8 / 8
つぶつぶ
こだわり
しおりを挟む
「ほらぁ!」
どや顔で言う私に吹き出すアイツ。
くそ。
腹立つな。
「何が?」
しれっと言い返す所も、何かすでに負けを意味してる。
そんなことない。
負けてない。
いまのとこ。
天気も良いし、ベランダでごはんをなんて張り切っていたのは午前中。
途中でコーンスープの話になった。
というのも、奴が大量にとうもろこしをもらってきたから。
それが妙に重なった。
職場から、実家から、友達から。
じゃあそれを中心にした食事を、ってなるじゃんか。
ただ、茹でたもの。
とうもろこしごはんに。
焼きもろこしに。
そう、問題のコーンスープに。
ミキサーでガーってやるのは同じなのに。
そこに牛乳を足して。
それから、そのままなのかこすのか。
私はこした方がおいしいと思ったのに。
奴はそのままでもおいしいよって。
そのまま平行線で。
じゃあ、別々で良いやってなって。
今ここ。
「おいしいでしょ?」
悔し紛れに言う私に余裕なコイツ。
「うん、そのままでもね?」
ぐう。
確かに。
お互いに何でこうなったのか。
いや、私だけか。
向こうは、最初からそのままでも良いって言っていた。
他の味を足さなくても、塩もコンソメもいらないって。
やり始めると、楽しくなっちゃう私の癖。
作り始めたら、『もっと』『こうした方が良い』が出てきちゃって。
「ね、食べようよ」
穏やかな声に「うん」と返事をする。
綺麗に拭いた椅子やミニテーブル。
セッティングはしてくれていた。
私がむきになって料理している間に。
「ありがとう」
本当はごめんなのに。
先に謝らなきゃいけないのに。
「どういたしまして」
穏やかな声に、もそもそと食べ始める。
「おいしいね」
「…うん」
「お休みの日なんだから、のんびりしようよ?」
「そうだね」
こんな日も、確かに良い。
2人で過ごす日だから。
どや顔で言う私に吹き出すアイツ。
くそ。
腹立つな。
「何が?」
しれっと言い返す所も、何かすでに負けを意味してる。
そんなことない。
負けてない。
いまのとこ。
天気も良いし、ベランダでごはんをなんて張り切っていたのは午前中。
途中でコーンスープの話になった。
というのも、奴が大量にとうもろこしをもらってきたから。
それが妙に重なった。
職場から、実家から、友達から。
じゃあそれを中心にした食事を、ってなるじゃんか。
ただ、茹でたもの。
とうもろこしごはんに。
焼きもろこしに。
そう、問題のコーンスープに。
ミキサーでガーってやるのは同じなのに。
そこに牛乳を足して。
それから、そのままなのかこすのか。
私はこした方がおいしいと思ったのに。
奴はそのままでもおいしいよって。
そのまま平行線で。
じゃあ、別々で良いやってなって。
今ここ。
「おいしいでしょ?」
悔し紛れに言う私に余裕なコイツ。
「うん、そのままでもね?」
ぐう。
確かに。
お互いに何でこうなったのか。
いや、私だけか。
向こうは、最初からそのままでも良いって言っていた。
他の味を足さなくても、塩もコンソメもいらないって。
やり始めると、楽しくなっちゃう私の癖。
作り始めたら、『もっと』『こうした方が良い』が出てきちゃって。
「ね、食べようよ」
穏やかな声に「うん」と返事をする。
綺麗に拭いた椅子やミニテーブル。
セッティングはしてくれていた。
私がむきになって料理している間に。
「ありがとう」
本当はごめんなのに。
先に謝らなきゃいけないのに。
「どういたしまして」
穏やかな声に、もそもそと食べ始める。
「おいしいね」
「…うん」
「お休みの日なんだから、のんびりしようよ?」
「そうだね」
こんな日も、確かに良い。
2人で過ごす日だから。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
友達婚~5年もあいつに片想い~
日下奈緒
恋愛
求人サイトの作成の仕事をしている梨衣は
同僚の大樹に5年も片想いしている
5年前にした
「お互い30歳になっても独身だったら結婚するか」
梨衣は今30歳
その約束を大樹は覚えているのか
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる