Goddess

あくび

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アンがテノで働き出して半年が過ぎた。

テノから歩いて10分程離れた所におばさんの友人の家があり、その家の隣にある小さな家をアンは借りる事になった。
森に住んでいた時の家と似た感じで、しいていえば寝室が2階になっただけと言う造りの家はアンの好みに整えられていた。

アンは直ぐに看板娘になった。
美人で寡黙で真面目で良く働くアンを見て、パン屋のおじさんが「しまった~」とエイマウに話した事はアンは知らない。

エイマウもアンをとても可愛がった。

なにしろ、アンが来てからお店が綺麗になった。
雑多な居酒屋だったお店も 少し小奇麗な居酒屋に変身して、客層も良くなり代金をキッチリ払ってくれる客が増えたことからエイマウも暮らしが楽になって来た。

殆ど埋まる事の無かった宿泊部屋も毎日埋まっていて、アンもエイマウも朝から晩まで忙しい。
しかし、アンはその方が良かった。
忙しくしていないと直ぐにロザウェルの事を考えてしまうから。

自分がこんなに諦めの悪い人間だなんて初めて知った。
何時までも何時までもウジウジと考えて、ロザウェルの名前を呼びながら自分で自分を慰めた事なんて何回もある。その度に自己嫌悪に陥るのだ。

相手は王子なのだ。
手の届かない人なんだ。
ちょっとした火遊びだったのだ。

何回も何回も自分に言い聞かせた...。

*

夜になり、今日もお店には沢山のお客様で溢れていた。
今日のお客様は 何時もご贔屓にして下さる王宮近衛兵第三部隊の方々。

第一部隊の方々は精鋭で頭も良く腕は超一流だ。第二部隊はその少し下と言う感じか...。
第三部隊は皇太子付きの部隊だった。

「皇太子付き」と言うのがアンに取ってため息が出そうな部分なのだが、それを除けばみんな気さくで良い方ばかりだった。

「アンちゃーん、コッチお酒~」
「はぁーい」
「コッチ、鳥の煮込み~」
「はぁーい」

行ったり来たりしながら、バタバタと動く。

「アンちゃん、今日も可愛いね」
「スフィルさん、お酒は何にされますか?」
「つれないね~。こんなに口説いてるのに~」
「ダメですよ~。あちこちで口説いてるじゃないですか~」
「本命はアンちゃんなんだって!」
「はいはい」
「そう言えばさ、アンちゃん。今度イケメン連れて来るよ」
「え?ホントですか?」
「あー。目の色が変わった!嫌だね~。アンちゃんもいい男には弱いのかぁ~」
「目の保養になりますよ」
「ぶはっ!目の保養ぉー」
「そうですよ。いい男は眺めているのが1番です」

アンの本音だった。

「そのいい男もねぇ~。どうしちゃったんだか...」
「司令官ですか?」

隣に座ってた男が口を挟んできた。

「そうそう。やばいよなぁ~」
「仕事し過ぎですよね?休んでるんですかね?」
「チクチク言ってはいるんだけどね...」
「やっぱあれですかね?」
「うーん...。違う気がするんだけどなぁ~。イマイチ理由が見つからない」
「あれってなんですか?」
「極秘事項」
「じゃあ聞いたら不味いですね。あっち行っときます」
「.....」
「アンちゃんって、あっさりしてますよね」
「っていうか、興味ないんだろうね。噂話とか。ますます惚れるぜーーーーー!!」

