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第三章 決闘
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烏有はぼんやりと窓の外に目を向けて、暮れゆく空をながめていた。遠くかすかに、人々のさわぐ声が流れてくる。窓と烏有の間には、寝台があった。そこに蕪雑が寝かされている。体中アザだらけの蕪雑に塗られた薬草の匂いが、鼻をツンと刺激する。それを意に介する様子もなく、烏有は虚空を見るように、焦点の合わぬ目で茜と藍に染まった空を、視界に入れていた。
「う……」
うめき声に、烏有は目の焦点を蕪雑に合わせた。まつ毛を震わせ、眉間にシワを寄せた蕪雑が、緩慢にまぶたを開く。
「蕪雑」
声をかければ、蕪雑は呆けたように息を吐き、眼球を左右に動かした。
「蕪雑」
烏有がふたたび呼ぶと、蕪雑の目が止まった。
「う、ゆう」
唇から音が漏れた。烏有はホッと顔をなごませ、蕪雑の目を覗きこむ。
「おはよう、蕪雑」
「んぁ。おはよう……なのか?」
「朝ではないけれど、眠っていて、目を覚ましたのだから、おはようと言ったんだよ」
「眠って――?」
「正確には、気絶をしていて、かな。意識を失う前のことは、覚えているかい」
「んん、う……寧え……痛っ、うううう」
身を起こした蕪雑が、顔をゆがめて息を呑んだ。
「とりあえず、水を飲むかい」
うなりながら、蕪雑がうなずく。烏有は老人をいたわるような仕草で、蕪雑の口元に水の入った杯を当てた。
「んっ……う、うっ」
蕪雑の口の端から、わずかに水がこぼれる。
「蕪雑」
「うう。口ん中、しみる」
顎に手を当てた蕪雑が、舌で口内を探り、渋面になる。
「傷の薬でも、舐めておくかい」
「余計に具合が悪くなりそうだから、遠慮しとくぜ」
顎をさすり、首を動かし、腕をそろそろと持ち上げた蕪雑が、鼻の頭にシワを寄せた。
「すっげぇ臭いだな」
「体中に薬を塗っているからね。横になっておいたほうが、いいんじゃないかい」
「いや、いい」
苦しそうにしながら、蕪雑は壁にもたれかかった。窓の外に目をやり、息を抜く。
「勝負は、どうなった」
「勝敗決さず、というところかな」
「ん?」
「ふたり同時に、気を失ったんだよ」
「……寧叡の腹に、拳を叩き込んだところまでは、覚えてんだよなぁ」
「寧叡の足が、蕪雑の顔を打ち据えたのを見たよ」
「ああ。どうりで」
蕪雑は片目をすがめて、頬をさすった。
「そんじゃあ、もっかい仕切り直しになんのか」
「どうだろう。もうすっかり、寧叡の部下たちは明江の皆と馴染んでしまったようだけれどね」
「どういうことだ」
「聞こえないかい」
烏有が耳に手を当てると、蕪雑も真似をし、耳をすませた。かすかに陽気な声が聞こえる。
「宴会してんのか」
「まったく、不思議だよね。ふたり同時に気を失ったと袁燕が宣言をしたら、誰も彼もが縄をくぐって、ふたりを担ぎ上げて大騒ぎさ」
「寧叡は」
「別の部屋で寝かされているよ。もしかしたら、もう目が覚めているかもね。彼の部下が面倒を見ているんだけど……。様子、見てこようか」
立ち上がりかけた烏有の手を、蕪雑が握る。
「いや、いらねぇ」
「でも、気になるんだろう?」
「こういう場合は、お互い動けるようになってから、顔を合わせるのがいいんだよ」
「そういうものなのか」
「そういうモンなんだ」
そうか、と烏有は座りなおした。
「なんか、腹ぁ減ったな」
「口の中にも傷があるんだろう。食べたら痛むんじゃないのかい」
「だよなぁ。あーあ」
ため息を吐いて、蕪雑がふくれる。
「不思議だな」
「ん?」
「あんな戦いを見せた男だとは、思えないよ」
「なんだそりゃ。俺がもっと弱いとでも、思っていたのか」
「そうじゃない。決闘を申し込むくらいだから、多少の勝算はあるのだろうとは思っていたけど……。なんというか、ああいうものを間近で、じっくりと見たのは、はじめてだったから」
「なんだよ。ケンカを見たことねぇのか」
「酔っ払った者同士が、殴り合うのを見たことはあるよ。けれど、なんというか、獣が全力でぶつかりあっているような、こう、身の毛がすべて逆立ってしまいそうなほど、緊張と興奮が伝わってくるものは、はじめてだよ」
「へえ」
蕪雑がうれしそうに、頬を持ち上げる。
