召喚カード無双

エイリス

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6.初戦闘になりませんでした

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「誰か!誰かいないか!!」
ん?入り口の方から声が聞こえる。あ、受付のお姉さんが、わたしと一緒に来てしまってる。
受付に誰もいないんじゃない?

「は、はーい。今行きます」
受付のお姉さんが走って戻る。


「きゃあああああああああ」
「な、なに?」
受付のお姉さんの悲鳴に驚いて、慌てて後を追いかける。

ドアを開けると、真っ赤な床が見えた。

真っ赤?

血!!

「な、なにがあったの!」
「見た事ない魔物に襲われた、回復薬か、治療できるやつを頼む!」
リタさんの質問に、血を流している男の人が答える。
受付のお姉さんは、震えてしゃがみ込んでいる。

5人中2人が、重症。爪で引き裂かれたような跡がある。

残り3人も、怪我をしている。

「回復薬は!」
リタさんが、受付のお姉さんに質問する。
駄目・・間に合わない

「ヒール!」「ヒール!」
重症な2人に近付き両手で、それぞれヒールを発動する。

「「ダブル・スペル?!」」

範囲回復系の魔法が欲しいかも。レベルが上がれば手に入るかな?

「よし。次!ヒール!ヒール!」
重症だった2人の傷が塞がり、呼吸が安定したので次の2人にヒールを発動する。
ひゃ。腕が取れそう・・この人も重症じゃん!

「最後の1人にヒール!」
傷から見て結構大きい魔物かな?ソロは危ないかも。

「ふう。おしまい」
5人とも回復したので、ほっと一息。

「どうした!なんの騒ぎだ!」
エレベータでギルドマスターが下りてきたみたい。

「マスター!見た事ない飛行系の魔物がでました!」
「なに!怪我人は?現場はどうなっている?回復薬と治療師を集めろ!」

最後に回復した男の人がギルドマスターに叫ぶと、床の血を見たギルドマスターは慌て指示を出す。

「連れてこれた怪我人は、このお嬢さんに直して貰った!まだ戦ってるメンバーがいる!怪我人も出てる!」
「は?お嬢さん??・・ってミズキちゃん?」
わたしに視線を向けたギルドマスターが怪訝な顔をする。
まだ戦闘中なの?!わたしは、慌てて外に飛び出す。

「ま、待って!ミズキちゃん!」
リタさんの声が聞こえるけど、構ってられないよ。助けられる力があるのに見捨てるとかないから!
炎が見えるって事は、あっちの方角だね。

炎を頼りに現場に辿り着く。
ここは、、、わたしが町に入ってきた入口!
外を睨んでいた門番さんがわたしに気付く。
「ちょ、お嬢ちゃん。ここは危ないから、避難して!早く!」

「駄目!回復薬で治らない!」
「ヒールでも駄目だ。毒持ちだぞ。」

グギャアアアアアアアアア

悲鳴や怒声が響く中、魔物の声が聞こえた。
どこ?上!

「何あれ!キモい!」
「はぁ。はぁ。はやいな。ミズキちゃん。あれは、アデッド・ドラゴン。なんであんな魔物が」
追いかけてきたらしいギルドマスターが肩で息しながら、魔物の名前を教えてくれる。
ドラゴン?

空飛ぶヘドロって感じ、気持ち悪い。ドロっとしたのが飛んでる。変なのが落ちてくるし。
回復魔法を使ってる時に落ちてきたら最悪だよ。

「あれに触れるなよ!毒だ!」
うん。ヘドロだし。間違いないと思う。冒険者ギルドに来た人はヘドロついてなかったよ?

「くそ。戦闘モードになってやがる。しかも町に入ろうとしてるな。なんでだ?」
どうやら戦闘モードになるとヘドロがでるっぽい。

「人間を襲いに来たんじゃないの?」
「アデッド・ドラゴンは、好戦的な種族じゃない。先に攻撃を仕掛けたか?」
「いえ、突然飛んできて襲ってきました。、町に入ろうとした冒険者が自分を守って・・すみません。」
ギルドマスターの言葉に、門番さんが謝る。

「いや。大丈夫だ。誰も死んでいない。しかし、どうするか」
わたしが、治したからね!
ドラゴンはコスト不足で我慢してるのに、最初に見たドラゴンがキモイドラゴンって最悪だね。

カードを一枚だし掲げる。
「ん?なんだ?それは?」
ギルドマスターが、怪訝な表情でわたしに視線を向ける。

「天誅です!装備:竜を狩る槍!」
カードが、なんの変哲もない槍に変わる。

装備:竜を狩る槍 コスト3
効果:種族名:ドラゴンを一撃で葬る。

「な、なんだ?それは?カードが槍になった?!」

グギャアアアアアアアアア????!!!!

槍の効果に気付いたのか、キモイヘドロが悲鳴を上げて逃げようとする。
ドラゴン特攻の槍です。大ダメージ間違いなし!

「えい!」
構えも何もない。槍を思いっきり投げる。

パシュン

パン!

あれ?

ズシャアアアアア

おや?投げたけど、駄目っぽいかなって思ったら、槍がオートで飛んで行った。
見事にヘドロの頭に命中。一撃必殺・・・

パシッ

あ、槍が帰ってきた・・・

「「「「「「・・・・・・・・・・・・・はあ??」」」」」」

槍をカードに戻して、怪我人の元へ駆けていく。

「ヒール!」
「あ、毒でヒールは効果が・・え?」
ヒールを使ってた人が、わたしに声を掛けてくるけど目が点になってる。

あれ?ヒールって、状態異常治せるよね?

「なにが、え?本当に何があったの?え?ギルマス?」
「すまん。俺も頭が混乱してる。ちょっと落ち着く。待ってくれ」

リタさんが、落ちたヘドロの方に視線を向けたままギルドマスターに質問している。

その間、重症そうな人からヒールを使っていく。




「あーっと。なんだ。話がしたいのでギルドに来てもらって良いか?」
一通り回復が終わった後、ギルドマスターから話かけられる。

「あ、はい。大丈夫です。」
色んな人の視線を集めているけど、スルーします。気にしません。気にしたら負けです。


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