隻腕の聖女

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新しい世界

第25話

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長い黒髪に、黒いワンピース。
切れ長の目には、宝石のような赤い瞳が光っていた。

細身で、足が長く、すらっとしていて、
右腕はなかったが、その非対称が、
シルエットを美しく見せていた。

絵画に描かれた聖母様のような神々しさも見せるその姿は、
ウェナ様を彷彿とさせた。

初めて見たはずなのに、ずっと前に見たことがある気がする。

彼女は・・・そう、

、ディメイア。久しぶりだな。」
ルザーフが、女性の名を呼んだ。

隻腕の聖女・・・彼女が?
私は占い師が言っていたことを思い出した。

が再び現れ、あなたを救うでしょう。」

あの隻腕の聖女とは、私のことではなく、
ディメイアが再びこの世に現れるということを示していたのだ。

「バルゼビアから記憶を引き継ぎ、全てを知った。
 オルテガとかいう人間の男を差し向けたのは、御主だったのだな。」
ディメイアがルザーフに向けて静かに語る。

「だったらどうした?そもそも、たかが人間なんかにやられる甘さがあった、
 ウルガリウスにも非があるんじゃないのか?」
ルザーフが、ディメイアの些細な動きさえ見逃さぬよう警戒しながら答える。

「人間?アルテアの力を使った者を、たかが人間だと?
 本当にであれば、この世界をこのような姿に変えることなぞ出来まい?
 今思えば、アルテアの力のことをオルテガとかいう男に教えたのも御主だな?
 何が目的だった?」
徐々にディメイアの顔に怒りがにじみ出てくる。

「俺だってこの世界をこんな風にしろなんて言った覚えはない。
 俺は、ただウルガリウスを始末しろと言っただけだ。
 その力と、エルステッドを奪うためにな。
 だが、何を血迷ったのか、ウルガリウスを封印して、
 ご丁寧に門まで閉じてくれやがった。
 そのせいで数百年も待つことになったんだ。」
ルザーフがまるで自分も被害者だというように答える。
彼の自己中心的な物言いに嫌気が差してくる。

それにしても、エルステッドとは何だろう・・初めて聞く言葉だ。

「人間を侮っていたのは、御主だったということではないか。
 操ったつもりで、逆に利用されるとは、笑わせてくれるわ。」
ディメイアが嘲笑うように言う。
ルザーフは、図星を突かれて一瞬イラついた態度をとる。

「しかし、残念だったな。今頃復活したところで、
 ウルガリウスはもういないし、この世界も元通りになりはしない。
 結局、創り直す以外に道はないんだ。」
ルザーフが話題を変え、再び強気な態度に出た。

「もし、そうだったとしても、それをするのは御主ではない。
 エルステッドは返してもらうぞ。」
ディメイアは、そう言い終えるとあっという間にルザーフの目の前に現れる。
目で追いきれないほどのスピードだ。

ルザーフは、虚を突かれて避けきれず、
ディメイアに顔面を掴まれて地面に押さえつけられた。

ディメイアの左手が赤い光を帯び始めるが、ルザーフは身動きがとれない。
そして、そのまま彼女は光を解き放ち、それはルザーフに直撃した。

「強い・・・。」
これで終わったとは思えないが、ディメイアがいれば、ルザーフに勝てるかもしれない。
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