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発情期を前に態と招集を掛けたのにも関わらず、1番最初に乗り込んで来たのは火炎族の空也だった。
「何だ?何か起こったのか?」
そう言いながらズカズカと歩いて来てドシンと座り「鈴音を説得するのが大変だったんだぞ」と言った後に「酒持ってこい」と言っている空也は流石だ。
『説得が大変だった割には1番なんですね...』なんて口が裂けても言えない。
鷹亮は「発情期に産土で過ごされるのも良いかと思ってですね~...鈴音様も良いでしょうが...たまにはねぇ~」
そんなおべっか混じりの文句を言う鷹亮を空也は横目でチラリと見た後
「鷹亮、お前が1番食えねぇなぁ~」
とため息混じりに言った。
「そんな事は無いですけどね」
鷹亮は言いながら出された酒を空也に注いだ。
その後に、水府 龍神 風来の3人も揃い、鷹亮は皆を前に口を開いた。
「この度 集まって頂いたのは他でもありません。迷い人の件で集まって頂きました。今や各領内で見つかっている迷い人ですが、人間召喚を今後も続けて行くのか、そろそろ止めるのかを考えて頂きたいのと、人間が望めばこちらの世界に残すか...の判断をして頂きたいのです」
「来た方がいいに決まってるじゃねーのか」
空也が最初に答えた。
「それはなぜ?」
「女は多い方が何処の領も良いんじゃ無いのか?」
龍神の九頭竜(くずたつ)が静かに口を開いた。
「うちでは...人間に子を産ませたくても 身体を作り変える所から始めねばいけません...。年月を掛けて作り変えた身体に、たった1度卵を産ませて帰られると...なかなか人数も増えませんね...」
「水府も同じです」
水府からは水越(ゆなた)が発言する。
「水府では、1度に沢山の卵を産む種族は良いのですが、やはり水の中で生活し子を産む者も居ますし、水陸で生活する者も居ますし、形態が様々です。龍神族と一緒ですね」
鷹亮は「なるほど...」と言って頷いた。
それと同時に空也が水越を挑発する。
「水の中で生活したり、陸に上がってきたり...得体がしれないね~」
それを聞いた水越も負けてはいない。
「火炎は今じゃ丸薬無しで生活出来る者はいないと聞いてますが...」
「はぁ?水府の話なんぞ丸薬無しじゃ聞いてられねーよ」
「薬でイカレた頭では正常な判断は出来無いでしょうがね...」
2人は立ち上がって睨み合っていた。
「まぁまぁ...2人共、此処は喧嘩をする為に設けた場ではありません。話し合いをする為に来て貰ってるんです」
鷹亮が2人の間に割って入った。
「どうしても喧嘩がしたいのなら、どうぞ産土から出てやって頂きたい。その代わり!迷い人の件は恩恵が無いものと思って下さいね」
その言葉に2人は睨み合いながら渋々座る。
「1度戻った人間をこちらに返す事は出来ますか?」
仁が場の空気を変えようと質問した。
「はっ、由か?」
「貴方に呼び捨てされたくはありませんけどね...」
誰でも彼でも煽る空也に仁はイライラしながら答える。
「あいつの初めては俺だぞ」
「そんな事は関係ないでしょう?」
「あいつは最高だったからな」
「...で、どうなんでしょうか?出来るんでしょうか?」
仁は空也を無視して話を進めた。
「出来ますよ」
鷹亮がアッサリと答える。
「どうやって!」
「その前に先ずは迷い人が子を産んだら帰るのか、本人の意思にするのかを決めないといけませんが...」
仁はとりあえず事が決まるまで待った方が良いと思い頷いた。
「で?鷹亮、お前の考えはどうなんだ?」
少し冷静になった空也が出されている酒をクイッと飲んだ。
「私は...これ以上人間を召喚するのを止めた方が良いと考えています。まだ幼子も多いですが、鬼女も増えてきた事ですし 何よりもこれ以上は鬼の力が弱まってしまう恐れもあります」
「人間との間に出来た子は力があるのか?」
九頭竜が言った。
「他の地域がどうかは解りませんが...産土では2人に1人が頭が良いという感じです。それに運動神経も良い。力はある者もいれば無い者も居る...そんな感じでしょうかね」
仁はその言葉に頷いた。親の贔屓目もあるだろうが、美咲の事を考えると確かに頭が良い。3歳であんなに頭の回転が良いものだろうか...と。
「それを考えると、ここらで一旦様子を見る為に人間召喚を止めた方が良いのではないかと思ってます」
一同が頷く。
「しかし止めたとしても、万が一何処かで迷い人が現れると言う現象があるかも知れません。そこで今後、迷い人を見つけた際には この産土に必ず報告すると言う事を皆様にお願いしたいのです」
「報告しなければ?」九頭竜が聞く。
「報告が無ければ4対1で攻め落とされると言う重い処罰を付けます」
「なんでそこまで?」空也が聞いた。
「鬼族の存続の危機を救ってくれているのが人間です。人間がこちらの世界で何かしらの被害に合うなんて事は有り得ない事態だと思っています。売買なんて以ての外、人間が助けてくれなければ、鬼族はまた存続の危機に陥ると思って頂きたい」
「.....」
「そこで、本日、各領主様に集まって頂いたのは.....」
鷹亮は奥から5本の巻子を持って来た。
「この話に納得して頂き、こちらに署名と血判をお願いしたく集まって頂いた次第です」
鷹亮は真剣な眼差しで皆の顔をグルリと見渡した後、
