花にひとひら、迷い虫

カモノハシ

文字の大きさ
上 下
26 / 39

25.

しおりを挟む

 謎解きを始めてから、かなりの時間が経っていた。
 二人とも、そろそろ終わりだと信じていた。


 ――しかし、そう簡単にゴールさせてはもらえなかった。

 
 図書室には「特別展示室」という名の別室があり、そこには世界中の様々な本が集められていた。
 装丁が美しい本、仕掛けがある本、奇妙な形の本、これは本当に本なのかと疑うような趣向のものまで。花音が今まで見たことのないものばかりだった。
 
 図書室以降も暗号は続き、特別教室や各部室を、生徒や教師達の目を盗みながら巡った。
 
 
 そうして瞬く間に時間は過ぎて、気がつけば放課後になっていた。
しおりを挟む

処理中です...