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新しい世界
第5話
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フルトを出発して、南に走り、山を越えると
レイウェンの村に到着した。
レイウェンでは特に怪異も起こっておらず、
平和そのものだ。
当然、悪魔の気配もないし、
断章を指し示すコンパスの針も定まらない。
ただ、このままウルスを目指すのは時間的にも体力的にも大変なので、
ひとまず宿を探すことにした。
宿を探す最中、
以前レイウェンを訪れた時には見かけなかった占い師が、
道端でポツンと商いをしていたことに気付き、
私達は不思議とそれに引き付けられてしまった。
「どんなことを占えるんだ?」
自分も魔力だなんだと怪しい術を扱うクセに、
ベアトリスが懐疑的な目で占い師を見る。
「主に未来を視ます。」
占い師というより、預言師と言ったほうが近いということだろうか。
「当たるのか?」
ベアトリスが食い気味に聞き返す。
懐疑的なのかと思いきや、実際は興味津々なのかもしれない。
「さあ?
わたくしは旅をしながら占いをしておりますから、
一度占った方とお会いすることもないので、確かめたことはございません。」
占い師の常套句のようなはぐらかし方だ。
「自分の未来も視えるのか?」
リスバートも興味を持ち始めたのか、少し占い師に近づいて尋ねる。
「いいえ、自分のことは視えません。
わたくしは、その人の瞳を見て占いますから。
自分の瞳は見られないでしょう?」
鏡を使えばできなくもないような気がしたが、
そう、私が思った途端、
「もちろん、鏡越しには視ることができません。」
と、用意していたかのように反論される。
「胡散臭いな。とりあえず視てもらうか?」
ベアトリスが釈然としない顔で言う。
胡散臭いのならば、
普通は視てもらわないのではないだろうかとツッコミたくなったが、
実は、占いに一番興味があったのは私自身なので、
そこはスルーして視てもらうことにした。
「一つだけ制約がございます。」
人数分のお金を渡すと、占い師が条件を付け加える。
「結果については、直接にせよ、間接的にせよ口外なさらないでください。
口外してしまえば、良い結果はなかったことに、悪い結果は更に悪い結果を呼び寄せます故。」
これまた、占い師の常套句のような条件だ。
口外させないことで、外れたのか当たったのか本人以外には分からないようにするためだろう。
ますます胡散臭さは増してしまったが、遊びのようなものと割り切り、
一人づつ視てもらうことにした。
まずは、私からだ。
私が占い師の前に用意された椅子に座ると、
占い師は顔を近づけて私の瞳を覗く。
あまりの近さに顔を背けそうになるが、
当然のように注意され、首をしっかり固定して占い師の目を負けじと見つめ返す。
しかし、慣れてしまえば、それほど悪い感じもしない。
いままでベールで隠されていて見えにくかった相手の顔が、
若くて美しい女性であったことが、嫌悪感を感じさせない要因の一つだったのかもしれない。
数秒後、
「視えました。
隻腕の聖女が再び現れ、あなたを救うでしょう。」
占い師はそれだけ言い、それ以外のことは何も答えず、
手でその場を離れる様に促すだけだった。
私は釈然としないまま、占い師の声が聞こえないくらいまで離れると、
今度はベアトリスが占い師の前に座った。
隻腕の聖女って、私のことだろうか?
彼女が各地を旅する間に、私の悪魔退治の話を知り、
今は義手をしている私を、まさか隻腕の聖女本人だとは知らずに
「隻腕の聖女が私を救う」などと占ってしまったのだろうか?
やっぱり、ただのインチキ占い師だったのかもしれない。
私はそう思っていた。
しかし、その後、ベアトリスが嬉しそうな顔をしながら近づいてくるのを見て、
インチキだとも言い出し辛くなってしまった。
結局、ベアトリス以外は満足する結果が得られなかったらしく、
私達はモヤモヤしながら寝床に就くことになった。
レイウェンの村に到着した。
レイウェンでは特に怪異も起こっておらず、
平和そのものだ。
当然、悪魔の気配もないし、
断章を指し示すコンパスの針も定まらない。
ただ、このままウルスを目指すのは時間的にも体力的にも大変なので、
ひとまず宿を探すことにした。
宿を探す最中、
以前レイウェンを訪れた時には見かけなかった占い師が、
道端でポツンと商いをしていたことに気付き、
私達は不思議とそれに引き付けられてしまった。
「どんなことを占えるんだ?」
自分も魔力だなんだと怪しい術を扱うクセに、
ベアトリスが懐疑的な目で占い師を見る。
「主に未来を視ます。」
占い師というより、預言師と言ったほうが近いということだろうか。
「当たるのか?」
ベアトリスが食い気味に聞き返す。
懐疑的なのかと思いきや、実際は興味津々なのかもしれない。
「さあ?
わたくしは旅をしながら占いをしておりますから、
一度占った方とお会いすることもないので、確かめたことはございません。」
占い師の常套句のようなはぐらかし方だ。
「自分の未来も視えるのか?」
リスバートも興味を持ち始めたのか、少し占い師に近づいて尋ねる。
「いいえ、自分のことは視えません。
わたくしは、その人の瞳を見て占いますから。
自分の瞳は見られないでしょう?」
鏡を使えばできなくもないような気がしたが、
そう、私が思った途端、
「もちろん、鏡越しには視ることができません。」
と、用意していたかのように反論される。
「胡散臭いな。とりあえず視てもらうか?」
ベアトリスが釈然としない顔で言う。
胡散臭いのならば、
普通は視てもらわないのではないだろうかとツッコミたくなったが、
実は、占いに一番興味があったのは私自身なので、
そこはスルーして視てもらうことにした。
「一つだけ制約がございます。」
人数分のお金を渡すと、占い師が条件を付け加える。
「結果については、直接にせよ、間接的にせよ口外なさらないでください。
口外してしまえば、良い結果はなかったことに、悪い結果は更に悪い結果を呼び寄せます故。」
これまた、占い師の常套句のような条件だ。
口外させないことで、外れたのか当たったのか本人以外には分からないようにするためだろう。
ますます胡散臭さは増してしまったが、遊びのようなものと割り切り、
一人づつ視てもらうことにした。
まずは、私からだ。
私が占い師の前に用意された椅子に座ると、
占い師は顔を近づけて私の瞳を覗く。
あまりの近さに顔を背けそうになるが、
当然のように注意され、首をしっかり固定して占い師の目を負けじと見つめ返す。
しかし、慣れてしまえば、それほど悪い感じもしない。
いままでベールで隠されていて見えにくかった相手の顔が、
若くて美しい女性であったことが、嫌悪感を感じさせない要因の一つだったのかもしれない。
数秒後、
「視えました。
隻腕の聖女が再び現れ、あなたを救うでしょう。」
占い師はそれだけ言い、それ以外のことは何も答えず、
手でその場を離れる様に促すだけだった。
私は釈然としないまま、占い師の声が聞こえないくらいまで離れると、
今度はベアトリスが占い師の前に座った。
隻腕の聖女って、私のことだろうか?
彼女が各地を旅する間に、私の悪魔退治の話を知り、
今は義手をしている私を、まさか隻腕の聖女本人だとは知らずに
「隻腕の聖女が私を救う」などと占ってしまったのだろうか?
やっぱり、ただのインチキ占い師だったのかもしれない。
私はそう思っていた。
しかし、その後、ベアトリスが嬉しそうな顔をしながら近づいてくるのを見て、
インチキだとも言い出し辛くなってしまった。
結局、ベアトリス以外は満足する結果が得られなかったらしく、
私達はモヤモヤしながら寝床に就くことになった。
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