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「……まあ、いいか。とにかく正攻法じゃ無理だから、逆算して考えてみようかな。特別教室の方は結構まわったと思うんだよね。あとは何があるかな――。あ、そういえば、食堂にも暗号があったんだから、食堂をあらわす暗号がどこかにないといけないんだよね? ののはらい、と、食堂……? うーん……」
「……もしかして、『の』のはらいってことかな……?」
黙って聞いていた律が口を開いた。
「この校舎、形が数字の六とか九にも見えるから、教室の位置を文字とか記号であらわしたりするのが、一時期流行ってたらしいんだ」
「え? どんなふうに?」
校舎の地図を思い浮かべられない花音のために、律が地面に枯れ枝で線を引く。
「簡単に書くとこんな感じ。デジタル表記の数字に似てる。六の始まりとか、九の付け根とか、たぶん、そんな感じで教室をあらわしてた」
となりにもう一つ、数字の六を横にしたような線を引く。
「それで、この形を回転させるとこう。ひらがなの『の』にみたてることもできる」
花音の正面から見るとちょっといびつな「の」の字になる。「の」の輪になる部分には、花音が隠れていた図書室が位置しているという。
それで、肝心の「はらい」には何が来るかというと――。
「一階、二階、三階とあるけど、たぶん、一階の食堂だと思う。他の階だと、物置みたいな準備室だったり、普通の教室だったりするから」
「そっかあ。じゃあきっとそれだね! これで食堂と繋がって、次に示していた場所は――」
「「図書室!」」
二人の声がそろった。顔を見合わせて、小さく笑う。
「……もしかして、『の』のはらいってことかな……?」
黙って聞いていた律が口を開いた。
「この校舎、形が数字の六とか九にも見えるから、教室の位置を文字とか記号であらわしたりするのが、一時期流行ってたらしいんだ」
「え? どんなふうに?」
校舎の地図を思い浮かべられない花音のために、律が地面に枯れ枝で線を引く。
「簡単に書くとこんな感じ。デジタル表記の数字に似てる。六の始まりとか、九の付け根とか、たぶん、そんな感じで教室をあらわしてた」
となりにもう一つ、数字の六を横にしたような線を引く。
「それで、この形を回転させるとこう。ひらがなの『の』にみたてることもできる」
花音の正面から見るとちょっといびつな「の」の字になる。「の」の輪になる部分には、花音が隠れていた図書室が位置しているという。
それで、肝心の「はらい」には何が来るかというと――。
「一階、二階、三階とあるけど、たぶん、一階の食堂だと思う。他の階だと、物置みたいな準備室だったり、普通の教室だったりするから」
「そっかあ。じゃあきっとそれだね! これで食堂と繋がって、次に示していた場所は――」
「「図書室!」」
二人の声がそろった。顔を見合わせて、小さく笑う。
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