凪の潮騒

水戸けい

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「伊佐に触れれば、あっという間にこんなふうになっちまうのは…………アンタが俺の心を、どうしようもなく震えさせるからだ。わかるか、伊佐」

 つん、と濡れはじめた入口をつつかれて、ひくんと腰がわななく。

「は、ぁ…………幸正」

 たくましい幸正の胸を撫で、心臓の上へと唇を寄せる。そうして腕を背に回せば、髪を撫でられ口づけられた。

「伊佐――少し、濡れてるな」

「っ、あ」

 幸正の力強い熱が、私のやわらかな入口をつつき、先端で擦り始めた。擦られるたびに内側から蜜があふれ、悦びを示すのに気恥ずかしくなる。肩に額をすり寄せて顔を隠せば、あやすように胸を揉まれた。

「ふ、んぁ……あっ、ぁ」

 うわずった声が漏れる。体の奥がじんとしびれて、入り口を撫でるその切っ先で、奥まで貫いてほしくなった。

「ぁ、幸正……」

 懇願を音に乗せて名を呼べば、濡れた瞳の幸正が頬を寄せてくる。耳にかかる息が熱く、心までも幸正を高ぶらせているのだと感じた。

「――伊佐」

「は、ぁあ、幸正」

 切っ先が、少し深く入り込んで入口の手前にある小さな突起をつつきはじめる。魚がえさをつつくように、小刻みに軽くつついてくる幸正の先端が濡れている気がするのは、気のせいだろうか。

「も、ぁあ……幸正」

 足を広げ、幸正を求める。このままが続けば、気が狂ってしまう。幸正が欲しくて、体の奥が切なくて、愛おしさがあふれてくるのを埋めてほしくて、求めた。

「幸正……もう、ぁあ――ねぇ、幸正…………」

 あえぎながら名を呼べば、唇をふさがれる。

「俺も……限界だ」

 眉根を寄せて唇を持ち上げた幸正が、ゆっくりと私の中に沈んできた。

「ぁ――は、ぁあ、ふ、ぁ……」

 体の隅々まで、甘い疼きと共に悦びが行き渡り満ち溢れる。求める相手は自分の中に沈みきったというのに、私は蜜を溢れさせ続けていた。そこを、ゆっくりと、ほぐすように幸正の熱が弧を描くように擦り、私の顔に痛みや苦しさが無いかを確かめた。
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