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東雲に乗って久我邸に着いた空也は、今 座敷で孔宇と向き合って座っていた。
「孔宇、火炎の慎之介と懇意にしているのか?」
「慎之介様とは懇意と言うより、慎之介様が時折コチラにふらっとやって来てゆっくりなさって帰ると言う感じですかね」
「じゃぁ、いつ来るのかは解らないのか?」
「そうですね...気分で来られるので。慎之介様に何か御用ですか?」
「あぁ...所要なんだが。慎之介の自宅は解るか?」
孔宇は暫く考えた後、
「...多分。雫谷川と言っていた気がします」
「解かった。ちょっと行ってみる事にする」
「雫谷川にですか?...共も無く?10時間はかかりますよ?しかも不在だったらどうなさるんですか?」
仁は『それもそうだな...』と考える。
「嫌、やはり行ってみよう。1度戻って共を連れて行こう」
「それが良いですね」
仁は城に帰り急いで共を連れて出て行こうとした。
美咲が小首を傾げてコッチを見ている。
何時もと雰囲気が違うので何か勘づいたのだろう。
「ととた、おちごとっく?」(お仕事行くの?)
「うん。みぃたん、またジジとババとお利口にしとくんだぞ」
「みぃたんっく?」(美咲も行ける?)
「美咲は遠いからお留守番だ」
しばらく何か考えてる様子の美咲。
クルリと振り返ると何かを持って来た。自分の旅装束だ。
「美咲、ダメだ。お留守番だ」
「みぃたんっく?」
「美咲はお留守番だ。じゃあ行ってくるから」
仁は美咲を振り切って外に出た。家の中からは美咲の大泣きの声が聞こえる。
可哀想だが仕方が無い。今度何処かに連れて行こうと考える仁だった。
雫谷川に行くまでの途中で泊まれるような宿がある所は1ヶ所しかない。
そこに着いたのが21時位だったので今日はそこに泊まる事にした。次の日は朝早くから出て11時頃に雫谷川に着いた。
雫谷川で家は1軒しかない。
仁は迷わずそこに入った。
門をくぐると直ぐに庭があった。梅や桃の木があり、ちょっとした園庭風になっている。庭の方から「慎之介!」と呼ぶと、中から着物の前がはだけた慎之介が出て来た。
慎之介は仁を見て驚いた。
「なっ...」
それきり声が出ない風だった。
「ちょっと込み入った話があるんだがいいか?」
仁がそう言うと
「.....どうぞ」
そう言って中に通して貰った。
「家に居てくれて良かったよ」
仁がそう言いながら話を始めた。
仁の連れて来た共が「台所をお借りします」と頭を下げ、持参した物で料理を始めた。
その間に話を進める。
「で、話って?」
「この間...産土で話し合いがあった事は知っているか?」
「あぁ...鈴音がえらく機嫌が悪かった」
「内容は?」
「嫌...空也に会ってない」
「そうか」
仁は何処から話そうか...と思案した。
「結論から言えば、その時に血判書が出た。それに空也が署名しなかった。それが無いと由を探しに行けない」
「...由?」
「迷い人の召喚を止める提案が出た。女鬼も増えて来たと言うのが理由だが、鬼の力がこれ以上薄めると無くなると言う理由もある」
「それがなんで由を探しに行く事と繋がる?」
そこで共がお茶を運んで来たので一旦話が止まった。
「人間の召喚を止めても、今後迷い人が現れないと言う保証は無いと言うのが産土の考えだ。そこで、迷い人が現れた際は必ず産土に報告すると言う縛りが血判書だ」
「鬼族の危機を救っているのは人間だ。その人間が危険な目にあったり、売買される事の無いように重い処罰が付いている」
「処罰とは...?」
「4対1で攻め落とされるそうだ」
「なるほど...空也はそれに署名しなかったんだな」
「あぁ...」
慎之介は「なるほど」と頷く。
「それに伴い、帰って来て欲しい人間を5領の印を貰うと言う条件で探しに行ける事になった...が空也が署名を放棄した。話が先に進まなくて困って、此処に来たと言う訳だ」
「空也に署名する様に言えと言う事か?」
「頭ごなしにやっても、あいつの事だから素直に頷く事は無いだろうな...」
「そうだね~」
「それから、空也は産土にいた人間を1人黙って連れ去っている」
「.....」
「志帆と言う名前の女だそうだが」
だいたい匿っている場所は検討がついたが、慎之介は何も言わなかった。
「由が現れた桜の木を見に行きませんか?」
「由が...?」
「此処の裏の桜の木の所に現れました。こちらですよ。どうぞ...」
仁は慎之介の後を黙って付いて行った。