アンの背筋にゾゾゾと悪寒が走ったのは言うまでもない。

「スフィル隊長。例えば今更 女神降臨があったとして、その時司令官ってどうなるんですかね?」
「まぁなぁ~、神殿の奴らは信じてるんだろうけどなぁ~。俺は無いと思ってるぞ」
「だからもしもですよ。どうなると思います?」
「...難しいなぁ~。何か逆に悪酔いしそうな話だ...」
「司令官がの噂が本当なら、女神降臨した方が都合が良くないですか?」
「あいつの気持ちはどうなるんだよ...。はぁ~。どいつもこいつも...あいつは道具じゃねぇ、人間なんだぞ。お前なら、好きでもない女を無理やり押し付けられたらどうすんだよ」
「そうですよね...」
「押し付けられたら奴を運良く好きになれれば良いけどな。それに、運良くたった今すぐ女神とやらが降臨すれば良いけどな...。その女神様がばぁちゃんだったらどうすんだよ」
「.....」

アンがお酒を持って現れた。

「はい。此処に置きますね。空いてるお皿はお下げします」
「ねぇ、アンちゃん」
「はい?」
「アンちゃんは、好きでも無い男と結婚しろって言われたらどうする?」
「うーん...。その質問は難しいです」
「どうして?」
「だって、立場とか、環境とか、条件とか...色々絡んで来るんですよね?普通に。今の私にそう言われても答えは1つです。しかもその質問は、どうしても結婚しなければならない状況でどうするかって事なんでしょう?その場合だと、結婚するしかないんじゃ無いですか?」
「.....アンちゃんって大人~」
「皆んなそうやって何かを我慢して生きていくんじゃ無いですかね?立場がある人なら尚更でしょうね」
「.....」

アンはそう言いながらロザウェルの事を思い出していた。

「アンちゃん...なんか悟ってるね」
「お酒運んできまーす」
「うん。なんだか...みんな大変なんだよなぁ~。何かしらを犠牲にして生きているんだよ...うん」
「そうですね...」
「しみじみ飲むか...司令官殿の為に」
「司令官を今度此処に連れてきましょうね...」

夜は更けていった...。

*

グラマリエが妊娠した。
勿論ロザウェルの子供では無かった。

アンに会えなかったあの日から、ロザウェルの分身は言う事を聞いてくれなかった。
だからグラマリエのお腹にいる子供は絶対にロザウェルの子供では無いと言い切れた。

夫婦間では何度も話し合いをした。

「殿下の子供として産んで差し上げても宜しくてよ」
「...そんな事出来る訳ないだろう」
「でも殿下、それでは世継ぎはどう致しますの?」
「.....」

ロザウェルはグラマリエの不貞を責めなかった。嫌...責めれなかった。
自分だって一緒だ。
世の中にはどんな女にでも反応するタイプの人間もいるが、ロザウェルはそんなに器用では無い。
出来ない事は無い。
ただ今は、精神的に打ちひしがれてからは、なかなかそんな気分になれなかった。

グラマリエと離縁したとしても、次の女が与えられる。

『もう嫌だ...』

そんな思いがグルグルと頭を回って 政務も手に付かない状態だった。

『あの湖でホッとしたい。あの小さな家でゆっくり過ごしたい...』

そんな叶わぬ重いばかりが心を埋め尽くして思考が先に進まなかった。

「奈落の底に行き着いたような顔しやがって...」

そんな時に政務室に訪れたのは親友のスフィルだった。
ロザウェルは顔を上げると、スフィルを見た。

「おいおい...一体どうしたってんだよ。そんな子鹿が怯える様な目をして」

そんな顔をしてるのだろうか...。とロザウェルは思う。

「自覚無しかよ...死人の様な顔をしてるぜ。よし!今日は俺様 第三部隊隊長が 直々に良い所に連れて行ってやる」
「嫌...良いよ。やらなきゃいけない事が山積みなんだ」
「は?全然はかどってなんか無いだろう?良いから。今日だけ付き合えよ。明日からまた頑張ればいいだろう。今日はとことん聞くぜ。お前もさ、胸につっかえたもん話してしまったら、何か見えてくるかも知んないぜ?」

