然と行った彼は、
王と同じくらいに残虐な男なのではないかと思った。
しかし、それでもあの時、彼が私のことを庇ってくれた。
私が今、彼に怒りの感情を抱くことができるのも、
彼の進言あってのことだった。
「なにか困りごとがあれば言ってくれ、
私で力になれることがあれば力になろう。
まずはお腹が減っただろう、何かつくろう。」
彼はそう言って私をそのまま食卓へ誘った。
その時初めて見た彼の笑みに、私は少し安心した。
冷酷非情だとおもっていたのは、
私の勘違いだったのかもしれないと思ったからだ。
私が食卓に着くと、
「お・・アク・だ・・せ」
急に頭の中に声が聞こえた。
最初は何を言っているのか聞き取れないくらい小さな声だった。
私は頭の中の声に耳を澄ませてみた。
今度は、はっきりと声が聞き取れた。
「王は悪魔だ、コロセ」
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