裏の土手を上がって行くと山際に山桜の木が1本あった。
「此処です」
仁はそんなに大きくない桜の木に手を当てて見上げた。
「子供は大きくなったでしょう?」
慎之介の方を振り向いた仁は美咲の事を思い出した。
「此処にも来たがって大泣きしてました。母がいないあの娘が不憫で...」
「名前はなんて言うんでしたっけ?」
「美咲です。由が名付けて去って行った」
「そうですか...美咲ちゃんにも会ってみたいですね」
「会いに来い!まだカタコトしか話さないが、面白いぞ」
2人はハハハと笑う。
「仁、空也はもうダメなのかもしれない...」
「慎之介...」
「火炎は今 荒れている。薬に人身売買、強姦、強盗...何でも有りだ」
「父の時代はそうじゃなかった。父は気が荒かったが皆から尊敬されていた。気の荒い火炎の鬼達を上手くまとめあげていた」
「空也も本当はそんな力があるんだ。だが、周りの期待が大き過ぎるのと期待に答えないと...と言う重圧が、今の空也の姿になってしまっているんだろう」
「空也も心が弱かったんだろうな」
「長男で大事に育てられていたからな」
そう言って慎之介が「俺達の待遇とは全然違ったよ」と言った。
「話は解かった。俺が何処まで出来るか解らないが、空也の身辺の様子を見て話が出来れば話してみる」
「厄介ごとを頼むな...すまん」
「嫌、由が...」
「由?」
「あぁ、由が子供の事を心配してるんじゃないかと思って」
「そうだな」
「以前、由にあちらの世界の面白い物を見せて貰った事があるんだ」
「面白い物?」
「色々な由の顔とか、家族とか犬とか友の顔がそこにはあった」
仁は少し嫉妬した。見せてもらった事が無かったからだ。正確にはバッテリー切れでスマホの電源が入らなかっただけなのだが。
「不安だろうに、笑って星を見上げて言ったんだ。四郎は怖い鬼かって」
「四郎?」
「由には四郎だって名乗っている」
「あぁ...」
「火炎に置きたく無かった」
「......」
「子を思う様な親の様な心境だったな。無事で居て欲しいって」
「.....」
「仁で良かった」
「仁、何かあった時は後押ししてくれるか?」
「慎之介、風来は火炎と同盟を結んでいる。何時でも力を貸すぞ」
そう言った後2人は部屋に戻った。
*******************************
志帆は朝から気だるくて手足が震えていた。
昨日、仁は出て行ったっきり帰って来なかった。1人で、しかも知らないところで放置された志帆は初めは怒っていたが、段々身体が薬を欲しがって来ると部屋中を荒し回って薬を探した。
「一錠も置いていかないなんて!!」
イライラしながら物に八つ当たりをしていたが、それも出来なくなり手足が震えて仕方がなくなった。
外から物音がして誰かが入って来た。
「空也?」
そう言って震える身体を起こすと、年配の女性が入って来た。
「大丈夫ですか?」
そう聞かれてカーっと来る。
「大丈夫な訳ないでしょ!!早く空也を呼びなさいよ!!」
志帆の剣幕に輝は自己紹介をする暇もなくただただ驚いた。
「ねぇ、薬持ってるんでしょ?それを頂戴」
怒鳴ったかと思ったら甘えるような言い方をする志帆に 輝はまた驚いたが、街で若者の間で流行っている丸薬なんだと直ぐに解った。
「薬は御座いませんが...」
「じゃあ、何処かから持ってきなさいよ!!」
そう言って輝を叩く。
「あんた、使用人でしょ!!早くして!!」
輝は般若の様な形相の志帆を見て呆気に取られていた。
そして逃げるようにしてそこから立ち去った。
「孔宇、火炎の慎之介と懇意にしているのか?」
「慎之介様とは懇意と言うより、慎之介様が時折コチラにふらっとやって来てゆっくりなさって帰ると言う感じですかね」
「じゃぁ、いつ来るのかは解らないのか?」
「そうですね...気分で来られるので。慎之介様に何か御用ですか?」
「あぁ...所要なんだが。慎之介の自宅は解るか?」
孔宇は暫く考えた後、
「...多分。雫谷川と言っていた気がします」
「解かった。ちょっと行ってみる事にする」
「雫谷川にですか?...共も無く?10時間はかかりますよ?しかも不在だったらどうなさるんですか?」
仁は『それもそうだな...』と考える。
「嫌、やはり行ってみよう。1度戻って共を連れて行こう」
「それが良いですね」
仁は城に帰り急いで共を連れて出て行こうとした。
美咲が小首を傾げてコッチを見ている。
何時もと雰囲気が違うので何か勘づいたのだろう。
「ととた、おちごとっく?」(お仕事行くの?)