「どうしたのさ」
「なんか、うれしくってよぉ」
「それは、見たらわかるよ。うれしがっている理由が、わからないんだ」
「烏有にも伝わったんだなってさ」
「僕に、伝わった?」
「本気のケンカって奴がよ」
烏有は目を瞬かせた。
「うまく言葉にできねぇっつったろ? それを、肌身で感じたわけだ」
「あれが……」
烏有は身の裡から、あの時の情動を呼び覚ます。ブルリと震えて、蕪雑を見た。蕪雑は心底うれしそうに、烏有を見ている。
「見ていた烏有に伝わったんだ。寧叡はきっと、目ぇ覚めたら負けたって言うだろうぜ」
「えっ」
「自分と部下のためによぉ。ずうっとわだかまってたモン、思いっきり俺にぶつけて、吐き出して、スッキリしただろうからな。もう、意地を張る必要もねぇってわけだ」
「……わからないな」
「うん?」
「さっぱり、わからないよ」
「伝わったって、言ったじゃねぇか」
烏有は首を振った。
「わけのわからない情動に突き動かされたのは、たしかだよ。だけど、僕は……」
烏有は苦しそうに下唇を噛み、視線を外した。
「烏有?」
「……当事者じゃない。部外者だ」
「どういう意味だよ」
「僕は、あんなことはできやしない。傍から見ていただけで、余波を感じただけで、本当の意味では伝わってもいないし、理解もできていないんだ」
「烏有」
蕪雑の無骨な手が、烏有の繊細な手の上に乗せられる。
「ちゃんと、熱いモンが伝わったんだろう? 湧き上がるモンを、感じたんだろう。言ったじゃねぇか。うまく説明できねぇんだって。肝にあるもんを、思いっきりぶつけるモンなんだって。感覚なんだよ。言葉じゃねぇんだ。それを、烏有も感じたんだろう」
烏有は硬く唇を引き結び、立ち上がった。
「口の中をケガしていても、食べられそうなものを持ってくるよ。皆に、蕪雑が目を覚ましたって、伝えたいしね。お酒も、平気かどうか医師に聞いてみようか。……すぐ、戻ってくるよ」
烏有は無理に笑顔を作って、蕪雑に背をむけた。
「なあ、烏有」
烏有の背を、蕪雑の声が追いかける。
「俺と烏有は、相棒だろう? 理屈じゃねぇんだ。心で感じたんなら、それで十分なんだよ。なあ――」
烏有は逃れるように、扉を閉めた。
「相棒、か」
扉にもたれて、目を閉じる。
「当初は、僕もそう思っていたんだけどね。……ずいぶんと、遠くなってしまった気がするよ」
目を開けた烏有の顔には、どんな感情も表れていなかった。
「う……」
うめき声に、烏有は目の焦点を蕪雑に合わせた。まつ毛を震わせ、眉間にシワを寄せた蕪雑が、緩慢にまぶたを開く。
「蕪雑」
声をかければ、蕪雑は呆けたように息を吐き、眼球を左右に動かした。
「蕪雑」
烏有がふたたび呼ぶと、蕪雑の目が止まった。
「う、ゆう」
唇から音が漏れた。烏有はホッと顔をなごませ、蕪雑の目を覗きこむ。
「おはよう、蕪雑」
「んぁ。おはよう……なのか?」
「朝ではないけれど、眠っていて、目を覚ましたのだから、おはようと言ったんだよ」
「眠って――?」
「正確には、気絶をしていて、かな。意識を失う前のことは、覚えているかい」
「んん、う……寧え……痛っ、うううう」
身を起こした蕪雑が、顔をゆがめて息を呑んだ。
「とりあえず、水を飲むかい」
うなりながら、蕪雑がうなずく。烏有は老人をいたわるような仕草で、蕪雑の口元に水の入った杯を当てた。
「んっ……う、うっ」
蕪雑の口の端から、わずかに水がこぼれる。
「蕪雑」
「うう。口ん中、しみる」
顎に手を当てた蕪雑が、舌で口内を探り、渋面になる。
「傷の薬でも、舐めておくかい」
「余計に具合が悪くなりそうだから、遠慮しとくぜ」
顎をさすり、首を動かし、腕をそろそろと持ち上げた蕪雑が、鼻の頭にシワを寄せた。
「すっげぇ臭いだな」
「体中に薬を塗っているからね。横になっておいたほうが、いいんじゃないかい」
「いや、いい」
苦しそうにしながら、蕪雑は壁にもたれかかった。窓の外に目をやり、息を抜く。
「勝負は、どうなった」
「勝敗決さず、というところかな」
「ん?」
「ふたり同時に、気を失ったんだよ」
「……寧叡の腹に、拳を叩き込んだところまでは、覚えてんだよなぁ」
「寧叡の足が、蕪雑の顔を打ち据えたのを見たよ」
「ああ。どうりで」
蕪雑は片目をすがめて、頬をさすった。
「そんじゃあ、もっかい仕切り直しになんのか」