『そんなものなんだろうか...。そうかもしれない...』

目の前にいるスフィルが、少し救いの女神に見えた。

*

それから、森で出会った少女の話をした。随分と端折ったが、彼女を求めていると言う部分だけは伝わったのではないかとロザウェルは思っている。

「はぁ?お前、その子を側妃にでもすれば良かっただろう」
「そんな事...」
「出来ない事は無いだろう?お前は皇太子だぞ?」
「.....」
「まさか...思い付かなかった理由じゃ無いだろう?」

スフィルは頭を抱えた。この目の前にいる器用なのか不器用なのか解らない親友は、どうやら恋の悩みを抱えていたらしかった。彼の話の大半は意味不明だったが、なんとなく解った。

「今から会いに行けよ」
「.....嫌...それが...」

今度はため息が出た。一生一台の大恋愛をした上に振られたらしい...。

「よし!さぁ行くぞ!そこで働いている子が美人でさ。なんか言う事に重みがあるっていうか...。まぁ、今のお前にはぴったりだ。バスンっとぶった切って貰ってスッキリしろ」
「.....」

乗り気のしないロザウェルを引っ張る様にして連れて行くスフィルだった。

*

「は?休み???」
「あぁ...あの子もこの半年休む間もなく働いていたからね~。多分疲れが出たんだろうと思うんだよ~。あ、隊長さん、悪いけど、あの子の見舞いに行きたきゃ これを持って行ってくれないかい?」

折角 意気揚々と出掛けて来たにも関わらず、お目当てのアンは熱が出て寝込んでるんだと言う。
住所を聞いたら直ぐそこの様なので、おばさんが作った食事を届けにロザウェルと向かった。

「なんで俺が...」

と渋っていたロザウェルだったが、スフィルと食事をしないとお腹も空いたので、しょうがなく着いて行った。

合鍵で部屋を開けると、そこは質素な、そして整然としたキッチン件リビングが現れた。
ロザウェルは初めて入ったが、何処か懐かしい感じがした。

スフィルが2階に上がって行くのを見て、ロザウェルはテーブルに座った。

グルリと部屋を見渡していると

「ロザウェル、タライに水入れて持って上がって来てくれ」

とスフィルが呼ぶので適当なタライに水を汲んで上がった。
ベットには息苦しそうに息をしている人が横たわっていた。

「医者、呼んだ方が良いんじゃないのか?」

そう言いながら近づきタライをスフィルに手渡した。
スフィルがタオルを濡らして頭に当てている。

「医者...呼ぶか」

スフィルも見かねてそう答えた。

「いか...  ...ない...で...」
「どうした?」
「ロ...  .....ウェル...」
「ん?」

その時だった。
入口で立っていたロザウェルが狭い部屋の中を走る様にして駆け寄った。

「は???」

吃驚したのはスフィルだ。
ロザウェルの顔付きが変わっていた。

「どいてくれ」

そう言うとベットの端に座って彼女に手を伸ばしていた。
ロザウェルの手は震えていた。
震える手でアンの頭に手を置くと、ゆっくりと頭を撫でた。

「アン.....」

アンの目がゆっくりと開くとスフィルをまず見た。そして視線をずらすとアンの目が見開いた。

「どう...して...」
「アン.....」
「夢....?」

ロザウェルが「違う」と言いながら頭を横に振った。

その一部始終を見ていて1番吃驚しているのはスフィルだった。
彼の脳内は忙しく状況を把握しようとフル回転である。

「ロザウェル...」
「アン。森の家は?...嫌いい。それよりも、食事は出来そう?何か飲むかい?」
「お水を...」
「ちょっと待ってて」

ロザウェルは素早く立ち上がると、スフィルが「俺が...」と言いかけているのを無視して下に降りて行った。

「驚いたぁ~」

ポツリと漏らしたスフィルに、アンが

「どうして此処に?」
「いや、お店に...」
「ほらアン、水飲めるかい?」
「早~っっ」

アンは起き上がると ロザウェルに介添えされながら 水を飲んだ。
2年半以上も離れていたのに、2人は一瞬で隙間を埋めてしまった。
ロザウェルも、先程までの精気の無さは何処に行ってしまったんだろう...と思う位に目が生き生きとしている。