「うん。みぃたん、またジジとババとお利口にしとくんだぞ」
「みぃたんっく?」(美咲も行ける?)
「美咲は遠いからお留守番だ」
しばらく何か考えてる様子の美咲。
クルリと振り返ると何かを持って来た。自分の旅装束だ。
「美咲、ダメだ。お留守番だ」
「みぃたんっく?」
「美咲はお留守番だ。じゃあ行ってくるから」
仁は美咲を振り切って外に出た。家の中からは美咲の大泣きの声が聞こえる。
可哀想だが仕方が無い。今度何処かに連れて行こうと考える仁だった。
雫谷川に行くまでの途中で泊まれるような宿がある所は1ヶ所しかない。
そこに着いたのが21時位だったので今日はそこに泊まる事にした。次の日は朝早くから出て11時頃に雫谷川に着いた。
雫谷川で家は1軒しかない。
仁は迷わずそこに入った。
門をくぐると直ぐに庭があった。梅や桃の木があり、ちょっとした園庭風になっている。庭の方から「慎之介!」と呼ぶと、中から着物の前がはだけた慎之介が出て来た。
慎之介は仁を見て驚いた。
「なっ...」
それきり声が出ない風だった。
「ちょっと込み入った話があるんだがいいか?」
仁がそう言うと
「.....どうぞ」
そう言って中に通して貰った。
「家に居てくれて良かったよ」
仁がそう言いながら話を始めた。
仁の連れて来た共が「台所をお借りします」と頭を下げ、持参した物で料理を始めた。
その間に話を進める。
「で、話って?」
「この間...産土で話し合いがあった事は知っているか?」
「あぁ...鈴音がえらく機嫌が悪かった」
「内容は?」
「嫌...空也に会ってない」
「そうか」
仁は何処から話そうか...と思案した。
「結論から言えば、その時に血判書が出た。それに空也が署名しなかった。それが無いと由を探しに行けない」
「...由?」
「迷い人の召喚を止める提案が出た。女鬼も増えて来たと言うのが理由だが、鬼の力がこれ以上薄めると無くなると言う理由もある」
「それがなんで由を探しに行く事と繋がる?」
そこで共がお茶を運んで来たので一旦話が止まった。
「人間の召喚を止めても、今後迷い人が現れないと言う保証は無いと言うのが産土の考えだ。そこで、迷い人が現れた際は必ず産土に報告すると言う縛りが血判書だ」
「鬼族の危機を救っているのは人間だ。その人間が危険な目にあったり、売買される事の無いように重い処罰が付いている」
「処罰とは...?」
「4対1で攻め落とされるそうだ」
「なるほど...空也はそれに署名しなかったんだな」
「あぁ...」
慎之介は「なるほど」と頷く。
「それに伴い、帰って来て欲しい人間を5領の印を貰うと言う条件で探しに行ける事になった...が空也が署名を放棄した。話が先に進まなくて困って、此処に来たと言う訳だ」
「空也に署名する様に言えと言う事か?」
「頭ごなしにやっても、あいつの事だから素直に頷く事は無いだろうな...」
「そうだね~」
「それから、空也は産土にいた人間を1人黙って連れ去っている」
「.....」
「志帆と言う名前の女だそうだが」
だいたい匿っている場所は検討がついたが、慎之介は何も言わなかった。
「由が現れた桜の木を見に行きませんか?」
「由が...?」
「此処の裏の桜の木の所に現れました。こちらですよ。どうぞ...」
仁は慎之介の後を黙って付いて行った。
裏の土手を上がって行くと山際に山桜の木が1本あった。
「此処です」
仁はそんなに大きくない桜の木に手を当てて見上げた。
