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第十三糞
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今年もやってきた。
鰤高祭。
昨年は合唱でオリジナル曲を披露した三組の生徒たちだが、今年は模擬店を行うことになっている。
「という訳で、模擬店は『ソフトクリーム屋』で決まりです」
和人が宣言した。因みに今年の実行委員も去年と同じく、和人と山本が務めることになった。黒板に書かれた候補のうち、「ソフトクリーム」と書かれた箇所を枠で囲う山本。
「次に、衣装ですが……岡本さんが裁縫が得意だと聞きました。任せてもいいですか?」
「いいわよ。何人か手伝ってもらうけど」
「では、それでお願いします。看板や装飾などはみんなで作りましょう」
滞りなく進んだ鰤高祭の企画。だが、このとき、まさか鰤高祭であんな事件が起きるとは誰も思っていなかった。
鰤高祭当日。
「よし、何とか間に合ったな」
和人が腰に手を当てて言った。
「衣装の方も大丈夫みたいだね」
「ああ、山本もご苦労だった」
「実行委員だしね」
衣装はぽっちゃりブスの岡本を中心に制作された。男性用と女性用のエプロン風の衣装が何着か並んでいる。裁縫が得意とだけあって出来映えは良好だ。
衣装を眺めていると、岡本が近寄ってきた。
「どう? こんな感じで良かったかしら」
「ああ。さすがだ。ありがとう、ブス」
「どういたしまして。あとで殺すからね」
掃除が完了し、準備が整ったところで開店となった。
「いらっしゃいませー鰤便ソフトクリームはいかがですか? バニラにチョコ、イチゴ味がありますよー」
「『喫茶便便』、おいしいソフトクリーム売ってまーす」
今回のソフトクリームは、専用の機械を借りて作っている。コンビニにあるみたいなアレだ。
「みんな、かわいいなー」
泰平がそう漏らした。
「確かに」
和人も納得する。そして、それは客の数にも影響を与えていた。
「盛況みたいね」
聡美が近寄ってきた。
「ああ、模擬店部門の一位はもらったかもしれないな」
皆、期待に尻の穴を大きくふくらませた。
「客足、減ってねぇか?」
「そうだな……何でだ?」
午前中は溢れるほどの人が来ていたが、今はまばらだ。
「あれだけ人が来たんだから上位は確実だろうが一位は厳しいかもしれないな」
「上位はうちと一組のケーキ屋っぽいな」
「た、大変だ!」
「どうした藤田」
パリピの藤田が息を切らせて駆け寄ってきた。
「今、そこで聞いてきたんだが……どうやら、うちらの売ってるチョコ味のソフトクリームには大便が混ざってるっていうデマが流れているらしい!」
「「何だと!?」」
和人と泰平はいきり立った。
「どこのどいつだ、そんなデマを流したやつは!」
「ああ、和人の憤りは分かるぜ! 大便の臭いなんてこれっぽっちも感じない清廉な喫茶なんだからな!」
「ああ、これっぽっちも便の臭いなんてしない!」
「許せねぇ……」
憤りは収まらない。と、そこへ昨年の花火大会で泰平をふった岩崎が現れた。
「デマを流した犯人、知ってるわよ」
「何だって!? それは本当か?」
「ええ、たまたま聞いちゃったの」
「犯人は誰なんだ?」
「一組の海野くん。模擬店の一位狙うためにデマを流したんだって」
「聞いたか、泰平」
「ああ、聞いた」
「報復するぞ」
「ああ」
二人は怒りで尻の穴を大きくふくらませた。。
とある男子便所の個室にて。
「なぁ、海野」
「な、何だよ!」
「お前、デマ流したんだってな?」
「な、何の話だ!」
そこにいるのは一組の海野と和人と泰平の三人。
「とぼけるなっ! うんこみたいな名前しやがって!」
和人が大声で海野を威嚇した。
「ひぃっ」
「じゃあ、質問をする。正直に答えろ」
「わ、分かったよ!」
「まず一つ目。あなたの好きなプレイは?」
「デ○○責め」
「デ○モンといえば?」
「02」
「ですが、そのあとに作られた作品は?」
「テ○マーズ」
「そばにいるね」
「青山テ○マ」
「あなたが流したのは?」
「デマ」
「泰平、黒だ」
「ちょっとまて! 何で俺の性癖知ってんだよ!」
「問答無用! 泰平アレを出せ!」
「分かった」
「ちょ、アレって何だよアレって!」
泰平がゆっくりと取り出したものは。
「チョコレートケーキ?」
「やれ」
泰平は海野に迫った。
「あ、やめろ! おい! やめっ……アーッ!」
「うっわぁ……」
「何アレきっもぉ……」
廊下を通り過ぎる他校の生徒はどん引きした。見つかるか見つからないかの絶妙な所に写真が貼ってあったのだ。一人の男子生徒がチョコレートケーキを尻の下に置いてピースしている写真。もちろん、尻は丸出しだ。温情か、顔にはモザイクがかかっている。そして、そこにはこう書かれていた。
“おいしいチョコレートケーキ、脱糞中!
尻の穴をふくらませて待ってます!”