スフィルはただただ驚いた。

まさか、先程のお伽噺の様なロザウェルの話の中の思い人がアンだったなんて...と思うと同時に頷ける所もあった。

「お腹空いただろう?食事を貰って来ているから食べよう」

見ているだけで胸がいっぱいになりそうな程の甘い声に甘い笑顔...。

「ロザウェル、俺達も腹が減らないか?」
「嫌、俺はいい」
「俺は良くないぞ。お前はちゃんと食え。なんか買って来るから待ってろ」

そう言ってスフィルは食事を調達する為に出て行った。

「君の家に行ったんだ...」
「え?いつ?」
「中から男の人が出て来た。俺は、そいつを見て...その...」
「私の新しい恋人だと思ったの?」

ロザウェルは頷いた。

「ロベルトね。何かの理由で帰って来てたんだわ」
「そうか...」
「ロザウェル、会いに来てくれたの?」
「行った。遅くなったけど、会いたくて堪らなくて...」
「待てなくてごめんなさい」
「なんでっ...俺が...もっと...すまない。長く...待たせ過ぎた...」
「ロザウェル、顔をもっと良く見せて...貴方 眠れてる?」
「.....」
「私ね、貴方の事を忘れようと思ったの。でもね、無理だった。忘れようと思えば思うほど苦しくなって、考えない様にする為に必死で働いたら...倒れちゃった」
「アン...」
「心が、忘れたく無いと言っているんだと思うの。うふふ。ロザウェルの顔を見ただけで、もうこんなに元気よ」
「俺も...俺もだ...」

2人は固く手を握り合っていた。
キスをしたかったが、止まりそうも無かったのでなんとか我慢した。
この半年、性欲も無く、全く何の反応も見せなかったロザウェルの分身は固く張り詰め、窮屈な思いをしていたが、アンは病人だ。そこもなんとか我慢した。


しばらくスフィルを待って、帰って来てから3人で食事を取った。

「俺邪魔者~」とか「本気だったのに~」とかスフィル言って笑わせてくれたが、帰り際に

「アンちゃん、僕の親友を諦めないで欲しいんだ。久しぶりに彼奴の笑っている顔を見た気がするよ。今日は連れて来て良かった」

と言った。アンはそれを泣きそうな顔をしながら笑って聞いていた。
ロザウェルは心底帰りたくなさそうだった。
帰れない理由を探している姿を見て、アンとスフィルは大笑いした。

「行きはあんなに行きたくなさそうだったのにな」

そう言って笑ってロザウェルを引っ張って連れて帰って行った。

「お前のやるべき事は何だ?一刻も早く、2人で堂々と一緒にいられる様にしろ!」

親友のその言葉に力強く頷いたロザウェルだった。

*

次の日、グラマリエと話をしたロザウェルの表情は何時ものヘタレなロザウェルでは無かった。
グラマリエは正直ウンザリしていたのだ。


ロザウェル皇太子殿下と結婚して幸せな毎日を送るつもりだったのに、毎日この世の終わりの様な顔をして、何かに耐える様にして夜の営みをする。

『は?どうして私がこんな屈辱に耐えなければいけないの?』

グラマリエの心の叫びだった。
ちやほやしかされたことの無いグラマリエにとって、自分になびかない男なんて 価値が無い。皇太子だから我慢もしたが、自分を抱きながら他の事を考えている男なんて言語道断なのだ。

お腹の子供の父親は、公爵家の跡取りのアルメニだ。
2人は元々 恋仲であった。
優しくて、何時もグラマリエをお姫様の様に扱ってくれるアルメニと結婚して幸せになりたいと心から思っていたのに、皇太子婦人として生きていかなければならなくなった。

