ココに入ったらタダのケダモノ

まめ太郎

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「だからいいって。それよりたくさん食べて、もう少し肉付けなよ。帝の体、華奢すぎて、抱いていて壊しそうで怖い」
 夏川とセフレになって週末だけだが、朝霧はよく眠れるようになったし、食事もなるべく野菜をとるように気をつけるようになった。 
 少しは体重も増加したのだが、まだまだ朝霧は痩せていた。

「じゃあ午後は先週見ていた映画の続きでも見ようか。帝、途中で寝ちゃったもんね」
「本当にごめん」
「いいよ。誰の傍でも眠れなかった帝が、俺の傍でだけ眠れるって、ちょっとした優越感だし」
 夏川は微笑んで言うと、食器を片付け始めた。

「皿洗いは俺がするよ」
 立ち上がった朝霧を夏川が制する。
「いいから。帝はソファに座ってて」
 これもいつものことで、朝霧は夏川にソファに追いたてられてしまう。

 ソファで座って待っていると、夏川が手を拭きながらやって来て、朝霧の肩を抱いた。
「どうせだから最初から見ようか」
 夏川がテレビのリモコンを操作する。

「本当は外出したいんじゃないのか? 」
 朝霧の問いに、夏川が目を見開く。
「何で? 帝、どっか行きたいところでもあるの? 」
「いや……でもリョウはキャンプとかアウトドアが好きだって言ってたじゃないか。それなのに、毎週末俺とこうやって家で過ごして」
 まるで言葉を封じるみたいに、夏川が朝霧に口づける。

「俺、キャンプとかももちろん好きだけど、家でこうやってまったりするのも好きだよ。それにほら、そういうのは別の奴と行くから気にしないで」
 映画が始まり、夏川が長い指で朝霧の真っ白なうなじを撫でる。
 散々眠ったのに、その感触が心地よくて、朝霧の瞼が再び重くなってくる。
 キャンプは別の奴と行くと言った夏川の言葉にもやつきを覚えながら、朝霧は眠りに落ちていった。
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