そう言って皆の前に巻子をズイっと差し出した。
「何だ?何か起こったのか?」
そう言いながらズカズカと歩いて来てドシンと座り「鈴音を説得するのが大変だったんだぞ」と言った後に「酒持ってこい」と言っている空也は流石だ。
『説得が大変だった割には1番なんですね...』なんて口が裂けても言えない。
鷹亮は「発情期に産土で過ごされるのも良いかと思ってですね~...鈴音様も良いでしょうが...たまにはねぇ~」
そんなおべっか混じりの文句を言う鷹亮を空也は横目でチラリと見た後
「鷹亮、お前が1番食えねぇなぁ~」
とため息混じりに言った。
「そんな事は無いですけどね」
鷹亮は言いながら出された酒を空也に注いだ。
その後に、水府 龍神 風来の3人も揃い、鷹亮は皆を前に口を開いた。
「この度 集まって頂いたのは他でもありません。迷い人の件で集まって頂きました。今や各領内で見つかっている迷い人ですが、人間召喚を今後も続けて行くのか、そろそろ止めるのかを考えて頂きたいのと、人間が望めばこちらの世界に残すか...の判断をして頂きたいのです」
「来た方がいいに決まってるじゃねーのか」
空也が最初に答えた。
「それはなぜ?」
「女は多い方が何処の領も良いんじゃ無いのか?」
龍神の九頭竜(くずたつ)が静かに口を開いた。
「うちでは...人間に子を産ませたくても 身体を作り変える所から始めねばいけません...。年月を掛けて作り変えた身体に、たった1度卵を産ませて帰られると...なかなか人数も増えませんね...」
「水府も同じです」
水府からは水越(ゆなた)が発言する。
「水府では、1度に沢山の卵を産む種族は良いのですが、やはり水の中で生活し子を産む者も居ますし、水陸で生活する者も居ますし、形態が様々です。龍神族と一緒ですね」
鷹亮は「なるほど...」と言って頷いた。
それと同時に空也が水越を挑発する。
「水の中で生活したり、陸に上がってきたり...得体がしれないね~」
それを聞いた水越も負けてはいない。
「火炎は今じゃ丸薬無しで生活出来る者はいないと聞いてますが...」
「はぁ?水府の話なんぞ丸薬無しじゃ聞いてられねーよ」
「薬でイカレた頭では正常な判断は出来無いでしょうがね...」
2人は立ち上がって睨み合っていた。
「まぁまぁ...2人共、此処は喧嘩をする為に設けた場ではありません。話し合いをする為に来て貰ってるんです」
鷹亮が2人の間に割って入った。
「どうしても喧嘩がしたいのなら、どうぞ産土から出てやって頂きたい。その代わり!迷い人の件は恩恵が無いものと思って下さいね」
その言葉に2人は睨み合いながら渋々座る。
「1度戻った人間をこちらに返す事は出来ますか?」
仁が場の空気を変えようと質問した。
「はっ、由か?」
「貴方に呼び捨てされたくはありませんけどね...」
誰でも彼でも煽る空也に仁はイライラしながら答える。
「あいつの初めては俺だぞ」
「そんな事は関係ないでしょう?」
「あいつは最高だったからな」
「...で、どうなんでしょうか?出来るんでしょうか?」
仁は空也を無視して話を進めた。
「出来ますよ」
鷹亮がアッサリと答える。
「どうやって!」
「その前に先ずは迷い人が子を産んだら帰るのか、本人の意思にするのかを決めないといけませんが...」
仁はとりあえず事が決まるまで待った方が良いと思い頷いた。
「で?鷹亮、お前の考えはどうなんだ?」
少し冷静になった空也が出されている酒をクイッと飲んだ。
「私は...これ以上人間を召喚するのを止めた方が良いと考えています。まだ幼子も多いですが、鬼女も増えてきた事ですし 何よりもこれ以上は鬼の力が弱まってしまう恐れもあります」
「人間との間に出来た子は力があるのか?」
九頭竜が言った。
「他の地域がどうかは解りませんが...産土では2人に1人が頭が良いという感じです。それに運動神経も良い。力はある者もいれば無い者も居る...そんな感じでしょうかね」
仁はその言葉に頷いた。親の贔屓目もあるだろうが、美咲の事を考えると確かに頭が良い。3歳であんなに頭の回転が良いものだろうか...と。
「それを考えると、ここらで一旦様子を見る為に人間召喚を止めた方が良いのではないかと思ってます」
一同が頷く。
「しかし止めたとしても、万が一何処かで迷い人が現れると言う現象があるかも知れません。そこで今後、迷い人を見つけた際には この産土に必ず報告すると言う事を皆様にお願いしたいのです」
「報告しなければ?」九頭竜が聞く。
「報告が無ければ4対1で攻め落とされると言う重い処罰を付けます」
「なんでそこまで?」空也が聞いた。
「鬼族の存続の危機を救ってくれているのが人間です。人間がこちらの世界で何かしらの被害に合うなんて事は有り得ない事態だと思っています。売買なんて以ての外、人間が助けてくれなければ、鬼族はまた存続の危機に陥ると思って頂きたい」
「.....」
「そこで、本日、各領主様に集まって頂いたのは.....」
鷹亮は奥から5本の巻子を持って来た。
「この話に納得して頂き、こちらに署名と血判をお願いしたく集まって頂いた次第です」
鷹亮は真剣な眼差しで皆の顔をグルリと見渡した後、
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