想いを押し殺し、覚悟を持って城に上がったと言うのに...。
この仕打ちはなんだろうか...。
引き裂かれたあの時の悲しみ、胸の痛みを何処にやれば良いのか...。
そんな理不尽な思いばかりが浮かんでは蓄積される。

「グラマリエ、私は君を責める資格なんてない。君は幸せにならないといけない。どうか、その子供の父親と一緒になって幸せになって欲しい」

グラマリエはプライドを引き裂かれる思いだった。
なんて言い草だろうか。グラマリエは我が耳を疑った。

「グラマリエ、今まで私の...」
「お待ちください」
「え?」
「私の夫はロザウェルです。私は離縁なんてしません!」
「グラマリエ...ちょ...ちょっと待ってくれ!」
「子供は授かり物ですから産みます。極秘で。産んだらこの子を父親の元に送ります。その後に、ロザウェルの子供を産めば良いだけの話でしょう?」
「何をっ...自分がっ...」
「皇太子は仰ったじゃありませんか。私は何も悪くないと...私もそう思いますもの」

ロザウェルはため息が出た。
庇うために並べた言葉が仇となって帰って来た。

「グラマリエ、すまないがそれは出来ない。君とは離縁する。父と母にもそう報告するよ」
「何故ですの?何故?ロザウェルは私を責めないと仰ったではありませんか。私は悪くないと。私は悪くありません。私の意見を無視して事を進めて、いらなくなったら捨てるのですか?あんまりです!」

ロザウェルは言葉も出なかった。
初めて聞いたグラマリエの心の叫びにショックを受けた。

「解った」

そう言って立ち上がると、グラマリエでは話が先に進まないと 独断で話を両家の親に持ちかけた。

青い顔をしてすっ飛んで来たのはグラマリエの両親だった。
リボンド公爵家もすっ飛んで来た。

王夫妻、皇太子、グラマリエの両親、リボンド公爵家のアニメル、その両親、宰相、神殿長、錚そうたるメンバーの中でアルメニはグラマリエに近づいた。

「子供が出来たんだって?」
「アルメニ、どうして...?どうしてこんな裁判みたいな事に...」
「グラマリエ、大変だったね。大丈夫だよ。落ち着いて」
「アルメニ...」
「その子供は本当に僕の子供かい?」
「.....」
「僕に迷惑がかかるとか、そんな事はもう良いんだ。グラマリエ、僕の元に帰って来てくれ」
「アルメニ、私、あの時貴方に約束したわ。必ず幸せになると...。でもね、私は幸せにならなかった。ロザウェルは全部自分が悪いって言うのよ...」
「グラマリエ...」
「馬鹿にしてるわ!そうでしょう?本人の意思も無くお城に上がったのに 愛する努力もしてもらえず、不貞を働いたからって責めもされないなんて...。私の存在って何なんでしょうか?」

ロズウェルは堪らず唇を噛み締めた。
アンだけでは無い。此処にも傷付けた女性がいたのだ。

「子供が出来たからってアルメニに返すって、1番最悪だわ...。だったら、最初からアルメニと結婚させてくれれば良かったのよ」
「その通りだグラマリエ...」
「私の初めてはアルメニにあげられなかったわ。私は傷物でアルメニの元に行くの?」
「グラマリエ、君が僕に対してそういう風に思ってくれている事は嬉しいよ。でもね、今はお腹の子供の事も考えて欲しいんだ。僕達の大切な子供だ。皇太子は、僕達の事を咎めないと言ってくれた。もうそれで良いじゃないか。帰ろう。グラマリエ」

グラマリエはアルメニにしがみついて 嫌々と頭を振りながら泣いていた。
納得が行かない。その思いが大きくて素直になれないグラマリエの気持ちもロザウェルは良く解った。

でも、このままでは誰も幸せにはなれないのだ。

自分が悪い...。

そうやって、また自分を追い込んでいくロザウェルだった。
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