「子供は大きくなったでしょう?」
慎之介の方を振り向いた仁は美咲の事を思い出した。
「此処にも来たがって大泣きしてました。母がいないあの娘が不憫で...」
「名前はなんて言うんでしたっけ?」
「美咲です。由が名付けて去って行った」
「そうですか...美咲ちゃんにも会ってみたいですね」
「会いに来い!まだカタコトしか話さないが、面白いぞ」
2人はハハハと笑う。
「仁、空也はもうダメなのかもしれない...」
「慎之介...」
「火炎は今 荒れている。薬に人身売買、強姦、強盗...何でも有りだ」
「父の時代はそうじゃなかった。父は気が荒かったが皆から尊敬されていた。気の荒い火炎の鬼達を上手くまとめあげていた」
「空也も本当はそんな力があるんだ。だが、周りの期待が大き過ぎるのと期待に答えないと...と言う重圧が、今の空也の姿になってしまっているんだろう」
「空也も心が弱かったんだろうな」
「長男で大事に育てられていたからな」
そう言って慎之介が「俺達の待遇とは全然違ったよ」と言った。
「話は解かった。俺が何処まで出来るか解らないが、空也の身辺の様子を見て話が出来れば話してみる」
「厄介ごとを頼むな...すまん」
「嫌、由が...」
「由?」
「あぁ、由が子供の事を心配してるんじゃないかと思って」
「そうだな」
「以前、由にあちらの世界の面白い物を見せて貰った事があるんだ」
「面白い物?」
「色々な由の顔とか、家族とか犬とか友の顔がそこにはあった」
仁は少し嫉妬した。見せてもらった事が無かったからだ。正確にはバッテリー切れでスマホの電源が入らなかっただけなのだが。
「不安だろうに、笑って星を見上げて言ったんだ。四郎は怖い鬼かって」
「四郎?」
「由には四郎だって名乗っている」
「あぁ...」
「火炎に置きたく無かった」
「......」
「子を思う様な親の様な心境だったな。無事で居て欲しいって」
「.....」
「仁で良かった」
「仁、何かあった時は後押ししてくれるか?」
「慎之介、風来は火炎と同盟を結んでいる。何時でも力を貸すぞ」
そう言った後2人は部屋に戻った。
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志帆は朝から気だるくて手足が震えていた。
昨日、仁は出て行ったっきり帰って来なかった。1人で、しかも知らないところで放置された志帆は初めは怒っていたが、段々身体が薬を欲しがって来ると部屋中を荒し回って薬を探した。
「一錠も置いていかないなんて!!」
イライラしながら物に八つ当たりをしていたが、それも出来なくなり手足が震えて仕方がなくなった。
外から物音がして誰かが入って来た。
「空也?」
そう言って震える身体を起こすと、年配の女性が入って来た。
「大丈夫ですか?」
そう聞かれてカーっと来る。
「大丈夫な訳ないでしょ!!早く空也を呼びなさいよ!!」
志帆の剣幕に輝は自己紹介をする暇もなくただただ驚いた。
「ねぇ、薬持ってるんでしょ?それを頂戴」
怒鳴ったかと思ったら甘えるような言い方をする志帆に 輝はまた驚いたが、街で若者の間で流行っている丸薬なんだと直ぐに解った。
「薬は御座いませんが...」
「じゃあ、何処かから持ってきなさいよ!!」
そう言って輝を叩く。
「あんた、使用人でしょ!!早くして!!」
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