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6話 少女の事情
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あの町から逃げ出し、うっそうとした森の中を一緒に歩く。
その途中で少女が疲れたと言ったので倒れている木の幹に座らせる。
すると一息ついた少女が、
「お兄ちゃんは一体何者?」
と俺に問う。
この世界に来て人に会うと大体正体を聞かれている気がする。
「んー、あの勇者たちにも言ったけど、旅人だよ」
「じゃあ、世界の色んな場所に行ったの!?」
キラキラした目で俺を見てくる少女。
「いや、君が期待するようなところには行ってないよ」
少女は肩を落とし露骨にがっかりする
期待させちゃったかな、旅人設定も苦しいなぁ。
少女は切り替えが早いようで直ぐに顔を上げて、
「じゃあさ、お兄ちゃんもう一つ質問。街を出るときに出した剣ってなんで魔法が解けたの? 私の周りの大人たちもどうにか解除できないか試してたけどどうしても無理だったらしいよ?」
それについては俺も不思議に思っている。
あの爺さんがかけたのは浄化の魔法だったらしい。
凄く低レベルな魔法術式だったらしく、拘束魔法を解くのは不可能。
ならば何故魔法が解けたのか……。
俺は持っている剣と浄化の魔法が奇跡的に混じったからだと推測している。
爺さんに聞きたかったが、聞けなかったな。
俺は剣を出し、剣を掲げる。
「この剣のおかげかもしれない」
「剣? その白黒の剣が魔法を解いてくれるの?」
俺は多分と言わんばかりの表情をし、半分頷く。
すると少女は指を差して笑い転げる。
「何その顔ー! お兄ちゃんって面白い人なんだね」
今までの人生で面白いなんて言われたことなかったぞ。
俺は少女に、
「そうだ、あの街ってフェリアの町だったりするのか? 俺はフェリアの町に行きたいんだが……」と聞く。
少女は唸りながら考える。
「…………うーん。フェリアの町は聞いたことないなぁ。さっきの町はザトアルの町って言うんだけど。町から出たことないからわかんない」
「そうか」
俺は頷き、少女の頭をポンポンと叩く。
「じゃあ、君はもう帰りな。勝手に連れ出してきてすまなかった」
「いや、助けてくれてありがとうお兄ちゃん! お兄ちゃんがいなかったら私倒れちゃってたかもしれないし。でも私、あの街に帰ったところで帰る場所がないんだ…………」
帰る場所がない?
「親はいるの?」
少女は暗い表情で首を振る。
「私、馬小屋で寝泊まりしてるの。だから服もボロボロでね」
町の人の中でも普通の服とボロボロの服を着ている人がいたのはそういう事だったのか。
つまりはこの少女はに町に帰ったところで帰る家がないということか。
「君俺と来る?」
「えっ!? いいの?」
「帰る場所がないんだろ? あの町に戻ったところでしばらくは荒れてそうだし」
しばらくは住民が自由になった影響で町が荒れるだろう。そんなところに少女を送り返すというのもいかがなものか。
「でも、俺もフェリアの町に行くっていう目的はあるがそれが終わるとどうなるか分からない。それでもいいなら一緒に来いよ」
少女はパアッと笑い、
「行く行く! 私の名前はアーニャ、アーニャ・ディソスフィア。よろしくね!」自己紹介をしてくれた。
「瀧谷《タキヤ》錬《レン》だ、よろしくな」
「タキヤ・レン? 珍しい名前だね。これからよろしくね、レン!」
その途中で少女が疲れたと言ったので倒れている木の幹に座らせる。
すると一息ついた少女が、
「お兄ちゃんは一体何者?」
と俺に問う。
この世界に来て人に会うと大体正体を聞かれている気がする。
「んー、あの勇者たちにも言ったけど、旅人だよ」
「じゃあ、世界の色んな場所に行ったの!?」
キラキラした目で俺を見てくる少女。
「いや、君が期待するようなところには行ってないよ」
少女は肩を落とし露骨にがっかりする
期待させちゃったかな、旅人設定も苦しいなぁ。
少女は切り替えが早いようで直ぐに顔を上げて、
「じゃあさ、お兄ちゃんもう一つ質問。街を出るときに出した剣ってなんで魔法が解けたの? 私の周りの大人たちもどうにか解除できないか試してたけどどうしても無理だったらしいよ?」
それについては俺も不思議に思っている。
あの爺さんがかけたのは浄化の魔法だったらしい。
凄く低レベルな魔法術式だったらしく、拘束魔法を解くのは不可能。
ならば何故魔法が解けたのか……。
俺は持っている剣と浄化の魔法が奇跡的に混じったからだと推測している。
爺さんに聞きたかったが、聞けなかったな。
俺は剣を出し、剣を掲げる。
「この剣のおかげかもしれない」
「剣? その白黒の剣が魔法を解いてくれるの?」
俺は多分と言わんばかりの表情をし、半分頷く。
すると少女は指を差して笑い転げる。
「何その顔ー! お兄ちゃんって面白い人なんだね」
今までの人生で面白いなんて言われたことなかったぞ。
俺は少女に、
「そうだ、あの街ってフェリアの町だったりするのか? 俺はフェリアの町に行きたいんだが……」と聞く。
少女は唸りながら考える。
「…………うーん。フェリアの町は聞いたことないなぁ。さっきの町はザトアルの町って言うんだけど。町から出たことないからわかんない」
「そうか」
俺は頷き、少女の頭をポンポンと叩く。
「じゃあ、君はもう帰りな。勝手に連れ出してきてすまなかった」
「いや、助けてくれてありがとうお兄ちゃん! お兄ちゃんがいなかったら私倒れちゃってたかもしれないし。でも私、あの街に帰ったところで帰る場所がないんだ…………」
帰る場所がない?
「親はいるの?」
少女は暗い表情で首を振る。
「私、馬小屋で寝泊まりしてるの。だから服もボロボロでね」
町の人の中でも普通の服とボロボロの服を着ている人がいたのはそういう事だったのか。
つまりはこの少女はに町に帰ったところで帰る家がないということか。
「君俺と来る?」
「えっ!? いいの?」
「帰る場所がないんだろ? あの町に戻ったところでしばらくは荒れてそうだし」
しばらくは住民が自由になった影響で町が荒れるだろう。そんなところに少女を送り返すというのもいかがなものか。
「でも、俺もフェリアの町に行くっていう目的はあるがそれが終わるとどうなるか分からない。それでもいいなら一緒に来いよ」
少女はパアッと笑い、
「行く行く! 私の名前はアーニャ、アーニャ・ディソスフィア。よろしくね!」自己紹介をしてくれた。
「瀧谷《タキヤ》錬《レン》だ、よろしくな」
「タキヤ・レン? 珍しい名前だね。これからよろしくね、レン!」
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