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朝霧は水中から水面へと顔をだすように、深い眠りから目を覚ました。
背中がぽかぽかと温かい。
後ろを振り返ると、夏川が自分を抱きしめていた。
驚いて、身じろぎすると、夏川がゆっくりとまぶたを開けた。
八重歯の見える笑みを夏川が浮かべる。
「おはよう」
「もう……帰ったかと思った」
「何で? 帝を残して帰ったりしないでしょ」
夏川は立ち上がると、ボクサーパンツ一枚の姿で大きく伸びをした。
朝霧は布団の中を恐々伺うと、自分が全裸だと気付いた。
ただその肌はさらりと乾いていて、眠っている間に夏川が綺麗にしてくれたことを知った。
まめな奴なんだな。
朝霧が夏川をじっと見つめると、目が合い慌てて逸らした。
「今、何時? 」
朝霧の問いに、夏川は机上のスマホを手に取った。
「13時」
「嘘だろ。ごめん」
まだ午前中だと思っていた朝霧は飛び起きようとしたが、腰に痛みが走り、ベッドの上で悶絶した。
「受付に頼んで宿泊にしておいたから、16時までに出れば大丈夫だよ。コンビニでサンドイッチを買ってきたんだけど、良かったら食べない? 」
夏川がビニール袋を持ち上げる。
「さっき外にでた時、また雨が降り出していた」
確かに入口には濡れたビニール傘がたてかけられ、室内は天気のせいかどことなく薄暗かった。
朝霧は夏川に手渡されたサンドイッチを礼を言って受け取ると、齧った。
一口食べると、いかに自分が空腹だったか気付き、今度は大きく一口齧る。
途端、朝霧は咳こんだ。
すぐに夏川がストローを差した紙パックの牛乳を、朝霧の口元に寄せてくる。
「ありがとう」
朝霧はそれを受け取ろうとしたが、夏川は首を振り、紙パックから手を離さない。
しかたなく朝霧がそのまま飲むと、夏川は何が嬉しいのか満面の笑みを浮かべた。
夏川に見守られながら、朝霧は牛乳を飲んだ。
背中がぽかぽかと温かい。
後ろを振り返ると、夏川が自分を抱きしめていた。
驚いて、身じろぎすると、夏川がゆっくりとまぶたを開けた。
八重歯の見える笑みを夏川が浮かべる。
「おはよう」
「もう……帰ったかと思った」
「何で? 帝を残して帰ったりしないでしょ」
夏川は立ち上がると、ボクサーパンツ一枚の姿で大きく伸びをした。
朝霧は布団の中を恐々伺うと、自分が全裸だと気付いた。
ただその肌はさらりと乾いていて、眠っている間に夏川が綺麗にしてくれたことを知った。
まめな奴なんだな。
朝霧が夏川をじっと見つめると、目が合い慌てて逸らした。
「今、何時? 」
朝霧の問いに、夏川は机上のスマホを手に取った。
「13時」
「嘘だろ。ごめん」
まだ午前中だと思っていた朝霧は飛び起きようとしたが、腰に痛みが走り、ベッドの上で悶絶した。
「受付に頼んで宿泊にしておいたから、16時までに出れば大丈夫だよ。コンビニでサンドイッチを買ってきたんだけど、良かったら食べない? 」
夏川がビニール袋を持ち上げる。
「さっき外にでた時、また雨が降り出していた」
確かに入口には濡れたビニール傘がたてかけられ、室内は天気のせいかどことなく薄暗かった。
朝霧は夏川に手渡されたサンドイッチを礼を言って受け取ると、齧った。
一口食べると、いかに自分が空腹だったか気付き、今度は大きく一口齧る。
途端、朝霧は咳こんだ。
すぐに夏川がストローを差した紙パックの牛乳を、朝霧の口元に寄せてくる。
「ありがとう」
朝霧はそれを受け取ろうとしたが、夏川は首を振り、紙パックから手を離さない。
しかたなく朝霧がそのまま飲むと、夏川は何が嬉しいのか満面の笑みを浮かべた。
夏川に見守られながら、朝霧は牛乳を飲んだ。
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