そして、人気投票による結果発表。
「模擬店部門、第一位は……四組のBLIカフェです!」
まさかの、敗北。
和人たちは、二つのクラスで減った分の客が他のクラスへ流れることを考慮していなかったのだ。
こうして、血で血を……いや、大便で大便を洗う不毛な争いは終わった。
「ところでさぁ、結局、あの写真って誰だったの?」
「私もよく知らないけどうんこみたいな名前の人らしいよ」
「マジ?」
「マジマジ、よく知らないけど」
鰤高祭。
昨年は合唱でオリジナル曲を披露した三組の生徒たちだが、今年は模擬店を行うことになっている。
「という訳で、模擬店は『ソフトクリーム屋』で決まりです」
和人が宣言した。因みに今年の実行委員も去年と同じく、和人と山本が務めることになった。黒板に書かれた候補のうち、「ソフトクリーム」と書かれた箇所を枠で囲う山本。
「次に、衣装ですが……岡本さんが裁縫が得意だと聞きました。任せてもいいですか?」
「いいわよ。何人か手伝ってもらうけど」
「では、それでお願いします。看板や装飾などはみんなで作りましょう」
滞りなく進んだ鰤高祭の企画。だが、このとき、まさか鰤高祭であんな事件が起きるとは誰も思っていなかった。
鰤高祭当日。
「よし、何とか間に合ったな」
和人が腰に手を当てて言った。
「衣装の方も大丈夫みたいだね」
「ああ、山本もご苦労だった」
「実行委員だしね」
衣装はぽっちゃりブスの岡本を中心に制作された。男性用と女性用のエプロン風の衣装が何着か並んでいる。裁縫が得意とだけあって出来映えは良好だ。
衣装を眺めていると、岡本が近寄ってきた。
「どう? こんな感じで良かったかしら」
「ああ。さすがだ。ありがとう、ブス」
「どういたしまして。あとで殺すからね」
掃除が完了し、準備が整ったところで開店となった。
「いらっしゃいませー鰤便ソフトクリームはいかがですか? バニラにチョコ、イチゴ味がありますよー」
「『喫茶便便』、おいしいソフトクリーム売ってまーす」
今回のソフトクリームは、専用の機械を借りて作っている。コンビニにあるみたいなアレだ。
「みんな、かわいいなー」
泰平がそう漏らした。
「確かに」
和人も納得する。そして、それは客の数にも影響を与えていた。
「盛況みたいね」
聡美が近寄ってきた。
「ああ、模擬店部門の一位はもらったかもしれないな」
皆、期待に尻の穴を大きくふくらませた。
「客足、減ってねぇか?」
「そうだな……何でだ?」
午前中は溢れるほどの人が来ていたが、今はまばらだ。
「あれだけ人が来たんだから上位は確実だろうが一位は厳しいかもしれないな」
「上位はうちと一組のケーキ屋っぽいな」
「た、大変だ!」
「どうした藤田」
パリピの藤田が息を切らせて駆け寄ってきた。
「今、そこで聞いてきたんだが……どうやら、うちらの売ってるチョコ味のソフトクリームには大便が混ざってるっていうデマが流れているらしい!」
「「何だと!?」」
和人と泰平はいきり立った。
「どこのどいつだ、そんなデマを流したやつは!」
「ああ、和人の憤りは分かるぜ! 大便の臭いなんてこれっぽっちも感じない清廉な喫茶なんだからな!」
「ああ、これっぽっちも便の臭いなんてしない!」
「許せねぇ……」
憤りは収まらない。と、そこへ昨年の花火大会で泰平をふった岩崎が現れた。
「デマを流した犯人、知ってるわよ」
「何だって!? それは本当か?」
「ええ、たまたま聞いちゃったの」
「犯人は誰なんだ?」
「一組の海野くん。模擬店の一位狙うためにデマを流したんだって」
「聞いたか、泰平」
「ああ、聞いた」
「報復するぞ」
「ああ」
二人は怒りで尻の穴を大きくふくらませた。。
とある男子便所の個室にて。
「なぁ、海野」
「な、何だよ!」
「お前、デマ流したんだってな?」
「な、何の話だ!」
そこにいるのは一組の海野と和人と泰平の三人。
「とぼけるなっ! うんこみたいな名前しやがって!」
和人が大声で海野を威嚇した。
「ひぃっ」
「じゃあ、質問をする。正直に答えろ」
「わ、分かったよ!」
「まず一つ目。あなたの好きなプレイは?」
「デ○○責め」
「デ○モンといえば?」
「02」
「ですが、そのあとに作られた作品は?」
「テ○マーズ」
「そばにいるね」
「青山テ○マ」
「あなたが流したのは?」
「デマ」
「泰平、黒だ」
「ちょっとまて! 何で俺の性癖知ってんだよ!」
「問答無用! 泰平アレを出せ!」
「分かった」
「ちょ、アレって何だよアレって!」
泰平がゆっくりと取り出したものは。
「チョコレートケーキ?」
「やれ」
泰平は海野に迫った。
「あ、やめろ! おい! やめっ……アーッ!」
「うっわぁ……」
「何アレきっもぉ……」
廊下を通り過ぎる他校の生徒はどん引きした。見つかるか見つからないかの絶妙な所に写真が貼ってあったのだ。一人の男子生徒がチョコレートケーキを尻の下に置いてピースしている写真。もちろん、尻は丸出しだ。温情か、顔にはモザイクがかかっている。そして、そこにはこう書かれていた。
“おいしいチョコレートケーキ、脱糞中!
尻の穴をふくらませて待ってます!”
そして、人気投票による結果発表。
「模擬店部門、第一位は……四組のBLIカフェです!」
まさかの、敗北。
和人たちは、二つのクラスで減った分の客が他のクラスへ流れることを考慮していなかったのだ。
こうして、血で血を……いや、大便で大便を洗う不毛な争いは終わった。
「ところでさぁ、結局、あの写真って誰だったの?」
「私もよく知らないけどうんこみたいな名前の人らしいよ」
「マジ?」
「マジマジ、よく知らないけど」
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