「どうだろう。もうすっかり、寧叡の部下たちは明江の皆と馴染んでしまったようだけれどね」
「どういうことだ」
「聞こえないかい」
烏有が耳に手を当てると、蕪雑も真似をし、耳をすませた。かすかに陽気な声が聞こえる。
「宴会してんのか」
「まったく、不思議だよね。ふたり同時に気を失ったと袁燕が宣言をしたら、誰も彼もが縄をくぐって、ふたりを担ぎ上げて大騒ぎさ」
「寧叡は」
「別の部屋で寝かされているよ。もしかしたら、もう目が覚めているかもね。彼の部下が面倒を見ているんだけど……。様子、見てこようか」
立ち上がりかけた烏有の手を、蕪雑が握る。
「いや、いらねぇ」
「でも、気になるんだろう?」
「こういう場合は、お互い動けるようになってから、顔を合わせるのがいいんだよ」
「そういうものなのか」
「そういうモンなんだ」
そうか、と烏有は座りなおした。
「なんか、腹ぁ減ったな」
「口の中にも傷があるんだろう。食べたら痛むんじゃないのかい」
「だよなぁ。あーあ」
ため息を吐いて、蕪雑がふくれる。
「不思議だな」
「ん?」
「あんな戦いを見せた男だとは、思えないよ」
「なんだそりゃ。俺がもっと弱いとでも、思っていたのか」
「そうじゃない。決闘を申し込むくらいだから、多少の勝算はあるのだろうとは思っていたけど……。なんというか、ああいうものを間近で、じっくりと見たのは、はじめてだったから」
「なんだよ。ケンカを見たことねぇのか」
「酔っ払った者同士が、殴り合うのを見たことはあるよ。けれど、なんというか、獣が全力でぶつかりあっているような、こう、身の毛がすべて逆立ってしまいそうなほど、緊張と興奮が伝わってくるものは、はじめてだよ」
「へえ」
蕪雑がうれしそうに、頬を持ち上げる。
「どうしたのさ」
「なんか、うれしくってよぉ」
「それは、見たらわかるよ。うれしがっている理由が、わからないんだ」
「烏有にも伝わったんだなってさ」
「僕に、伝わった?」
「本気のケンカって奴がよ」
烏有は目を瞬かせた。
「うまく言葉にできねぇっつったろ? それを、肌身で感じたわけだ」
「あれが……」
烏有は身の裡から、あの時の情動を呼び覚ます。ブルリと震えて、蕪雑を見た。蕪雑は心底うれしそうに、烏有を見ている。
「見ていた烏有に伝わったんだ。寧叡はきっと、目ぇ覚めたら負けたって言うだろうぜ」
「えっ」
「自分と部下のためによぉ。ずうっとわだかまってたモン、思いっきり俺にぶつけて、吐き出して、スッキリしただろうからな。もう、意地を張る必要もねぇってわけだ」
「……わからないな」
「うん?」
「さっぱり、わからないよ」
「伝わったって、言ったじゃねぇか」
烏有は首を振った。
「わけのわからない情動に突き動かされたのは、たしかだよ。だけど、僕は……」
烏有は苦しそうに下唇を噛み、視線を外した。
「烏有?」
「……当事者じゃない。部外者だ」
「どういう意味だよ」
「僕は、あんなことはできやしない。傍から見ていただけで、余波を感じただけで、本当の意味では伝わってもいないし、理解もできていないんだ」
「烏有」
蕪雑の無骨な手が、烏有の繊細な手の上に乗せられる。
「ちゃんと、熱いモンが伝わったんだろう? 湧き上がるモンを、感じたんだろう。言ったじゃねぇか。うまく説明できねぇんだって。肝にあるもんを、思いっきりぶつけるモンなんだって。感覚なんだよ。言葉じゃねぇんだ。それを、烏有も感じたんだろう」
烏有は硬く唇を引き結び、立ち上がった。
「口の中をケガしていても、食べられそうなものを持ってくるよ。皆に、蕪雑が目を覚ましたって、伝えたいしね。お酒も、平気かどうか医師に聞いてみようか。……すぐ、戻ってくるよ」
烏有は無理に笑顔を作って、蕪雑に背をむけた。
「なあ、烏有」
烏有の背を、蕪雑の声が追いかける。
「俺と烏有は、相棒だろう? 理屈じゃねぇんだ。心で感じたんなら、それで十分なんだよ。なあ――」
烏有は逃れるように、扉を閉めた。
「相棒、か」
扉にもたれて、目を閉じる。
「当初は、僕もそう思っていたんだけどね。……ずいぶんと、遠くなってしまった気がするよ」
目を開けた烏有の顔には、どんな感情も表れていなかった。
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